杏子の映画生活

新作映画からTV放送まで、記憶の引き出しへようこそ☆ネタバレ注意。趣旨に合ったTB可、コメント不可。

アメリカンギャングスター

2008年02月06日 | 映画(劇場鑑賞・新作、試写会)
2008年2月1日公開 アメリカ 157分

1968年、フランク・ルーカス(デンゼル・ワシントン)は長年仕えたハーレムの黒人ギャングのボス・バンピーの死後、独自に麻薬ルートを開拓し、大物マフィアをも出し抜く成功を手にする。目立たないことを信条にする彼の素顔はベールに包まれたままだった。一方、汚職がはびこる警察組織にあって、刑事リッチー・ロバーツ(ラッセル・クロウ)はその正義感故に鼻つまみ者として干されていた。だが新設された麻薬捜査チームのリーダーに任命されたことで、二人の運命が大きく動き出す・・。

観客はレディースデーなのに男性が多いのが特徴的。

実話を基にした話だそうだが、うーーーん・・・特別にスリリングだとか起伏に富んでいるわけではなく、どちらかというと淡々とした展開で、クライマックスの二人の対決シーンも物足りなさが残った。エンドロール後のアレはどういう意味のサービスショット?

冒頭バンピーが仲介業者を排除したスーパー的経営を嘆くセリフがあるけれど、彼の死後、フランクが取ったのはまさに仲介を省き、直接製造元と取引をすることによって、安く売るという麻薬の流通システムを作り上げることだった。

ベトナム戦争で兵士の間に麻薬が蔓延している事実にヒントを得て、自ら東南アジアのジャングルに赴き、製造元から直接買い付け、軍幹部を抱きこんで、軍用機に載せて密輸をするという大胆な手口と、純度の高いものを安く売るスタイルで瞬く間にギャングスターの地位に登りつめるフランク。そのビジネス感覚を他に活かせば良いのに・・。

彼はまた、イタリアンマフィアに倣って、自分の家族を組織に引き込み、麻薬売買の拠点・幹部に仕立てる。ギャングの世界も白人の地位が高いようだが、フランクは彼らとの抗争は避けて、自身も目立たぬように振舞うことで無用な敵を作らない慎重さを持っている。腐敗した汚職刑捜査官に対しても同様だ。このへんの生ぬるさは、後の総逮捕でだいぶ溜飲が下がるけれど・・。

一方で、犯罪への正義感は強いけれど、女癖が悪く、家庭的な夫でもないリッチーの描かれ方がやや弱い気が・・・。クライマックスまではどちらかというとフランクの方に目がいってしまう。ラッセル・クロウはこういう女優との絡みがお好き?

犯罪者フランクを正義の捜査官リッチーが追い詰める図というよりは、両者の中にある長所と欠点を見せられた上で、尚且つ、麻薬犯罪を暴いてみせる=正義は勝つという印象だ。

で、二人の対決シーンだが・・司法取引ってヤツでしょうか?
罪の軽減のために、が前提としてあっても、「悪いヤツ」検挙に率先して強力してるフランクの姿はギャングじゃなかったな。

フランクが売りさばいていた麻薬「ブルーマジック」の名前の由来は麻薬の純度を測る薬品で青く染まる(=高純度)ことから来ているようです。

デンゼルって悪人に見えないんだよね

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