細田暁の日々の思い

土木工学の研究者・大学教員のブログです。

不機嫌な世の中

2015-06-11 09:14:48 | 人生論

山口県の品質確保システムの全国への展開がじわじわと進んでいます。6月5日には岐阜で講習会がありました。岐阜大学の名誉教授の小柳先生も出席され、二宮さんと私の講演をお聴きになりましたが、とても褒めていただきました。

二宮さんは、コンクリート構造物のひび割れにより「不機嫌な現場」であった、と説明されます。これが「協働」の関係になっていくことが本質の一つなのですが、私の講演では初めて、「不機嫌な世の中」というキーワードを使いました。

とにかく今の日本は、「不機嫌な世の中」に思えます。皆がお互いの悪いところばかりを突いて、足を引っ張り合う。満員電車の中も皆不機嫌そうです。

成長しない世の中は苦しいです。この方向性は仕方がない、と大多数の日本人が諦観していることが問題の根幹でもあるのですが、本当はこの地獄のような状況から改善していくための具体的な方策はあります。心ある有識者の方々がきちんと提示されています。

山口システムが東北に展開され、進化・深化していく過程で、私はコンクリートという間口の広い、懐の広い、教示的な材料を通じて「不機嫌な世の中」を楽しい、協働的な、創造的な世の中にしていくことが可能である、と思うようになりました。もちろん人財が育成され、おそらくそれが最大の目的です。

5月30日に鞆の浦で出会った茶谷 仁さんは素敵なおじちゃんでした。不機嫌な世の中、とは真逆の、熱い、楽しい、優しいおじちゃんでした。私のこともとても気に入っていただき、夜は一緒にホテルのお風呂にも入りました。

楽しいところにはみんなが集まってきます。

来週の後半は、18日~21日まで東北の現場調査等ですが、私もたくさんの現場に呼んでいただけるようで、予定がびっしりです。種まきをしてきた東北の品質確保がいよいよ大本格的な展開に至っており、ここからが勝負、です。この一連の展開における私のこれからの役割は何なのか、大きな流れに身を任せつつも、私の持前を活かせるよう。毎回の機会に真剣に取り組みたいと思います。

茶谷さんに手紙を書く、と約束していたので、今日、書こう。次に鞆でお会いできるのが楽しみです。