細田暁の日々の思い

土木工学の研究者・大学教員のブログです。

全体のPDCA

2015-04-23 09:55:37 | 研究のこと

4月22日(水)は一日、三陸の現場にいました。午前は、宮古の北にある小本の橋梁およびトンネルの現場。午後は、釜石にあるトンネルの現場。

小本では橋梁もトンネルもコンクリートが打込まれており、また、すでに出来上がった橋脚やトンネル覆工の出来栄えについても見させていただき、大変に勉強になりました。改めて品質の調査に来ることになりました。

午後の釜石のトンネルでも、様々な試行がなされており、トンネル覆工コンクリートのひび割れや品質、について私も現場研究に関与することになりました。

前日の21日(火)は小本の近くで現場の方々と懇親会をしました。現場の技術者のある方が、以下のようなことを言われました。

「一つの現場の中でPDCAが実施され、品質が向上していくこともよいのだけれど、企業の中や、業界全体でPDCAが行われて向上していくといいですよね。」

まさにその通りで、少しずつですが、そのような機運になってきているように感じます。私も以前からそのようになるとよいな、と心から希望していましたが、現場の技術者からもそのような言葉が本音として出てくるようになったことに感銘を受けました。大変にうれしく、おいしい日本酒もいただきましたが、翌朝、目覚めたときに力が湧いてきました。

施工者の業界の中でそのような雰囲気になっていくことも望ましいですが、やはり本当に良い雰囲気になっていくためには、発注者がそのような方向に向かう必要があります。そうなるために、私たち学の役割は決して小さくないことを改めてかみしめました。

高品質の構造物を制約条件の中で技術者たちが追い求めること。本来、当たり前の姿なのでしょうが、実際の現場でそのような技術者たちの真摯で苦労しながらも楽しそうな様子を見ると、まだまだ日本も可能性がある、と勇気が湧いてきました。

充実した三陸出張でした。