行雲流水

阿島征夫、一生活者として、自由に現代の世相を評す。時には旅の記録や郷土東京の郊外昭島を紹介する。

現時点でのAIの効果プラスとマイナス

2018-09-08 22:32:58 | 経済
後期高齢者となると、認知症の心配を持つ、今話題のAIが助けてくれないかその動向に注目している。最近のニュースではJALが座席予約システムにAIを導入し効果を発揮しているというのと反対にAIで運用している投資信託が今年に入って日経平均指数より数%もマイナス幅が大きいという例も報道されている。
どうしてこのような差が出てきたのだろうか、AIの発展過程での課題と思える。
 
JALのケースは、約50年間使い続けた旅客システムに別れを告げて人工知能(AI)を使ったシステムに移行したところ、効果が想定以上で原油高が重荷となっている日本航空の2019年3月期業績が増益に転じるかもしれない。国際線はほぼ満席となり客単価が上昇し、想定超すAI効果だ。航空機は客が少なければ空気を運ぶだけに、どうしたら満席に近づけるかというのが最大課題だ。国際線のチケットは早割から団体チケットまで何種類もあり、かつマイレージによる乗客もいるという複雑さだ。 先日ギリシャ紀行でイスタンブール経由で帰国したが、オーバーブッキングでトルコ航空は苦労していた。JALが昨年11月に刷新した旅客システムは世界の航空業界で高いシェアを持つアマデウス製のシステム「アルテア」を導入だ。AIは使うほどに精度が上がるので座席が埋まり、安売りをする必要が無く、収益改善の効果は大きい。
 
航空会社の収益を左右するのは予約状況などに応じてチケットの価格設定を変える「レベニューマネジメント」だ。旧システムは社員の長年の経験に頼る面が大きかったが、新しいシステムではその役割をAIが担う。AIは過去のチケットの売れ具合など膨大なデータをもとに需要を予測し最適な価格を算出し、需要を読み間違えて収入をロスすることが減った。
 
投資信託のケースは今朝の日経が報道している。
日本株で運用している4つのAI投信「AI日本株式オープン」「GSビッグデータ・ストラテジー」「日本株カムイAI戦略ファンド」「Yjamプラス」を取り上げている。日経平均株価が年初来で2%安なのに対し、AIが運用する日本株投信の平均はマイナス8%で期待外れとなった。今年の株価の動きは玄人でも苦労する経験則が変化していることや、短期の値動きに反応するのはAIは得意だが、経済の変化や企業経営の先行きなど、中長期の予測が苦手と分析している。株価の動きは政治・経済・トランプのような特異な指導者の出現など、膨大なデータ分析以上に予測が難しいので、AIも苦労している。
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