行雲流水

阿島征夫、一生活者として、自由に現代の世相を評す。時には旅の記録や郷土東京の郊外昭島を紹介する。

朝ドラ「虎に翼」の社会的インパクト

2024-05-10 22:51:53 | 年金生活者
女性弁護士誕生の朝ドラと聞いたときには、重く難しい内容になるのでは?と思っていた。ただ主演女優が以前の朝ドラで米屋の娘米子を演じて印象に残っていたのでどんな弁護士になるのか楽しみだった。

当初から、女性は家庭を守り、学問は必要ないといった女性の地位の低さが法学を学ぶことの困難さが解った。そして衝撃的だったのは弁護士になれないという制度があったことだった。しかしドラマはそうした重い現実を、寅子の明るさと「はて」と疑問をいだきながら改革を目指し、壁を突き破ろうとするバイタリティをコミカルに描き、朝ドラにふさわしく楽しい内容になっている。

弁護士になってからも女性は裁判官になれないという制度が壁となり、次はそれを突き破る展開となるが、こうなるとこの朝ドラ現代でも遅れている日本のジェンダー問題への提起となり、大きなインパクトをあたえるだろう。

日本では1999年に男女共同参画社会基本法が法制化されたが、医科大学での男女差別入学問題が明るみに出るなど、ガラスの天井(注)の存在は各界にある。

英エコノミスト誌は、2013年から毎年、「国際女性デー」の3月8日に合わせて、女性の働きやすさを指標化したランキング「ガラスの天井指数(Glass Ceiling Index:GCI)」を発表している。 2022年の日本は、経済協力開発機構(OECD)加盟29か国中、2年連続で28位に甘んじている。
朝ドラ「虎に翼」でガラスの天井を破ることが一気に進むことを期待したい。

注、ガラスの天井の概念は、1978年にアメリカ人の企業コンサルタント、マリリン・ローデンが「女性のキャリアパスを阻む見えざる障害を意味する用語」として発言したのがはじまりである。1991年にはアメリカ連邦政府労働省がこの言葉を公的に使用しており、女性やマイノリティーの組織内での昇進が、ガラスの天井によって妨げられていることを認めた。


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