四谷三丁目すし処のがみ・毎日のおしながき

冬から春が旬である貝がそろそろ終盤、初鰹・鰈・鱸・鯵など夏の魚が出てきました。

3月9日(土)

2024-03-09 17:09:01 | 3/1~3/31


野上啓三インスタグラムsushi43nogami2←こちらに変更しました。
すべての魚・貝、天然ものです。
◇営業時間について◇火曜~土曜17:30~21:55※ラストオーダー(酒類・酒類以外全て)21:25まで
日曜お子さんデーは11:30~17:30です。※日曜はお子様の日です
店には月曜(+第一日曜日)以外10:30~営業終了+aおりますのでお気軽にご連絡ください!03-3356-0170
※レストラン予約代行サービス『オートリザーブ』でのご予約は日付・時間帯にかかわらず受け付けておりません。

◎玉子焼き動画アップしました(6分53秒)

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1dayアーカイブ2023年~2001年3月9日のおしながき[2023年][2022年][2021年]
[2020年]野上啓三が見ている豊洲市場の風景 
2019 3/7~4/13インスタグラムより 

初鰹・豆のどぐろ・稚鮎・生とり貝・白エビ
いがうに・活ホタルイカ・小いわし・マカジキ
はまぐり・関アジ・スチームホタルイカ・あさり
ザトウクジラ・桜鱒など[2019年][2018年][2017年][2016年][2015年]大粒のあさり、仲買さんが主人のために選り分けてとっておいてくれるのだそうです。それを殻から外して吸水管に串を差して流水で砂を抜き、煮蛤を仕込むように煮あさりをつくります。おかみノート『トリ貝と沈丁花』

もうすぐトリ貝の季節がやってくる。
殻に入ったままのものを仕入れ、ご注文をいただいたときにその場でさばき剥きたてのおいしさを味わっていただく。
毎年たのしみにしているお客様は多い。
トリ貝の黒は “お歯黒” と呼ばれ、この色が落ちた貝は値打ちが下がる。
ザラザラしたまな板では摩擦で落ちてしまうため、ラップを敷いた上かガラスの板の上でさばく。
2月、まだはしりのトリ貝は殻も身も華奢で殻の内側は薄墨を流した桜貝のような色をしている。
だんだんと成長し身がはちきれんばかりになってくると春だなぁと思う。
梅雨入り前くらいまでネタケースに上るだろうか。
トリのくちばしに形が似ているからトリ貝だとか、鶏肉に味が似ているからトリ貝だとかいろいろ言われているが
私の関心は別のところにある。
昨年の2月、通り道で咲き始めた沈丁花を見たとき
はなびらとトリ貝の殻の内側が登場の時期を同じくして色も似ているということに気付き
この一年そのことを思い出してはにんまりしていた。
店までの通り道、沈丁花のつぼみの具合を見ながらトリ貝の登場を待っている。

おかみノート 『ガラスのまな板』

開店当初からずっと欲しいと思っていた道具にガラスのまな板というのがあった。
とり貝を貝からむき出し木や他の素材のまな板の上であれこれ動かすとまな板のわずかにザラザラしているところととり貝のお歯黒という黒い部分が擦れて色が落ちてしまって商品価値が下がってしまうからガラス素材のものが欲しいんだと主人は言っていた。
とは言ってもガラスのまな板は無いので普通のまな板の上にラップを敷いてなんとか凌いでいた。
このラップ方式にはやや難があった。とり貝をさばいた後のワタとラップがセットになって洗い場担当の私に来るのだが、本当は燃えるゴミと燃えないゴミに分別しなくてはいけないところをついつい生ゴミの落ちるところへ一緒くたに入れてしまうのだ。
とり貝はご注文を受けてからむくので、一日に5~6回は分別ルールを無視することになる。
生ゴミの中にビニールを混ぜて捨てることよりもっと後ろめたいことは人生において相当している。けれど、これがなんかやなのだ。
でも、もうそんな日々も終わりだ。
おかみノートで「トリ貝と沈丁花」を書き終えた時これからは主人がとり貝をさばく場面が注目されるだろうと予想しガラスのまな板をついに特注することを決めた。
実は注文する店は一年くらい前からチェックしていた。
奥を覗くと薄暗い作業場が見える近所のガラス屋さんでよく前を自転車で通っては様子を窺ってきた。
しかし値段が分らない。一枚いくらするのか。
私の予想では850円だった。
というのも、店の脇に立てかけてあるジャマそうなガラスの切れっ端がちょうどまな板の何枚分かあり、捨てるにはナンだから置いてます、みたいな屑ガラスオーラを放っていたからだ。
捨てるよりは売れたほうがいい。ガラス屋さんの立場に立って手数料を考えると850円・・そんなものかなと思っていた。

「あの~、すいません。近くで寿司屋をやっているものですが・・」
奥から作業着姿のご主人が登場した。
「あの、とり貝をさばく時にガラスのまな板が必要でして、2枚くらい作って貰えませんでしょうか」
「えっ、何、とり貝さばくのに使うの?」
「はい、えーっと、黒い部分が落ちないようにですね、その~」
「なんだかわかんないけど、いいよ。フチを手ぇ切んないようにまぁるく仕上げりゃいいでしょ。どのくらいの大きさ?何センチか言って」
「えっと・・じゃぁ、30センチ20センチで2枚お願いします」
「あそ。で、包丁当てんでしょ、つるつる過ぎると包丁の傷がついてかえってひっかかりが出来ちゃうから、表面つるつる、裏が加工の細かーいザラザラ、それだとどっちかの面でいけるでしょ。すごくいいガラスだから、まぁこれなら傷もつき難いと思うけどね」
「じゃあ、それでお願いします」
店の名刺を渡し、翌日取りに行く約束をした。
「もうバッチリ!!!絶対すごいまな板が来るからねっ」
興奮して店に戻り主人に報告した。
「でもさ、値段聞いてきた?」
痛いところを突かれた。私もそれがひっかかっていた。
「なんかさ、特注ってさ、聞けないんだよ。それ聞いちゃヤボな感じするじゃん、勢いみたいなものもあるしさ」
「そりゃそうだけど」
「だーいじょうぶだよ。そんなにしないよ。明日とってくるから」
主人に言われてなんとなく850円説は揺らぎ始め、最悪のケースを想定して1枚5000円×2枚分の1万円とあと万々が一のためにもう少し用意してガラス屋さんに行った。
「昨日お願いしていた者ですが・・」
「あぁ、出来てますよ」
新聞紙に包まれた30センチ×20センチの特注ガラスのまな板はずっしりと、とても心地いい重みだった。淡いグリーンの混ざったガラスを眺めながらジーンとなった。これがオリジナルのまな板か・・角なんか丁寧にまぁるく削ってあって素晴らしいっ。感動している場合じゃない、お会計だ。
「えっと、おいくらになりますか」
ついにきた。この時がきた。領収書を持ってご主人がやって来た。
「2枚で6000円になります」
ガーン!3000円。なんだ850円って!もうバカか~
私の心の動きを察知したご主人が言った。
「このガラスね、すごくいいものなんですよ。でね、割っちゃうとアレだから、もう1枚同じの作っときましたから、2枚で6000円なんだけど一枚余分に作っときましたからどうぞ」
さらに特別なガラスの種類なんだということをとても丁寧に説明してくれた。
ご主人としては、本当は1枚3000円じゃ済まないところを大きくおまけしてあげてて、なおかつ1枚余分に作ってあるんだからそんなにショックを受けないでおくれよ・・という気遣いがあるのだと思った。
勝手にゴミに出す前のガラスだと思っていたそれらは大事に扱っている立派な商品だったのだ。ごめんなさい、ガラス屋さん。
特注品というのは、金額の大小で一喜一憂するような人間が足を踏み入れちゃいけない領域なのだなぁと、改めてわかった。
ふと見ると、ガラス屋さんの時計は五時半を回っていた。
<早く主人に見せなくちゃ>
カゴから斜めに出ているまな板が落ちないように気を付けながら自転車のペダルをこいだ。

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001[2014年]ミョウバンを使っていても、それを感じさせないようなウニがあります。青森・風間浦から仕入れるこのムラサキウニです。「のど越しにくるあの違和感が無い」との声、多数です。仲買さんが店に並べず、限られた人だけに分ける逸品です。10:15,出汁をひき、シャリを炊いています。004
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003 002[2013年]  003_2貝が左から煮蛤、アオヤギ、トリ貝、上にのっているのがタイラギ(たいら貝)です。トリ貝は四つ仕入れました。 



003 [2012年]天然のくるま海老は暑過ぎたり寒過ぎたりするとそう多くは出回らないのだそうです。特に“この大きさが自分の好み”と決めている主人にとってはなおさら手に入れる確率が低くなるわけで‥

今日はめずらしく入りました。001



 



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[2011年]  愛媛・燧灘(ひうちなだ)からのイワシは今回初入荷です。007007_2

しらうお、大きくなってきました。006



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[2010年]  001



002帆立貝は一枚のみの入荷です。こばしら、あおやぎ、マテ貝、トリ貝、ミル貝と貝が充実する季節です。



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[2009年]海苔を新しい容器に移しているところです。

この缶は“のり缶”と呼んでいます。欲しくなると海苔業者さんに頼みます。三~四年に一度のペースで替えているので、これが三代目になります。

この缶の枠幅いっぱいが“全版”という大きさで21cm×19cm、太巻を巻くサイズです。当店ではこの大きさの太巻は扱っていませんので全版を二分の一に切断した“半のり”という状態にしてもらって仕入れます。細巻と少し小さめの太巻はこの半のりで作ります。

間仕切りの右側スペースに立て掛けてあるのは軍艦サイズ用、さらに右端の小部屋のように囲ってあるスペースにはにぎりの上から帯状に巻く海苔を入れてあります。この二種類のサイズは必要な分だけ主人が数枚ずつ半のりから包丁で切り出します。ある程度まとまった数量が出る大型店では、あらかじめ業者さんに“帯のり”“軍艦”“もみのり”などの状態にしてもらったりするようです。

今月の後半くらいには新海苔が入ってくる予定です。

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