点滴を外すカナタに気づき、目覚めたソウが苦笑いをしていた。
「無事で良かったよな(笑) 起きたら食べれる準備はしてあるからな」
カナタはそう言いながらソウに微笑んだ・・・まだラナは隣で眠っている。
既に体勢を替えたラナは今度は自分の方を向いていた・・・そっと腕枕をして近寄り抱き締めた。
「彼女が疲れるんだぞ・・・(笑)楽に寝かせてやれ」
「 ・・・・兄貴・・・あれはラナに・・・」
「(笑)それでも、ラナはお前と居る・・・ソウを見てる事は忘れるな」
「自信もなくて・・・
持ってかれそうで・・・ヤバい・・・」
「寝ろ(笑)。暫く誰も来ない・・・邪魔しないから頭から全部を休ませるんだ・・・ラナも・・・ソウも・・・」
いいなというカナタに静かに頷くソウは、彼女に寄り添って眠りについた。
「ソウ?」
「 ・・・なんだ?」
「食べに行くから離して・・・」
「(笑)確かに腹は減ったな・・・」
互いに笑むと二人は食事をしようと寝室を出た・・・
少しずつ食べながら会話を楽しむ・・・ゆっくりと食べ互いを話した。
音楽や旅行の話と、ジャンルは広くなり楽しい時間は過ぎた。
身綺麗にして体を温めたからか、睡魔が襲う・・・互いに声をかけて起きろと笑う・・・
ようやくベッドに入り込めた・・・彼女をみやると眠りに入ったようだった・・・・引き入れて隣へ寄せる。
寝心地のよさを無意識に求め始めた彼女・・・スッと自分へ寄り添っていた。
自分の顔の下へ入り込み顔は胸へ添う・・・気づけばソコから深い眠りへ入り込む・・・
彼女は体を横にして眠る・・・
下になった手は反対の肩へもたれ・・・上になった手は自分の身へのせる。
余計に疲れそうでソウは、わざとに腕枕をした・・・角度がかわるから疲れないだろうと思えた。
ふと彼女の手が自分の前に並ぶ・・・重ねた彼女の手は自分の胸に触れた。
「悩み事を今は手放して・・・もっと寝れなくなる・・・」
彼女は何を悩んでいるのか 知っているのかと眺めた。
「寝れてないでしょ・・・」
その手がソウの肌へ触れたままで、優しく上がり首筋から項へと撫でられていった。
彼女の手は温かで、巡った場所は温まり道をつくったように思えた。
少し引いた彼女・・・視線は重なり互いを見つめた。
「貴方は強い(笑)、私のココに残した人を押し出したほどに・・・
私の想いを選んでくれた(笑)、必要な想い・・・いらない想い・・・私の想い(笑)、そして貴方の想い・・・」
ラナは自分の胸へ手をあてて優しく声にした。今度は、そっと彼の胸に触れ笑み返した。
「ソウは私の想いをココへ持っていった。私の中に貴方の想いを置いて」
「俺の想い・・・」
「(笑)最初に私にくれた想い・・・その後の誓い・・・触れた記憶の想い(笑)
貴方が取り戻した私の想い・・・」
「 ・・・」
「(笑)溢れる程の想いがあるから・・・隙間は出来ないの・・・・ソウがずっと 私に くれるから・・・
貴方のココに何で隙間が出来るの?溢れる程の想いを捨ててるの? いつかの準備をする為に?
ずっと流し込んでるのに・・・なら・・・私は、どうすればいい?」
どんな意味だと考えた・・・話の流れから考える・・・
ふと気付けばラナは眠っていた・・・
-誓い・・・・-
その言葉だけの記憶を思い出した・・・ラナは気持ちを手放せず切り離す事もしなかった。
後を追う事に駄目だという言葉を理解していなかった気がする・・・
だから生かした自分の為に生きろと言った・・・事を起こせずに迷う自分が嫌だった・・・背を押せと彼女に助けを願った。
知らない誰かに押されたら出来そうな気がしたのだ・・・出たら引く事は不可能だろうから。
-手離してやる・・・-
-その後は?・・・-
- 自由だ! -
自分で彼女に言った・・・自由にと・・・放すと・・・
少しずつ、自分の気持ちは気づいた・・・彼女を愛していると・・・
その想いが繋がった時・・・切り替えたはずだと思えた。
生きる先は重なったはずだった。
揺らいだ・・・
利用してた自分はラナを愛した事で先を変えた。
だから互いの先を重ねる事を選んだ自分がいたはずだった。
揺るがずに自分の中を安定するように支えていたラナだと知っている、だから一緒に生きてる。
自分は・・・・
彼女を愛しているだけだ・・・受けているだけだ・・・
それだけしか考えられないソウだった。
ラナが狙われていく不安・・・それから囚われそうな自分・・・少しずつ自分の足へ鎖が食い込むような気がした。
それが彼女へ伸びる怖さ・・・それを思う度に鎖の重さは増した。
ダイチなら・・・?・・・
ふと気づく・・・微かに震え泣く彼女がいた・・・
無意識に声に出ていた事に気づかないソウだった事に気づく彼女・・・
手放す・・・そう言ったソウの声は彼女の中で繰り返されていた。
ソウから離れる準備を始めようと、その時・・・彼女の中で芽生えた・・・
「抱いて・・・」
暫く静かにしていた彼女だった・・・自分の戸惑いがバレないように・・・見守るように抱き締めていた。
彼女の囁き・・・優しく包まれていくような柔らかな声音だった。
上手く笑えたか不安なソウだったが、そっと笑み・・・彼女へ唇を寄せた・・・
少しずつ、ラナは部屋で練習だと作り始めた・・・仕上がれば味見をし、残りは来ていたリョウジやシュウに持ち帰って貰った。
変わらず様子見に来るカナタにまで持たせたラナだった。
近場で店を探してきたシュウ・・・試しの持ち込みはリョウジがした。
いつしか正規で働くラナに、回りは驚くが出られた事に笑み優しく見守った。
ラナは店を変えていく・・・腕の良さが好してオーナーに留められるが、伸ばしたいと次への紹介状を頼む事もあった。
手伝いだと職場の同僚と派遣される・・・二種を任され仕上がりに感心された。
新たなアレンジさえ楽しくて、日々の充実さは疲れさえ吹き飛ばした。
触れるソウの手にも目覚めないラナに驚いた・・・疲れた体を労るように抱き寄せる・・・
レンヤは彼女につかせたシュウとリョウジに、日々の彼女の様子を聞いていた。
「(笑)本来のラナさんですよね・・・」
「凄いっすよ(笑)、呼び出されて同僚の方と何処に行かされるのかと思ってたらホテルで・・・(笑)テストとか言われて食後のデザートを作らされてましたよー」
凄いと誉める二人・・・それでもシュウは戸惑うような顔つきになった。
なんだとレンヤは眺めた。
ちょうど来たカナタも気づき一緒に耳を傾けた。
「兄貴と・・・何かあったんですかね・・・
ちゃんと楽しく話もしてるし、兄貴が絡んでも同じラナさんでしたけど・・・
微妙に何か違う気もするんです・・・」
「仕事を始めた事で、ラナの意識が変わったからじゃなくて?」
「んー」
唸りながら上手く表現出来ないシュウが、悩むように考えていた。
「自立・・・というか、兄貴を置いて行くみたいな・・・不安になるような・・・
すみません、良い方の違和感じゃないのが自分でも嫌なんですけど・・・
」
分かったと二人を戻らせたレンヤ達・・・暫く考えこんだ。
「ダイチさんが絡むか?」
「・・・・レンヤ・・・ソウは無意識に呟くよな・・・考え事さえ・・・」
カナタが呟く言葉に、口を引いて苦笑いをした。
ダイチが近づいた事で、不安感が増した事は知っていた二人だった。
当然、言葉にする二人だったはずで・・・問い掛けて考える二人でもあった。
「最初の誓い・・・あの話は聞いた事はあったか?」
「ない・・・彼女に関しては声にさえしない・・・」
「全部が(笑)態度に出てたからな・・・」
「生かす為の誓いで、それまでは生きろという想像は出来るよな・・・
好きだという自覚は、まだ持ってはいなかったし・・・」
「ラナが言った・・・生かす為に生きる事の我慢は出来そうだと・・・
いつか解放されるまでに耐えるという言葉は消えてると笑っていた。
最初の頃の話だ・・・死んだ彼氏に謝った話をしてたからな・・・
ダイチさんが現れた・・・ソウなら?」
「自分より守れるなら・・・・」
「嫌でも、そう呟きそうだよな・・・手放すかと考えそうだ・・・」
「 ・・・・・それを呟いた? ラナが聞いて理解したのか?
なら、自分で生きていく事にしたラナが仕事を始めたって事か? どうなるか知ってるのに?」
「ソウの為とラナは考えたんだろうな・・・寄りすぎたらソウは自分で立てなくなると・・・
身の置場所を自分で作れないと彼女は気づいてる・・・
だけどラナ自身が生きてないと、ソウの危うさは消えない・・・」
「ラナには辛い選択だよな・・・」
「昔のラナなら生き地獄だ・・・
近い内にソウと話す・・・終わったら連絡するから、それからは絶対に一人にするなよ・・・」
「 ・・・・」
「どう出るか分からない・・・」
昔に戻るのかと思えた・・・・ラナがいて自分を立たせていた・・・自分の自信が増して居場所を作り動かせた。
居なくなれば・・・多少戻れてもソウ自身を終わらせないとも思える気もする。
何ともいえない状態に、レンヤは身動きも出来なくなりそうで怖くなった。
リビングで外を眺めながら考え事をしているラナがいた。
「何してる?」
「(笑)イベント用のを考えてる・・・」
「材料とか?」
「ん(笑)。今の季節の果物を使うなら・・・とか(笑)」
「すげー数だもんな(笑)」
「(笑)そうね・・・貴方は仕事?」
「あー違う(笑)、カナタに呼び出された・・・」
「お昼どうする?」
「どんな話か知らねーから(笑)俺のは大丈夫だ・・・・」
「そ?(笑)家で食べるなら連絡くれる? 家に居ないかもしれないから」
「出掛けんのか?」
「(笑)同僚と相談・・・オーナーにも報告しないと駄目だから・・・」
「そっか・・・・・分かった・・・」
「(笑)行ってらっしゃい」
「 ・・・おう(笑)」
ソウの返事に笑み、ノートへ視線を戻した彼女は何かを書き始めた。
ふと背から抱き締めたソウ・・・笑う彼女は体を返して抱き返した・・・
「何の不安か知らないけど(笑)、ソウなら大丈夫よ・・・
カナタ先生と会うんだから話して来ちゃえば?」
「 ・・・愛してる」
「(笑) ・・・・・私も愛してるわ」
「今、何で悩んだ?」
「(笑)そうじゃなくて、今の貴方の言葉を自分にしまっただけよ・・・
(笑)私のは中にしまってくれた?」
頷く彼に笑み、ラナはそっと押し出した。
笑み返した彼は、迎えに来たレンヤと静かに家を出たのだった。
「無事で良かったよな(笑) 起きたら食べれる準備はしてあるからな」
カナタはそう言いながらソウに微笑んだ・・・まだラナは隣で眠っている。
既に体勢を替えたラナは今度は自分の方を向いていた・・・そっと腕枕をして近寄り抱き締めた。
「彼女が疲れるんだぞ・・・(笑)楽に寝かせてやれ」
「 ・・・・兄貴・・・あれはラナに・・・」
「(笑)それでも、ラナはお前と居る・・・ソウを見てる事は忘れるな」
「自信もなくて・・・
持ってかれそうで・・・ヤバい・・・」
「寝ろ(笑)。暫く誰も来ない・・・邪魔しないから頭から全部を休ませるんだ・・・ラナも・・・ソウも・・・」
いいなというカナタに静かに頷くソウは、彼女に寄り添って眠りについた。
「ソウ?」
「 ・・・なんだ?」
「食べに行くから離して・・・」
「(笑)確かに腹は減ったな・・・」
互いに笑むと二人は食事をしようと寝室を出た・・・
少しずつ食べながら会話を楽しむ・・・ゆっくりと食べ互いを話した。
音楽や旅行の話と、ジャンルは広くなり楽しい時間は過ぎた。
身綺麗にして体を温めたからか、睡魔が襲う・・・互いに声をかけて起きろと笑う・・・
ようやくベッドに入り込めた・・・彼女をみやると眠りに入ったようだった・・・・引き入れて隣へ寄せる。
寝心地のよさを無意識に求め始めた彼女・・・スッと自分へ寄り添っていた。
自分の顔の下へ入り込み顔は胸へ添う・・・気づけばソコから深い眠りへ入り込む・・・
彼女は体を横にして眠る・・・
下になった手は反対の肩へもたれ・・・上になった手は自分の身へのせる。
余計に疲れそうでソウは、わざとに腕枕をした・・・角度がかわるから疲れないだろうと思えた。
ふと彼女の手が自分の前に並ぶ・・・重ねた彼女の手は自分の胸に触れた。
「悩み事を今は手放して・・・もっと寝れなくなる・・・」
彼女は何を悩んでいるのか 知っているのかと眺めた。
「寝れてないでしょ・・・」
その手がソウの肌へ触れたままで、優しく上がり首筋から項へと撫でられていった。
彼女の手は温かで、巡った場所は温まり道をつくったように思えた。
少し引いた彼女・・・視線は重なり互いを見つめた。
「貴方は強い(笑)、私のココに残した人を押し出したほどに・・・
私の想いを選んでくれた(笑)、必要な想い・・・いらない想い・・・私の想い(笑)、そして貴方の想い・・・」
ラナは自分の胸へ手をあてて優しく声にした。今度は、そっと彼の胸に触れ笑み返した。
「ソウは私の想いをココへ持っていった。私の中に貴方の想いを置いて」
「俺の想い・・・」
「(笑)最初に私にくれた想い・・・その後の誓い・・・触れた記憶の想い(笑)
貴方が取り戻した私の想い・・・」
「 ・・・」
「(笑)溢れる程の想いがあるから・・・隙間は出来ないの・・・・ソウがずっと 私に くれるから・・・
貴方のココに何で隙間が出来るの?溢れる程の想いを捨ててるの? いつかの準備をする為に?
ずっと流し込んでるのに・・・なら・・・私は、どうすればいい?」
どんな意味だと考えた・・・話の流れから考える・・・
ふと気付けばラナは眠っていた・・・
-誓い・・・・-
その言葉だけの記憶を思い出した・・・ラナは気持ちを手放せず切り離す事もしなかった。
後を追う事に駄目だという言葉を理解していなかった気がする・・・
だから生かした自分の為に生きろと言った・・・事を起こせずに迷う自分が嫌だった・・・背を押せと彼女に助けを願った。
知らない誰かに押されたら出来そうな気がしたのだ・・・出たら引く事は不可能だろうから。
-手離してやる・・・-
-その後は?・・・-
- 自由だ! -
自分で彼女に言った・・・自由にと・・・放すと・・・
少しずつ、自分の気持ちは気づいた・・・彼女を愛していると・・・
その想いが繋がった時・・・切り替えたはずだと思えた。
生きる先は重なったはずだった。
揺らいだ・・・
利用してた自分はラナを愛した事で先を変えた。
だから互いの先を重ねる事を選んだ自分がいたはずだった。
揺るがずに自分の中を安定するように支えていたラナだと知っている、だから一緒に生きてる。
自分は・・・・
彼女を愛しているだけだ・・・受けているだけだ・・・
それだけしか考えられないソウだった。
ラナが狙われていく不安・・・それから囚われそうな自分・・・少しずつ自分の足へ鎖が食い込むような気がした。
それが彼女へ伸びる怖さ・・・それを思う度に鎖の重さは増した。
ダイチなら・・・?・・・
ふと気づく・・・微かに震え泣く彼女がいた・・・
無意識に声に出ていた事に気づかないソウだった事に気づく彼女・・・
手放す・・・そう言ったソウの声は彼女の中で繰り返されていた。
ソウから離れる準備を始めようと、その時・・・彼女の中で芽生えた・・・
「抱いて・・・」
暫く静かにしていた彼女だった・・・自分の戸惑いがバレないように・・・見守るように抱き締めていた。
彼女の囁き・・・優しく包まれていくような柔らかな声音だった。
上手く笑えたか不安なソウだったが、そっと笑み・・・彼女へ唇を寄せた・・・
少しずつ、ラナは部屋で練習だと作り始めた・・・仕上がれば味見をし、残りは来ていたリョウジやシュウに持ち帰って貰った。
変わらず様子見に来るカナタにまで持たせたラナだった。
近場で店を探してきたシュウ・・・試しの持ち込みはリョウジがした。
いつしか正規で働くラナに、回りは驚くが出られた事に笑み優しく見守った。
ラナは店を変えていく・・・腕の良さが好してオーナーに留められるが、伸ばしたいと次への紹介状を頼む事もあった。
手伝いだと職場の同僚と派遣される・・・二種を任され仕上がりに感心された。
新たなアレンジさえ楽しくて、日々の充実さは疲れさえ吹き飛ばした。
触れるソウの手にも目覚めないラナに驚いた・・・疲れた体を労るように抱き寄せる・・・
レンヤは彼女につかせたシュウとリョウジに、日々の彼女の様子を聞いていた。
「(笑)本来のラナさんですよね・・・」
「凄いっすよ(笑)、呼び出されて同僚の方と何処に行かされるのかと思ってたらホテルで・・・(笑)テストとか言われて食後のデザートを作らされてましたよー」
凄いと誉める二人・・・それでもシュウは戸惑うような顔つきになった。
なんだとレンヤは眺めた。
ちょうど来たカナタも気づき一緒に耳を傾けた。
「兄貴と・・・何かあったんですかね・・・
ちゃんと楽しく話もしてるし、兄貴が絡んでも同じラナさんでしたけど・・・
微妙に何か違う気もするんです・・・」
「仕事を始めた事で、ラナの意識が変わったからじゃなくて?」
「んー」
唸りながら上手く表現出来ないシュウが、悩むように考えていた。
「自立・・・というか、兄貴を置いて行くみたいな・・・不安になるような・・・
すみません、良い方の違和感じゃないのが自分でも嫌なんですけど・・・
」
分かったと二人を戻らせたレンヤ達・・・暫く考えこんだ。
「ダイチさんが絡むか?」
「・・・・レンヤ・・・ソウは無意識に呟くよな・・・考え事さえ・・・」
カナタが呟く言葉に、口を引いて苦笑いをした。
ダイチが近づいた事で、不安感が増した事は知っていた二人だった。
当然、言葉にする二人だったはずで・・・問い掛けて考える二人でもあった。
「最初の誓い・・・あの話は聞いた事はあったか?」
「ない・・・彼女に関しては声にさえしない・・・」
「全部が(笑)態度に出てたからな・・・」
「生かす為の誓いで、それまでは生きろという想像は出来るよな・・・
好きだという自覚は、まだ持ってはいなかったし・・・」
「ラナが言った・・・生かす為に生きる事の我慢は出来そうだと・・・
いつか解放されるまでに耐えるという言葉は消えてると笑っていた。
最初の頃の話だ・・・死んだ彼氏に謝った話をしてたからな・・・
ダイチさんが現れた・・・ソウなら?」
「自分より守れるなら・・・・」
「嫌でも、そう呟きそうだよな・・・手放すかと考えそうだ・・・」
「 ・・・・・それを呟いた? ラナが聞いて理解したのか?
なら、自分で生きていく事にしたラナが仕事を始めたって事か? どうなるか知ってるのに?」
「ソウの為とラナは考えたんだろうな・・・寄りすぎたらソウは自分で立てなくなると・・・
身の置場所を自分で作れないと彼女は気づいてる・・・
だけどラナ自身が生きてないと、ソウの危うさは消えない・・・」
「ラナには辛い選択だよな・・・」
「昔のラナなら生き地獄だ・・・
近い内にソウと話す・・・終わったら連絡するから、それからは絶対に一人にするなよ・・・」
「 ・・・・」
「どう出るか分からない・・・」
昔に戻るのかと思えた・・・・ラナがいて自分を立たせていた・・・自分の自信が増して居場所を作り動かせた。
居なくなれば・・・多少戻れてもソウ自身を終わらせないとも思える気もする。
何ともいえない状態に、レンヤは身動きも出来なくなりそうで怖くなった。
リビングで外を眺めながら考え事をしているラナがいた。
「何してる?」
「(笑)イベント用のを考えてる・・・」
「材料とか?」
「ん(笑)。今の季節の果物を使うなら・・・とか(笑)」
「すげー数だもんな(笑)」
「(笑)そうね・・・貴方は仕事?」
「あー違う(笑)、カナタに呼び出された・・・」
「お昼どうする?」
「どんな話か知らねーから(笑)俺のは大丈夫だ・・・・」
「そ?(笑)家で食べるなら連絡くれる? 家に居ないかもしれないから」
「出掛けんのか?」
「(笑)同僚と相談・・・オーナーにも報告しないと駄目だから・・・」
「そっか・・・・・分かった・・・」
「(笑)行ってらっしゃい」
「 ・・・おう(笑)」
ソウの返事に笑み、ノートへ視線を戻した彼女は何かを書き始めた。
ふと背から抱き締めたソウ・・・笑う彼女は体を返して抱き返した・・・
「何の不安か知らないけど(笑)、ソウなら大丈夫よ・・・
カナタ先生と会うんだから話して来ちゃえば?」
「 ・・・愛してる」
「(笑) ・・・・・私も愛してるわ」
「今、何で悩んだ?」
「(笑)そうじゃなくて、今の貴方の言葉を自分にしまっただけよ・・・
(笑)私のは中にしまってくれた?」
頷く彼に笑み、ラナはそっと押し出した。
笑み返した彼は、迎えに来たレンヤと静かに家を出たのだった。