一級建築士事務所 サトウ工務店

自然素材を使い省エネと快適性をデザインする 新潟の家

モイス シナベニア それが仕上げ

2016年05月02日 | 五十嵐のヒシノイエ

五十嵐のヒシノイエは、内装仕上げ工事に取り掛かっています。



内装工事とはいってもいわゆる内装屋さんが工事しているのではなく、当社の仕様の場合は大工工事がそのまま仕上げになっています。



一般的には、大工工事は壁と天井に石膏ボードを張って完了。その後に内装屋さんがクロスを貼ったり、左官屋さんが塗り壁を塗ったり、または塗装屋さんが塗装したり・・・ が普通です。
つまり、大工はあくまでも下地工事で、仕上げは別の業者さんにバトンタッチするのです。

しかし、弊社の仕様は、大工がモイスもしくはシナベニアを張って、完了。それがそのまま仕上げ。
へぇ~簡単でいいねぇ~ 

いえいえ とんでもありません。

あくまでも下地としての石膏ボード張りと、そのまま仕上げとなるモイスやシナなどのベニア張りでは、倍も手間や技術が必要です。
石膏ボード張りは、詰めれば奥が深いのですがアルバイトの兄ちゃんでもできます。
(私も学生の頃アルバイトで良く張ってましたし・・・)
そのくらいラフな出来栄えでもOK。

しかしモイス張りやベニア張り(特に突付け張り)は、バイトの兄ちゃんはもちろん大工さんでもあるレベル以上の技術がないと、とてもきれいには仕上がりません。
つまり何が言いたいかと申しますと、弊社の大工はとても技術の高い職人なんです 

とくにこの「突付け」↓張りの納まりは、難易度が超高いんです。 



昔から一般的によくあるのは「目透かし張り」↓ 数ミリすき間をあけながら張る方法です。



これは実はある程度の「逃げ」が効いて普通の大工さんならおそらく誰でもそれなりに張れるはずです。
(部分使いは意匠としてアリですが、面積が広くなるとちょっとクドくなります)

でも「突付け」↓となると、ごまかしが一切きかないんです。



スッキリきれいに仕上げっています


ここで話は変わりますが、ごまかしと言えば・・・ 弊社では内装の装飾はほぼ採用しません。

せいぜい飾り棚程度くらいですかねぇ。
派手なタイルや色濃いインテリアは採用せずに、空間構成のみで勝負です。

確かに完成見学会などを開催する前程ですと、建築会社としては様々な趣向を凝らしたインテリアの方が、お客様の目を引くので採用しておきたい所。
装飾のないシンプルな空間は、基本設計が悪いと「おもしろくもなんともない家」と映ってしまいます。
(逆に装飾があれば、ごまかしがきくということ

しかし、あえてそれにチャレンジします。
装飾も何もないけど気持ちが良い空間。
住まいの持っている本質。設計力や技術力が問われます。

私はお客様に
「私達が提供する住まいはシンプルです、特に内装には装飾を施しません。」
「装飾は皆さんお引越ししてから、家具や小物などでその時々の趣味や流行で是非飾って下さい。」そう伝えます。
建築はあくまでも背景、暮らしに各家庭にその時々の色があるのです。

趣味や流行は必ず変わるんです。
住まいを建ててから少なくても20年30年の間変わらないってありえます?
絶対変わりますよね。

建築会社にすすめられたこの派手なタイル。どうします?
なんとなくいいな~て採用したこの○○柄の壁紙。どうします?
好みが変わった時に対応できます?
本当にリラックスできます?

確かに、新築時には自分なりに100点満点のインテリアだったかもしれません。
でも年々点数が下がってきて、最終的には落第点。
好みが変わった。流行遅れになった。からって、リフォームします?

だったら、最初は100点じゃなくて80点でもいいから
長い間まあまあの点数を維持できるシンプルな内装にしておいて、
後は、その都度小物などで好きなインテリアに模様替えする。その方が賢くないですか?

シンプルな内装。それにつきます。
そのシンプルな内装は、ごまかしがききません。
設計力と技術力で、住まいの本質をシッカリと支える必要があるのです。



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