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おはようございます。中小企業診断士の竹内幸次です。今日は川崎商工会議所の異業種交流会での打合せと、午後は川崎市商店街連合会での「商店街活性化指針づくり」会議に参加します。
今日は日経BP社の会員向け情報誌「NVCMonthly」2006年9月号に掲載された「顧客DBを活用した販促テクニック~顧客対応の基本と自社に合った販促プランニング」の紹介です。
▲日経BP社の会員制雑誌です
▲3回連載で顧客DB活用のテクニックを書きました
***導入部の原稿
DBから顧客を層別して、有効な戦略を講じる
顧客DB(データベース)に蓄積された顧客情報は、料理に例えれば“上質の食材”である。この素材を活かして「大味の料理」を作るか、「繊細な味の料理」を作るかは経営者の腕の見せ所である。
大味の料理
…大雑把な顧客分類は行うものの、全顧客共通的な販促を行う
繊細な味の料理
…細かな層(グループ)に顧客を分けたり、1人(社)ずつ異なる販促を行う
また、売上基準、利益基準等、どのような基準で顧客を分類するのかを考えると、まさに、ここに企業としての戦略性が現れることとなる。つまり顧客の分類の仕方=自社の経営戦略、と考えよう。
とは言うものの、多くの中小企業は顧客DBを活用した販促の経験がなく、自社に合った顧客の分類の仕方が何なのかがはっきりしない。そのため、まずは顧客分類の基本として以下のように顧客を層別(グルーピング)してみよう。
(1)BtoB(Business to Business)の場合
対事業所向けの販売事業の場合を考えてみよう。3~6ヶ月等の一定期間における注文額(Volume)が「高い顧客」「標準の顧客」「低い顧客」の3つに分ける。さらに、利益率(Profit)も同様に3層に分けてみる。
そして、3つの売上基準×3つの利益基準によって、下記のように9つの層に顧客を分けてみる。たとえば、「売上高が多く、利益率も高い顧客」である(表の左上の位置)。
そして、この層に対する基本的な戦略を「上得意待遇/戦略提携」とするのである。同様に、「売上高は低いが、利益率は高い顧客」へは「拡販」を基本戦略とする。
(2)BtoC(Business to Consumer)の場合
次に対消費者向けの販売事業の場合を考えてみよう。前6ヶ月~1年の平均の買上額(Monetary)が「高い顧客」「標準の顧客」「低い顧客」の3つに分ける。さらに購買頻度(Frequency)も同様に3層に分ける。
そして、3つの平均買上額基準×3つの購買頻度基準によって、下記のように9つの層に顧客を分けてみる。たとえば、「買上高が多く、購買頻度も高い顧客」である(表の左上の位置)。
そして、この層に対する基本的な戦略を「上得意待遇」とするのである。同様に、「買上高は低いが、購買頻度は高い顧客」へは「関連購買提案」を基本戦略とし、「買上額は高いが、購買頻度は低い顧客」へは「来店動機付け」を基本戦略とするのである。
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