大和だより ~写詩 写歌 写俳~ 小筥集

日ごろ撮影した写真に詩、短歌、俳句とともに短いコメント(短文)を添えてお送りする「大和だより」の小筥集です。

大和だより ~写詩 写歌 写俳~ 小筥集

2019年02月09日 | 植物

<2592> 大和の花 (720) シロダモ                                              クスノキ科 シロダモ属

               

 暖地性の常緑高木で、本州の宮城県、新潟県以西、四国、九州、沖縄に分布し、朝鮮半島南部にも見られるという。大和(奈良県)ではほぼ全域に自生し、暖温帯域の林縁で普通に見られる。

  高さは10メートルほど。樹皮は緑褐色で、丸く小さな皮目が多い。新枝には黄褐色の毛が密生する。葉は長さが8センチから17センチほどの長楕円形で、縁に鋸歯はなく、先は尖り、基部はくさび形。また、葉は革質で、表面は濃緑色で光沢があり、裏面は白っぽく、3脈が目立ち、枝先に集まって互生する。

 雌雄異株で、花期は10月から11月ごろ。葉腋に小さな黄褐色の花が集まり、雌花は雄花に比べまばらにつく。花被片は雌雄とも4個。雄花は雄しべが6個、雌花は雌しべが1個と仮雄しべが6個。雌花では白い雌しべの柱頭が目につく。雄花にも雌しべはあるが、結実せず、白い柱頭も雌花ほど目立たない。液果の実は長さが1.3センチ前後の広楕円形で、翌年の秋に赤く熟す。

 シロダモの名は、葉の裏が白いことによる。別名のシロタブ(白椨)はタブノキに似るから。庭や公園に植えられるほか、材は器具に用いられ、昔は種子の油からロウソクを作った。 写真はシロダモ。集まり咲く雄花(左)と雌花(右)。

   緑なす山はひと色ならぬなり数ある木々の数ある緑

 

<2593> 大和の花 (721) イヌガシ (犬樫)                                           クスノキ科 シロダモ属

              

 やや乾燥した山地に生える常緑高木で、高さは10メートルほどになる。樹皮は灰黒色で、小さな丸い皮目があり、新枝は緑色。葉は長さが5センチから12センチほどの倒卵状長楕円形で、先が尖り、基部はくさび形。縁に鋸歯はなく、表面は光沢があり、裏面は灰白色で、3脈が目立つ。

 雌雄異株で、花期は3月から4月ごろ。枝の上部に小さな暗紅紫色の花を密集してつける。1つの花序に3個から6個の花がつき、雌花より雄花の方がやや大きく、雌株では雄株より花がまばらにつく。液果の実は長さが1センチほどの楕円形で、秋に黒紫色に熟す。

 本州の関東地方南部以西、四国、九州、沖縄に分布し、朝鮮半島南部にも見られるという。大和(奈良県)では、暖温帯域に散在し、あまり多くないが、奈良市の春日山一帯の低木層や麓に当たる奈良公園の林縁にはイヌガシが優占的に見られる。アセビと同様、シカが忌避するためと考えられている。 写真はイヌガシ。奈良公園飛火野の個体。この個体にはシカによるブラウジングライン(ディアライン)が現れているようにも見受けられる(左)。枝木いっぱいの雄花(中)、密生する雄花(右)。 

     因果あり見えて見えざる生に見ゆつまりこの世は因果の世界

 


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