大和だより ~写詩 写歌 写俳~ 小筥集

日ごろ撮影した写真に詩、短歌、俳句とともに短いコメント(短文)を添えてお送りする「大和だより」の小筥集です。

大和だより ~写詩 写歌 写俳~ 小筥集

2019年02月11日 | 写詩・写歌・写俳

<2594> 余聞、余話 「桜井市江包・大西のお綱祭り」

    お綱祭り昔を語る古老かな

 建国記念日の今日十一日、大和地方では各地で、豊作と子孫繁栄を願って行われるお田植え祭りがあり、お田植え祭りの一種である国の重要無形民俗文化財の指定を受けている桜井市江包(えつみ)・大西の伝統の奇祭お綱祭りがあり、出掛けてみた。この日にこの種の祭りが多く催されるのは旧正月の休日に当たるのと農閑期であることによるものと思われる。

    

  お綱祭りは男女二神の婚姻の祝儀をもって五穀豊穣と子孫繁栄を願う土俗の祭りで、大西地区から女陰を模った女綱、江包地区から男根を模った男綱が大和川の上流に当たる初瀬川の傍の素戔鳴(すさのう)神社に運ばれ、鳥居横のエノキに掛けられて合体し、結婚を成立させるというもの。綱は六〇〇キロに及ぶと言われ、稲藁で作った巨大なもので、二〇〇メートルの尾がつけられ、地区の男たちが担いで運ぶ。

  また、綱を運ぶ途中、運び手の男たちが田んぼに入り、泥をつけ合い、泥の中で相撲を取るのが倣いで、これは豊作を願う所作事に当たり、お田植え祭りの形式が見て取れ、民俗的価値が高いとして県の無形民俗文化財に指定された後、二〇一二年三月に国の重要無形民俗文化財に指定された。(このブログ<162>参照)。

 この日は朝から曇で、山間部は雪模様だったが、地元だけでなく、京阪神方面からツアーで訪れた人たちもあり、多くの人出で賑わった。 写真は見物衆に囲まれながら行われた男綱と女綱の合体による男女二神の結婚の儀(左が男綱、右が女綱、桜井市江包の素戔鳴神社)。


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