<3423> 奈良県のレッドデータブックの花たち (57) オタカラコウ(雄宝香) キク科
[学名] Ligularia fischeri
[奈良県のカテゴリー] 絶滅危惧種
[特徴] 暖温帯上部から冷温帯域の渓谷や渓流岸の湿気のあるところに生えるメタカラコウ(雌宝香)の仲間の多年草で、花茎は直立してメタカラコウより大きく、高さが1~2メートルになる。長い柄を有する根生葉があり、フキの葉に似て、大きく、直径40~60センチの円心形で、縁には鋸歯が見られる。花期は7~10月で、花茎の上部に黄色の頭花を総状につけ、下から順に開花して行く。頭花は舌状花と筒状花からなり、舌状花は普通8個で、メタカラコウより多く、全体にボリュウムがある。
[分布] 本州の福島県以西、四国、九州。国外では東アジア、ヒマラヤ地方などに広く見られる。
[県内分布] 御所市、五條市、野迫川村、東吉野村、御杖村、天川村、上北山村の山地渓谷沿い。
[記事] 大和(奈良県)ではメタカラコウより生育地も個体数も多いが、レッドデータブックには互いに絶滅危惧種としてあげられている。なお、オタカラコウ(雄宝香)はメタカラコウ(雌宝香)の雌に対し、雄の意。タカラコウ(宝香)はリュウノウコウ(龍脳香)のことで、香りがリュウノウコウに似るからと一説にある。 写真は左から金剛山の個体、稲村ヶ岳(稲村ヶ岳と大日山のキレット)の個体、花序のアップ。
時は万物に公平であり
分け隔てなく直である