マクロス外伝大本営 新統合軍極東太平洋軍管区司令部

マクロスやロボット大好きなブログです。二次創作などを主にやります。

公式ではなく非公式です。

第16話 戦場の厳しさと女性の戦場への進出

2017-01-15 15:15:01 | 超時空要塞マクロスサイドストーリーズ
マクロスはゼントラーディ軍の追撃から逃れつつ地球への帰還を目指していた。
初のトランスフォーメーションを果たした海王星海戦以降、対して戦闘もなく海王星と天王星の間に達していた。

この間にも戦力不足を補うべく志願制と機種転換と配置転換を望む兵士の訓練を行っていた。
女性もパイロットとして採用する案が採用され少しではあるが女性兵も訓練生として姿が見られた。

桐原中尉「結局、残ったのは変人ばかりだな。」

滝田中尉「あんたも十分に変人だけどな。」

桐原と滝田はババ抜きをしながら雑談をしていた。
お互い戦闘で同僚を失っていた。
慣れない可変戦闘機の戦闘で手間取って死んでいった・・・・・・

桐原中尉「そちらの状況はどうだ?」

滝田中尉「酷いですよ、グリコフスキー少尉.キム准尉などの6名しか生存してないさ。階級が一番上であった俺が飛行隊長さ。」

滝田中尉「そうかこっちはロードン大尉が飛行隊長だよ。」

戦闘で死ぬのは一般隊員だけではない、指揮官も死んでいる。
指揮官を失った部隊は大隊長の指揮下に入るが、混乱による戦死も見られた。
桐原の部隊は幸い副隊長であるロードン大尉が飛行隊長になっていたが、滝田の部隊は飛行隊長や副隊長も戦死していた。
一番階級が高い滝田が飛行隊長になり数多くの部下を指揮する事になった。

「すいません見学に来た者なんですが入ってもいいでしょうか?」

ドアの前で女の声がした・・・・それに若い女の子だ。
佐枝子が来たのかと思ったがあの性格では来ないだろう。
そう言えばスケジュール帳に訓練兵が来ると聞いていたな。
桐原と滝田はトランプをしまい席につく。

「入れ!」

                シューン
                 カタッ

ディー「失礼します、私は機種転換中の候補生で見学中のディー・ヴァーミ・・ミル曹長であります。」

マリア「同じくマリア・フラート曹長であります。本日は見学しに参りました、よろしくお願いします。」

部屋に入って来たのは若い女性兵士であった。
桐原と滝田と違う日系の女ではない、欧米系の若い女だ。
キリッとした敬礼と笑顔は一生忘れられない程の美しさであった。

滝田中尉「俺はSVF-13の指揮官.滝田英史中尉だ。」

桐原中尉「同じく飛行隊SVF-64ダックハンター小隊長桐原茂人中尉だ、よろしく。」

「よろしくお願いします。」

二人の若い女性兵士は敬礼する。
その時であった。

三浦佐枝子「茂さんオッハー!!」

桐原中尉「三浦少尉!?」

滝田中尉「三浦さん!!」

「佐枝子先輩」

佐枝子だ!一応軍人ではあるが、今日は非番らしく遊びに来たようである。
当然の佐枝子の訪問に驚いた桐原ではあったが・・・・・・他の人は普通に知り合いが遊びに来た感覚で挨拶する。
それにディーとマリアは佐枝子の事を先輩と呼ぶ。

滝田中尉「三浦さん、例の資料は終わりましたので処理お願いします。」

三浦佐枝子「はいは~い♪」

非番ではあるが、きっちり仕事をさりげなくこなす佐枝子。
滝田は引き出しから資料を引き出し佐枝子に渡す。
そして佐枝子はディーとマリアに挨拶の握手をする。

桐原中尉「知り合いか?」

三浦佐枝子「軍学校時代の後輩よ、ディーとマリアは豪州方面軍のタウンズビル基地で管制官として勤務していたのよ。それが非番中に訪れた南アタリア島の進宙式の式典に来ていたけど、その後は知っているので略。」

ディーとマリアは佐枝子の後輩である。
タウンズビル基地で元々管制官として働いていたが、マクロスの進宙式の式典を非番に見に来て戦闘に巻き込まれ民間人の避難誘導して南アタリア島がマクロスのフォールドに巻き込まれマクロスにそのまま乗艦する事になったのである。

桐原中尉「三浦少尉ちょっと来い・・・・」

三浦佐枝子「なんでしょうか?桐原中尉殿。」

桐原は佐枝子を物陰に誘う。
なぜ佐枝子を物陰に誘い込んだのかのかと言うと一つ気になっていた事があったからである。
それは・・・・・・・・・・・・

桐原中尉「彼女たちはなぜ俺達と同じ世界にいる!!」

三浦佐枝子「へっ!?」

桐原中尉「へっじゃない、なぜ元々管制官をしていた娘がヴァリアブル・ファイターパイロットに志願しているんだ!!」

元々ジェット戦闘機乗りには女性パイロットは少ない。
第2次世界大戦ではソ連にリディア・リトヴィクとエカテリーナ・ブダノワなどと女パイロットは複数人(記録によると164人は少なくともいたらしい。)はいた。
だがGによる悪影響から女性が戦闘機パイロットになる事はできなかった。
可変戦闘機が開発されると体にかかるGの影響が軽くなり、女性のパイロットの志願も許可し始めた所である。

既にマクロスは人員不足もありこの際は女性パイロットも可となり彼女のような人員は出た。
それだけならば桐原は問題にしないが問題は別である。

桐原中尉「管制官ならば危険な最前線に出る事はない、態々パイロットになる必要なんてないだろ!」

三浦佐枝子「最低ね女性差別よ、男から守って貰う程女は安くないわ。敵機の1機や2機撃墜できるわ!」

桐原は管制官として元々勤務していたからいつ誰か分からない最前線に行く必要になる戦闘機乗りになる必要はないと言う。
それに対し佐枝子は女性差別発言と答え、更に男から守って貰う程女は安くないと答えたばかりか敵の1機や2機を撃墜してやると豪語する。

桐原中尉「敵機の1機や2機を撃墜できるだと?」

三浦佐枝子「そうよ。」

                 ドン

三浦佐枝子「ひっ・・・・・・・・・・」

桐原中尉「三浦少尉・・・・お前・・・・・・戦場はどんな所か知っているのか?この前の戦闘では俺の部隊ではかなり死んだんだ。それを理解して言っているのか!!?」

三浦佐枝子「それは・・・・・・・」

桐原中尉「自分は生き残っても同僚は死ぬ、俺の尊敬していた町崎隊長だって統合戦争の時死んだからな。その軽い言葉はそれを覚悟して言っているのか!!?」

三浦佐枝子「うぅぅ・・・・・」

桐原は佐枝子に抑え込むようにして言う。
彼は戦場の厳しさを知っていた軽い言葉で言う佐枝子に初めて怒鳴った。
佐枝子は初めて見る桐原の怒鳴りに対し思わず目から涙を浮かべる。

三浦佐枝子「ごめんなさい。」

佐枝子は等々泣き出してしまう。
桐原は流石に不味いと思ったのか・・・・頭を撫でる。

桐原中尉「怒鳴ってすまん、つい熱くになった。彼女たちに覚悟を聞くよ、三浦少尉。俺は女性を差別しているんじゃない、女が最前線で死ぬのは見たくないんだ・・・・・最前線で死ぬのは俺達男で十分なんだ・・・・・・分かってくれ・・・・。」

桐原はそう言って物陰から出る。
佐枝子は若干震えていた・・・・戦場の認識を舐めていた。
ー最前線で戦った事のない私が何を言っているのやら・・・・・・
ー生死を分ける戦闘に出た事のない私が何を軽く言っているのやら・・・・・・・
自分の甘ったれた認識に反省の心が芽生えた。

滝田中尉「終わったか。」

桐原中尉「別にやましい事はしてないよ。」

桐原は滝田に言うと二人の前に立つ。
なぜ二人の前に立ったのかと言うと一つ確かめたい事があった。

桐原中尉「二人を代表してヴァーミル曹長。」

ディー「はいなんでしょうか?」

桐原中尉「戦闘機パイロットとして戦場で死ぬ覚悟や同僚を失う覚悟はあるか?」

桐原は二人に問いかける。
最初は動揺するかと思ったが二人は落ち着いて答える。

ディー「中尉殿・・・・・・・・・・・自分は命を捨てる覚悟があって志願しました。当然戦場で死ぬ覚悟や命を捨てる覚悟はあります。」

マリア「自分も同じです。入隊時に死ぬ覚悟と敵を殺す覚悟はない軍人は軍人の資格のない屑だと思っています、私たちは既に軍人としての修羅道を歩いている身であります。」

ディー「私たちは男には劣るかもしれませんが、精一杯頑張りますのでよろしくお願いします。」

二人は桐原に頭を下げる。
彼女たちは本音では戦場で死にたくないと言う気持ちはあった。
しかし最前線で戦うパイロットが不足しており、護ってくれる人が誰かがならなけれ戦場で死ぬと言う以前に全員死んでしまう。
仲間や恋人は死ぬかもしれないが覚悟して臨まなければもっと大きな物を失う。
彼女たちは既にパイロットになると決めた以前に覚悟を決めていたようである。

滝田中尉「覚悟は本物だな。」

桐原中尉「ふっ俺も考えは古かったかな、女も戦う時代も変わったもんだな。三浦少尉。」

三浦佐枝子「は.はい。」

桐原中尉「さっきは悪かった、すまん。」

桐原は佐枝子に小さな声で謝った。
素直じゃなそうな謝罪だったけど、佐枝子はそれが安心した。
時代は変わりつつある。

まだ桐原には女性を最前線に出す事を完全に許してはいない、少しは抵抗がある。
しかし、桐原の女性の戦場進出に対して完全に意識を変えさせる出来事はこの先に待ち受けているがそれはもっと後の歴史の話。
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