ヒゲジイのアル中よもやま話

断酒を始めて早7年目。このブログは回復プロセスの記録と脳のリハビリを兼ねて綴っています。やはり、まだチョット変ですかネ?

これぐらいなら許容範囲?

2018-10-30 06:42:07 | 雑感
 朝食の定番は目玉焼きと決まっています。その日、朝食を済まして流しのシンクに食器を片付けに行ったら、流しの横に玉子の空パックが置いてありました。買い置きの玉子が切れたので忘れずに買って来いというサインです。これで玉子がその日の記憶リストに加わりました。

 直近のことでも忘れてしまうことを記銘障害と言うそうです。この記銘障害がピークだったのは断酒直後から半年ぐらいの間だったと思います。その頃に比べたら最近は記憶力がかなり改善し、今では重要なことならしっかり覚えていられるようになりました。

 毎朝、起きがけの一番にコープのフルーツ・サンドを食べることにしています。ですから、コープでの買物は毎日のことで、玉子を買うなど忘れるハズのないチョロいもの、そのときはそう思い込んでいました。

 その日は晴れていて、珍しく下着が汗ばむぐらいの気候でした。私はと言えば、締め切りが近づいているブログ原稿のモチーフが見つからず、市役所からの帰り道はネタ探しで頭が一杯でした。そんな頭でも辛うじて、帰宅したら汗まみれの下着を直ぐに洗濯しようとは考えていました。

 そんなわけで、コープに着いたときは玉子を買うことをすっかり忘れていました。玉子売り場はフルーツ・サンド売り場の真向かいにあるのですが、玉子など一切目に入っていませんでした。

 家に着いて玄関のドアを開けたとき、やっと玉子の買い忘れに気づきました。さすがに少し気落ちしたのですが、直ぐに気を取り直して洗濯に取りかかりました。それまで身に着けていたものを全部洗濯機に放り込み、他に目に付いたタオルやらも放り込んで一息つきました。

 洗濯物を干しにかかってやっと、他にも洗濯物袋に靴下2足が残っていたことに気づきました。「ヤレヤレ、またやってしまったか?!」でした。

 何か大事なことに気を取られたら、たとえ自信を持ち始めた記憶力でも当てにならないこと、よぉーくわかりました。同年配のブロ友さんたちの記事を見ていて、まぁ、この程度なら許容範囲内だろうと気を持ち直している私です。



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断酒3ヵ月を過ぎた方にお勧めの “キョウイクとキョウヨウ”

2018-10-26 06:31:57 | 病状
 昨25日、酒を飲まなくなって丸5年となりました。5年前の10月24日に酔いどれ状態で一般病院に入院し、翌25日から全く酒を飲んでいません。ただし、自ら断酒に踏み切ったのは更に5日後の専門クリニック初診日からとなります。

 この5年を振り返ってみて感慨深いのは時間の流れの体感速度です。そして、断酒継続には “空白の時間” をどう逸らすかが最大の解決策ということです。私自身の経験とAAでの見聞からそう確信するに至りました。

 断酒して10ヵ月ぐらいまでは一日がとてつもなく長く感じていました。それが断酒1年半前後から1週間が短く感じ始め、それから間もなくして1ヵ月経つのも速くなり出しました。それでもまだ1年は長くて遠い感じでいました。

 その後、季節の移り変わりも速くなったのですが、断酒丸4年を迎えた去年でも、「まだ4年? 1年って何て長いの?!」と嘆いていたものです。ところが今年は「もう1年も経ったのか?! 速い!」という感じなのです。どうやら歳相応の時間感覚に戻ったようです。

 断酒1年半の頃は、週1回のブログ投稿が軌道に乗り、定期的な道のゴミ拾いも本格的に始めた時期でした。断酒6ヵ月から定期的に週2回通い始めた自助会AAも完全に習慣化していました。断酒を継続するには “空白の時間” が問題で、それをどう逸らすかが決め手では、と気づいた時期でもありました。

 さて、その “空白の時間” です。何もすることがなくて家で一人くすぶっていると、モヤモヤ・ジリジリ・イライラし始めると思います。これが典型的な “空白の時間” で、再飲酒へと誘う最も危ない兆候とされています。急性離脱期を脱して体調が安定し始める断酒3ヵ月以降が、特に “空白の時間” を意識し始める危険な時期だと言われています。

 断酒3ヵ月以降のこの時期は、急性離脱後症候群(PAWS;AAの言うドライドランク)やクロス・アディクションの片割れが現われ始める危険な時期でもあります。私はこの時期に性的妄想に散々苦しめられましたし、過食と嘔吐を繰り返す摂食障害やギャンブル依存、買物依存に苦しんだと言う人もいます。

 ほぼ2年前、私はこのgooブログに『断酒継続の科学』という記事を投稿しました。その記事で、断酒継続のために励行すべき項目として「不規則でだらしない生活習慣を改め、自律的で規則正しい生活リズムに切り替える」を挙げました。が、これではあまりに総論的で、「あぁ、そうですか」と左から右へと直ぐに抜けていくだけでしょう。

 そこで改めて強調したいのは、“キョウイクとキョウヨウ” です。「今日、用があって、行く所がある」という意味です。認知症予防に最も効くと言われていますが、アル症にもこれが一番だと思います。

 断酒1年の頃、医者に毎日通院を止めたいと申し出たことがありました。そのときに冷ややかに言われた医者の言葉が忘れられません。
「クリニックに来なくても、毎日、他にやることあるんですか?」
明らかに “空白の時間” を危ぶんだ言葉でした。

 AAには、断酒歴10年を過ぎた大ヴェテランでもほぼ毎日ミーティングに通っている仲間がいます。「家に一人でいたらロクなことがない!」そんな姿を見ていて確信を強くしました。

 とにかく毎日家から出ての “キョウイクとキョウヨウ” です。仕事再開などは時期尚早でお勧めできませんが、断酒3ヵ月を過ぎたアル症の方に特にお勧めです。



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フェイク・ニュースとデマ

2018-10-23 05:48:03 | 雑感
 2年前の米国大統領選挙以来、フェイク・ニュースという言葉がトランプ氏によって広まった感ありですが、元を質せばデマということです。強いて挙げれば情報通信媒体で広がるのがフェイク・ニュースであり、口コミで直接人から人へと広がるデマに比べ、同じデマでも巧妙さにおいて全く異質な悪意を感じるのは私だけでしょうか。

 威力から言えば、口コミで広がるデマの方が断然強い影響力を持っていると思います。生きた言葉で個人的に直接伝えるのが口コミですから、それだけ受け手の感情に強く働きかける力があるようなのです。

 先週、AAのミーティング前にあったM氏との会話です。細かい経緯は忘れてしまいましたが、ひょんなことから福島原発事故のときの避難指示範囲の話になり、米国の放射能調査能力の凄さが話題となりました。

 当時、日本政府は半径30 km以内に避難指示を出したのに対し、米国は自国人向けに半径50マイル(約80 km)以内からの退避としたのですが、これはちゃんとした米国側調査の裏付けがあってのことでした。私もこの事実は知っていたので、ふんふんと相槌を打っていました。

 その後M氏は、この優れた米国の調査能力を盾に、原発事故による放射能汚染の過酷さをたたみかけてきました。

「アメリカは凄いよ。あのスリーマイル島、今どうなっていると思う? 上空も含めて半径120 km以内は今でも完全封鎖になっているんだよ! メディアも近づけないから何も報道していないけど・・・。」
「へぇー、それは知らなかった! ?」

 スリーマイル島は事故後、無難に廃炉作業が済んで今では何も問題ないものと思い込んでいたので、この話には正直面食らってしまいました。どこかオカシイと違和感を持ちながら、話につい引きずり込まれていました。

 M氏は反原発のイデオロギーに染まっている人なので、普段ならかなり話を割り引いて聞くことにしています。が、秘密のニュース・ソースがあるらしく、色々と裏情報にも通じている物知りなので私も一目置いていました。

 私が違和感を持っていたのは「上空も含めて半径120 km以内は完全封鎖・・・メディアも・・・報道していない」の部分でした。それで帰宅してから早速ネットで調べてみました。

 その結果、1号機は事故を免れて2034年まで運転認可を得ていたにもかかわらず、採算が取れなくて2019年9月に閉鎖予定との記事がありました(2017.5.31 AFP通信)。案の定、デマだったのです。やはりこれもM氏ならでは、と思いました。

 M氏は、相手の出方次第で微妙に話の調子を変えて様子を見る人です。このことをすっかり忘れていました。「上空も含めて半径120 km以内は完全封鎖・・・」は、私の出方を見るためのジャブでした。

 まんまと担がれてしまったカモを見て、M氏はさぞかしニンマリしていたことでしょう。せっかくのヒントに即切り返しできなかった私としては、どう意趣返しをやってやろうか思案中です。



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“生病老死” について

2018-10-19 06:42:49 | 雑感
 先々週の週末から先週にかけて、生後9ヵ月の孫が入院するという出来事がありました。赤ん坊は悪くなるのも速いし善くなるのも速いものですが、それでも発熱のせいで5泊6日の入院となりました。

 こんなときにチットモ役に立たないのがジイジなので、何かあったときに備えた補欠要員としてノホホンと自宅で留守番するだけの役目を仰せつかりました。せいぜい私がやったことと言えば、直ぐ上のお兄ちゃんを幼稚園に付き添ったぐらいのものでした。

 それでも日中の私の活動プランは、AAのミーティングを含め大幅に変更を余儀なくされました。言ってみれば、プチ “空白の時間” みたいなもので、AAのミーティング欠席は姉の葬儀以来のことでした。

 こうして大したことにならなくて済んだものの、病気というものは大なり小なり周りを苦悩に巻き込むものと改めて思い知らされました。このことで改めて考えさせられたのは、仏教の言う “生病老死” についてでした。

 “生病老死” とは「生まれること」、「病気をすること」、「老いること」、「死ぬこと」の四苦のことで、この世で人間が避けることのできない4種の苦悩だとされています。この四苦は本人よりも、むしろ周りの人々が被ることではないかと、ふとそのとき考えさせられたのです。

 先ず “生” ですが、親にとって子どもの誕生は嬉しいことではあるものの、“苦” の側面も強いのではないでしょうか。呼吸のために鳴き声を上げはしますが、誕生する子どもに “苦” などあるはずはありません。むしろ “苦” を味わうのは、陣痛に繰り返し悩まされる母親の方ですし、健やかに育てていかねばならぬという重い義務と責任を負わされた父親の方だと思うのです。

 次に一つ飛んで “老” ですが、身体が言うことをきかなくなる老いは当たり前のことと受け容れればいいだけですし、意識がまともでなくなるボケとなったら “苦” などあるわけがありません。これらの場合、本人よりよっぽどシンドイ “苦” を味わっているのは実際介護に当たる家族の方のはずです。老人性うつや妄想を患っている場合なら本人も辛い思いをするでしょうが、それは老人性うつや妄想という “病” のせいなのです。

 最後に挙げた “死” ですが、意識がなくなっての “死” ですから、本人にはちっとも “苦” ではあり得ません。その苦しみを味わうのは、むしろ生きて後に遺された周りの人々のはずです。

 結局、本人が真に “苦” を味わうのは “病” だけなのかもしれません。“病”は、それを患う本人自身が直に味わう “苦” ばかりでなく、看病や諸々の世話をする周りの人々をも巻き込む意味で最も重い “苦” と思われるのです。

 以上は、当たり前と言われれば至極当たり前のことです。四苦とは本人よりもむしろ周りの人々が被る苦悩の意で、そう考えれば、如何に我を張らずに周りの人々と折り合って生きていくかが肝要、ということですね。痛感しました。



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健康寿命には治安のよさが?

2018-10-16 07:15:53 | 世相
 “運動や食事よりも大事な生活習慣は読書!?”
 “子どもと同居よりも一人暮らし!?”
 “ピンピンコロリには治安のよさが寄与!?”

 これ何かおわかりですか? 先週土曜日のNHKスペシャルをご覧になった方ならおわかりでしょう。人工知能AIが導き出した、健康寿命を延ばすためのヒントです。

 日本全国の65歳以上延べ41万人に生活習慣や行動に関する600問以上のアンケート調査を実施し、10年以上にわたって追跡調査した膨大なデータについて、NHKが独自に開発した人工知能『AIひろし』が相関分析(?)した結果だそうです。
 
 AIには確率と統計から導き出された論理しかありませんから、何を意味しているかは人間が解釈して意味付けするしかありません。そこで私も私なりに意味付けしてみようと思いました。

 先ず “読書習慣” ですが、本や雑誌を読むことで脳を理性的に刺激することが健康を維持しボケ防止につながるのだろう、ぐらいの意味しか思いつきません。“健全な精神にこそ健康は宿る”(?)と考えているからです。全国一の健康寿命を誇る山梨県が図書館数でも全国一という統計上の数値はその裏付けで、特に意義を唱えるつもりはありません。

 次の “一人暮らし” は一見逆説的ですが、ずばり言って気兼ねのない気楽な生活のことを意味していると思います。同居生活にありがちな余計なストレスとは無縁の独居生活は、多少の不便も刺激となって健康維持を後押ししてくれるのだろうと理解できます。

 最後に挙げた “治安のよさ” ですが、犯罪のない “治安のよさ” は住民にとって “安心” を意味すると解釈しました。

 ゴミのポイ捨てなど些細なことと思いがちですが、そんなゴミでも散らかり放題となったら住まい環境は悪化します。悪化した住まい環境ではとかく人心も荒みがちになります。そして、さらなる悪化が・・・という悪循環もあり得るのです。

 そうなるのを防ぐのは、住まい環境に対する住民意識と住民同士のコミュニケーションだろうと思います。住民同士の良好な関係があっての “治安のよさ” ですから、住民も余計なストレスを受けずに済むのでしょう。かくして自ずから、快適な住まい環境の好循環が続くことになるのではないでしょうか。

「防犯活動をするようになって、不法投棄もなくなった。」
埼玉県で町内の防犯活動に取り組んでいる住民の言葉です。防犯活動という実績から出た言葉ですから、これには私も膝を叩いて納得してしまいました。

 日本を訪れる外国人観光客が、「ゴミの少ない綺麗な街!」と一様に日本を賞賛しているようですが、ゴミ拾い歴3年半の私にはこれがどうしても信じられません。

 便利に慣れ、何かにつけ “メンドクサイ” が巾をきかす昨今の日本です。それだけにポイ捨てなど常習化した幼稚な軽犯罪がやたらに増えています。これがゴミ拾いを通じて私が思う現代日本の世相なのです。

 ここで読者の皆さんをゴミ拾い運動に巻き込めば、一石二鳥で “治安のよさ” と健康寿命の延長となる! そう意を強くし、勇んでこの記事を書いた私でした。



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なぜアル中に?

2018-10-12 06:23:52 | 病状
 コープで警備員をやっている兄(あん)ちゃんとの話の続きです。メッシ-君・ミツグ君から足を洗い、女子大生の彼女をキッパリ諦めたと言っていた彼ですが、その後どうしているか聞いてみると、・・・。

「甘い物と酒ですわ。どうしてもつい手が出てしまって・・・。」
「ほぉ、甘辛の両刀遣いか。アル中が酒を止めたら皆が皆、やたらに甘い物を欲しがるんだが・・・。そうそう、アル中になるから朝から酒はダメだよ、絶対に!」
「ハイハイ。そう言えばおっチャン、アル中だったとか?」
「完治のない病気だから、今もアル中で変わりない。飲まないでさえいればこんなふうに普通なんだけど、一杯でも飲んだら元の木阿弥さ。」

「どう見てもそうは見えないけど、なぜアル中に? おっチャン、ゴミ拾いにハマっているようだから、やはりハマリやすい性格とか?」
「ハマリやすい? そう、間違いなくそれはあるね。それとね、若いというのは特有の思い上がりや自惚れが強いのよ。私にも変に歪んだ思い込みがあって、自分に出来ないものはないなどと、とかく不遜になりがちでねぇ。
 ところが、思い通りになるほど世の中甘いものじゃない。なかなか思い通りにならないものだから、おもしろくないやらモヤモヤが溜まるやらでねぇ。その憂さを晴らそうと、ついつい酒に縋るようになったんだなぁ、それがオレ。」

「理想と現実の乖離ですか? そんなの誰にでもあることでしょう。もしそのせいだとしたら、誰でもアル中になってしまうじゃないですか?」
「そう、専門家は誰でもアル中になり得ると言うんだけどね。酒はね、飲むのが頻繁であればあるだけ酒に強くなって酔えなくなる。少しばかりの酒では一向に酔えないからと、勢い酒量がドンドン増えてしまうことに・・・。私の場合は、元々酒に強い体質だったことが拍車をかけたんだね。」

「いつ頃からアル中だってわかったんですか?」
「40代半ば。お昼頃になると手が震えてることに気づいたのが決め手だったけど、もうそのときは立派なアル中の一丁上がりでね。・・・その相当前から始まっていたようだねぇ。
 30代末だったかなぁ、成果の割には思い通りに昇進できなくて、なぜ自分だけが不遇なのかと嘆いてはダラダラ飲んでいたからねぇ。今思えば、未熟な世間知らずだっただけのことで、よくもあれだけ “身の丈知らずの身の程知らず” でいられたなぁと思うばかりよ。」
「“身の丈知らずの身の程知らず” ですか?!」
「理想に憧れるのもいいが、足下も見ないで高嶺を望んでばかりじゃ危ないってこと。後40年も経てばわかると思うよ。」
「40年もですか? それじゃ、おっチャンの歳ということじゃないですか。まぁ、心しておきますよ。」
         *   *   *   *   *
 8月に循環器内科を受診したとき、主治医から「なぜ、アル中に?」と同じ質問を受けました。「心に闇があって・・・」と答えたのですが、「心に闇なんて、誰にでもあることだよ」と、にべもなく返されました。

 その時に比べれば、兄(あん)ちゃんへの今回の説明は少しはマシだったでしょうか? 単なる常習の飲酒習慣と、酒に耽溺状態となるアル中との間にある不連続な変化が、未だに深い闇に包まれていてわからないままでいる私です。



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役所への陳情では念押しが肝腎

2018-10-09 05:59:42 | 世相
 台風24号の中心がわずかに東に逸れて過ぎ去った翌日、台風一過を絵に描いたように快晴の朝でした。

 その日も市役所までの道すがら、いつものようにゴミ拾いをして行きました。そしてゴミで一杯になったレジ袋をぶら下げて市役所前広場に着きました。すると、いつもなら広場の隅にあったゴミ箱が見当たりません。ゴミ箱があった辺りに、ただ大小のゴミが積み重なって小山のようになっているばかり。で、私のゴミ袋もそこの仲間入りをさせました。

 ロビーで新聞を読みながらいつまで待ってもゴミ箱が復活しないので、玄関前にいた親しい警備員に聞いてみました。台風に備えた一時撤去ではないか、とその警備員は何も知らされていないようでしたが、ゴミ箱の管轄は用地管財課のはずと教えてくれました。

 それならばと受付に聞いてみると、早速関係部署に確認してくれて完全撤去ということがわかりました。同時にこの問題の管轄が用地管財課ということも確認できました。

 公園などの公共の場からゴミ箱を撤去するのは市の方針ですから、市役所前広場も例外ではあり得ません。その方針自体は私も賛成なのですが、道で拾ったゴミの処分をどうするかは別問題です。

 ちょうど別件で確認しておきたいこともあったので、先ず諸々の相談に乗るよろず相談課(仮名)に行くことにしました。本音を言えば、いきなり用地管財課に行くのは名前からして敷居が高かったのです。

 別件というのは、月初めの台風21号で吹き飛ばされたゴミ処理の件です。私が見かねてゴミ袋に拾い集めて道端にまとめて置いていたのですが、前の週に片付けを依頼していたのにまだ未処理のままだったのです。

 そのよろず相談課でのやり取りです。
「先週の今日、台風で吹き飛ばされたゴミの片付けをお願いしていた件ですが、その翌日に現場に行って見たらそのままだったんですけど・・・」
「あぁ、あの件ですか。普通はその日の内に公園緑地課が対処しているはずなんですが、確認してみますね。・・・(電話の後)場所がわからなかったと業者が言っていたようですね。それで再度、指示を出しておいたそうですよ。」
「それなら今日にでも現場に行って確認してみます。・・・それと、庁舎前広場のゴミ箱撤去の件ですが、・・・」

 そこで、ゴミ箱撤去には基本的に賛成なこと、市役所までの往復に毎日のように道のゴミ拾いをやっていること、復路でゴミ袋を持ち帰るのは当然としても往路だけでも市役所で引き取ってもらえないか云々を切々と話しました。すると課長さんまでが話に加わって自ら用地管財課に電話もしてくれました。
 
「管轄の用地管財課に話を通しました。受付にゴミ袋を持ち込んだら処分してもらえることになりました。これからはそうしてください。」
「ありがとうございます。受付に、ですか? 私の方からも念のため用地管財課に話をしてみます。どなたをお訪ねすればいいのでしょうか?」
「Kさんという方です。」
ということで私は2階にある用地管財課に向かいました。

 K氏は課長さんでした。一通り私の話を已む無く聞いてくれた後、発したのが次の一言。
「受付に言ってもらえば業者が即引き取るようにしておきますから、そうしてください。」
「わかりました。明日から早速そうさせてもらいます。受付の方にも是非、そうお伝えください。」この念押しが私の目的でした。

 一応これで一件落着と思い、次は台風の置き土産の方を確認しようと3 kmほど離れた現場に向かいました。偶然でしょうか私が現場に着いたとき、申し合わせたかのように業者の方も丁度そこに現われてくれたのです。

「場所がわからなかったので・・・」と言っていましたが、どうやら来たのは初めてのようでした。「自分で動かなければ何も動かない!」懸案のひとつがやっと解決できた思いでした。
         *   *   *   *   *
 翌朝、開庁時間を待ってゴミ袋をぶら下げ受付に行きました。受付では何も聞いていなかったようでした。予想していたことなので、私の名前を告げK氏の名前を出して電話で確認してもらいました。渋々、受付の片隅にゴミ袋を置かせてもらえましたが、表情から迷惑げなのは明らかでした。

 さらに翌々日の朝、再び受付に行くと新たなゴミ置き場を指定してきました。さすがに受付の方も思案して独自に対策を講じたようです。

 これでどうにかゴミ拾い市役所コースの公認ゴミ処理ルートが確立できました。やはり役所への陳情では、些細なことでも念押しが肝腎なのですネ。先ずはメデタシメデタシ!



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老いは懲りない?

2018-10-05 06:49:02 | 病状
 置き忘れの防止には手荷物を一カ所にまとめて置くこと。これは、セカンド・バッグの置き忘れを何度も繰り返し、冷や汗を散々搔いた末に辿り着いた鉄則です。

 この鉄則を十分理解しているつもりでも依然としてポカを繰り返しています。幸いなことに実損被害をこれまで免れていることから今だに懲りていないようなのです。どうやらこれも老いなのでしょうか?

 ついこの間はビニール傘を置き忘れてしまいました。ゴミ拾いコースの道傍に無造作に捨てられていた傘ですが、広げてみたらまだ十分使える新品だったのでシメシメと持ち帰ることにしました。

 そのままゴミ拾いを続けながらしばらく歩いて行くと、歩道下の土手の法面にゴミが散らかっていました。早速それらを始末しようと、ゴミ拾いグッズを土手上の欄干の足下に置き、件の傘は欄干の手すりに掛けて置いて、おもむろに法面を下りたのです。

 お察しのように、作業を終えたら見事に件の傘だけ置き忘れていました。そのことに気づかされたのは20分ぐらい経ってベンチで休憩していたときです。慌てて来た道を戻ったのですが、歩き始めて直ぐに置き忘れた場所の見当が付き無事回収できました。

 忘れ物があるときは、“虫の知らせ” とでも言うのでしょうか、妙に不穏な感覚が湧いてきます。この妙に不穏な感覚は物を忘れた場合に限ってのことで、言葉を忘れて出て来ない場合にはこれとは別の違和感が湧いてきます。この傘のときも同じで妙に不穏な感覚がありましたが、晴れた日でしたしゴミ拾いグッズも揃っていたので気に留めなかったのだと思います。

 同じ日に同じようなことがもう一度ありました。

 海辺にある建造物の隅は吹きだまりになりがちです。建物の仕切の金網がその吹きだまりになっていて、台風で吹き飛ばされた建材(断熱材?)の断片がそこに散らばっていました。

 近くのベンチで休んでいるときそれがどうにも気になり、それらの断片を拾い集めて大型のゴミ袋に詰めて置くことにしました。その作業を終えて件のベンチに戻ったとき、大事なトングがないことに気づかされました。

 トングも念のために建材拾いに持って行ったのですが、出番がなかったので現場の金網に立てかけて置いたのです。このときも気づかされたのは休憩中のことでした。

 何か置き忘れがあった場合、どうやら身体の奥の方でちゃんと覚えているようなのです。そして第六感とでも言うべき妙な違和感によってそれを知らせてくれるようです。

 ただし、この違和感はボンヤリと知らせてくれるのみで、ハッキリ何であるかを思い出せるのは後になって似た状況に置かれたときだけのようです。たとえ老いたとしても、そんな原始的な仕組みが身体には備わっているように思えてなりません。

 せっかく拾った傘にしろ大事なトングにしろ手放したら忘れてしまうのが当たり前、このコマッタ法則こそ何とかして手放すべき対象なのでしょうネ。
         *   *   *   *   *
 もうじき断酒歴5年となるので、大事なことを新たに覚えて記憶する方は大分マシになってきたと思っています。その一方で、記憶を呼び起こす方の置き忘れや物忘れは依然としてひどい状態のままです。

 ところで、痴呆症か否かを診断する際の目安は、物忘れを自覚し具体的で実効的な対策を自分でどう立てているかにあるのだそうです。この診断法を肝に銘じ、違和感だけに頼ることなくどんな具体的で実効的な対策を取るかが今問われているのだと思っています。

 それはそうと、私にとってもう一つ手放すべき対象は長年偏って刷り込まれてきた見方・考え方、すなわち “認知のゆがみ” です。ところが、これも十分わかっていながら、なかなか手放せないままでいます。

 そうではあっても、自分はとかく偏った見方・考え方をしがちなのだ、と自覚しているだけでもかなりの程度自制が効くことが最近わかってきました。“認知のゆがみ” は後天性の属性ですから、こんな自制も本来備わっている原始的な感覚の為せる技かと、勝手な屁理屈を捏ねては悦に入っている私です。



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縁がない?

2018-10-02 06:30:30 | 雑感
 毎日のようにゴミ拾いをやっていますから顔見知りになった人が多くいます。そんな顔見知りだけの人でも、ひょんなことから世間話をするようになり、そのうちに人生相談を受けることもあります。

 その日の兄(あん)ちゃんもそんな一人で、警備会社から派遣されて週一回コープで働いている青年です。顔に青春のシンボル痕が残っていて、歳は25、6と言っていたような・・・。

「付き合っている大学生の彼女がいるんですが、もうひとつ仲が進まないんでモヤモヤしてるんです。会うときは食事も全部自分持ちで、何かとプレゼントもしているんですが・・・? こんなことってあっていいの、おっチャン?」
「若い頃、私にもそんなことあったなぁー。で、付き合って何年ぐらい経つの?」
「もう3年以上になります。こっちの気持ちは十分通じているはずなのに、いつも食事だけでお終いだったりで・・・。結構なお金をかけているんですが、一向に進展がないんですよ~。」
どうやら彼は、自分でも薄々勘づいていながらメッシー君やミツグ君をやらされて(?)いるようでした。

「そうかぁ、それは彼女とは縁がなかったということ。いつまで貢ぎ続けていても多分同じだと思うよ。」
「縁がない?! ここまで付き合って来れたのに? それでも縁がないんですか?」
「そう、縁がなかったと思った方がいいよ。これまでのことは少々高く付いたと同情するけど、人生の授業料だと思ってキッパリ諦めたら?!  人生っておもしろいもので、きっと帳尻合わせに直ぐにでも別の女性が現われると思うよ。」
「人生の帳尻合わせ? ホントですかぁ?」
兄(あん)ちゃんは、どうにも腑に落ちない顔をしていました。

 その場はそれで話が終わったのですが、私の方もどこかに違和感を引き摺っていました。しばらくしてそれが言い間違いと言うか、明らかに言葉足らずであったことに気がつきました。

 あのとき正確に言うのなら、「縁がない」のではなく、「そこまでの縁でしかなかった」と言うべきでした。又々、想起障害が邪魔していたのです。
 
 それで2、3週間後に兄(あん)ちゃんと再会したとき、いの一番に自分の舌っ足らずを謝り訂正しました。

「ぼくも、後になってそれに気がつきました。“気づく” のにどうしても時間がかかるんですよ、ぼくは。お陰様でやっと踏ん切りがつきました。ありがとうございました。」
「そうそう、暑いとか寒いとかに気づく知覚とは違うからね。 “気づく” のにはそれなりに時間がかかるよね、私と全く同じだ!」

 私の真意を汲んでくれたばかりでなく、若い彼でも “気づく” のに時間がかかると明言してくれたのです。老化のせいとかアルコールの後遺症(PAWS)のせいとか、モヤモヤしていた私の心も、兄(あん)ちゃんの言葉が見事に晴らしてくれました。



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