ヒゲジイのアル中よもやま話

断酒を始めて早7年目。このブログは回復プロセスの記録と脳のリハビリを兼ねて綴っています。やはり、まだチョット変ですかネ?

老いても意識だけは若いまま?  “否認” の典型です

2018-05-29 06:03:18 | 雑感
 電車やバスで席を譲ろうとした若い人の申し出を、邪険に断ってその場の空気を気まずくした老人、この手の話は近頃少なくありません。若いままの意識でいるので、人から老人扱いされたことに脊髄反射的に反発したのだろうと思えてなりません。これぞ “認知のゆがみ” の為せる技、“否認” の典型です。

 何を隠そうこの私も、初めてこの手の申し出を受けたときは、せっかくの善意を反故にしたことがあります。「まだまだ大丈夫ですから」と虚勢を張った途端、その場の空気が気まずくなったと感じました。

 私なども、鏡やガラスに映った自分の姿を見ない限り、今でも15歳の頃の意識でいます。あくまでも意識の上でのことで、世間で言う “気持ちが若い” という意味ではありません。世間では、歳を取っても好奇心や勇気を失わず、新しいことにも果敢に取り組む人のことを “気持ちが若い” と言います。そういう意味からすると、現実の私はこの対極近くにあるようです。

 “不老長寿” は人間の持つ永遠の願いです。老いは命あるものの宿命で、歳を取ったら誰であろうと避けられないもの、それはわかっているのです。なのに、歳を取っても変わらない意識が現実の老いを認めようとしないし、認めたくないのです。

 意識が現実を否認している精神構造はアルコール依存症者によく似ています。周りに文句ばっかりの不満タラタラで、何かにつけ周りのせいにする他罰的態度になること必定です。こんな態度でいたら日常生活でロクなことはありません。

 “老いた自分を ありのままに受け容れる”

 さぁ出かけようと玄関のドアを開けて初めて大事な忘れ物に気づいたり、それが家を出てから1~2分経ってからだったりと、老いた自分に気づかされることが最近多くなりました。以前は、こんなことにさえ腹を立てたものですが、今では苦笑いで済ませるまでになりました。

 めげず、落ち込まず、今できることを唯々精一杯やるだけ、たとえヘマをしでかしても笑い飛ばすぐらいでいたいもの、今の私はこんな気持ちでいます。



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ヒゲジイのPAWSによる悪文見本市(その16)

2018-05-25 06:43:32 | 悪文見本市
 今回は、飲酒欲求を初めてテーマとした『飲酒欲求―すき焼き・しゃぶしゃぶとビール、・・・旨そう?!(2015.7.24投稿)から事例を取り上げてみました。

 この記事では、自動行動がキーワードの一つです。長年の(生活)習慣が刷り込まれて条件反射的に無意識のままでやる行動のことを、私は自動行動と呼んでいます。

 とかく飲酒欲求は衝動的なものと思われがちですが、無意識のままにやった自動行動が飲酒欲求の現われだったということも多いようです。同じ体験談は中味を少し変えて何度も語られるのですが、それらを総合してみると、つまるところ仕事の再開などで知らず知らずのうちにストレスを溜めていて、そのストレスが無意識のうちに心の負担となっていた例が多いようなのです。

 ストレス、特に言葉のストレスに過敏な時期は3年ほど続きます。当たり前のことですが、こんなことがあるからこそ意識して自動行動を誘うような場を避けることが肝腎で、しばらくは仕事の再開なども焦らない方がよいようです。

 なお、現在掲載中のものはいずれも手直しした後の改訂版です。
***************************************************************
【事例51】
「体験談に共通しているのは、意図していないにも関わらず、無自覚のまま自動的にやってしまう行動だと言います。・・・(中略)・・・断酒3年目に何度も飲酒欲求を経験した人の話では、自分が何をやっているかに気が付いて、初めて飲酒欲求と分かり肝を冷やしたそうです。・・・(中略)・・・私がすき焼き・しゃぶしゃぶ屋の店頭で経験した出来事は、これらに近いほぼ同類の経験だと思いますが、体験談は無意識の内に行動している点が大きな違いです。再飲酒となった多くの原因はこの無自覚の自動行動によるものと考えてよさそうです。」
         
「体験談に共通しているのは、意図していないにもかかわらず、無意識のまま自動的にやってしまう行動だと言います。・・・(中略)・・・断酒3年目に何度も飲酒欲求を経験した人の話では、自分が何か妙なことをやっていることに気が付いて、初めて飲酒欲求と分かり肝を冷やしたそうです。・・・(中略)・・・私がすき焼き・しゃぶしゃぶ屋の店頭で経験した出来事はこれらに近い経験だと思いますが、これらの体験談と私とでは、無意識にした行動か否かの点で大きく異なります。再飲酒となった多くの原因はこの無意識のままでする自動行動によるものと考えてよさそうです。」

 先ず問題点として挙げるべきは、用語の不統一、重複した表現、時制の混乱などでしょうか。これら該当する箇所を下線で示しました。

 特に、用語の不統一についてですが、無自覚と無意識の両方が文中にあれば、それぞれに異なった意図が込められているものと誤解されかねません。文脈からして両者を同義に使っているとは読めますが、ここは不要な誤解を避けるために無意識で統一しました。

 次に挙げるべきは、表現が今ひとつ切り込み不足なことでしょうか。経験談で聞いた行動と “私” の行動がどう違うのか、それが今ひとつはっきりしません。そこで、その差が明確にわかるよう「無意識にした行動か否か」と表現を変えてみました。

 その他、細かな点で気づいたことも手直ししています。いかがでしょうか?

***************************************************************
【急性離脱後症候群(PAWS)】
 症状は、断酒開始後3~6ヵ月目で最も強くなり、6ヵ月~2年で回復する。

  ○ 思考プロセス障害(脳の働きにムラがある、頑なで諄(くど)い思考、因果関係を
    理解できない)
  ○ 情動障害(情動の揺れ)
  ○ 記憶障害(短期記憶の障害)
  ○ 睡眠障害
  ○ 身体的協働性に問題
  ○ ストレス感受性に変化(おそらく認知障害“認知のゆがみ”の意味:筆者追記)
                  (アルコール依存症専門クリニック教育資料より)

 その障害の一つ “思考プロセス障害” では、脳の働きにムラがある、頑なで諄(くど)い思考、因果関係を理解できないなどが知られています。私の経験から言えば、 “思考プロセス障害” は次の3点に言い換えできるでしょうか。

  ● 脳が混乱して疲れやすく、よくストライキを起こすこと
  ● まとまった文章を書こうとすると、なかなか考えがまとまらないこと
  ● 使うべき助詞、所謂 “てにをは” の適切な使い方に迷うこと

 さらにより具体的に挙げれば、“遠回りする思考”、“助詞の使い方の混乱”、“修飾語の語順の誤り”、“時制の混乱” などとなり、大概が “慣用的な言葉の使い方(言い回し)の失念” ということに要約できます。



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体調維持は睡眠サイクルの維持から

2018-05-22 06:13:08 | 雑感
 このところ汗ばむぐらいの暑い日になったと思ったら、翌日は雨で肌寒い日になったりしています。こうも気温の変動が大きいと、さすがに体調の維持に気を使っている方が多いのではないでしょうか?

 快食・快眠・快便が健全な体調のバロメーターと言われています。私は、気分は体調からと考えていますが、今回は、睡眠サイクルとその日の気分について述べてみます。

 現役のサラリーマン時代、朝起きたときの天候でその日の気分が左右されることがよくありました。こんな経験、多くの方が共有するのではないでしょうか?

 特に、雨の日は最悪でした。目覚めて雨とわかった途端、よく憂鬱になったものです。雨ならいつもより早めに家を出るべきなのに、布団から起き上がってもグズグズしてなかなか気分が乗りませんでした。

 ところが、歳を取ったせいか最近は、目覚めたときの気分が天候で左右されることなどなくなりました。とは言っても、目覚めたときの気分がその日の調子を決めることに変わりありません。

 私にとっては、生気の漲る感覚が目覚めたときにあるか否かがその日の気分を決めます。別にもったいぶって小難しく言っているつもりはないのですが、平たく言えば頭も身体もスッキリした感覚でしょうか。この感覚がありさえすれば、その日一日は快調に過ごせます。

 その対極の感覚が、頭がジンジンして少し重い感じでしょうか。少しシビれたような、脳がストライキを起こしたときの感覚に似ています。何のことはない、単に睡眠不足なのですが、考えがうまくまとまらなくなるのも同じです。下手をすれば次に何をすべきかについても迷い始める有様で、そんなときは迷わず二度寝をすることにしています。これぞ、退職者だからこそ行使できる特権です。

 なぜ睡眠不足に? 私は、毎朝5時にラジオをセットしているので、その時刻ピッタリに一旦は目覚める毎日です。一方の就寝時刻と言えば、断酒を始めた頃は10時までには就寝していましたが、それが最近は11時近くになり、ともすれば12時を回ることもあります。とすれば、どうやら問題は就寝時刻にあるらしいとわかりました。

 睡眠は、ノンレム睡眠とレム睡眠が交互に現われる70~110分のサイクルの繰り返しだそうです。最初の90分間は必ず深い眠りのノンレム睡眠となり、その後は浅い眠りのレム睡眠に、そして再びノンレム睡眠に・・・という順だと言います。寝覚めがよいのは浅い眠りのレム睡眠時だそうで、このタイミングがズレると頭がぼーっとした状態の目覚めとなるのだそうです。

 そう言えば、寝覚めの悪いのは決まって12時近くに就寝した翌朝でした。やはり夜更かしは覿面なのです。規則正しい生活リズムには早寝・早起きが鉄則と、改めて思い知らされました。

 これからは気温がどんどん高くなり、ムシムシした夜も続くことでしょう。昼間の暑さは例の優れモノ・長袖の野球用アンダーシャツを着てれば涼しく過ごせても、さて夜はどうしたものか? なかなか妙案が浮かばないものの、是非とも早寝だけは守っていこうと改めて肝に銘じた次第です。



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生活リズムの立て直しには、やはり行動が一番?

2018-05-18 06:31:13 | 病状
 女性ブロガーは自分の心情を素直に表現できている方が多く、いつも自在さに感心しています。今回、ご紹介する方もそんな女性ブロガーの一人です。

 彼女も私と同病で、23歳の若さでアルコール依存症(アル症)と診断された方です。少女時代、両親、特に母親から冷たい仕打ちをされたと思い込み、アダルト・チルドレン(AC)の生きづらさを引き摺ってアル症となったという経歴の持ち主です。だからでしょうか、自傷行為が絶えず、アルコールなしでは生きていられなかったと述懐しています。

 そんな彼女が間もなく断酒満5年を迎えます。彼女の記事を辿ってみると回復プロセスの一つの典型例が見えてきます。“断酒に3年” という言葉の重みと、アル症からの回復がいかに健全な行動意欲の回復と表裏一体かを、今更ながら再確認させられました。今回は、彼女の回復のプロセスを記事から追ってみます。

         *   *   *   *   *
 断酒して最初の1年はほぼ引き籠もりのニート状態だったと彼女は述べています。その後の経過は、概略、以下のようです(重要と思われる事項を太字か下線で示しました)。

 断酒1年3~9ヵ月 生活習慣を整えるためアル症(専門病院併設?)の
         リハビリ施設通い
        (通所仲間の嫌がらせが耐えられずに6ヵ月で中止)
 断酒1年9ヵ月~ 自分で早起きできるようになる
        (「調子が戻ってきた」)
 断酒1年11ヵ月~ 禁煙と妊活を始める
 (断酒丸2年頃 一時期、飲酒欲求が酷かった模様)
 断酒2年2ヵ月~ 眠剤中止 パート勤務(一日3時間週5日)を始める
        (「体が物凄い楽だ」)
 断酒2年6ヵ月~ 毎日の自助会通い 本格的 “棚卸し” も始める
 断酒2年8ヵ月  妊娠発覚
 断酒3年    「今は一言で言うと幸せです
 断酒3年4ヵ月? 長男誕生
 断酒3年9ヵ月  ACとしての生きづらさ(少女時代に受けた恨み辛み)
         を両親に告白


 断酒2年後ぐらいまでは遅発性の離脱症状(PAWS)がきつい時期なので、精神状態が不安定な患者同士がリハビリ施設でうまくいかなかったのはまぁ仕方のないことです。それでも彼女は、意識的に早起きや禁煙に取り組み、生活習慣を立て直して社会復帰を目指していたようです。

 そして、断酒2年2ヵ月後から眠剤の中止とパート勤務を始めています。週5日の軽いパート勤務で意識的に規則正しい生活リズムに戻そうとしたのでしょう。丁度この時期は、PAWSが峠を超える時期に当たり、まことに時宜を得た決断だったと思います。

 私が特に注目したのは、パート勤務に慣れた頃の断酒2年6ヵ月後の記事でした。表題を『行動に移す』とした記事にはこんな言葉がありました。

「本当に当たり前の毎日が幸せです♪ 前みたいに完璧主義な自分もなくなってきて、0か100っていう極端な考え方もなくなってきました。この3,4ヶ月で本当に楽になってきました。」

 眠剤なしでもうまく睡眠がとれ、社会参加も軌道に乗ったからこそ出た言葉だと思います。この頃から体感の復調を実感し始めたのでしょうか。毎日の自助会通いと本格的 “棚卸し” も始めたそうです。過去の自分と対話し心の蟠りを暴くことを自助会AAでは “棚卸し” と呼んでいます。心にゆとりが生まれなければ決して出来ることではありません。

 その “棚卸し” の成果が断酒3年9ヵ月の記事にある両親への告白だったと思います。「(心の)重荷がとれた」という言葉が、長年の囚われから解放された彼女の気持ちを端的に語っています。AAの “回復のプログラム” をこのように実践し、彼女はこのとき、“新しい自由、新しい幸福” を手にしたのだと思います。

 もうすぐ断酒5年を迎え、直近の記事で彼女はこんな言葉を綴っています。

「育児大変ですが、楽しいです。幸せです。生きてきて今が1番に幸せです。間違いなく。・・・(中略)・・・あ〜もう飲みたくないな。また一からなんて無理だよ。」

 彼女は今、飲まない生活が板に付いたと見て間違いありません。同じ思いでいる私には彼女の気持ちが痛いほどよくわかります。

 ここまで触れていませんが、もう一人賞賛されるべきは彼女の連れ合い(夫)です。彼の理解と協力なしでは、ここまで彼女が回復できたかわかりません。まさしく夫婦愛の為せる技だと思います。妬けますね。
 

今回の取材記事はこちらこちらです。


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カラスに襲われる

2018-05-15 06:40:23 | 雑感
 コープからの帰り道、カラスがギャーギャーとだみ声で鳴いているのが聞こえました。鳴き声は少し離れた松の木からで、カラスは上の方の枝に停まっていました。その下へ目をやると、歩道脇の植え込みの上に何やら黒っぽいモノが見えました。

 近づいてみると、フード付きの黒い小児用ウィンドブレーカーが無造作に置かれていました。落とし物がよく見えるよう、道脇の植え込みに置いておくのはこの辺ではよくあることです。

 黒色は植え込みの緑の上では目立ちません。もっと目立つところに移してあげようと思い、そのウィンドブレーカーを手に取ってみました。カラスが激しく喚き出したので少し変とは思ったのですが、構わずウィンドブレーカーを近くに移すことにしました。鳴き声からして、カラスの方も松の枝から電柱に場所を移したようでした。

 ウィンドブレーカーを移した先はすぐ隣の児童遊園にある仕切りのポールでした。車が入って来ないよう入り口に立ててある、あの黄色のポールです。これでよかろうと、カラスに背を向けて帰りかけたときでした。突然、背後からカラスが襲って来たのです。びっくりして振り返ると、カラスは電柱に停まって私を威嚇するようしきりに鳴いていました。

 私がカラスに目を向けている間は何もしなかったのですが、背を向けた途端、カラスは再び襲いかかって来ました。思わず、ヒッチコックの『ザ・バード』の恐怖場面が蘇ってゾッとしました。そう言えば、この辺りのカラスは悪賢く、隙あらば自転車の買物かごから集団で品物をくすねるぐらいのことは常習としています。長居は無用と、何度も何度も後ろを振り返りながらその場を離れました。

 カラスはとても知能の高い鳥です。昔、家族と別居していた頃、鳥かごに飼われていたカラスが一羽隣の家にいました。家の人がよく仕込んでいたらしく、「オハヨウ」とやっと聞き取れるぐらいまで言葉も話せていました。日中は外に置かれていたその鳥かごに野生のカラスがよく集まっていました。このことからカラスは仲間意識が強いことを知りました。

 あのとき枝に停まっていたカラスの頭、よく見たら額の部分が幾分盛り上がっていましたが・・・。あれは、ひょっとしたら前頭葉が発達している証? 今回の件も、黒いウィンドブレーカーを仲間と思い込んでの狼藉だった? そして、私を敵と思い込んだとしたら、たとえカラスでも根に持っているはずで、また襲って来る? 迷いは続くばかりでした。

 翌朝、児童遊園のどこにも件のウィンドブレーカーは見当たりませんでした。その日は何もなかったのですが、事件から1週間経った3日前と昨日も、再びカラスに襲われました。カラスとの緊張関係はまだまだ続くようです。



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ヒゲジイのPAWSによる悪文見本市(その15)

2018-05-11 06:24:29 | 悪文見本市
 ゴールデンウィークが明けて “五月病” が聞かれる時節になりました。入学や就職、異動、一人暮らしなど、4月から新しい環境に変わって5月になり、やる気があってもその環境に適応できずに “抑うつ状態” になることをこう言うそうです。

 せっかく新しい環境に馴染み始めた時期なのに、ゴールデンウィークの長い休みで調子を狂わされたというのが一番の誘因ではないでしょうか。夏休みや春休みの後、乱れた生活リズムのまま長期欠席から不登校になるのとよく似ています。

 “抑うつ状態” のときは、一人で引き籠もりになるのが一番危険です。精々、周りの人々が気を遣うべきは、何とか外に連れ出すよう色々工夫してみることではないでしょうか。また、本物の “うつ病” なら「がんばれ!」などとは決して言ってはいけないそうです。

 今回は、『アルコールと “うつ” 症状』(2016.2.05投稿)から題材を二つ取ってみました。この記事では、私がアルコール浸りで “抑うつ状態” になっていた頃、経験した諸症状の詳細も具体的に述べてあります。

 なお、現在掲載中のものはいずれも手直しした後の改訂版です。
***************************************************************
【事例49】
「単なる “抑うつ状態” とは、別離や失敗、喪失などの心理的ストレスをキッカケに、その直後から落ち込んだ気分となることだそうです。本物の “うつ病” では、単なる “抑うつ状態” とは異なり、キッカケと思しき出来事と症状発現との間に相当の時間的隔たりがあるのが普通だといいます。」
         
「単なる “抑うつ状態” と本物の “うつ病” との違いは、キッカケと思しき出来事と症状発現との間に時間的隔たりがあったか否かだと言います。別離や失敗、喪失などの心理的ストレスをキッカケに、その直後から落ち込んだ気分となったのは単なる “抑うつ状態” で、本物の “うつ病” では両者の間に因果関係を問えないほどの時間的隔たりがあるのだそうです。」

 この文章は、単なる “抑うつ状態” と本物の “うつ病” との違いを述べようとしている部分なのですが、各々の状態を順に述べているだけで工夫がありません。これではグダグダ遠回りしている印象が強く要領を得ません。

 このように遠回りしがちな論調も、恐らく思考プロセス障害のせいではないかと私は考えています。この段落では先ず結論を述べる方が理解されやすいと思い、ご覧のように手直ししてみました。


【事例50】
「 最後に、“うつ” の人にどう向き合うべきかについてです。『がんばれ!』などと決して言ってはいけない、・・・(中略)・・・本人は精一杯頑張っている状態といいます。アルコールが “うつ” の症状を悪化させるということには誰も異論がありません。ですから、せいぜい酒を断つように励まし、ゆっくり休むよう勧めるぐらい留めるべきだそうです。下手に励ますことは、一層追い詰めてしまうことになるのだそうです。・・・(中略)・・・実に難しい課題です。耳寄りなのは、もしも患者に退屈そうな気配が見えてきたようなら、気持ちに余裕が出て来た兆し・・・(以下略)・・・。」
         
「 最後に、“うつ” の人にどう向き合うべきかについてです。『がんばれ!』などと決して言ってはいけない、・・・(中略)・・・本人は精一杯頑張っている状態といいます。下手に励ますことは、一層追い詰めてしまうことになるのだそうです。・・・(中略)・・・実に難しい課題です。
 アルコールが “うつ” の症状を悪化させるということには誰も異論がありません。ですから、せいぜい酒を断つように励まし、ゆっくり休むよう勧めるぐらいに留めるべきだそうです。耳寄りなのは、もしも患者に退屈そうな気配が見えてきたようなら、気持ちに余裕が出て来た兆し・・・(以下略)・・・。」


 ひとつの段落では、内容を一つに絞ることが鉄則です。ここでは一つの段落内に、患者に対してやってはいけないことと、やるよう勧めるべきことの二つの内容が混在して述べられています。

 先に、やってはいけないことを述べ、そこで段落を変えて次に、やるよう勧めるべき助言という内容の順にしてみました。

 また、下線部のように助詞の使い方に混乱も見て取れます。以上を踏まえ手直ししてみました。いかがでしょうか?

***************************************************************
【急性離脱後症候群(PAWS)】
 症状は、断酒開始後3~6ヵ月目で最も強くなり、6ヵ月~2年で回復する。

 ○ 思考プロセス障害(脳の働きにムラがある、頑なで諄(くど)い思考、
   因果関係を理解できない)
 ○ 情動障害(情動の揺れ)
 ○ 記憶障害(短期記憶の障害)
 ○ 睡眠障害
 ○ 身体的協働性に問題
 ○ ストレス感受性に変化
   (おそらく認知障害 “認知のゆがみ” に気づいた意味:筆者追記)
           (アルコール依存症専門クリニック教育資料より)

 その障害の一つ “思考プロセス障害” では、脳の働きにムラがある、頑なで諄(くど)い思考、因果関係を理解できないなどが知られています。

 私の経験から言えば、次の3点に言い換えできるでしょうか。

 ● 脳が混乱して疲れやすく、よくストライキを起こすこと
 ● まとまった文章を書こうとすると、なかなか考えがまとまらないこと
 ● 使うべき助詞、所謂 “てにをは” の適切な使い方に迷うこと

 さらにより具体的に挙げれば、“遠回りする思考”、“助詞の使い方の混乱”、“修飾語の語順の誤り”、“時制の混乱” などとなり、大概が “慣用的な言葉の使い方(言い回し)の失念” ということに要約できます。



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回復させるには見放すしかない

2018-05-08 06:30:40 | 病状
 今、巷で話題になっているTOKIOのメンバー 山口達也氏のことです。報道からすれば、彼は明らかにアルコール依存症です。4年半しか断酒歴のない私ですが、同病のよしみで敢えてエラソウなことを言わせていただきます。

 私自身の体験とこの4年半の間に見聞きしてきたことから言えば、ここは周りの身近な人々が彼を冷たく見放すしかないと思います。そして、アルコール依存症専門病院で断酒を励行させて徹底した教育を受けさせることと、アルコール依存症者の自助グループに参加するよう仕向けることです。

 なかなか断酒できなかった人の多くが、本気で断酒に取り組む転機となったのは、身近な人から見放されたことだったと明言しています。私自身もそうでした。周りが下手に温情を掛ければ掛けるだけ却って仇となり、さらに周りを巻き込んで一層事態を悪化させることになりがちです。身近な人を共依存に誘うなど、アルコール依存症の真の怖さはここにあります。

 “断酒に3年 回復に7年” という言葉があります。人にもよりますが、断酒して1、2年は精神的に非常に不安定な時期です。断酒が軌道に乗るまで平均3年ほど必要ですし、飲まないでいるのが当たり前となるにはもっと年数が掛かるでしょう。

 この間、周りの人々は一定の距離を置いて黙って彼を見守るしかありません。薄情と映るかもしれませんが、こんな冷たいやり方でしか彼を救う道はないと思います。この点、契約解除とした所属事務所の決定は当を得たものと言えるでしょう。

 その一方で、患者本人には次のことをお勧めします。患者本人が断酒中に心懸けるべきはただ二つ、飲酒の代わりに何かにハマること、そして、たとえ何かにハマったとしても決して後にツケを残さないこと、これだけです。

 習慣化していた飲酒を止めた途端、無闇やたらに無聊に耐えられなくなります。これが “空白の時間” と言われる心理的なストレスです。断酒継続の鍵はこの “空白の時間” をうまく逸らす / 手懐けることにあります。

 つまり、時間との折り合いをうまく付けることですが、飲酒の代わりにハマった何かが後にツケを残すようでは元も子もありません。時間との折り合いさえうまくできれば、人生の立て直しも見えてくると思います。念のため。


『アルコール依存症の進行プロセス』については、こちらをご参照ください。


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再び飲酒欲求について(下)

2018-05-04 06:31:37 | 病状
 本格的なゴミ拾いは断酒して1年6ヵ月目に始めました。

 それまでの “空白の時間” 対策は、定期的に週2回ある自助会AAのミーティングと、ほぼ毎日室内で出来るブログ用原稿作成の二つしかありませんでした。これら二つにいつでも屋外で出来るゴミ拾いが加わって3本柱となり、日々の行動計画が格段に組みやすくなりました。その結果、一週間単位で日々を無難に過ごせるようになり、通院回数も順次減らせるようになりました。

 そんなありがたいゴミ拾いなのですが、一人で作業をやっていると別に “空白の時間” でもないのに以下のような可笑しなこともありました。

酒を捨てるなんてもったいない!」(断酒歴3年6ヵ月頃)
 飲み残しのある酒類のゴミは、見つけ次第中身を捨てています。ドボドボと地面に捨てるときの悪臭は実に不快なもので、それがアルコールと距離を置くのに一役買っています。ところが未開栓の酒類の場合は話が違ってきます。困ったことに、今だに「もったいない」という未練がつい出てしまうのです。

 スーパーの前で未開栓のビール缶を見つけたとき、なんと妻に飲ましてあげようと家に持ち帰ってしまいました。自分の飲酒への未練をうまく妻へとすり替えていたのです。後で気がついて反省しきりでした。もちろん、このときも飲んではいません。

 そんな反省をしていながら半年後のこと、未開栓の焼酎のワンカップを見つけて全く同じ発想をしてしまいました。このときはさすがに思い直してその場で中身を捨てたのですが、・・・まだまだこれは続きそうです。

もう飲んでも大丈夫では?」(断酒歴4年過ぎから)
 最近、ゴミ拾いの最中に「もう飲んでも大丈夫では?」という妄想が、ときに頭を掠めることがあります。それに気づく度にギョッとしてしまいます。

 普段は「こんな物(所に)まで捨てやがって!」と腹を立てることはありますが、それ以外はほとんど雑念などありません。酒類のゴミを見つけたわけでもないのに、なぜこんな妄想が湧いてくるのか不思議でした。

 上述したように以前は、未開栓の酒類を見つけては未練がましい思いをしたものでした。このところぼんやりと湧く妄想は、どうもそれとは違うようなのです。まさか、飲まない生活が定着したことで治癒した(??)ものと錯覚しての慢心でしょうか? どうもそうとしか考えられません。

 よく聞くことですが、“飲酒欲求は慢心で妄想に化ける”。これが私の下した結論です。私もやっと、アルコールは根深くて、したたかで、手強いものと実感できて来ました。どうやらこれがAAの言うところの “大きな妄想” なのでしょう。 “巧妙で、不可解で、強力なもの” は、まさしくアルコールの正体を言い得て妙です。



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雨の日の気まぐれ

2018-05-01 06:30:42 | 病状
 雨の日はどうしても外出するのが億劫になるものです。私の場合は単純です。足元が雨で濡れて靴の中がぐしょぐしょになるのが嫌いで、どうしても歩き回るのが面倒になるから・・・なのです。何かと行動を制限されるのは皆さん共通ではないでしょうか。そんなことを言い訳にか、雨の日にはつい気まぐれを起こしがちな私です。

 先週、三宮で自助会AAのミーティングがあった日のこと。その日は珍しく朝から雨模様でした。いつものように市役所のロビーで新聞を読み終えてふと外を見ると、いつの間にか雨が降り始めていました。まだ10時半過ぎでしたので、さぁどう時間をつぶそうかと迷うことになりました。

 ミーティング会場には12時半過ぎに着けばいいので、いつもなら電車で元町まで行って元町商店街でお茶菓子を買い、駅前の松屋で昼飯を、それからぶらぶら歩いて向かえば悠々セーフという頃合いです。普段通りにするか、それとも・・・と考えながら電車に乗りました。

 三宮から元町までは普通に歩いて15分、アーケードか高架下を通れば雨に濡れずに済みます。降り始めた雨とタバコの予備が切れかかっていたこともあって、先ず地下街を通って行ける三宮のダ○エーに急遽寄ることに決めました。タバコを2個以上買えば、レジ袋が不要な人には代わりにサービスポイントが2点つくからです。こんなところにも年金生活者は世知辛いのです。

 地下1階から店内に入って直ぐがお総菜コーナーになっていて、サンドウィッチ類に混じってピザがあることに目が止まりました。久しく食べていなかった大好物のピザです。思わず小分けされた2切れを手に取ってそのままレジへ、レジを済ましてからやっとコーラの買い忘れに気づくという有様でした。早く食べたいばかりに気が急いていたのです。

 早速、イートイン・コーナーでピザを食べたのですが、味も量も物足りません。上の階に移ってタバコを買おうとした際、サービスカウンター脇の売り場にあったイチゴ・パイとドーナツが目に入り、それも買って再びイートイン・コーナーに戻って食べました。これじゃあ明らかにカロリー・オーバーなのですが、それでもまだ物足りない気分でした。

 時刻はやっと11時半を過ぎたばかりでした。ミーティング会場に行くには早過ぎます。昼飯は済んだことになったので今更元町へ行くまでもありません。時間つぶしにと地下道を通って隣のビルにある映画館の喫煙所に向かいました。そしてその後は、映画の予告編を見たり地下街をブラブラしたり、・・・。

 こんなふうにチマチマと時間つぶしをやったのですが、結局、ミーティング会場には12時半前に着いてしまいました。どうにか平静を装っていたのですが、どこかモヤモヤした気分のままでした。そんな気分がテーブルの上のお茶菓子に向かってしまい、しきりに手の出ること出ること。完全に調子を狂わせられていた私でした。

 ミーティングでは、SLIP(再飲酒)してしまって再び断酒をし始めたところ、今度は過食ぎみになってしまったと話していた女性メンバーがいました。そう言えば、断酒してしばらくは殊の外甘味が欲しくなるものです。彼女は恐らく、モヤモヤした気分を紛らわすのに甘い物を口にするしかなかったのでしょう。

 お茶菓子をしきりに口に運んでいた私は、そんな彼女の気持ちが痛いほどよくわかりました。必ずしも雨のせいだけではないのですが、ちょっとした気まぐれでかくも簡単に歯車が狂うもの、そう思い知らされた日になりました。



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