ヒゲジイのアル中よもやま話

断酒を始めて早7年目。このブログは回復プロセスの記録と脳のリハビリを兼ねて綴っています。やはり、まだチョット変ですかネ?

断酒して丸10年経ちました

2023-11-01 08:25:17 | 病状

 継続断酒丸10年! その記念すべき日を十月30日に迎えることができました。

 今まで断酒を続けて来れたのは何がうまくいったからなのか?
これまでの10年を振り返ってみました。
その結果、次の3点が、最も貢献度大だったのではないかと考えています。

  早寝・早起きが習慣となって規則正しい生活リズムが確立できたこと

  規則正しい生活リズムの確立には、外来通院を毎日続けることという
  専門クリニックの治療法が功を奏したと思っています。
  同時に、食事の世話をマメにしてくれた相方の貢献も大だったと感謝
  しています。

  同じ心の病を抱えている仲間の集まりAAに参加できたこと

  ともすれば不安定になりがちな心を、何かと落ち着かせてもらった居場所、
  それがAA(アルコホーリク・アノニマス:自助グループ)です。
  そんな場を提供してくれるのは他にありません。
  “言いっぱなし・聞きっぱなし” の縛りがあっても、チョッピリ緊張感を伴う
  “分かち合い” の場(ミーティング)のありがたさはAAならでは、です。

  “言語化”を習慣づけてくれたgooブログの存在

  アルコール依存症(アル症)に至るまでの経緯を叙述した『アルコール依存症
  へ辿った道筋』を連載させてもらえたことが、間違いなく回復に導いてくれた
  と考えています。
  ブログは他人に読んでもらうことが前提ですから、それなりに緊張感と冷静さ
  を持って記述に取り組めたのも良かったと思います。

 なお、これら3点の順番は、断酒を開始してからの時間的経過順です。
貢献度順ではありません。

 ところで、AA回復のプログラムには、どんなふうなステップを踏めばうまく回復
できるかが書かれています。
その中のステップ4では、徹底した自分自身の “棚卸し” が推奨されています。

 この “棚卸し”、私自身は、アル症に至るまでの経緯を内観して叙述すること、
つまり “言語化” の奨励だと理解しています。

 AAのミーティングが “言語化” の実践の場であることは勿論ですが、
『アルコール依存症へ辿った道筋』を連載できたことも “言語化” の実践
だったのでは、と手前味噌ながら考えている次第です。

 

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まだまだ健在だった “認知のゆがみ”

2023-05-24 08:23:20 | 病状

 何かにつけ、私のやることなすことにケチを付け、
小言を言わないでは済まない相方です。

 先日も、こんなことがありました。

 コーヒーでも淹れようと、インスタントの顆粒をスプーンで掬って
それをマグカップに入れ、指でスプーンをチョイチョイと拭った後
食器棚に戻そうとしたのですが、・・・

 その一部始終を見ていた相方が、

「使ったスプーン、キッチャナイまま食器棚に戻しちゃダメ!」と、
エラい剣幕で怒鳴りつけてきました。

 まるで、拭った私の指が “キッチャナイ”=“不潔” とでも言ったような
ニュアンスに聞こえたので、
「あぁ、わたしぁ “不潔な” ばい菌そのものですヨ!」と、
私もムキになって言い返してやりました。

 ご存じのように、マグカップなどの内側についたコーヒーの汚れは、
塩で擦らなければ取れないほどのしつこさです。

 相方の剣幕に押されて、そのことをすっかり忘れていました。

 そんな折のアンガーマネジメントなんて何処へやら、
“6秒ルール” どころか、たったの1秒も待てませんでした。

 後から思えば、これこそ典型的な “認知のゆがみ”。

 久々に、的確な言葉をしっかり思い出してはみたものの
如何せん、“後の祭り” となった次第。
まさに、“後悔先立たず” の話でした。オソマツ。

 

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“思い込み” でやらかしたドジ

2023-01-18 06:57:56 | 病状

 昨年、年賀状の卒業を宣言したものの相変わらず送ってくれた方がいて、今年も9通の年賀状を受取りました。

 お返しをしないわけにもいかず、年賀代わりに寒中見舞いを出そうということに。早速、PCで作った原稿をUSBに移し、後は印刷待ちというところまで一気に済ませました。

 プリンターを持っていない私は、いつも市のサービス施設の複合プリンターを利用しています。そんなわけで、プリンターの予約も入れました。

 幸い、郵便局がプリンターのある市のサービス施設の向かいにあったので、ハガキの手配も問題ナシとなりました。

 さて、準備万端整えるべく向かった郵便局でのこと。

 寒中見舞いの見本があるというので見てみたら、梅の花が背景に印刷された絵柄ハガキがあったので2セット10枚をつい買ってしまいました。

 見栄えは無地のハガキより遙かにいいし、1セット5枚で250円は手頃(?)と思ったのです。

 ただしその見本には、挨拶文も一緒に印刷されていました。が、絵柄に満足していたので気にも留めませんでした。挨拶文の一例示と “思い込んで” いたようです。

 さて、これで愈々印刷です。

 試し刷りのため、ハガキのプラ包装の封を切った途端、やっと気づくことができました。

 ハガキには、見本どおり挨拶文も既に印刷されていたのです。しかも、切手が別途必要なこともわかりました。当り前と言えば、至極当り前の話です。

 慌てて郵便局に取って返し、返品・払い戻しを頼んでみたのですが、既に封を開けていたので返品は不可、500円の払い戻しも却下。
 泣く泣く、定型ハガキ10枚630円也、の追加出費となりました。

 商品の現物を受け取って直ぐによく見なかった報いがコレです。見本は、あくまでも現物そのものの見本なのですネ。

 以上、例のごとく、またまた “思い込み” による失敗談でした。依存症気質の強い私の得意ワザです。

 

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今でも厄介な “思い込み”

2022-12-14 10:10:35 | 病状

 夏場なら夜明けが5時前と早く、5時にセットしたラジオの目覚ましと共に布団から起き上がるのが当たり前でした。

 ところが、最近は日の出が7時少し前と遅くなり、5時に一旦、目が覚めても外が暗いので、そのまま二度寝してうつらうつらすることが多くなっています。

 こういうときのことを夢現(ゆめうつつ)と言うのでしょうか、起きているのか眠っているのか自分でもわからないまま、いつの間にか時間だけが過ぎて行きます。

 必然的に起床が遅れて6時半前後となり、たった1時間半ばかり後ろにスライドしただけなのに、毎朝こなすべきルーティンが変に忙しなくなり、順番を逆にせざるを得ないことも出てきました。

 以前の私の場合、朝のルーティンと言ったら、体温・血圧測定、軽い筋トレ(腕立て・腹筋・スクワットなど)、朝食、その後にブログ巡り、さらにその後に散歩という順でした。

 ところが、食後高血糖(血糖値スパイク)対策として、朝食直後の散歩を絶対に決行と決めた今。必然的に、ブログ巡りと散歩の順番を逆にすることとなりました。

 さらに、そこに受診予約などが入った日は、わざと朝食を遅らせ徒歩通院を食後散歩の代わりにすることもあります。

変更と言っても基本、前後の順番が逆になるだけ。実に些細なものですから、
「まっ、いいか?!」で済ませばいいものを、生活リズムの変化になぜか欲求不満を募らせ遂イライラしてしまうことも。

そこで気づかされたのが私の依存症者気質、依然としてまだまだ健在なこと。
 “思い込みの強さ” と “習慣化しやすさ” が、まさしく依存症者気質の特性だと改めて思い知らされた次第です。

「一旦決めたことは是が非でも守ら “ねばならない”!」

 こんな “思い込み” は唯々厄介なだけ、とはわかっていても、順番を頑なに守ろうとするもう一人の自分がいます。

 まぁ、元はと言えば単に、起床時刻が多少遅くなっただけの話。いつもはヒマを持て余し気味の私が、こんな些細なことでかくも忙しなく感じるとは(?!)、さすが師走ですネ。

 

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継続断酒丸9年

2022-11-30 07:34:36 | 病状

 今日で、断酒して丸9年経ちました。初めて、アルコール専門クリニックを受診したのが9年前の今日。即、断酒を命じられました。

 当時、そのアルコール専門クリニックで教わった言葉です。

 “断酒に3年、回復に7年

今思えば、努力目標を経験に即して具体的に謳った標語で、わかりやすくて実に素晴しい言葉です。

 かくも、断酒の継続を難しくさせるのは、やはり “空白の時間” だと思います。(空白と言うと記憶が飛んだ状態と紛らわしいので、“空白(空っぽ)の時間” と呼ぶことにします。)

 “空白(空っぽ)の時間” とは、することが何もなくて間が持たないときのこと、つまり手持ち無沙汰で無聊な時間のこと。同じ無聊な時間でも、少し病的な意味合いがあるのがアルコール依存症者なのです。

 そして、この隙に乗じて湧いてくるのが飲酒欲求。当然、姿を変えてのお出ましです。

 ところで、“空白(空っぽ)の時間” を実感としてわかっていただけるのが禁煙かもしれません。
「手持ち無沙汰に遂、タバコに手を出した。」この手の話をよく聞かれたのでは・・・。

 その私の禁煙も、いつの間にか丸1年経ちました。1ヵ月強の入退院で禁煙させられたことが一番効いたようで、抗がん剤治療の過酷さも相俟って禁煙がそのまま継続できました。

 さて、私の経験から言って、規則正しく生活リズムを刻むことが断酒を続けるコツ。これに尽きると思っています。特に、規則正しい午前中の過ごし方が鍵を握っているようです。

 ですから、断酒継続に苦労している方は是非、下の3つを実践していただきたい。

  ● 早寝・早起きして、いの一番に朝日の光を浴びること
  ● 必ず朝食を摂ること
  ● 散歩でもいいから午前中、60分以上は必ず外出すること

 これら3つを実践してみればわかりますが、これらで午前中をうまく過ごせれば、その日一日 “空白(空っぽ)の時間” を感じることなく済みますし、飲酒欲求が湧くこともないようです。

 飲酒欲求も喫煙欲求も、隙あらば姿を変えてでも現われるもの。飲まない・吸わない生活が当たり前になった私ですが、これからも “空白(空っぽ)の時間” を生まないよう “キョウイクとキョウヨウ“ に務めていくつもりです。

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ストレスの強く掛かった方が余計にハイになる?

2022-06-22 07:48:18 | 病状

 つい先週のこと。胃内視鏡検査を受けた後、開放感からか久々にドライドランクのようなハイな気分(軽躁状態?)を経験してしまいました。

 食道がんの主治医が異動で代わり、後任の K 先生が化学療法6ヵ月後の経過観察として最初に指示を出したのが胃内視鏡による病巣部位の目視検査でした。

 主旨が病巣部位の再確認ですから、ヨード染色やら、組織切片採取やら、それはもうしつこいぐらい食道内を上下に動き回る胃カメラでした。

 なぜ、そんなしつこく? 元あった部位に腫瘍が見当たらなかったのか、内視鏡に慣れている私でも、さすがに嘔吐しそうになった程でした。

 ドライドランクに似た軽躁状態になったのは、内視鏡検査から解放されて清算直後の会計窓口でのこと。

 支払いを済ませた私はつい気が緩んだのか、顔見知りの会計担当者にいとも気安くこんな言葉を口走っていました。

「つかぬことを伺いますが、私の髪って床屋に行くべき時期でしょうか?」
「えっ、・・・さぁ~?!」と、戸惑いを見せた会計担当者。
それを見て追い打ちを掛けるように、
「髭は、こんなんですけど・・・」と、マスクを下にずらし、不揃いに伸びた口髭を見せた私。
「そろそろ、・・・ですかねぇ?!」と、どっちつかずの反応を見せた会計担当者。それを見てさすがに、
「いや~、厚かましい質問をして失礼しました」と、それ以上のことは思いとどまることにした私でした。

 なぜ唐突に散髪の話を? がん化学療法で一旦脱毛した頭ですが、再び生えてきた髪を散髪したのは2回だけ。
 しかも、前回の散髪から1ヵ月ほど経っていたので、そろそろ床屋でもと思っていたのですが、まさか病院職員に判断を仰ぐとは・・・?

 件の会計担当者とは、ここ20年来、年に何度も顔を合わせています。とは言っても、散髪自体は個人の趣味的なことなので、聞かれた方もさぞかし困ったことでしょう。

 実は、表題の言葉を思いついたのはこの出来事がきっかけでした。思えば、ドライドランクを初めて自覚したのが大腸内視鏡検査を受けた直後のことだったのです。

 断酒して9 . 5年超が過ぎ、今さらドライドランクもないと思うのですが、強いストレスが掛かった直後はまだまだ油断できないということ、改めて思い知りました。

 

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重いアルコール談義を久々に

2021-08-20 06:39:42 | 病状

 以前、話題にしたことのある洋酒の中古品買い取り業者。またまたスーパーの店頭でお店をやっていました。月に1回は来ているようです。

 コロナ禍の今、人と話す機会が激減している私です。中古品買い取り業者であっても恰好の話し相手、つい話しかけていました。

 その日は、スーパーと交した契約外ということで洋酒の買い取りはしていないとのこと。話はそれでお終いのはずでした。

 それでも私が、ヘネシーやら、レミーマルタンやらとしつこく洋酒の話ばかりするものですから、ついには自分から断酒中のアル中だと告白するハメに。

「ほぉ、断酒してから7年以上になる? 随分、大変だったでしょう!
 そんな経験者だからこそ敢えて聞きますが、
 アルコールの怖さで一番恐ろしいのって、何ですか?」
と、中古品買い取り業者が話を振ってきました。

「肝臓が丈夫で酒に強い人ほど、一番怖いのは脳がイカレルことです。
 肝臓がイカレて脂肪肝から肝硬変になるのはよく知られているけど、
 意外に知られていないのが脳の障害です。

 その原因は、酒を切らさない大酒飲みが必ずなるビタミンB1 欠乏症。
 ビタミンB1 が不足したままだと最悪、小脳失調になるんです。

 両手の掌でキラキラ星ができなくなるのが小脳失調の典型的症状で、
 私の場合は、朝起きたときに布団から立ち上がれなかったり、
 胸元のボタンを指で嵌められなかったり、
 手摺りに掴まらなければ階段を降りれなかったりしました。

 つまり、日常生活が介護なしでは何もできなくなるんですよ。
 これが一番恐ろしかったですね。

 聞いたところによると、この小脳失調が更にひどくなったのが
 ウェルニッケ・コルサコフ脳症。まぁ、これがアル中末路の痴呆、
 もうどうにもならない廃人ですわネ。」

 言い出したら止まらなくなる私です。ここぞとばかりに、百薬の長と言われるアルコールの悪行を並べ始めていました。

 膵臓がイカレて糖尿病になりやすいこと、高血圧も実はアルコールで必発なことなど、一般受けする身近な例も上げました。

 これらの他、食道がんになりやすいことや、美空ひばりもなった大腿骨骨頭壊死などもあるのですが、切りがなくなるので止めました。

「ところでご主人、要らなくなったタイピンなど貴金属はありませんか?
 それがプラチナ台なら高く買い取りますよ!」

 さすがに中古品買い取り業者です。自分の仕事には抜かりありませんでした。

 せっかくですからあともう一つ。

 (値打ち物の?)中古品を買い取る際、持ち込んだ人の身元を確認・記録するのは、盗品の場合に備えて買い取り業者に課せられた義務なのだそうです。

 持ち込んだ人の身元をなぜ(?)と私が怪訝に思っていたことなので、私の方も抜かりなく聞き出しておきました。

 

 

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まだまだ苦手な “空白の時間”

2021-03-23 06:29:48 | 病状

 アルコール依存症(アル症)者が共通して苦手とする “空白の時間”。普段、いつ何事でも平常心などと気取っていても、そんなの一遍に吹っ飛んでしまいます。

 健康的な生活リズムがしっかり保たれてさえいれば、心の落ち着きなどは比較的たやすいもの、穏やかな一日を送れます。

 逆に言えば、少しの間でもその生活リズムが大きく乱されたときが問題。アル症に加え、堪え性がなくなった年寄りは、忽ち試練を迎えることになります。

 先日、親しくしている知り合いと待ち合わせの約束をして、久しぶりのお出掛けにワクワク心躍らせていたときのこと。

 当日になって急遽、仕事が入ったと連絡があり、約束がドタキャンになりました。これで一遍にしょげ込み、さてどうしたものかと忽ち途方に暮れてしまいました。

 その日は幸い、お天気のよい日だったので、気持ちを切り替えようとひたすら日課の歩行リハビリに励み、どうにか気分を紛らわすことができました。

 気持ちの切り替えは、このように外を歩き回るだけでも速くできるものです。

 ところが、雨降りの日などは最悪です。外に出かけようにもその気になれません。TVを点けてもうわの空、気がそぞろなままウジウジしているのが関の山なのです。

 長引くコロナ禍による閉塞感。“空白の時間” は、それとは少し違うような同じような(?)、いずれにしても両者相俟って敏感(?)になっている私です。

 平常心とは、しなやかで素早い復元力のある心だと言います。間もなく断酒歴7年半になる私ですが、まだまだ平常心にはほど遠く、“空白の時間” が苦手なままでいます。

 

 

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“否認” の話

2021-03-19 06:01:48 | 病状

 “否認” は、アルコール依存症(アル症)に特異的な症状です。

 自分はアル症ではないとする直接的な “否認” と共に、酒を飲まずにいられないのを他者の所為にする(他罰的)という二重の “否認” が特徴です。なかなか酒をやめられない原因はここにあります。

 その “否認” について最近、こんな話をしてくれた仲間がいました。AAのミーティングは休止中ですが、もしやと思って会場の様子を見に行ったとき、偶然出会ったのです。

「ヒゲジイさんは、定年まで頑張られた上での円満退職ですから、
 私からみたら実にラッキーですよ。
 それに比べ、私なんて定年まで10年を残して、
 完全に、全ての関係を断たれた上、会社から放り出されたんですよ。
 そのとき初めて厳しい現実を突き付けられました。」

 こんな切り出しから始まった “否認” の話、続いて核心部分に移りました。

「土木関係の工事現場では酒が付きもの、酒ナシではやっていけない
 職場なんです。

 アルコール依存症と診断された1回目の入院のときは、
 私に3つの選択肢がありました。

  一つ目、少し酒を控えさえすれば、従来通り仕事ができる。
  二つ目、同じ社内で、酒を飲まずに済む職種に異動を申し出る。
  三つ目、何もかも一から出直しての転職。この3つです。

 資格を5つ持っていたので、二番目、三番目なんて論外です。
 せっかく取った資格なのに、それを生かせない仕事なんて、
 とても耐えられるもんじゃなかったですよ。

 是非とも、同じ職種の仕事を続けたかった。
 だから、少しぐらいの酒なら大丈夫だろうということにして、・・・
 結局、酒をやめられずに元の木阿弥に、・・・

 案の定、アルコール癲癇で再び入院、全てがオジャンとなりました。

 これが私にとっての “否認” です。
 “どっちつかず” が一番悪い。本音のところ、これが私の結論です。」

 この話をしてくれたのは Y さん、67歳。内省を重ねた結果、今は “否認” 体験をこう率直に語れるまで回復しています。大規模送電工事の現場監督をしていたY さん、努力して資格を5つも取り、かつても今も勉強のできる人です。

 酒が付きものの職場を離れて転職すれば、せっかくの資格も生かせなくなります。資格という仕事上の柵(しがらみ)に囚われていたことも事実でしょうが、結局、自分のプライドが一番、それが異動や転職を拒絶させたのでしょう。

 たとえ資格の要らない職種に変わったとしても、自分のほんの一部を否定される(部分否定)に過ぎません。それを自分が全否定されるものと思い込み、従前の仕事にしがみついたという次第。かくも典型的な “認知のゆがみ” もあったようです。

 仕事上の様々な柵(しがらみ)、自分のプライド、これらに “認知のゆがみ” も絡み合っての “否認”。アル症者には、こんな “否認” が誰にでもあるのです。 

 

 

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過食症は飲酒欲求の現われ?

2020-11-13 07:05:53 | 病状
 たまには、アルコール依存症(アル症)の話をしてみます。

 せっかく断酒を始めたのに、再飲酒してしまうアル症者が後を絶ちません。

 意識的か無意識によるものかは別にして、再飲酒に向かわせるのは飲酒欲求のせいですが、その誘因として様々な問題が挙げられています。

 まず挙げられるのが、急性離脱を脱した後、断酒3ヵ月ぐらいから現われる情緒不安定です。PAWS(急性離脱後症候群)またはドライドランクと呼ばれていて、アル症者にはPAWSよりもドライドランクの方が通りがいいようです。

 ドライドランク(酒を飲んでいない酔っ払い)と言われるだけあって、自信過剰、自我肥大、自己憐憫など、傍から見ればはっきり変だとわかるのに、当の本人にはその自覚がほとんどないことが特徴です。これは、酔っ払いが酒に酔っている自覚のないことと同じです。

 実はこのPAWS≒ドライドランク、その自覚があるなしにかかわらず、断酒中のアル症者なら皆経験しているはずです。情緒不安定な心を紛らわすためと称し、つい酒に手が出てしまうのが怖いところです。

 次に挙げられるのは、クロス・アディクションの片割れが前面に現われることです。つまりギャンブル依存やセックス依存などの嗜癖が飲酒欲求の代わりに出て来ることで、どうにもならない性的妄想には私も散々悩まされました。

 これらとは別に摂食障害もよく聞く問題です。ここで言う摂食障害とは、過食と嘔吐を繰り返す過食症のことで、断酒中の女性アル症者に殊の外多い問題です。

 この過食症について長いこと私は、“断酒を続けなければならない” という強い強迫観念がストレスとなって、そのストレスが過食症に向かわせるのだろうと考えていました。ところが、そうばかりではないことを知りました。

 ここからの話は、だいぶ以前に聞いた話です。

 AAのミーティング前の雑談で、某氏からこんな話を聞きました。過食症はやはりの男性アル症者にもあり、その動機たるやビックリ仰天の内容なのでした。

「人伝に聞いた話だけどな、摂食障害の男の部屋に行ってみたら、牛乳の紙パックがズラッと並んでいたそうな。その紙パックには自分の吐いたゲロを入れていたんだ、と。
 わけを聞いてみたら、酒でゲロを吐いたとき一緒に出て来る胃酸の刺激が快感だったと。その快感が癖になって(嘔吐物を)紙パックに入れて臭いを楽しんでいたんだって。
 よっぽど喉が灼けるような酸っぱ痛さが忘れられなかったんだろうね?!」ざっとこんな話でした。

 この話から私は、胃酸が逆流して起こる逆流性食道炎が大酒飲みに多いことを思い出しました。胃酸の刺激に快感を覚えるなんて、これも飲酒欲求の変形なのでしょうか。女性の過食症とは少し様相が異なるようです。

 ちなみに、過食症の男性は既に亡くなったそうです。恐らくは再飲酒してのことでしょう。

 以上今回は、久々に飲酒欲求の問題を取り上げてみました。



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