ヒゲジイのアル中よもやま話

断酒を始めて早7年目。このブログは回復プロセスの記録と脳のリハビリを兼ねて綴っています。やはり、まだチョット変ですかネ?

ヒゲジイのPAWSによる悪文見本市(その20)

2018-07-20 06:23:30 | 悪文見本市
 またまた性懲りもなく、人気のない悪文見本市です。今回は、「再びPAWS(急性離脱後症候群)について(上)(2016.2.12投稿)から題材を取り上げました。

 私の記事を読んで下さっている方で、アルコール依存症(アル症)に悩んでおられる方がどれだけいるのかわかりません。この病気は、断酒を始めてからの方が精神的に辛く、特に断酒後の2~3年が勝負だと思います。

 何気ない人の言葉にイライラしたり落ち込んだり、そうかと思えば妙に落ち着いた気分になって早くも回復したと勘違いしたり、そんな躁鬱の気分の揺れが大きいのがこの時期です。しかもこれは誰もが必ず通過しなければならない関所のようなものです。よく言われる “生きづらさ” は、この時期を経て初めて理解できるものかもしれません。

 この時期に通底するのが広い意味の記憶障害で、中でも想起障害がPAWSと総称される大部分の障害の共通した要因ではないかと考えています。この時期に強く自覚される “認知のゆがみ” も今ではこの想起障害のせいだろうとも考えています。

 このような悩みを抱えているアル症の方々と経験を分かち合い、少しでもお役に立てればという一念から、私は自分の経験を自分の言葉で記事にしているつもりです。どうかこの気持ちに免じて元記事についてもお読みいただければと思います。

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【事例56】
「アルコール依存症のPAWSは、・・・(中略)・・・。異常と自覚しないまま過ごしていることが多いと思います。後になって気付くことが多いので、自覚症状として医師へ訴えることが少なく、そのためPAWSが見逃されがちではないかと懸念しています。依存症が再発して再飲酒してしまった・・・」
         
「アルコール依存症のPAWSは、・・・(中略)・・・。異常と自覚しないまま過ごしていることが多いと思います。ずっと後になって気付くことが多いので、医師に相談せずに済ましている患者が少なくないのでは(?)と私は睨んでいます。こうしたことから、再飲酒して再発と認定された・・・」(2018.6.02改訂)

 例文の下線部分は、主語が省略されていてまるで古文のような趣ですが、まぁこのままでも意味が通じるとは思います。第一文節と第二文節の主語は患者、第三文節の主語は実はPAWSではなく「私」であって、主語に捻れがあります。

 第一文節と第二文節の間に打った読点が曲者で、どうしても遠くに係っているように見えてしまいます。ここは主語が同じですから読点を打たないで済ますか、うまく遠くに係るよう第三文節を工夫するかのどちらかだと思いました。

 次に、私が違和感を持ったのは、「自覚症状として医師へ訴える」と「見逃されがちではないかと懸念」の部分でした。

 患者が後付けで医師に症状を話すのなら、「訴え」ではなく「報告」の方が相応しいですし、PAWSに精通している医師が「見逃す」はずがないので「懸念」も不適切です。この第三文節の主語は「私」ですから、むしろ「睨んでいる」の方が相応しいと考えました。

 以上のことから改訂文のように手直ししてみました。いかがでしょうか?

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【急性離脱後症候群(PAWS)】
 症状は、断酒開始後3~6ヵ月目で最も強くなり、6ヵ月~2年で回復する。

  ○ 思考プロセス障害(脳の働きにムラがある、頑なで諄(くど)い思考、因果関係を
     理解できない)
  ○ 情動障害(情動の揺れ)
  ○ 記憶障害(短期記憶の障害)
  ○ 睡眠障害
  ○ 身体的協働性に問題
  ○ ストレス感受性に変化(おそらく認知障害“認知のゆがみ”の意味:筆者追記)
                  (アルコール依存症専門クリニック教育資料より)

 その障害の一つ “思考プロセス障害” では、脳の働きにムラがある、頑なで諄(くど)い思考、因果関係を理解できないなどが知られています。私の経験から言えば、 “思考プロセス障害” は次の3点に言い換えできるでしょうか。

  ● 脳が混乱して疲れやすく、よくストライキを起こすこと
  ● まとまった文章を書こうとすると、なかなか考えがまとまらないこと
  ● 使うべき助詞、所謂 “てにをは” の適切な使い方に迷うこと

 さらにより具体的に挙げれば、“遠回りする思考”、“助詞の使い方の混乱”、“修飾語の語順の誤り”、“時制の混乱” などとなり、大概が “慣用的な言葉の使い方(言い回し)の失念” ということに要約できます。



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ヒゲジイのPAWSによる悪文見本市(その19) “思考プロセス障害”

2018-07-06 05:53:00 | 悪文見本市
 今回のテーマは “段落” です。文章の読みやすさの決め手は、一に “文が短いこと”、二に “まとまりのある段落” と言われています。まぁ、その大前提に文才の有無の問題があるのですが、ここでは敢えて触れないことにします。

 題材とした事例は「継続断酒3年 心の軌跡(飲まない生き方のモットー その4)
(2016.11.18投稿)から取り上げました。この記事は “思考プロセス障害” を自覚し始めた経緯を述べたものです。

 アルコール急性離脱後症候群(PAWS)は、断酒後3ヵ月ほど経ってから気づかされる遅発性の障害です。PAWSにはなかなか自覚しにくい多彩な障害がありますが、中でも思考プロセス障害は普通に会話している分にはまず気づけない障害です。

 思考プロセス障害を一言で言えば、頭を整理して考えをまとめようとすると却って混乱してしまうことでしょうか。自助会のミーティングなどでまとまった話をしようとして、初めて気づかされる人が多いと思います。元々人前で話すのが苦手の人なら「またか?!」と思うのが関の山、大して異常とは考えないハズです。この点、意図した言葉がなかなか思い出せない想起障害の方が、同根の障害でもショックが直接的なだけまだ自覚しやすいようです。

 私の場合は、ブログに投稿した過去記事を読み返して初めて気づかされました。言葉の使い方がメチャクチャだったからです。そしてこのことがキッカケで、まとまったものを書こうとすると即文案が飛び交って頭が混乱しがちなことに思い当たり、この障害に気づかされた次第です。
 事例としてはチョット長すぎの感がありますが、テーマに免じてどうかご勘弁ください。

***************************************************
【事例55】
「・・・気づかされた話のことです。その頃はちょうど、周りの人から顔つきが落ち着いて来たと言われ、自分でもずいぶん回復が進んだものと思えていた時期でもありました。
 口にしようとしても言葉がなかなか思い付かない想起障害は、相当以前から気になっていた問題でした。それにもかかわらず回復したと思えていたことに、却って他にもまだ未知の障害があるのではと気に掛って仕方ありませんでした。
 否応なしに想起障害を強く自覚させられたのは、自分史『アルコール依存症へ辿った道筋』の連載が終盤に差し掛かっていた頃のことです。同時期には思考プロセス障害も強く自覚させられました。テーマが自分史から離れ、なお投稿し続けようとするならば、いよいよ近い過去の事例から題材を採る必要に迫られていました。自分史以外についても時々ブログに投稿し始めていましたが、遠い過去を題材とした自分史と違って、表現に手こずる場合が多いと気になっていました。的確な言葉や表現がなかなか思い浮かばないからです
 そんな時に知ったのが遅発性の離脱症状・・・」

         
「・・・気づかされた話のことです。
 このエピソードがあった頃は、意図した言葉がなかなか思い出せない想起障害に随分苦しめられていましたし、依然として記憶障害にも悩まされていました。それにもかかわらず、周りの人から顔つきが落ち着いて来たと言われ、自分でも随分回復が進んだものと思えていた時期でもありました。このことが却って、他にも未知の障害があるのでは(?)と気になって仕方ありませんでした。
 想起障害に加え思考プロセス障害を否応なしに自覚させられたのは、自分史『アルコール依存症へ辿った道筋』の連載が終盤に差し掛かっていた頃のことです。テーマが自分史から離れてもなお投稿し続けようとするならば、いよいよ直近にあった事柄から題材を採る必要に迫られていました。そのため、自分史以外のテーマについても時々ブログに投稿することにしました。
 ところが、遠い過去を題材とした自分史と違って直近の事柄を題材にすると、表現に手こずる場合が多いことに気づかされました。想起障害により的確な言葉や表現がなかなか出て来ないばかりか、言葉の使い方一般でもよく混乱していたのです。
 そんな時に知ったのが遅発性の離脱症状・・・」


 事例に取り上げた文章は、三つの流れ(内容)から思考プロセス障害に気づかされた経緯を述べようとした部分です。その流れ(内容)とは、次の三つのことです。

 ひとつ目は、記憶障害・想起障害と回復した気分とが共存していた時期に未知の障害(=思考プロセス障害)の懸念もあったということ。二つ目は、思考プロセス障害を自覚するに至ったキッカケ。三つ目は、新たに自覚した障害とはどういうものだったか、です。

 ひとつの断落には一つの内容だけに留めておく、これが段落の大原則です。ご覧のように、事例の各段落には複数の内容が混在し、しかもその内容が複数の段落に跨がっていて読み手の集中力興味を削ぐ文章になっています。ですから、本来あるべき段落の分け方に編集し直してみました。

 なお、言葉の重複など不自然な表現の部分には下線を付して置きました。特に三番目の下線部は、肝腎の思考プロセス障害を示唆する事実が抜け落ちていた部分です。これらについても適切に手直ししたつもりです。

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【急性離脱後症候群(PAWS)】
 症状は、断酒開始後3~6ヵ月目で最も強くなり、6ヵ月~2年で回復する。

  ○ 思考プロセス障害(脳の働きにムラがある、頑なで諄(くど)い思考、因果関係を
     理解できない)
  ○ 情動障害(情動の揺れ)
  ○ 記憶障害(短期記憶の障害)
  ○ 睡眠障害
  ○ 身体的協働性に問題
  ○ ストレス感受性に変化(おそらく認知障害“認知のゆがみ”の意味:筆者追記)
                  (アルコール依存症専門クリニック教育資料より)

 その障害の一つ “思考プロセス障害” では、脳の働きにムラがある、頑なで諄(くど)い思考、因果関係を理解できないなどが知られています。私の経験から言えば、 “思考プロセス障害” は次の3点に言い換えできるでしょうか。

  ● 脳が混乱して疲れやすく、よくストライキを起こすこと
  ● まとまった文章を書こうとすると、なかなか考えがまとまらないこと
  ● 使うべき助詞、所謂 “てにをは” の適切な使い方に迷うこと

 さらにより具体的に挙げれば、“遠回りする思考”、“助詞の使い方の混乱”、“修飾語の語順の誤り”、“時制の混乱” などとなり、大概が “慣用的な言葉の使い方(言い回し)の失念” ということに要約できます。



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ヒゲジイのPAWSによる悪文見本市(その18) 体感?

2018-06-22 06:31:22 | 悪文見本市
 今回は、再び「自分独自の座標軸を持っていますか?(2017.1.06投稿)から事例を取り上げてみました。このシリーズ(その12)でも取り上げた記事ですが、そのときは見落としていた部分です。

 投稿したのは、“認知のゆがみ” の意味が具体的に理解できたばかりの頃で、回復への新たな課題が “認知のゆがみ” をどう矯正するかになった時期でした。

 それまでにも、自己を相対化することが回復=平常心となれる鍵ではないかと薄々気づいてはいました。つまり、自分自身から距離を置いて自分を客体化して眺めることです。それでも、相対化をどうイメージしたら具体的でわかりやすいのか、うまい考えがなかなか思い浮かびませんでした。

 そんなときにふと思いついたのが三次元的立体空間の座標軸でした。様々な事柄それぞれについて位置関係を特定する場合、一次元的直線の物差しよりも三次元的立体空間を想定した座標軸の方がイメージとして相互関係がわかりやすいと考えたわけです。

 そのきっかけは、怒りには兆しがあるという感覚(体感)に気づいたことでした。「頭に血が上る」というあの感覚です。兆しは体感そのものですが、それを感情の座標軸上の変化とイメージしたらわかりやすかったのです。

 ここからはちょっと飛躍し過ぎの感アリですが、これが五感を総合した体感こそ座標軸になり得るのでは(?)と気づいた転機となりました。何か忘れ物があったハズだが(?)という予感に似た感覚や、何かが危険と察知したときの胸騒ぎなどは、まさしく体感そのものです。しかも最近、その体感で間違った例がないのです。そこで、これこそが位置情報を知らせる座標軸の役目では(?)と考えたわけです。

 以上は、体感がアルコールの毒から完全に回復してまともになったお陰だと考えています。今では身体の内外を問わず、体感が環境の変化に敏感に反応してそれを知らせてくれているようなのです。
「体感の知らせに素直に従えば、まず間違いない!」
最近、この感を益々強めている私です。ちょっと変ですか?

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【事例53】
「怒りを一方に、その対極に喜びを置いた一本の座標軸をイメージすると、原点に当たる両者の中間点が落ち着きになると思います。僅かでも原点からどちらかに動くと、それが兆しと敏感に察知できるようです。」
         
「・・・原点に当たる両者の中間点が心の落ち着きになると思います。僅かでも原点からどちらかに動けば、その動きが微妙な体感の変化(兆し)として瞬時に察知できるようです。」

 記事を読み返してみて、いの一番に違和感があった部分です。違和感は、「落ち着き?」「兆し?」でした。それぞれ何を指すのかが抜けているので、不足している言葉を補ってみました。

 下線部はその頃まだ自信が持てなかった部分ですが、今では自信を持って「できます」と断言できます。兆しがマイナス感情のそれなら、“一息ついて 一歩下がって”、それでもダメならその場を離れればいいだけのことです。


【事例54】
「 この文脈をAAのミーティングに当てはめると、各メンバー(仲間)の語る体験は、海図上で目印とすべき灯台のように、対人関係で私独自の座標軸上の貴重な目印となってくれ、同時に自分自身の位置情報をも教えてくれていることに気づきました。ミーティングで聞く仲間の体験談は、作為のない貴重な事実を正直に語っていると思えたからです。これが二つ目のきっかけでした。」
         
「 この文脈の意味するところをAAのミーティングに当てはめてみると、次のことにも気づかされました。ミーティングで各メンバー(仲間)の語る体験は、海図上で目印とすべき灯台のようなものということ、つまり、私独自で設定した対人関係座標軸上の貴重な位置情報でもあり、同時に私自身の立ち位置をも教えてくれるものということです。それからというもの、作為のない事実を正直に語ってくれる仲間が貴重な道標と思えて来ました。これが二つ目のきっかけでした。」

 少し込み入ったことを書こうとすると途端に頭が混乱しだして、ついこのような複文・重文の長い構文になりがちです。これもPAWSの一つ “思考プロセス障害” の現われではないかと睨んでいます。

 頭の中をよく整理して、複文を解消してみることにしました。少しは読みやすくなったでしょうか?

***************************************************
【急性離脱後症候群(PAWS)】
 症状は、断酒開始後3~6ヵ月目で最も強くなり、6ヵ月~2年で回復する。

  ○ 思考プロセス障害(脳の働きにムラがある、頑なで諄(くど)い思考、因果関係を
    理解できない)
  ○ 情動障害(情動の揺れ)
  ○ 記憶障害(短期記憶の障害)
  ○ 睡眠障害
  ○ 身体的協働性に問題
  ○ ストレス感受性に変化(おそらく認知障害“認知のゆがみ”の意味:筆者追記)
                  (アルコール依存症専門クリニック教育資料より)

 その障害の一つ “思考プロセス障害” では、脳の働きにムラがある、頑なで諄(くど)い思考、因果関係を理解できないなどが知られています。私の経験から言えば、 “思考プロセス障害” は次の3点に言い換えできるでしょうか。

  ● 脳が混乱して疲れやすく、よくストライキを起こすこと
  ● まとまった文章を書こうとすると、なかなか考えがまとまらないこと
  ● 使うべき助詞、所謂 “てにをは” の適切な使い方に迷うこと

 さらにより具体的に挙げれば、“遠回りする思考”、“助詞の使い方の混乱”、“修飾語の語順の誤り”、“時制の混乱” などとなり、大概が “慣用的な言葉の使い方(言い回し)の失念” ということに要約できます。


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ヒゲジイのPAWSによる悪文見本市(その17)

2018-06-08 06:28:48 | 悪文見本市
 今回は、手・足・口の動作に覚えた違和感を述べた記事「老化現象? それともPAWS?」(2017.1.10投稿)から事例を採ってみました。

 歳を取ってくると「これが老化現象?」と思わせられることが色々出て来ます。何気ない日頃の動作に違和感を覚えた場合がそうなのですが、動作がどことなくブキッチョになったような感じと言えばいいのでしょうか、依然としてうまい表現ができなくて残念です。それだけに、この記事の表現・描写には随分てこずりました。

 記事本体でも述べているように、私は近頃、物理的な距離感に自信が持てなくなっています。これが歳を取ったせいなのか、それともアルコールの置き土産・PAWSによるものかはわかりません。が、ひょっとしたらPAWSの中にある「身体的協働性に問題」という項目がこれに当たるのでは(?)と依然としてこだわっています。いずれにせよ、紛れもない事実なので抗いようがありません。

 上記記事をお目通しいただければ、老化現象の参考に多少はなるかもしれません。なお、記事本体を読み返してどうしても気になった部分に、事例では下線を付しておきました。

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【事例52】
「最近、手足の協調運動機能(?)が覚束なくなったと気になっています。・・・(中略)・・・
 片手でモノを持っていて、指だけでその中の一つをうまく操ろうとすると覿面にしくじります。モノを持ったままの片手でドアの鍵を開けようとして、握っていたモノを落としたり、片手で二つのレジ袋を持ってはその一方を指だけで外そうとして両方とも落としたりしています。逆も真なりで、持ち物をもう一つ増やそうとして、持ち物すべてが手から滑り落ちたりもします。・・・(中略)・・・
 足の距離感を間違うことも多くなりました。ゴミ拾いをしていて不用意に、木の枝が額に当たったり、石の仕切りや小さな切り株に躓きよろけたりすることが多くなりました。食べ物を普通に噛んでいて、なぜか舌までも噛んでしまうことがたまにあります。」

         
「最近、手足の協調運動機能(?)が覚束なくなったと気になっています。・・・(中略)・・・
 特に、片手で複数の物を持っているとき、その中の一つを指だけでうまく操ろうとすると覿面にしくじります。片手でドアの鍵を開けようとして一緒に持っていた物の方だけ落としてしまったり、レジ袋二つの一方を指だけで外そうとして両方とも落としたりということがよくあります。逆も真なりで、持ち物をもう一つ増やそうとして持ち物すべてを落としたりもします。・・・(中略)・・・
 物との距離感を間違うことも多くなりました。ゴミ拾いの作業中、ゴミにばかり気を取られて額に木の枝が当たったり、仕切り石や小さな切り株に躓いたりしています。口の中でも同様に、普通に噛んでいながら、なぜか舌まで噛んでしまうこともたまにあります。」


 元の文章の第二段落は、片手だけで複数の物を操作しようとした場合、若い頃と違って見事にしくじる場面を具体的に描写しようとした文章です。できるだけ正確に描写しようするあまり、却ってくどくどしく重たい表現になってしまいました。
 
 そこで、「片手で物を持った状態」と一々断らずに済ますため、第二段落の文頭に副詞「特に」を挿入して片手であることを強調してみました。これでだけでも後続の文章が少しスッキリしたのではないでしょうか?

 同じく第三段落の前半は、ゴミ拾いの作業中に距離感がつかめなくてヘマをしてしまう場面を描写しようとした文章ですが、「不用意に」ではうまく文意が伝わって来ません。そこで、「ゴミ拾いの作業中、ゴミにばかり気を取られ」と具体的に記述することにしました。

 この他、修飾語と被修飾語の語順や読点の打ち方についてもかなりの乱れがありましたが、それぞれ適切に改めたつもりです。いかがでしょう、少しはマシになったでしょうか?

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【急性離脱後症候群(PAWS)】
 症状は、断酒開始後3~6ヵ月目で最も強くなり、6ヵ月~2年で回復する。

  ○ 思考プロセス障害(脳の働きにムラがある、頑なで諄(くど)い思考、因果関係を
    理解できない)
  ○ 情動障害(情動の揺れ)
  ○ 記憶障害(短期記憶の障害)
  ○ 睡眠障害
  ○ 身体的協働性に問題
  ○ ストレス感受性に変化(おそらく認知障害“認知のゆがみ”の意味:筆者追記)
                  (アルコール依存症専門クリニック教育資料より)

 その障害の一つ “思考プロセス障害” では、脳の働きにムラがある、頑なで諄(くど)い思考、因果関係を理解できないなどが知られています。私の経験から言えば、 “思考プロセス障害” は次の3点に言い換えできるでしょうか。

  ● 脳が混乱して疲れやすく、よくストライキを起こすこと
  ● まとまった文章を書こうとすると、なかなか考えがまとまらないこと
  ● 使うべき助詞、所謂 “てにをは” の適切な使い方に迷うこと

 さらにより具体的に挙げれば、“遠回りする思考”、“助詞の使い方の混乱”、“修飾語の語順の誤り”、“時制の混乱” などとなり、大概が “慣用的な言葉の使い方(言い回し)の失念” ということに要約できます。



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ヒゲジイのPAWSによる悪文見本市(その16)

2018-05-25 06:43:32 | 悪文見本市
 今回は、飲酒欲求を初めてテーマとした『飲酒欲求―すき焼き・しゃぶしゃぶとビール、・・・旨そう?!(2015.7.24投稿)から事例を取り上げてみました。

 この記事では、自動行動がキーワードの一つです。長年の(生活)習慣が刷り込まれて条件反射的に無意識のままでやる行動のことを、私は自動行動と呼んでいます。

 とかく飲酒欲求は衝動的なものと思われがちですが、無意識のままにやった自動行動が飲酒欲求の現われだったということも多いようです。同じ体験談は中味を少し変えて何度も語られるのですが、それらを総合してみると、つまるところ仕事の再開などで知らず知らずのうちにストレスを溜めていて、そのストレスが無意識のうちに心の負担となっていた例が多いようなのです。

 ストレス、特に言葉のストレスに過敏な時期は3年ほど続きます。当たり前のことですが、こんなことがあるからこそ意識して自動行動を誘うような場を避けることが肝腎で、しばらくは仕事の再開なども焦らない方がよいようです。

 なお、現在掲載中のものはいずれも手直しした後の改訂版です。
***************************************************************
【事例51】
「体験談に共通しているのは、意図していないにも関わらず、無自覚のまま自動的にやってしまう行動だと言います。・・・(中略)・・・断酒3年目に何度も飲酒欲求を経験した人の話では、自分が何をやっているかに気が付いて、初めて飲酒欲求と分かり肝を冷やしたそうです。・・・(中略)・・・私がすき焼き・しゃぶしゃぶ屋の店頭で経験した出来事は、これらに近いほぼ同類の経験だと思いますが、体験談は無意識の内に行動している点が大きな違いです。再飲酒となった多くの原因はこの無自覚の自動行動によるものと考えてよさそうです。」
         
「体験談に共通しているのは、意図していないにもかかわらず、無意識のまま自動的にやってしまう行動だと言います。・・・(中略)・・・断酒3年目に何度も飲酒欲求を経験した人の話では、自分が何か妙なことをやっていることに気が付いて、初めて飲酒欲求と分かり肝を冷やしたそうです。・・・(中略)・・・私がすき焼き・しゃぶしゃぶ屋の店頭で経験した出来事はこれらに近い経験だと思いますが、これらの体験談と私とでは、無意識にした行動か否かの点で大きく異なります。再飲酒となった多くの原因はこの無意識のままでする自動行動によるものと考えてよさそうです。」

 先ず問題点として挙げるべきは、用語の不統一、重複した表現、時制の混乱などでしょうか。これら該当する箇所を下線で示しました。

 特に、用語の不統一についてですが、無自覚と無意識の両方が文中にあれば、それぞれに異なった意図が込められているものと誤解されかねません。文脈からして両者を同義に使っているとは読めますが、ここは不要な誤解を避けるために無意識で統一しました。

 次に挙げるべきは、表現が今ひとつ切り込み不足なことでしょうか。経験談で聞いた行動と “私” の行動がどう違うのか、それが今ひとつはっきりしません。そこで、その差が明確にわかるよう「無意識にした行動か否か」と表現を変えてみました。

 その他、細かな点で気づいたことも手直ししています。いかがでしょうか?

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【急性離脱後症候群(PAWS)】
 症状は、断酒開始後3~6ヵ月目で最も強くなり、6ヵ月~2年で回復する。

  ○ 思考プロセス障害(脳の働きにムラがある、頑なで諄(くど)い思考、因果関係を
    理解できない)
  ○ 情動障害(情動の揺れ)
  ○ 記憶障害(短期記憶の障害)
  ○ 睡眠障害
  ○ 身体的協働性に問題
  ○ ストレス感受性に変化(おそらく認知障害“認知のゆがみ”の意味:筆者追記)
                  (アルコール依存症専門クリニック教育資料より)

 その障害の一つ “思考プロセス障害” では、脳の働きにムラがある、頑なで諄(くど)い思考、因果関係を理解できないなどが知られています。私の経験から言えば、 “思考プロセス障害” は次の3点に言い換えできるでしょうか。

  ● 脳が混乱して疲れやすく、よくストライキを起こすこと
  ● まとまった文章を書こうとすると、なかなか考えがまとまらないこと
  ● 使うべき助詞、所謂 “てにをは” の適切な使い方に迷うこと

 さらにより具体的に挙げれば、“遠回りする思考”、“助詞の使い方の混乱”、“修飾語の語順の誤り”、“時制の混乱” などとなり、大概が “慣用的な言葉の使い方(言い回し)の失念” ということに要約できます。



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ヒゲジイのPAWSによる悪文見本市(その15)

2018-05-11 06:24:29 | 悪文見本市
 ゴールデンウィークが明けて “五月病” が聞かれる時節になりました。入学や就職、異動、一人暮らしなど、4月から新しい環境に変わって5月になり、やる気があってもその環境に適応できずに “抑うつ状態” になることをこう言うそうです。

 せっかく新しい環境に馴染み始めた時期なのに、ゴールデンウィークの長い休みで調子を狂わされたというのが一番の誘因ではないでしょうか。夏休みや春休みの後、乱れた生活リズムのまま長期欠席から不登校になるのとよく似ています。

 “抑うつ状態” のときは、一人で引き籠もりになるのが一番危険です。精々、周りの人々が気を遣うべきは、何とか外に連れ出すよう色々工夫してみることではないでしょうか。また、本物の “うつ病” なら「がんばれ!」などとは決して言ってはいけないそうです。

 今回は、『アルコールと “うつ” 症状』(2016.2.05投稿)から題材を二つ取ってみました。この記事では、私がアルコール浸りで “抑うつ状態” になっていた頃、経験した諸症状の詳細も具体的に述べてあります。

 なお、現在掲載中のものはいずれも手直しした後の改訂版です。
***************************************************************
【事例49】
「単なる “抑うつ状態” とは、別離や失敗、喪失などの心理的ストレスをキッカケに、その直後から落ち込んだ気分となることだそうです。本物の “うつ病” では、単なる “抑うつ状態” とは異なり、キッカケと思しき出来事と症状発現との間に相当の時間的隔たりがあるのが普通だといいます。」
         
「単なる “抑うつ状態” と本物の “うつ病” との違いは、キッカケと思しき出来事と症状発現との間に時間的隔たりがあったか否かだと言います。別離や失敗、喪失などの心理的ストレスをキッカケに、その直後から落ち込んだ気分となったのは単なる “抑うつ状態” で、本物の “うつ病” では両者の間に因果関係を問えないほどの時間的隔たりがあるのだそうです。」

 この文章は、単なる “抑うつ状態” と本物の “うつ病” との違いを述べようとしている部分なのですが、各々の状態を順に述べているだけで工夫がありません。これではグダグダ遠回りしている印象が強く要領を得ません。

 このように遠回りしがちな論調も、恐らく思考プロセス障害のせいではないかと私は考えています。この段落では先ず結論を述べる方が理解されやすいと思い、ご覧のように手直ししてみました。


【事例50】
「 最後に、“うつ” の人にどう向き合うべきかについてです。『がんばれ!』などと決して言ってはいけない、・・・(中略)・・・本人は精一杯頑張っている状態といいます。アルコールが “うつ” の症状を悪化させるということには誰も異論がありません。ですから、せいぜい酒を断つように励まし、ゆっくり休むよう勧めるぐらい留めるべきだそうです。下手に励ますことは、一層追い詰めてしまうことになるのだそうです。・・・(中略)・・・実に難しい課題です。耳寄りなのは、もしも患者に退屈そうな気配が見えてきたようなら、気持ちに余裕が出て来た兆し・・・(以下略)・・・。」
         
「 最後に、“うつ” の人にどう向き合うべきかについてです。『がんばれ!』などと決して言ってはいけない、・・・(中略)・・・本人は精一杯頑張っている状態といいます。下手に励ますことは、一層追い詰めてしまうことになるのだそうです。・・・(中略)・・・実に難しい課題です。
 アルコールが “うつ” の症状を悪化させるということには誰も異論がありません。ですから、せいぜい酒を断つように励まし、ゆっくり休むよう勧めるぐらいに留めるべきだそうです。耳寄りなのは、もしも患者に退屈そうな気配が見えてきたようなら、気持ちに余裕が出て来た兆し・・・(以下略)・・・。」


 ひとつの段落では、内容を一つに絞ることが鉄則です。ここでは一つの段落内に、患者に対してやってはいけないことと、やるよう勧めるべきことの二つの内容が混在して述べられています。

 先に、やってはいけないことを述べ、そこで段落を変えて次に、やるよう勧めるべき助言という内容の順にしてみました。

 また、下線部のように助詞の使い方に混乱も見て取れます。以上を踏まえ手直ししてみました。いかがでしょうか?

***************************************************************
【急性離脱後症候群(PAWS)】
 症状は、断酒開始後3~6ヵ月目で最も強くなり、6ヵ月~2年で回復する。

 ○ 思考プロセス障害(脳の働きにムラがある、頑なで諄(くど)い思考、
   因果関係を理解できない)
 ○ 情動障害(情動の揺れ)
 ○ 記憶障害(短期記憶の障害)
 ○ 睡眠障害
 ○ 身体的協働性に問題
 ○ ストレス感受性に変化
   (おそらく認知障害 “認知のゆがみ” に気づいた意味:筆者追記)
           (アルコール依存症専門クリニック教育資料より)

 その障害の一つ “思考プロセス障害” では、脳の働きにムラがある、頑なで諄(くど)い思考、因果関係を理解できないなどが知られています。

 私の経験から言えば、次の3点に言い換えできるでしょうか。

 ● 脳が混乱して疲れやすく、よくストライキを起こすこと
 ● まとまった文章を書こうとすると、なかなか考えがまとまらないこと
 ● 使うべき助詞、所謂 “てにをは” の適切な使い方に迷うこと

 さらにより具体的に挙げれば、“遠回りする思考”、“助詞の使い方の混乱”、“修飾語の語順の誤り”、“時制の混乱” などとなり、大概が “慣用的な言葉の使い方(言い回し)の失念” ということに要約できます。



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ヒゲジイのPAWSによる悪文見本市(その14)

2018-04-20 07:00:44 | 悪文見本市
 ものごとを自分の言葉で自分なりにかみ砕いて述べる。これはよほど理解していないと出来ることではありません。“自分の言葉で” というところがミソなのですが、人に教わったことであっても “自分なりにかみ砕いて” 表現するのはこれに劣らず至難の業ではないでしょうか。

 今回取り上げてみたのは医者に教わった “病識” の意味についてです。精神科領域の病気で特徴的なのは本人に病気という自覚がないことだそうです。このことを “病識がない” と言い、精神病の典型とされる統合失調症ではこれが一番の特徴だそうです。ちなみに、漠然と病気と感じているにすぎないことを “病感” というそうです。

 本物の “うつ病”(大うつ病 / 大うつ病性障害)でも患者本人には “病識がない” のだそうですが、今回の事例はその “うつ病” の “病識” について記述した部分です。しどろもどろな記述になっていましたが、ここでもアルコールの置き土産PAWSの一つ “思考プロセス障害” の形跡が見て取れます。

***************************************************************
【事例48】
「精神科領域では本人に病的だという自覚がないことの方が多いそうです。このことを “病識がない” と言い、・・・(中略)・・・内科を受診し、検査しても原因が分からないままに、精神科に回されて来て初めて “うつ病” と診断される ―― これが通常の例だと聞きました。
 恐らく、これといって直近に思い当たる原因やキッカケがなく、不眠や食欲が湧かないとか、身体が怠く疲れやすいなどの身体症状が主な悩みで、気力が湧かないとか、億劫でどうしても仕事に行けないなどの精神的なことは身体の不調のせいと思っているのかもしれません。」

         
「精神科領域では本人に病気という自覚がないことの方が多いそうです。・・・(中略)・・・内科を受診し、・・・(中略)・・・これが通常の例だと聞きました。
 つまり、これといって直近に思い当たる原因やキッカケがなく、眠れない、食欲が湧かない、身体が怠くて疲れやすいなどの身体的不調が主な悩みと訴える例が普通であり、気力が湧かなくて億劫なことからどうしても仕事に行けないなど、同時に自覚している症状が精神的異変のせいとは思いもしないのだそうです。」
 
     “物忘れ” ― 単なる健忘? それとも認知症?」(2016.01.29投稿)より

 まず、最初の下線部の病的はあっさり病気とする方がよいのでそう改めました。

 次に二番目の下線部を含む一文ですが、頭に浮かんできた言葉を整理しないまま順に書き留めた印象が強く、自信なさげで支離滅裂な文章になっています。

 その原因の一つは、「不眠や食欲が湧かないとか、・・・」といった症状名の並列が不規則であること。二つ目は、精神的異変が身体的不調と混同しやすいことが表現しきれていないこと。さらに、「どうしても仕事に行けない」に係る修飾語の途中に不要な読点を打ったため、因果関係が混乱していること。文末の「かもしれません」も文脈上からアウトです。以上が問題だろうと思いました。

 そこで、症状名の表記を改め、精神的異変が身体的不調と混同しやすいことがハッキリするよう、「同時に自覚している症状」という言葉を加えてみました。そして、修飾語・被修飾語の関係や文末等も手直ししてみました。いかがでしょうか?

***************************************************************
【急性離脱後症候群(PAWS)】
 症状は、断酒開始後3~6ヵ月目で最も強くなり、6ヵ月~2年で回復する。
  ○ 思考プロセス障害(脳の働きにムラがある、頑なで諄(くど)い思考、
    因果関係を理解できない)
  ○ 情動障害(情動の揺れ)
  ○ 記憶障害(短期記憶の障害)
  ○ 睡眠障害
  ○ 身体的協働性に問題
  ○ ストレス感受性に変化
   (おそらく認知障害 “認知のゆがみ” に気づいた意味:筆者追記)
           (アルコール依存症専門クリニック教育資料より)

 その障害の一つ “思考プロセス障害” では、脳の働きにムラがある、頑なで諄(くど)い思考、因果関係を理解できないなどが知られています。
 私の経験から言えば、次の3点に言い換えできるでしょうか。

 ● 脳が混乱して疲れやすく、よくストライキを起こすこと
 ● まとまった文章を書こうとすると、なかなか考えがまとまらないこと
 ● 使うべき助詞、所謂 “てにをは” の適切な使い方に迷うこと

 さらにより具体的に挙げれば、“遠回りする思考”、“助詞の使い方の混乱”、“修飾語の語順の誤り”、“時制の混乱” などとなり、大概が “慣用的な言葉の使い方(言い回し)の失念” ということに要約できます。



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ヒゲジイのPAWSによる悪文見本市(その13)

2018-04-06 06:06:08 | 悪文見本市
 今日、認知症とか認知障害とか、認知という言葉を目にしない日はありません。かく言う私も、“認知のゆがみ” を正そうと日々心懸けているつもりです。それにもかかわらず、「そもそも認知とは何ぞや?」という問いに明解な答えを持ち合わせていませんでした。

 主治医は「認知とは自分独自の外界翻訳機」といううまい説明をしてくれたのですが、その教えをオウム返しにするばかりでは自分の身につきません。放ったらかしではいけない問題なので、その答えを自分の言葉で自分なりに出してみようと試みたのが「 “認知のゆがみ” 回復の最難関にどう向き合う?(上)」です。今回は、この記事から事例を取り上げてみました。

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【事例47】
「認知とは・・・(中略)・・・これを私流に解釈すると、知覚した外界を自分はどう見、どう考えるのか、自分流のものの見方・考え方の習性だと考えたい。つまり、幼少期から外界の刺激で刷り込まれた個々人独自の習性と考えたのです逆に見れば、世間から自分がどう見られているかを気にする習性は、裏返しとも考えられます。ですから、認知そのものは根が深く、もし障害があればその矯正はとてつもなく手強いものと覚悟しなければなりません。」
                        (2017.2.7初回投稿時)
         
「 これを私流に言えば、認知とは知覚した外界を自分流に解釈する習性のことで、個々人の認識の仕方にはその人特有のクセがあるということでしょうか。つまり、幼少期から外界の刺激で刷り込まれた個々人独自の習性そのものが認知に繋がっていることになります。見方を変えれば、世間から自分がどう見られているか気にしがちなのも、単にこのことの裏返しだと考えることもできます。ですから、認知そのものは根が深く、もし障害があればその矯正はとてつもなく手強いものと覚悟しなければなりません。」
                         (2018.1.03改訂時)
         
「 これを私流に言えば、認知とは外界からの情報を自分流に解釈するクセのこと、と考えます。さらに言い換えれば、認知とは習性化した認識のし方ということであり、その習性化は外界の情報によって幼少期から刷り込まれたものということでしょうか。こう考えれば、世間から自分がどう見られているか気にしがちなのも、このことの裏返しということがわかります。ですから、認知そのものは根が深く、もし認知に “ゆがみ” があればその矯正はとてつもなく手強いものと覚悟しなければなりません。」
                        (2018.3.27再改訂時)

 初回投稿時の文章は一見して、回りくどい表現の雑な下書きノートみたいに見えると思います。特に下線部は、明らかに自信なさげで、思索途上の生煮えな表現になっています。手直しした一回目の改訂時の文章でも、依然として下線部に回りくどくて堅い表現が残ったままです。私は、このような特徴が思考プロセス障害の現われと考えています。

 初回投稿時と改訂時の文章を改めて整理してみると、当初目指していた論旨は次のようだったとわかりました。

 認知とは外界からの情報を自分流に解釈する習性・クセのこと ⇒ その習性・クセは幼少期から刷り込まれてきたものであること ⇒ 世間の評判を気にするのも同じ刷り込みによること。
 
 再改訂時にはこの論旨で手直ししてみました。それでも、まだくどくて堅い表現が目に付きます。これはこれで精一杯の表現なのです。私としては精々、下線部のように手直しできたことが成果でしょうか。
「わかっちゃいるけど言葉にできないのは、やはり十分に理解できていないこと」なのでしょう。なかなか “翻訳機” に優る言葉が出て来ません。子どもを認知する方の認知ならよく理解できているのですが、・・・?

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【急性離脱後症候群(PAWS)】
 症状は、断酒開始後3~6ヵ月目で最も強くなり、6ヵ月~2年で回復する。

  ○ 思考プロセス障害(脳の働きにムラがある、頑なで諄(くど)い思考、因果関係
    を理解できない)
  ○ 情動障害(情動の揺れ)
  ○ 記憶障害(短期記憶の障害)
  ○ 睡眠障害
  ○ 身体的協働性に問題
  ○ ストレス感受性に変化
   (おそらく認知障害 “認知のゆがみ” に気づいた意味:筆者追記)
           (アルコール依存症専門クリニック教育資料より)

 その障害の一つ “思考プロセス障害” では、脳の働きにムラがある、頑なで諄(くど)い思考、因果関係を理解できないなどが知られています。
 私の経験から言えば、次の3点に言い換えできるでしょうか。

 ● 脳が混乱して疲れやすく、よくストライキを起こすこと
 ● まとまった文章を書こうとすると、なかなか考えがまとまらないこと
 ● 使うべき助詞、所謂 “てにをは” の適切な使い方に迷うこと

 さらにより具体的に挙げれば、“遠回りする思考”、“助詞の使い方の混乱”、“修飾語の語順の誤り”、“時制の混乱” などとなり、大概が “慣用的な言葉の使い方(言い回し)の失念” ということに要約できます。



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ヒゲジイのPAWSによる悪文見本市(その12)

2018-03-23 06:24:57 | 悪文見本市
 私にとって、このブログは闘病記録のようなものです。回復プロセスを含めた病状の記録と脳のリハビリを目的としています。自分の書いたものはその時々の自分の心を映す鏡です。記事の内容もさることながら、書いた文章の不具合がその時々の病状を表していると考えています。この悪文見本市シリーズもその一環として掲載しています。

 アルコールの急性離脱後症候群(Post Acute Withdrawal Syndrome:PAWS)は、断酒を始めて3~6ヵ月で自覚するようになると言われています。その症状の一つ “思考プロセス障害” では、脳の働きにムラがある、頑なで諄(くど)い思考、因果関係を理解できないなどが知られています。

 私の経験から言えば、次の3点に言い換えできるでしょうか。


 ● 脳が混乱して疲れやすく、よくストライキを起こすこと
 ● まとまった文章を書こうとすると、なかなか考えがまとまらないこと
 ● 使うべき助詞、所謂 “てにをは” の適切な使い方に迷うこと


 さらにより具体的に挙げれば、“遠回りする思考”、“助詞の使い方の混乱”、“修飾語の語順の誤り”、“時制の混乱” などとなり、大概が “慣用的な言葉の使い方(言い回し)の失念” ということに要約できます。

 一見して老化現象の “度忘れ” と似通っているので、潔く歳のせいと受け容れればよいのかもしれません。が、私自身は老化のせいだけではないと感じています。性懲りもなく今回も、集中力に欠けた脳がストライキを起す寸前に書いた悪文事例をご紹介します。

 なお、現在掲載中のものはいずれも手直しした後の改訂版です。
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【事例46】
「・・・どうです、かっこいいと思いませんか?
 その参考にと性懲りもなくここで余計なお節介を一つ。
他人の汚物というものは先入観を誘う塊みたいなものです。事実をありのままに見る鍛錬には、他人の残した汚物を始末するのが一番です。汚物の始末に慣れてくると、先入観で一杯のモノの見方までも同時にキレイさっぱり始末してくれるようです。・・・」

         
「・・・どうです、かっこいいと思いませんか?
  肝腎なことを言い忘れていました。どうやったら独自の座標軸を持てるかですが、感情に走る自分を離れ、自分自身をも客体化して眺められるようになることです。
 その参考にと性懲りもなくここで余計なお節介を一つ。
 事実をありのままに見る鍛錬には、他人の残した汚物を始末してやるのが一番です。他人の汚物は、不潔とか、だらしないとかいった先入観の塊です。そんな汚物に直に接して慣れてくると、先入観で一杯となったモノの見方までも同時にキレイさっぱり始末してくれるようです。・・・」

        自分独自の座標軸を持っていますか?」(2017.1.6投稿)より

 これは “脳の働きにムラがある” という事例に当たるでしょうか。

 この記事のテーマは、どのようにして “他者との間合いを保つ” = “自分独自の座標軸を持つ” か、です。ここでいう座標軸とは、物差しと同じ意味で使っています。

 座標軸を身に付つけるのに肝腎なのは、どんな心構えでやったらいいのかですが、その記述をコロッと忘れていました。投稿して大分経ってから、やっとミスに気づき下線部を追記しました。

 文章としては目論見通りの長さになっていましたし、これまでの文脈からそれとなく臭わせてもいたので、そんな思い込みからつい気が緩んで忘れてしまったのだと思います。

 集中しているつもりでも、記事の後半部分になるとどうしても注意力が薄れてしまいます。私は脳が疲れたサインと考えていますが、“脳の働きにムラがある” というのはこんなことかもしれません。

 これに続く下段部分についても少し論理を整理してみました。特に訂正前の下線部は、抽象的で「何ノコッチャ?」となりかねません。具体的に説明を加えてみましたが、いかがでしょうか?

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【急性離脱後症候群(PAWS)】
 症状は、断酒開始後3~6ヵ月目で最も強くなり、6ヵ月~2年で回復する。
  ○ 思考プロセス障害(脳の働きにムラがある、頑なで諄(くど)い思考、
    因果関係を理解できない)
  ○ 情動障害(情動の揺れ)
  ○ 記憶障害(短期記憶の障害)
  ○ 睡眠障害
  ○ 身体的協働性に問題
  ○ ストレス感受性に変化(おそらく認知障害“認知のゆがみ”の意味:筆者追記)
                  (アルコール依存症専門クリニック教育資料より)


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ヒゲジイのPAWSによる悪文見本市(その11)

2018-03-09 06:24:59 | 悪文見本市
 私にとって、このブログは闘病記録のようなものです。回復プロセスを含めた病状の記録と脳のリハビリを目的としています。自分の書いたものはその時々の自分の心を映す鏡です。記事の内容もさることながら、書いた文章の不具合がその時々の病状を表していると考えています。この悪文見本市シリーズもその一環として掲載しています。

 アルコールの急性離脱後症候群(Post Acute Withdrawal Syndrome:PAWS)は、断酒を始めて3~6ヵ月で自覚するようになると言われています。その症状の一つ “思考プロセス障害” では、脳の働きにムラがある、頑なで諄(くど)い思考、因果関係を理解できないなどが知られています。

 私の経験から言えば、次の3点に言い換えできるでしょうか。

 ● 脳が混乱して疲れやすく、よくストライキを起こすこと
 ● まとまった文章を書こうとすると、なかなか考えがまとまらない
   こと
 ● 使うべき助詞、所謂 “てにをは” の適切な使い方に迷うこと


 さらにより具体的に挙げれば、“遠回りする思考”、“助詞の使い方の混乱”、“修飾語の語順の誤り”、“時制の混乱” などとなり、大概が “慣用的な言葉の使い方(言い回し)の失念” ということに要約できます。

 言葉の失念(度忘れ)から連想するのは老化現象による想起障害ですが、私は常々、アルコールが老化促進剤ではないかと考えています。そして、この想起障害こそが大部分の “思考プロセス障害” の原因ではないかとも考えています。長年の飲酒習慣が前頭葉を萎縮させることや、アルコールがコルチゾールを介して記憶の中枢・海馬へ悪影響を及ぼすことが知られていますので、他にも老化による想起障害と似たメカニズムがあるのかも。

 自分の書いたモノを読み返す度に、今だにアルコールのせいにしている私ですが、そろそろ歳のせいと “ありのままに” 受け容れる時期なのかもしれません。性懲りもなく、今回も悪文事例をご紹介します。いずれも脳がストライキを起す寸前の状態にあり、集中力に欠け、文案が錯綜する混乱の中で書いたものと思われます。

 なお、現在掲載中のものはいずれも手直しした後の改訂版です。
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【事例45】
「 どうにもならない “生きづらさ”
・・・AAの『回復のプログラム』ステップ 1にはこうあります。『私たちはアルコールに対し無力であり、思い通りに生きていけなくなっていたことを認めた』・・・(中略)・・・『思い通りに・・・いけなくなっていた』が『どうにもならなくなった』の意・・・」

         
「“どうにもならない” 生きづらさ
・・・AAの『回復のプログラム』ステップ 1にはこうあります。(以下、略)」

              どうにもならない “生きづらさ”」(2016.7.29投稿)より 

 これは断酒歴2年9ヶ月に書いた、勘違いが原因でキーワード(引用符の付け方?)の選択を間違えた事例です。

 よくAAのミーティングでテーマに取り上げられるのが『生きづらさ』という言葉です。人生には辛いこともあるのが当たり前なのに、何か特別の意味があってのことなのかと私は常々訝しく思っていました。そこで、AAの古参仲間にそのことを質問してみたのです。

「ステップ1のことだよ。」こう、古参の仲間はこともなげに答えてくれました。この古参仲間の言葉をそのまま鵜呑みにし、私は『生きづらさ』が依存症に共通する生き方の意味と思い込んでしまいました。

 依存症に共通しているのは、妄想に取り憑かれたり、衝動に駆られたりして『どうにもならなくなった』状態に囚われることです。今になってみると、古参の仲間はそれをそのまま表現しているのがステップ1だと教えてくれただけだったのです。まだ私の脳はお休み中だったのでしょうか、『どうにもならなくなった』という意味が十分わかっていなかったようなのです。

 この事例は、表題と共に元の文章の引用符を『生きづらさ』に付ける代わりに『どうにもならない』の方に付け換えるだけで済みました。当時書いた文脈を辿ればハッキリ勘違いしていたとわかるのですが、強い思い込みから気づかないまま放置していました。

 勘違いや思い込みは、もの事を短絡的に解釈することで起こります。このような事実誤認には必ず “認知のゆがみ” が絡んでいるという好事例です。

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【急性離脱後症候群(PAWS)】
 症状は、断酒開始後3~6ヵ月目で最も強くなり、6ヵ月~2年で回復する。
  ○ 思考プロセス障害(脳の働きにムラがある、頑なで諄(くど)い思考、因果関係を
    理解できない)
  ○ 情動障害(情動の揺れ)
  ○ 記憶障害(短期記憶の障害)
  ○ 睡眠障害
  ○ 身体的協働性に問題
  ○ ストレス感受性に変化(おそらく認知障害“認知のゆがみ”の意味:筆者追記)
                  (アルコール依存症専門クリニック教育資料より)



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