どうもこんにちは。第三回目のデザインクラス通信は、デザインをやるなら知っておきたい、知らねばならぬ、「BAUHAUS」についてです。
「BAUHAUS」(バウハウス)とは、1900年代初頭のドイツ、ワイマールにて創設された、世界で最初のデザインの学校のことです。
簡単に歴史の背景を説明すると、産業革命の波を受けたヨーロッパでは、工業化に伴う製品の品質の悪化が目立ち始めていました。それを危惧した職人やアーティストが、産業と芸術の統合を目指した「産業芸術』を理念として、誰でも芸術教育を受けられる教育機関をつくりあげます。それがBAUHAUSUです。
(この当時の他の美術学校では、才能を認められた数少ない人達しか教育を受けることができませんでした。)
ドイツ語で「BAU=建築」、「HAUS=家」という名前の由来からもわかる通り、BAUHAUSでは建築が「総合芸術」と呼ばれ、多くの分野の頂点として扱われています。要するに建築は、例えば絵画、グラフィック、プロダクトデザイン(家具などの物のデザインのこと)、空間デザイン、ファッション、その他全ての芸術分野を含む、芸術の館ということです。
教授陣には、建築家はもちろん、デザイナー、絵描き、写真家など、その時代の芸術を引っ張っていた個性溢れる人たちが集まりました。
上の画像は、僕が通っていた大学の美術館で何年か前にやったBAUHAUS展のポスターですが、その後ろに並んでいる彼らこそ、デザインの基礎を築き上げた偉大な先輩達という訳です。
ちなみに、僕は左から二番目のワシリー・カンディンスキー、三番目のパウル・クレーのファンです。二人とも絵描きですが、どちらもグラフィックデザインに通じる感性の持ち主です。というより、このころはまだデザインとアートの間に、それほど大きな違いはありませんでした。そこの点が、この時代の芸術に僕が個人的に関心をもっている理由であったりもします。
BAUHAUSは不運にもわずか15年しか続かなかったのですが、それにもかかわらず現代のあらゆる芸術にその影響を色濃く残しています。
一人一人の教授陣の作品やエピソードも数知れませんが、上にあげた二人の絵描きについては、僕からまた紹介したいと思っています。
興味のある人は、本屋さんや図書館で、分厚いBAUHAUSの本(たいてい分厚い本しかありません)をめくってみてはいかがでしょうか。
(あべかいた)