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絵画クラスだより150615

2015-06-15 20:31:14 | 日記
新緑の季節、楽しいゴールデンウィークも終わって、今度はぐっと集中する時期です。
今月は基礎的なデッサン力をつける課題をしました。
立体的な表現、奥行きの表現には「遠近法」という絵画的な技術があります。
様々な遠近法がありますが、手前の物が大きく、遠くの物が小さい、という「透視図法」は、感覚的にも身近な奥行き表現でしょう。「まるで写真のように本物に似ている絵」を描きたい場合には必ず必要になる技術です。
透視図法は西洋絵画的な技法で、必ずしも絵画で守らなければならないルールではありません。むしろ、透視図法を崩すことで絵画の平面性が強調され、面白い絵になることもあります。しかし、ルールを壊して自由な表現に幅を広げていく為には、そもそも基礎的なルールを知っておく必要がありますので、今回はかっちりと「一点透視図法」「二点透視図法」について学んでもらいました。



立方体の形に近い物を二点透視図法で描いてもらいました。
まずは、細かいところは考えず、縦長の立方体として全体を捉え、立方体自体をしっかりと透視図法で違和感の無いように描くところから始めました。
たかが、立方体。されど立方体です。違和感なく、「そこにある」ように見える立方体の形にするのはこれまで透視図法をまったく意識したことのない人にとっては難しいことです。
そして、立方体ができたら、三角の屋根へ。表面の模様へ。どこもかしこも透視図法が関連してきますので、「ここもね」と指摘する度に「あーそうか!」と納得して、段々と分かってきたようでした。透視図法は一見面倒なようですが、逆に、習得してしまえば、本物を見ずとも本物らしい形が描けるようになり、自由自在に自分の想像した空間を描く頃ができるようになる技術です。
是非練習して、自分のものにして欲しいです。







立体表現の続きで、後半は粘土を使って「玉を持つ手」を作ってもらいました。
これはいわば粘土による360度のデッサンということになります。
まずは、手のポーズに合わせて骨になる針金を作り、そこに、大まかに粘土をつけるところから始めます。



立体作品を練習するといいことは、「大まかに作り始めてまず印象を似せる」という始め方の感覚をつかめるところです。
絵でデッサンする場合にも、最初に大まかに印象を似せるところをしっかりとやると、後で大きな修正をせずともよくなるのですが、絵ではこの感覚を説明するのが難しいのです。
そして、皆さん自分の手と作品を下から覗いてみたり、ひっくり返してみたり、鏡を使ってみたり、色々な角度からチェックして取り組んでました。





絵を描く場合にも、今回のように360度の形状をしっかりと観察してから描き始めるとより描き易くなるでしょう。



両方ともとても力のつく課題でしたね!

(やえのまりえ)