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絵画クラスだより130729

2013-07-29 21:25:08 | 絵画クラス
ここ数回の絵画クラスだよりでは、油絵や塑造などの華やかな課題の紹介が続きましたが、もちろんデッサンも忘れずにこつこつと続けております。

毎回デッサン課題の終わりには、「大静物」と題しまして、通常より大きめのモチーフを組み、デッサンと、透明水彩絵の具を使っての着彩に挑戦しています。

こちらが今回の大静物の作品です。Img_0010_2

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大きなモチーフの難しさはいくつかありますが、そのひとつは構図 です。
構図とは、画面の中にモチーフをどのくらいの大きさで、どの辺りに描くか、そしてモチーフが複数ある場合は、どこまでを画面に入れ、どこを切るか、またどこかをクローズアップして集中的に描くか、そういった描き始めに行う画面の計画のことです。

大きなモチーフだと、全体像を捉えるのが難しく、また全てをすっぽりおさめようとすると、それはそれで絵が小さく萎縮してしまいます。ですので、大きなモチーフを描く場合は、いつも以上に慎重に構図を決めることが重要になります。

最近の生徒さん達の作品を見ると、デッサンの練習の成果もあり、始めた当初に比べて格段と構図の取り方が良くなってきました。画面全体に気を配れるようになって きた証拠です。

あらゆる絵画や造形の基礎となる「デッサン力」は、一朝一夕で身に付くものではありません。スポーツの練習のように何度も何度も繰り返し、目と体が覚えるまで描き続け、やっと手にできるものです。
ただ好きに絵を描くのに比べると、制約も多く、忍耐も必要なのがデッサンです。けれども、「いつもより本物らしく描けた」という感動は、きっとただのお絵描きでは味わえない、自分の成長の喜びと、絵を描く喜びとが混ざり合った、なかなか味わい難いものだと思います。

さて、只今の絵画クラスは、小学生は再び油絵課題に挑戦中!
一般クラスはデザイン課題に取り組んでいます!
またこちらのブログで紹介する予定です。お 楽しみに!


絵画クラスだより130704

2013-07-05 11:36:07 | 絵画クラス
「塑造」と「塑像」。
どちらも「そぞう」と読むこの二つの言葉を皆さんご存知でしょうか?
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「塑造」とは、粘土を使って作る彫刻の技法のひとつで、
「塑像」は「塑造」によって作られた像自体を指す言葉です。
木彫や石彫等、他の彫刻の技法に比べて削りや付け足しが容易にできることから、ブロンズ像などの原型や、その他習作のために制作されることが多い技法です。
“近代彫刻の父”と称されるオーギュスト・ロダンの作品や、良く教科書 にも載っている高村光太 郎の「手」もこの塑造を基に作られた作品です。

また日暮里には「朝倉彫塑館」という美術館があり、そこでは朝倉文夫という彫塑家が制作した様々な塑像を見ることができます。小さいながらも大変趣のある美術館なのですが、平成21年より改築工事中で、今年10月末にやっとリニューアルオープンされるそうです。再開をいつかいつかと待ちわびたのはきっと僕だけではない、そう確信するほど素敵なところなので、興味のある方はぜひ訪ねてみて下さい。


さて、前置きが長くなりました。ここからが本題です。
絵画クラスでは立体的に物を捉える感覚を養うため、デッサン課題の中に塑造を取り入れています。
今回はシンプルに自分の「首像」を 制作しました。
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荒縄が巻かれた芯材に、まずは粘土を沢山つけて頭部全体のボリュームを出し、最初は大きな形から、そして少しずつ細かな表情を、鏡の中の自分の顔と良く見比べながら作っていきます。
普段私たちは顔を見る際、自然と目鼻口や髪型などの際立ったパーツに目が行きがちですが、立体的に頭部を捉える為には、後頭部の頭蓋骨の張りや、目鼻口の周りにある筋肉、そしてほおやあごの骨など、外から見えない骨格や筋肉を意識することが重要になってきます。その基本的な骨の構造があって、その上にそれぞれのパーツがついているため、いくらパーツだけを正確に作っても、なかなかリアルな顔に見えてきません。

と、ただ絵を描くのと比べてなか なかハードルが高いこの課題ですが、それでも生徒さんは普段と違う立体課題が新鮮だったせいか、黙々と集中して作っている姿が印象的でした。自分の横顔を合わせ鏡で観察したり、普段殆ど見ることのない後ろから見た自分の頭を作ったりと、そんな絵とは違った感覚も面白かったのかもしれません。
できた作品はこちらの想像以上に個々の表情がしっかりと表れ、自画像とはまた違った魅力のあるものになりました。

(アベカイタ)