『みんなの塾』

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時は金なり。金は時買えぬ。「一寸光陰一寸金、寸金難買寸光陰。」

『弟子規』日本語解説(72)

2018年10月24日 | 『弟子規』日本語解説
道人善 即是善 人知之 愈思勉
dào rén shàn jí shì shàn rén zhī zhī yù sī miǎn
【解説】稱讚別人的善行,本身就是一種美德。因為別人知道之後,就會因此受到勉勵而更加努力地去行善。
【和訳】人の善行(ぜんこう)を褒め、世に言い広めることは、善であり美徳であります。人々がそれを知れば、さらに善行(ぜんこう)に努(つと)めるようになるからです。



●簡単解説:
★おしゃべりの人が一生大きく発展できず、よい事を成功させられないと言われています。ぜひ孔子の美徳の「謹言慎行」(きんげんしんこう。言葉と行動を慎重に行うこと)を見習いましょう。言葉の数を少なくしましょう。
『易経』にも「躁人之辞多、吉人之辞寡」(吉人(きつじん)の辞(じ)は寡(すくな)く、躁人(そうじん)の辞(じ)は多(おお)し)と述べています。「吉人」、すなわち、運のいい、智慧や福徳のある吉祥な人は、言葉数が少なく、行動が穏やかで、やさしく、慈悲な心をもっています。「躁人」、すなわち、情緒・気持ち・精神が安定せず、心の落ち着かない焦燥の人は、言葉数が多くて、行動をみても落ち着かない様子です。徳のある人物は口数が少ない。徳のない者は口数が多いです。
口数が多ければ、多いほど、失言が多く、知らず知らずに、人の気分を損なってします。言葉数が少ないと、心が落ち着きやすく、冷静に状況判断でき、自分の間違った考えにも気付きやすいです。そして、『礼記(らいき)』(曲(きょく)礼(らい)上編より)が教える「安定辞」(辞を安定にす)〈言葉を柔和・丁寧・善良、明確・明瞭にする〉のように、発言する前に、もう一度、心の中で冷静かつ慎重に考え、内容をよく吟味してから、順序よく、要点を押さえながら、分かりやすく、柔和、穏やか、丁寧に話をするように努めましょう。この「安定辞」ですが、「安」は柔和的な、「定」は意味明瞭です。すなわち、仏家十善の「不妄語」、「不両舌」、「不悪口」、「不綺語」を実践すれば、安定した、柔和かつ意味明瞭な発言ができるということになります。


簡単解説の内容は浄空法師の説法、楊淑芬(ようしゅくふん)居士先生の「弟子規」、成徳法師(蔡礼旭<さいれいきょく>先生)の「幸福人生講座」などの講義内容に参照してまとめたものです。
一部の内容は念仏人さんのブログによります、心から感謝いたします。
ブログをご覧になっている皆さんとご一緒に学ぶことができて、本当にうれしいです。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。