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時は金なり。金は時買えぬ。「一寸光陰一寸金、寸金難買寸光陰。」

『弟子規』日本語解説(65)

2018年10月15日 | 『弟子規』日本語解説
凡是人 皆須愛 天同覆 地同載
fán shì rén jiē xū ài tiān t óng fù dì t óng zài
【解説】不論是什麼人,我們都要互相關心、愛護和尊敬,因為我們共同生活在同一片天空之下,同一塊土地之上。
【和訳】世の中のすべての人々に仁愛(じんあい)の心を持たなければなりません。お互いに愛し、思いやり、尊敬(そんけい)するべきです。みんなが同じ空の下におり、同じ大地の上に生きているからです。



●簡単解説:
★「宇宙万有が一体であること」を「道(タオ)」といいます。老子は「道は万物を生養し、天地の始まりであり、万物の根である」と述べ教えてくださいました。まず、「道」は愛の心として現れます。この愛の原点は父子の親愛であります。そして、その愛の心を日常生活で実行・実践された際の第一表現は「謙虚・謙譲」であります。つまり、「謙虚・謙譲」は、本当に仁愛な心を有する人のシンボルであります。ゆえに、他人を尊重せずに「謙虚・謙譲」の気持ちがない人は本当の愛心がない人であることが分かります。本当に人を愛する人であれば、他人を尊重でき、敬愛でき、思いやりができ、助けることもできます。 

★見上げれば、同じ空の下で共に生育(せいいく)していて、俯瞰(ふかん)すれば、同じ地球の上で滋養(じよう)を受けて生きています。お互いを尊敬しあい、大事にするべきではないでしょうか。とりわけ、近年、科学の発達や交通手段の便利さにより、人々の活動の領域が大いに拡大し、個人、企業、地域など社会のあらゆるレベルで、民族・宗教・国境を越えた地球規模での交流が盛んになっています。地球全体がひとつの村のように緊密な関係をもつようになり、「地球村」になっています。 
 「凡是人 皆須愛」(世の中のすべての人々に仁愛の心を持たなければなりません)は国家・民族・宗教信仰・文化の違いを乗り越えた博愛です。人間であれば、愛するべきです。これは天性である父子の親愛から拡大した仁愛の心です。このような素晴らしい広い心を持つべきではありませんでしょうか。今の社会では、心を広くしなければなりません。互いに包容して、互いに尊重し、助け合い、協力しあうべきではありませんか。このようにして、共に、衝突や矛盾を解けて、社会の安定平和を回復させていきます。私たちは平和を「促進する」という語彙(ごい)を使いません。なぜなら、宇宙はもともと平和であるものだからです。この世界ももともと平和でありました。ゆえに、私たちは平和を回復するといいます。
 いろいろな衝突や矛盾をどうやって解けていきますか?このことは、世界平和の仕事に携わる方々に、ぜひお願いしたいことであって、すべての人が自分自身からやり始めるべきことでもあります。どこからやり始めるのでしょうか。人と対立する気持ちを解けることから着手します。これは東方の聖賢の教えであります。つまり、「凡是人 皆須愛」です。国家を分け隔てず、民族を分け隔てず、宗教信仰を分け隔(へだ)てずに、人間であれば、だれでも、愛するべきであるのです。
 対立する気持ちがあって、まったく交流せず行き来しないのであれば、お互いマスメディアの扇動報道などを信じ、先入観や偏見を持って、むやみに相手のことを想像、邪推してしまいます。それで、ますます仲悪くなります。矛盾がさらに増え、多くの誤解を招いてしまいます。それが衝突・紛争・戦争の引き金になってしまいます。それはやはりお互いが相手のことを知り、理解しようとしないからではないでしょうか。もし、皆が行き来をし、よく交流すれば、話し合えば、そのような問題はきっとなくなるでしょう。


簡単解説の内容は浄空法師の説法、楊淑芬(ようしゅくふん)居士先生の「弟子規」、成徳法師(蔡礼旭<さいれいきょく>先生)の「幸福人生講座」などの講義内容に参照してまとめたものです。
一部の内容は念仏人さんのブログによります、心から感謝いたします。
ブログをご覧になっている皆さんとご一緒に学ぶことができて、本当にうれしいです。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。