野球少年は夢を見る…

Hanshin Tigers Series 2024

対決!能見vs.鳥谷(21日・安芸)

2005-02-28 19:13:32 | Aki Camp
 能見篤史vs.鳥谷敬。21日の紅白戦、【1回表】の第1打席で実現。初球ストレートをファウル。2球目、懐にストレートで2ストライク。3球目、アウトコースにスライダーを外して、4球目はインコースにスライダーを曲げて、見逃し三振! 鳥谷は真っ直ぐにヤマを張っていたか? 赤星憲広には高めに浮いたストレートをレフト前に運ばれるが、3番・町田公二郎をサードゴロ、ダブルプレーに打ち取り、初回を難なく切り抜けた。今日も彼の快投が見られるか? 

【2回裏】紅軍の先発は右腕・杉山直久。初回を3者凡退に打ち取り、上々の立ち上がりに見えたが、4番・今岡誠に「1-3」からフォアボール。威圧されたか? 5番・関本健太郎にも「1-3」として、5球目のストレート、これを詰まりながらもライト線に持っていかれ、ノーアウト、一・三塁。6番・葛城育郎に高めに浮いたストレートを叩かれ、センター前ヒット! 今岡が還って、「1対0」白軍が先制。

 続く7番・中村豊の打席で、フォークがワンバウンド。キャッチャー浅井良が捕球できず、関本は三塁へ。「2-1」と追い込んでから、またしてもフォークを叩きつけ、関本が生還「2対0」。その中村は球威のあるストレートで空振り三振に打ち取り、8番・野口寿浩はサードゴロで本塁封殺。しかし、9番・喜田剛を「2-1」と追い込みながら、フォアボール。これでは……1番・的場寛一をインコースのストレートで詰まらせ、レフトフライ。いいストレートを持っていながら生かしきれない、杉山のジレンマは続く。

 一方、能見。【2回表】は4番・「大物」片岡篤史に初球、大きな緩いカーヴをインコースに配して、ボール。2球目は一転、速い球でアウトコースを突いて、ストライク。3球目はアウトコースに外れて、4球目のストレート。これを狙われた。打たれた瞬間、能見は頭を下げる。「いかれた!」と覚悟をしたか、センターへ大飛球、しかし意外に伸びはなく、フェンスの前で中村がキャッチ。さすがの能見もほっとした表情。胸を張って、気合を入れ直す。

「5番に入っている」浅井への初球はインコースに低く外れて、2球目、スライダーでストライク。3球目、アウトコースにストレート、これを空振り。浅いも真っ直ぐを「読んで」いたが、その「読み」を上回る絶妙なコース低めへの配球。4球目のアウトコースへのスライダーを打った浅井。サードライナー! ジャンプした今岡が捕球できず、内野安打。さすがに「5番」に起用されるだけのことは、ある。これでもう少しキャッチング技術が向上すれば、「ポスト」矢野輝弘の一番手になれるのだが……

 6番・沖原佳典への初球はパスボール。キャッチャー野口が後逸して、ランナー二塁へ。ベテラン野口にしても、コレ。今日はキャッチャーのミスが目立つ。2球目をファウル、3球目はスライダーが高めに浮いて、4球目をファウル、5球目のストレートが止めたバットに当たって、セカンドライナー、ランナーが戻れず、ダブルプレーで3アウト。

【3回表】7番・立川隆史へ初球、緩いカーヴでストライク。2球目スライダーで空振り。いい球だ。右バッターでも打てそうにない。3球勝負でインコースを突いて、サードゴロ。今岡が捌いて、1アウト。8番・庄田隆弘への初球ストレートがアウトコースに外れ、2球目はインコースにズバッとストレート、難なくストライク。3球目のスライダーを打たせて、セカンドゴロ、ボテボテの当たり。9番・上坂太一郎には2球目を打たせて、サードゴロ、3アウト。3イニングス、打者9人で退けた。1番・鳥谷との「第2打席」は実現しなかった。恐るべし、ルーキー能見篤史! 

雨の紅白戦(19日・安芸)【後篇】

2005-02-27 12:08:41 | Aki Camp
【4回表】白軍の2番手は左腕・江草仁貴。7番・上坂太一郎をショートゴロに打ち取り、1アウト。しかし、8番・浅井を警戒したのか、フォアボールで歩かせ、9番・庄田への3球目。「左対左」の不利にもめげず、フォークを掬い上げて、打球は右中間へ! 打たれた江草は投げ終わった体勢のまま振り返り、「まさか!」。浅井が二塁、三塁を蹴って、ホームイン。庄田も三塁へ。スリーベースヒットで「5対2」。紅軍のリードが拡がる。

 江草は尚も1番・的場にライトライナーを打たれ、2点目を献上。紅軍先発の筒井和に続いて、先発左腕候補が脱落、という感じだ。両投手も共通しているのは、不用意にフォアボールを出すこと。不用意ではない、用意周到にピッチングしているのだろうが、意識過剰。それがピッチング・フォームに連動しているか。

 それにしても、庄田のバッティングは素晴らしかった。2年目の外野手、「あの」社会人野球・シダックス出身。「あの」野間口貴彦(読売ジャイアンツ)を釣るために、ドラフト指名された、と言われたが、本人が実力を示している。昨シーズンは、同じ左打ちの外野手・林威助に先を越されたが、このキャンプで1軍に昇格、「結果」を残している。ライヴァルとの争いに勝ち抜くことが、1軍への早道だ。

【4回裏】マウンドに3年目の左腕・田村領平。名前が「いい」。顔も何となく、格闘家の田村潔司(のデビュー当時)に似ている。背番号「56」。応援したくなるが、いきなり先頭の町田に「2-1」と追い込みながら、フォアボール。ネット裏で見守る岡田彰布監督も思わず、鼻をほじくる。続く葛城には「1-2」からの4球目を叩かれ、ライトに大飛球! ビビったハズだが、5球目にインコースにストレートをズバッと決め、見逃し三振! マウンド上でちょっと「得意げな」20歳の若者。

 7番・沖原に初球ファウル、2球目も打たせて、セカンドゴロ。しかし、これをセカンド藤本が後逸して、エラー。若者の足を引っ張る、旧ポジションに「未練」がある男。8番・岡崎太一が初球の動揺を見逃さず、ライト前ヒット! 1アウト、満塁。9番・久慈照嘉にも「0-3」になるが、調整不足のベテランにストレートで詰まらせ、ファウルフライ。2アウト。打席に(途中出場)これもベテラン・中村豊。

 初球ストレートがワンバウンド、2球目にストライク。それでも本人は首を捻っている。納得行かないのか? 3球目はアウトコースに外れ、4球目。同じアウトコースのストレート。ベテランはこれを狙っていた。バットが一閃した後、打球はレフトスタンドへ! 呆然と見送る若者。ベテランは悠々とベースを回る。アピールしたい男はここにも、いる。満塁ホームランで「6対6」白軍が同点に追いつく。

「失意の」田村。続く2番・関本に「2-1」としたところで、下を向き、息をふう~と吐き、目をしばたかせ、帽子を取り、汗を拭う。雨が降り、白い息が出る、この寒さの中、この若者が拭ったのは、涙だったか? 4球目が低く外れ、5球目をファウル。そして6球目。アウトコース高めの速球。関本が見逃す筈がなかった。打球は左中間へ! 連続ホームラン!! 「7対6」。

【5回裏】4番・途中出場の松下圭太を空振り三振に討ち取り、1アウト。それでも首を捻っている田村。続く5番・桜井広大をストレートのフォアボールで歩かせ、6番・葛城。先ほどの借り(大飛球ファウルと見逃し三振)を返しに来た男の餌食になり、ライト線にツーベースを浴び、さらに1失点。そして、トドメは7番・沖原。3球目のチェンジアップを叩き、レフト・スタンドへ! 2ランホームランで「10対6」。田村は再び、帽子をとり、下を向く。これがプロ(一軍)の洗礼……。

 試合は【5回裏】で終了、降雨コールド。この時期の紅白戦で「10対6」は喜べない。例年、ピッチャーの出来上がりのほうが早いはずなのだが……雨中のコンディションを差し引いても、投手陣に不満が募った。3本のホームランを喫して、8失点(自責点3)田村はこの「2月19日」の試合を忘れないだろう。心に刻み付けて置く、だろう。

雨の紅白戦(19日・安芸)

2005-02-26 11:44:10 | Aki Camp
 1番・的場寛一にファウルで粘られ、フォアボールで出塁を許し、バッターは2番、絶大な声援に迎えられ、左打席に藤本敦士。白軍の先発は、安藤優也。初球のストレートを打たせて、セカンドゴロ。セカンド関本健太郎からショート秀太に渡って、秀太から華麗に、一塁アンディー・シーツに送球。打った藤本も苦笑い、捌いた関本も苦笑い。この時期の紅白戦だから許される、苦笑いか。打席には、紅軍の3番・「絶好調男」鳥谷敬を迎える。

 初球「カーヴ」でストライク。インコースへ。2球目も同じくインコースへ、スライダーで空振り。味方と言えども、鳥谷の弱点、攻め所はインコースだと、周知されているようだ。徹底して突いてくる。3球目、4球目もインコース、ストレートで仰け反らせ、5球目。これもインコース、ストレート、見送ればボール、この球を強振! 打球はライト・ネットへ一直線! 思わず、キャッチャー野口寿浩と顔を見合わせる、安藤。やはり、苦笑い。この光景、シーズン中に何度見ることになるか……

【2回裏】紅軍の先発は左腕・筒井和也。白軍の4番・桧山進次郎をショートゴロに打ち取り、1アウト。5番・町田公二郎には「2-1」と追い込みながら、フォアボール。6番・葛城育郎にはストライクが1球しか入らず、連続フォアボール。7番・沖原佳典には初球を狙われたが、空振り。事なきを得たが、2球目のストレートが高めに甘く入り、打球はセンターへ! センターのフェンス直撃のツーベース! しかし、テレビの画像ではセンターのフェンスを超えていた。塁審が「公式戦モード」なら、3ランホームラン、だった。

 筒井は初回こそ3者凡退に抑え、解説の門田博光氏(CSスカイA)から「リリースポイントの安定」を評価されていたが、【2回裏】になって突然、制球を乱し、リリースポイントが乱れた。この突然、がある限り、先発ローテーション入りは難しいだろう。「2対1」白軍がリード。

【3回表】雨が降ってきた、安芸市営球場。8番・浅井良が初球を打って、三遊間に内野安打。9番・庄田隆弘がフォアボールを選び、ノーアウト、一・二塁。自らへの失望感を隠せない、マウンド上の安藤。口をへの字に曲げ、ぬかるんだマウンドを蹴り上げる。1番・的場が(バントで)手堅く送って、1アウト、二・三塁。2番・藤本にはストレートのフォアボールで歩かせ、満塁。ここで迎えるバッターは3番・鳥谷。初回に「ホームラン」男。

 初球、今度は一転、アウトコースにストレート、ボール。2球目、インコースにスライダーが落ちすぎて、ボール。3球目、キャッチャー野口はアウトコースに構えていたが、インコースにストレートが逆球で来て、ストライク。「1-2」。4球目はアウトコースに来て、これがボールになり、「1-3」。5球目。インコースにストレート、鳥谷が強振! 打球はライトへ! クリーンヒット! 「2対2」の同点。打球が速すぎて、3塁ランナーしか還って来れなかった。

 安藤はその後、4番・今岡誠にも「得意の」スライダーをセンター前に運ばれ、2者が還って、「4対2」。3イニングスを4失点でマウンドを降りることになった。この時期の紅白戦とはいえ、先発投手としては実績のない、安藤としては、それなりの「結果」が欲しかったことだろう。安藤が「この調子」では、タイガースの今シーズンは先行き暗い。投手陣の鍵を握る男が、安藤だと思う。果たして?

<練習試合>横浜vs.阪神【後篇】

2005-02-24 11:09:33 | Spring Camp
 鳥谷敬のホームランを皮切りに、相手のエラーに乗じて、【4回表】に一挙「8点」を挙げたタイガース。「8対3」【4回裏】から、ルーキー能見篤史が待望の初登板。5番・古木への初球はストレートがワンバウンド。冷静なルーキーも、さすがに「プロ第1球」、力が入ったか? 2球目はカーヴ。アウトコース低めに決まるが、「ボール」の判定。すかさず、3塁側ベンチから野次が飛ぶ。随分、大きな声だと思ったら、3塁側ベンチ前で岡田彰布監督が、福本豊氏からテレビ(CSスカイA)のインタヴューを受けていた。そのマイクが、ベンチの声をフル・ヴォリュームで拾っていた。ベンチからはこんな大きな声が飛んでいるんだな、と感嘆させられる。なかなかテレビで見ているだけでは、分からないことだ。

 マウンド上の能見、軽く首を捻りながら、3球目はストレートを打たせて、ファウル。これも低めに来ている。3塁側ベンチからは「OK!」「頑張れ、能見!」その「直截な」声援に感動すら覚える。ベンチ前のインタヴューでは、核心の「スペンサー」の話になっていた。4球目もストレート、これを打たせて、ファーストゴロ。1アウト。

6番・吉村への初球は低く外れて、2球目はスライダーで空振り。3球目もスライダーで空振り。いずれも低めに球が集まっている。4球目のカーヴを打って、ショートフライ。ベンチから「風あるぞ!」ショート鳥谷が難なく捕って、2アウト。順調すぎる立ち上がり。

 初球大きなカーヴでストライク。バッターは7番・小池。2球目はストレートがワンバウンド。力んでいるか? 3球目は小さなカーヴでストライク。アウトコース低めに。4球目はインコースを突いて、ボール。キャッチャー野口は頷く。「2-2」から、5球目のスライダーで空振り三振! 3アウト。抜群の安定感、高い球が1球もなかった。素晴らしい!

【5回裏】からキャッチャーは、岡崎太一に代わる。ルーキー・バッテリー、だ。ドラフト「自由獲得枠」の二人。思えば、迷走を続けた昨年のタイガースのドラフト戦線だったが、この「二人」で「良かった」。この「二人」が、タイガースの未来を切り開いてくれる、と信じる。8番・代打、小田嶋正邦への初球カーヴでストライク。2球目はスライダー、3球目はストレートで「ボール2」。4球目のカーヴで難なく「ストライク」を取り、5球目のスライダーでハーフスウィング、空振り三振!

 9番・田中への初球はストレートが低く外れ、2球目のストレートを打って、ライトフライ。早くも2アウトかと思われたが、前進した的場寛一が落球! 「信じられない」プレーだ。「急造」外野手3年目。本来は内野手、ショート・ストップの守りを買われて、ドラフト1位(1999年)だったのだが、当時の岡田2軍監督の方針で、外野手に転向させられた。果たして、それは正しかったのか? 1アウト、ランナー、二塁。一転、ピンチの状況になる。

 1番・野中に初球スライダーが低く外れる。2球目ストレートでストライク。これも左バッターのアウトコース低めに来ている。3球目、大きなカーヴでストライク。4球目、スライダーを引っ掛けて、ピッチャーの頭上、能見がジャンプして捕球して、飛び出した2塁ランナーを牽制。走り寄って、追い込んで、侠殺プレーで確実にアウトを取った。フィールデイングも巧い! バッターランナー(打者走者)も一塁に釘付けだ。

 2番の代打、福本誠。「名前がいいですね」と放送席。初球スライダーでストライク。2球目、同じ球で空振り。3球目、4球目のスライダーが低く外れて、5球目のカーヴを狙われて、レフト前ヒット! 7年目の28歳、法政大学出身。背番号「45」。今シーズンこそ打撃開眼か? 「東京六大学」出身の内野手は時間がかかるのか?

 3番・内川の初球スライダーが低く外れて、キャッチャー岡崎が頷く。二塁への牽制を一つ挟んで、2球目のカーヴを捉えた内川、しかしショート正面へのゴロ。鳥谷が捌いて、この回、エラーとヒットのランナーを許したものの、冷静なマウンド捌きで、無失点で切り抜けた、能見。とてもルーキーには見えない。タイガースの若手投手陣の中で「頭一つ」抜きん出ている。開幕から「使えそう」だ。

【6回裏】4番・村田への初球はスライダーが低く外れ、2球目のカーヴは叩かれ、レフト線に強い打球のファウル。ファウルゾーンでUP中の背番号「00」秀太がワンバウンドでキャッチ。巧みなグラブ捌き。それフィールド内で見せてくれヨ!! 3球目のストレート、4球目のカーヴでファウルを打たせ、5球目「宝刀」スライダーで空振り三振! お見事! 初回に2ランの村田にまるでバッティングを「させない」。

 5番・古木には初球大きなカーヴで空振り奪取。2球目ストレートで目を慣らせ、3球目のスライダーで空振り。ルーキーバッテリーの思う壺に嵌る7年目、24歳の若き大砲「候補」。最後もスライダー。下半身が崩され、バッティングの呈を為していない。空振り三振! 2アウト。能見の快進撃が続く。

 6番・吉村への初球ストレート。ヤマを張られていたか? フルスイングされて、打球は強烈なライナー、三遊間へ! しかし、サード関本健太郎が横っ飛びでキャッチして、一塁へ送球。アウト! 3アウトチェンジ。能見を救った。このキャンプでは、セカンドの練習をさせられ、こういう練習試合になると、サードを守らされる。昨シーズン「3割」を打ちながら、レギュラーを保証されていない。この状況を打ち破るには、守って、打って、アピールするしかない。

 試合はその後、【8回表】に町田公二郎の代打3ランが出て、「11対3」とタイガースが大量リード。左腕・中村泰広、吉野誠と繋いで、【9回裏】はストッパー久保田智之。5番・古木にセンター前ヒットを許したが、後続を遮断して、最後は空振り三振でゲームを締めた。こういう展開がシーズン中も毎回見られるようになるか。4番手の吉野に「復活」の兆しが見られるのも「心強い」。

<練習試合>横浜vs.阪神(15日・宜野湾)

2005-02-22 11:51:53 | Spring Camp
 敵地・宜野湾に乗り込んで、「宿敵」横浜ベイスターズと対戦。昨シーズンは痛い目に遭った。一昨年は優勝に貢献してもらった。今シーズンもこの対戦の成否が、阪神タイガースの命運を左右する。大事な一戦、先発は右腕・杉山直久(3年目)。初球ストレートを、ベイスターズの1番・野中信吾が打って出て、ファーストゴロ。不慣れな1塁手、葛城育郎が、お手玉しながら処理して、まずは早々に「1アウト」。

 マウンド上、顎鬚にモミ上げの(長い)杉山。優しい顔を少しでも、怖そうに見せたい、本人の涙ぐましい努力。2番・北川利之への初球は一転、カーヴで入って、ボール。2球目、ストレートで詰まらせて、ファウル。3球目、カーヴが高めに浮いて、「1-2」。4球目、チェンジアップでタイミングを外して、「2-2」。5球目、スライダーを曲げて、ファウル。6球目、同じくスライダーを打たせて、セカンドゴロ。2アウト。

 3番「大物」内川聖一には初球カーヴでストライク。2球目、スライダーの曲がり際を叩かれ、レフト・若手の庄田隆弘が頭上を抜かれて、ツーベース! さすがはレギュラー選手! 相変わらずバッティングをしている。昨シーズンもタイガース戦によく打った内川。今シーズンも攻略に苦労しそうだ。2アウト、ランナー、一塁。

 4番・これも「大物」村田修一。その初球。不用意にストライクを取りに行ったストレート、これを狙われた。打球はライトへ。最初はライトフライに思われたが、風にも乗って、グングン打球が伸びて、ライトスタンドへ! 村田の先制2ランでベイスターズが2点を先取。「2対0」。打球の行方を恨めしそうに見やるマウンド上の杉山。5番・古木克明をライトフライに打ちとって、ベンチに引き揚げるが……背番号「18」。大成するのか、この男?

【2回裏】6番・吉村裕基の初球カーヴでストライク。2球目、フォークがワンバウンド。「警戒」している。背番号「31」。ベイスターズ期待のスラッガー候補、だ。3球目、4球目、インコースのシュートでファウルを打たせ、5球目、カーヴがすっぽ抜け、6球目のフォークで空振り三振に取る。

 7番・小池正晃への初球はストレートが上ずる。背番号「44」。横浜高校の松坂大輔(西武ライオンズ)と同級生だ。今シーズンから、タイロン・ウッズ(中日ドラゴンズ)の「44」番を背負う。球団の期待の表れだ。6年目、そろそろ「結果」を残さなければ……同級生は今シーズンオフ、メジャーリーグに旅立つ。置いて行かれる……2球目、カーヴを見送って、「1-1」。3球目、ストレート、これを狙っていた。打球は左中間へ! 左中間最深部に飛び込むホームランで、「3対0」。

 8番・武山真吾への初球スライダーで空振り。2球目もスライダーでストライク。スライダーは「いい」。問題はストレートのキレ、球威か? 3球目はそのストレートで1球外して、4球目も外れるが、5球目のスライダーで空振り三振! スライダーは「いい」。

 9番・田中一徳への初球もスライダー、空振り。背番号「9」。PL学園出身、6年目のドラフト1位(1999年)。「PL対横浜」延長18回の死闘の主役、松坂の好敵手だったが……2球目はシュート、3球目のスライダーも外れるが、4球目もスライダーでストライク。5球目ストレートが外れて、「2-3」。6球目は意表を突くカーヴを打たせて、ファウル。この辺はさすがにベテラン・キャッチャー野口寿浩の配球の妙。しかし、7球目のラストボール、若い杉山が期待に応えられず、決めにいったストレートが、大きく外れて、フォアボール。快速ランナーを出した。2アウト、ランナー、一塁。

 1番に返って、左打席に野中。初球、走ってきた! キャッチャー野口の送球は高く逸れて、悠々セーフ。この時期にアピールしなければならない若手が躍動、ベイスターズ。一方、杉山、試練のマウンドが続く。初球はストレートでストライク。2球目はスライダーが外れて、3球目もスライダーが曲がりすぎて、ワンバウンド。「1-3」4球目はストレート。これを打って出た野中。平凡なセカンドゴロ、に見えたが、セカンド藤本敦士が下がって捕って、1塁へ送球。間に合わずに「セーフ」。内野安打になる。

 ガッカリ、杉山。3アウトチェンジでベンチに帰れるハズだった。藤本も落胆、寂しそう。本当はショートストップを守りたいのに、不慣れなセカンドに移動させられた。「攻撃的な」守備を取り柄にしていた男が、このセカンドでも「攻撃的」に守るべきだと悟った、だろう。それだけでも、この練習試合の失策には価値が発生する。

 気を取り直したい、杉山だが、2番・北川への初球ストレートがボールの判定。この日は厄日か、杉山、微妙な判定にも我慢するしかない。一塁と三塁への牽制の偽投をして、間を取る杉山。キャッチャーのベテラン・野口が深く頷いている。その甲斐あって、2球目はカーヴでストライク奪取。3球目はストレート、この間に一塁ランナーが走って、キャッチャー野口が送球! 今度は正確な送球で「アウト」。ベテランが「意地」を見せた。ベテランに助けられた、杉山。

【3回裏】再び2番・北川と対面。初球カーヴでストライク。2球目「奇襲」フォークが外れて、3球目のカーヴもすっぽ抜け。4球目もカーヴでストライク。5球目ストレート、6球目カーヴでファウルを打たせて、7球目のストレートで詰まらせて、センターフライ。1アウト。

 内川への初球カーヴを打たせて、バックネットへファウル。2球目「得意の」スライダーでストライク。ここまでは翻弄している。3球目、ストレートでウエストして、勝負球の4球目はスライダー。これを打ち上げて、セカンドフライ。第1打席の借りは返した。マウンド上で「白い歯」を見せている。少し余裕が出てきたか?

 そして、もう一人のリヴェンジする相手「4番」村田には、初球スライダーで空振り。2球目もスライダーでストライク。3球目もスライダー、ハーフスウィングは「セーフ」。4球目、ストレートでウエストして、勝負の5球目はスライダー。村田も予想していただろうが、引っ掛けてショートゴロ。杉山、このイニングは完璧なピッチングで3者凡退。このピッチングが初回から出来るようになれば、先発ローテーション入りも確実になるのだが……。

<練習試合>阪神vs.北海道日本ハム【後篇】

2005-02-20 12:05:38 | Spring Camp
 解説の湯舟敏郎(CSスカイA)氏が、この日の安藤を評して、「カーヴを投げるとき(フォームが)弛む」と指摘。「足が解ける(開く)のが早い」。カーヴを投げるとき、フォームに癖がある、ということだ。これは課題だ。今キャンプ中に修正できるか? 【3回表】先頭の紺田の初球にそのカーヴ、「ボール」。2球目、シュートがボール。3球目、スライダーでスウィングを誘い、4球目のスライダーは外れて、5球目のストレートでファウル「2-3」。6球目、インコース低めにストレートをズバッと決めて、見逃し三振! 

 3番・小田に「やはり」初球カーヴでストライク。この球は(カウントを取るのに)有効だ。欠点を修正すれば、だが。投球の幅が広がることは間違いない。先発投手に必要な球、だ。2球目もカーヴか、キャッチャーが捕球できない。「1-1」3球目のストレートを打たせて、セカンドゴロ。2アウト。

 4番・高橋の初球にも「カーヴ」。今度は大きく外れる。2球目は「得意の」スライダーで空振り。大振りが目立つ高橋。3球目は「新球」シュートが食い込みすぎて、「ボール」。4球目のシュートも食い込みすぎたが、球審は「ストライク」。仰け反って避けた(打席の)高橋は思わず苦笑い。微妙な判定。「2-2」から5球目、勝負球はフォーク、これでピッチャーゴロ。3アウトチェンジ。先発・安藤、予定の3イニングを投げ終える。

【3回裏】に相手のエラーに乗じて「1対1」同点に追いついた阪神タイガース。【4回表】のマウンドから、2番手、左腕・江草仁貴が登板。その初球ストレートを、5番・木元に叩かれ、左中間を破られるツーベース!

 ノーアウト、ランナー二塁。牽制を一つ入れて、6番・西浦の初球にもストレート、ストライク。2球目「得意の」フォークを打たせて、ファウル。3球目のフォークは、ワンバウンド、キャッチャー、この回から代わったルーキー・岡崎太一が捕球できず、ランナー三塁に進塁。4球目インコースのストレートで詰まらせて、ファーストフライ。1アウト。

 7番・ベテラン上田への初球イン・ハイにストレートで空振り! 速い! これが江草の「持ち味」。フォークボールと「両輪」だ。「いい球、いい球!」とスタンド(ベンチ?)から声援が飛び、思わず、マウンド上で帽子を取る江草。本人も満足そうだ。2球目もストレート、今度はアウトコース低めに決まって、2ストライク! 呆然と見送るしかない上田。左バッターから一番遠い地点だ。3球目はスライダー、3球勝負に来た、これで空振り三振! キャッチャー岡崎のリード、冴え渡る。2アウトまで漕ぎ着けた。

 安藤が落ちた陥穽、8番・飯山に初球ストレートが高めに浮く。2球目、カーヴでストライク。3球目、ストレートでファウル。4球目、ストレートでインコースを突いて、ボール。「2-2」5球目、カーヴでファウルを打たせ、6球目のフォークは見送られ、7球目はストレートをファウル。8球目もストレート、これがズバッと決まって、見逃し三振! 3アウト。飯山は「変化球」を予測していたのだろう。裏を掻かれた。インコースに構えていた岡崎だが、球はアウトコース寄りへ。しかし、結果オーライ。岡崎のリードの「勝ち」だ。

【4回表】のピンチを脱した江草。【5回表】ベテラン金子には3球続けた「変化球」でボール。4球目、5球目のストレートでストライクを取り、「2-3」。6球目のストレート、これが高めに浮いたところを叩かれ、センター前ポテン・ヒット。その瞬間、思わず苦笑いの江草。笑ってる場合か? ノーアウト、ランナー、一塁。またしても、先頭打者を塁に出した。ボールが3球続いたことで、投球の組み立てに失敗した。

 1番・森本の初球にはフォークで空振りを取る。キャッチャー岡崎が頷く。打者心理を読みきった配球だ。2球目もフォークで空振り。岡崎、頷く。バッターが若い……3球目のストレートで外しておいて、4球目のフォークで空振り三振! 注文通りのピッチングで、若い経験の少ない打者を打ち取った。帝京高校出身、7年目の外野手、森本稀哲(ひちょり)。変化球に翻弄される、このバッティングでは「1軍」では厳しいだろう。

 2番・紺田への初球カーヴ、2球目ストレートで、ボール2。3球目ストレートでインローを突き、4球目、スライダーで空振り。5球目、ストレート、真っ向勝負で空振り三振……とも思われたのだが、塁審がボークを宣告して、ランナー進塁。ノーカウント。投球が「静止」していなかったらしいが、微妙な判定。すかさずキャッチャー岡崎が大きな声を出して、江草を励ます。3塁側ベンチで岡田彰布監督も呆れ顔、だ。気を取り直して、6球目、フォークで空振り三振! 連続三振で2アウト。

 3番・小田には初球スライダーでストライク。2球目、高めのストレートでハーフスウィング、3塁塁審、やる気のない(?)態度で「セーフ」。気合を入れろよっ!! 3球目スライダーでストライク。4球目ストレートで空振り三振! またしてもピンチ脱出! その瞬間、キャッチャー岡崎、拳を固めて、ガッツポーズ! 会心のリードだったのだろう。

【5回裏】にタイガースが、藤本敦士、鳥谷敬の連続タイムリーで「4対1」と勝ち越して、迎えた【6回表】3イニングス目の左腕・江草。初球ストレートがアウトコースに大きく外れて、ボール。バッターは4番・高橋。2球目、スライダーを曲げて、ボール。3球目、同じ球で曲げてきて、手堅くストライク奪取。4球目、ストレートでインコースをズバッと突いて、ストライク2。5球目、勝負球のフォークがワンバウンド。「2-3」6球目、同じくフォークで勝負に行ったが、これもワンバウンド。フォアボールでまたしても、先頭バッターの出塁を許す。

 5番・木元の初球スライダーもボール。岡崎は頷く。2球目、インコースを突いたストレートが大きく外れて、2ボール。岡崎は頷いているが、マウンド上で江草は首を捻る。3球目のスライダーもコントロールしきれず、「0-3」。4球目のストレートもインコースに大きく外れて、ストレートのフォアボール! ノーアウト、ランナー、一・二塁。

 6番・西浦への初球ストレートも外に大きく外れて、錯乱しているか? 若いバッテリー。野次も聞こえ出した。3塁側ベンチで腕組みして見守る、久保康生(新任)コーチ。そして、ブルペンで心配そうに見守る、中西清起コーチ。2球目のアウトコース・ストレート、これを打って出た西浦。打球はセンター赤星の定位置に飛び、平凡なセンターフライ。若いバッテリーが、若い打者の逸る気持ちに助けられたか?

 7番・上田への初球スライダーはボール。これは際どい。2球目、これもワンパターンで、インコースにストレートを突いて、2ボール。3球目ストレートを置きに行って、ストライク。1軍レヴェルでは、こういう球を見逃してはくれないだろう。見逃した上田は4球目のストレートを強振、ファウル。「2-2」5球目、またもや置きに入ったストレート、今度は上田が見逃さずに、三遊間を破るレフト前ヒット! レフトは「急造」外野手、浅井良。レフトからの返球は一塁側に逸れて、二塁からランナーが生還。「4対2」。江草、ラストイニングに1失点を喫する。

 タイガースはその【6回裏】に葛城育郎のタイムリーで1点を追加し、【7回裏】には鳥谷の2ランが飛び出し、「7対3」。最後は「復活」を懸ける、吉野誠が0封して、練習試合初戦を飾った。「ホーム」宜野座球場で圧勝したタイガースだったが、2日後の13日、「ヴィジター」扱いの同じ宜野座球場で大敗を喫することになる……。「本気」になったトレイ・ヒルマン監督の意地が炸裂する! 

<練習試合>阪神vs.北海道日本ハム(11日・宜野座)

2005-02-18 00:04:40 | Spring Camp
 先発・安藤優也の初球はストレート、空振り! バッターは、北海道日本ハムファイターズの1番・森本稀哲。2月11日、宜野座球場。練習試合、これが2005年の第1戦。2球目は「新球」シュートか、ファウルを打たせる。昨シーズンは、57試合、5勝8敗、5セーヴ、防御率3.58。今シーズンから、先発に回る。新球を携え、この日、志願の先発マウンドへ。3球目はアウトコースのストレートでファウル。4球目はチェンジアップ(シュート気味)でボール。5球目、得意のスライダーを打たせて、サードゴロ、1アウト。

 バッターは2番、左打席に紺田(こんた)敏正。(知らない……)国士舘大学出身の3年目。(こんな選手いたんだ……)初球、新球カーヴでボール。2球目はストレートでストライク。今シーズンから『交流戦』が始まる。例年のオープン戦とは「感覚」が違うだろう。3球目はシュートか、同じくアウトコースに決まる「2-1」。4球目はインコースにストレート、完全に詰まらせたが、ピッチャーとファーストの間に転がって、内野安打。安藤も思わず、苦笑い。余裕の表情だ。

 3番・小田智之。これも知らない。しかし背番号は「51」。「期待」の選手なのだろう。左打席に構える。初球インコースにストレートを配して、ボール。1回、牽制を入れて、2球目はアウトコースにストレート、ファウル。1塁ランナーが走って、ヒット・エンドラン、だった。3球目、4球目もファウル。2回目の牽制を入れて、投じた5球目は新球フォーク、これを見送られて、「2-2」。6球目はチェンジアップが大きく外れて、「2-3」フルカウント。3度目の牽制を入れて、7球目はストレートがボール。フォアボール(四球)で1アウト、一、二塁になる。コースを狙いすぎ、ランナーを気にしすぎ、という感も……

 初球シュートでストライク。バッターは「4番」高橋信二。昨シーズン、打率.284、26本塁打、84打点の強打者だ。2球目、同じくシュートを打たせて、ファウル。3球目、アウトコースのストレートでファウル。打席で伸び上がって打った、高橋、その体勢のまま、思わず、マウンド上の安藤を見据える。安藤も受けて立つ。『交流戦』でも対戦する相手だ。両者、力が入る。4球目は「得意の」スライダー、これを空振りで三振! ここは安藤の「貫録」勝ち。高橋も「憶えておく」だろう。

 5番・木元邦之。彼もレギュラー、左打席。初球シュートがボール。しかしキャッチャー野口寿浩は頷いている。2球目スライダーでハーフスウィング、ボール。3塁塁審が手を拡げて、「セーフ」。微妙な判定。まだ審判も勘が戻っていないようだ。3塁側ベンチから声が飛ぶ。「0-2」になって、安藤、しかし落ち着いて、3球目にストレート、ど真ん中でストライク。安藤独特の糸を引くようなストレート。4球目はシュートでストライク。「2-2」に給金して、5球目はイン・ハイでファウルを打たせて、6球目はアウトコースに「際どく」外れて、ボール。7球目、勝負球はスライダー。左バッターのインコースに切れ込んできて、空振り三振! 貫禄勝ちだが、ランナーを二人許しただけに、少しだけ首を捻って、3塁側ベンチに帰る。【1回表】終了。

【2回表】6番・西浦克拓には、初球ストレートでストライク。2球目のスライダーが外れ、3球目のカーヴでストライク。打席で思わず、タイミングを外され、仰け反る西浦。4球目アウトコース、決めに入ったストレートだったが、これを弾き返され、いい当たりのライトフライ。少し油断したか? ライト的場寛一がキャッチして、笑顔。この時期は打球が飛んでくるだけで「嬉しい」のだろう。

 7番ベテラン・上田佳範。カーヴで入って、ボール。2球目シュートでスウィング、3球目、イン・ローでストライク。4球目、決めに入ったアウトコース、ストレートが「ボール」の判定。安藤ガッカリ。今日の球審はアウトコースに「辛い」。5球目、決めに行ったフォークがワンバウンド。球審が投げたニューボールが、視線を外していた安藤に直撃。若い球審なのだろう。審判にとっても今日は練習試合。安藤、動揺を抑えながら、6球目、スライダーで空振り三振! この日、3個目の奪三振。順調に来ているように見えたが……

 8番・飯山裕志への初球はカーヴでファウル。2球目もカーヴで「ボール」。3球目はシュートでファウル。4球目はアウトコース・ストレート、しかしこれが高めに上ずって、打球は右中間へ! 8年目の飯山、喜び勇んで駆け出す。センター赤星憲広の頭上を越え、フェンス直撃のツーベース! 少し8年目の8番バッターを甘く見たか? コントロール・ミス。

 何故か、9番に入っているベテラン・金子誠。初球「本気の」スライダーでストライク。2球目、高めにウエストして、3球目シュートがボール。4球目、アウトコースにストレートでストライクを奪取。5球目、スライダー。悪くない球だったが、これをバットに当てられ、ライト前ヒット! ラッキーヒットで1点を献上する。「さすがは」ベテラン金子。女子アナをGetした男だ(!)。「0対1」。先攻のファイターズが先制点を挙げる。

進化するか、ダーウィン(第3クール3日目)

2005-02-16 11:41:14 | Spring Camp
 前日(11日)の練習試合では、北海道日本ハム・ファイターズ相手に「7対3」で快勝。先発の安藤優也が3回を1失点に抑え、鳥谷敬がヒット1本に2ランホームランで3打点。2番・藤本敦士も機能し、4番手の吉野誠も9回表を「0」に抑え、上々の滑り出しに見えるが、相手はファーム・クラス。先発の2年目、昨年7勝の押本健彦(いいピッチャーだ!)には力で抑え込まれ、とても手放しでは喜べない。果たして、鳥谷は「本物」なのか否か? 

 この日、第3クール3日目はフリーバッティングに、ジェイミー・ブラウンとダーウィン・クビアンが登板。ダーウィンは「魔球」ナックルチェンジアップで、葛城育郎から空振りを奪うなど、なかなか「癖球」が打ちにくそう。ひょっとしたら、使えるかもしれない。背番号「59」。前任者(ラモン・モレル)は“ヴェール”を脱がないままで去って行ったが、この男はどうか?

 二人に続いて、久保田智之が登板したが、ケージの裏でスペンサーやアンディー・シーツ(と付き添いのトム・オマリー氏)が見守っているのは興味深かった。「こいつがウチのクローザーなんだ」とシーツが説明していたのかもしれない。途中、スペンサーが二度、大きな「くしゃみ」をしていたのが可笑しかった。誰かが「噂」していたのかもしれない。今「噂の男」であることには違いない。

ブラウンは使えそう(第3クール初日)

2005-02-14 11:54:15 | Spring Camp
 新外国人投手ジェイミー・ブラウンの評価が日に日に高まっている。解説の工藤一彦さん(CSスカイA)も「球は速くないけど、重い」。プレートの3塁側を踏んで、右バッターにクロスしてくる球を投げ込んできそう。コントロールで乱れる心配もなさそうだし、何とか先発ローテーションの一角に食い込んで、3番手ぐらいで投げられそうだ。実戦(オープン戦)が始まってみないと判らないが……それよりも心配なのは、シェーン・スペンサー。評価がガタ落ち。一向に上がってこない。桧山進次郎のサブ要員どころか、ダーウィン・クビアンに(外国人枠で)取って代わられるかも!?

 解説の工藤さんの一押しは、同じ背番号「26」を継承している江草仁貴に注目しつつも、金沢健人。私と意見の一致を見た。私も金沢にはひそかに注目している。今シーズンこそ、念願の先発ローテ入りを強く願っているのだが……あの闘志を前面に出して投げるスタイルが好き。ピッチングフォームも躍動感があって、キレイだし。昔の野球少年(ピッチャー志望)の心を擽(くすぐ)る。頑張って欲しいのだが……昨日(13日)行われた練習試合(対北海道日本ハム戦)で打ち込まれたようだ。残念! 

ボウリングの話で盛り上がる(第2クール最終日)

2005-02-12 12:00:28 | Spring Camp
 前日に続いて、この日(8日)の「猛虎キャンプリポート」(CSスカイA)ゲストは有田修三氏。また各選手への鋭い評価・分析を聞けると思い、大いに期待したのだが、スペシャルゲストで、プロボウラーの金城愛乃が登場。番組途中まで延々、ボウリングの話が続き、有田さんまでボウリング談義に参加する始末。「そんな話はええんやっ!」と苛々しながら、得意の早送り(ハードディスク)作業を繰り返すこととなった。

 番組開始40分後に、ようやく有田さんの解説が聴けるようになった。まずブルペンの背番号「18」杉山直久を「下半身が確(しっか)りしている」と称賛。さらに隣りで投げていた「新人」能見篤史を「これエエね」「エエピッチャーやっ!」と絶賛。3年目の江草仁貴も評価していたから、先発ローテーションの6人目の枠はいったいどうなるのか? 残り一枠6人目を若手4~5人で争っている現状だが、これは新外国人のジェイミー・ブラウン、ベテランの下柳剛が「若い力」に弾き飛ばされる可能性も出てきた。

 その4~5人の中の一人、筒井和也がフリーバッティングに登板、先陣を切ったが、有田氏の評価は芳しくない。「腕が前に出てこない」。登板した初球にいきなりクソボール球(ビンボール)を投げるなど、相変わらず精神面の弱さ(に伴うコントロールの悪さ)は克服されていないようだ。背番号「19」。球団の期待も大きいが、彼は厳しいか……2番手で登板の金沢健人、3番手の藤川球児は高評価。特に金沢は軸足が折れないことを評価されていた。これも新任の久保康生コーチの「功績」らしい。

 最後にこの2日間を振り返って、有田さんが「ピリッとしない」と苦言。そういえば、この日行われた「投内連携」でもミスが続出していた。「悪くはないけど…」「ちょっと心配…」と歯切れの悪い有田さん。振ったアナウンサーが最後に締めようとするが、この後味の悪さは消えない。このキャンプ中継にスペシャルゲストなどと称して、野球に関係のないゲストを呼び、ボウリングの話を延々とさせる放送局からして、「ピリッ」としてない。「勝つ」気があるのか? 沖縄の暖かい気候は選手の体を守りつつ、その精神を緩ませる、危険とも隣り合わせか……。