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Hanshin Tigers Series 2024

「今、呼び捨てしたやろっ」(29日・甲子園)

2005-09-30 13:39:41 | Koushien Stadium
 それにしても、手塚昌利オーナーと牧田利洋球団社長の挨拶は長かった。テレビ局の出演者からも「巻き」が入っていたが、そんなものにはお構いなし。メジャーリーグの場合、試合終了直後にクラブハウスやロッカールームに雪崩れ込み、そのままの勢いでシャンパンファイトが始まる。そろそろ日本のプロ野球もメジャーを見習って、古い日本式を改めるべきだ。しかし、ビール掛けの乱痴気騒ぎの前段としての儀式に「意味」を持たせるのが日本流なのだろう。それも美点ではあるが。

 その点、3番目に登場した岡田彰布監督は「言いたいことはオーナーと社長が言ったので」と短い挨拶で済ませ、テレビ局の出演者から「素晴らしい!」と喝采を受けていた。冒頭で「オカダ!」と選手に呼び捨てにされ、「今、呼び捨てしたンやな」と岡田監督。選手に最大限にリスペクトされていることを感じる。
 そして鏡開きを合図にビール掛け(祝勝会)開始。最初は微笑ましく見ていたが、所詮は他人事だと思った。他所様が大きな仕事を成し遂げて、喜んでいるのを見ても、僕等は部外者。他人の喜ぶ様を見て、楽しんでいる暇があったら、自分も何かを成し遂げて、自分の喜びを掴みたい、と思った。

 試合は初回に金本知憲のタイムリーで先制して、2回裏にも3連打で「3対0」。理想的な試合展開だったが、以降は膠着して、2年前の「9.15」を思い出した。あのときもカープの先発、若い河内貴哉に抑え込まれ、苦戦した。ジャイアンツの先発は大方の予想を覆して、若い左腕の内海哲也。2年前の河内はその後、伸び悩み低迷しているが、彼はどうか? ジャイアンツは敢えて(?)ベテラン工藤公康の先発を回避し、若手の将来性に賭けた。果たして「宿敵」は甦るのか?

 この日の先発、下柳剛。エース井川慶の「不調」をカヴァーして、ここ一番の大事な試合で「エース」の働きを見せた。このベテランの力が大きかった。そういえば、エース井川は遅刻して、胴上げに加われなかった、とか。この日も完成した「JFK」リレーといい、今シーズンを象徴するような試合だったが、井川が胴上げの輪に加われなかった、というのも象徴的。日本シリーズで彼の巻き返しはあるのか? 
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