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Hanshin Tigers Series 2024

激突! 野間口vs.能見(社会人野球日本選手権・27日)【中篇】

2005-01-29 19:11:10 | Tigers DEN β
【3回表】大阪ガスの攻撃。マウンド上には、野間口。全身赤いユニフォーム。7番・来栖が初球を打ち上げて、キャッチャーファウルフライ。8番・小倉飛鳥の初球はボール(137㎞)。2球目もストレート(137㎞)打ち上げて、ショートフライ。下位の左バッターにはいずれも真っ直ぐ勝負で、ポップフライに打ち取った。簡単に2アウト。

 9番・長滝雄太郎の初球にもストレート(140㎞)ストライク。2球目は一転、スライダー(126㎞)が抜ける。3球目も意表を突いて、同じ球(126㎞)これも外れる。4球目は開き直って、真ん中にストレート(141㎞)。これも詰まらせて、センターフライ。このレヴェルで敵なし。余裕の表情で引き揚げる、野間口。出迎えるマスコットガールの太腿が眩しい(!)。男なら、この太腿の為に頑張る、と心に誓ったハズだ(?)。
【3回裏】シダックスの攻撃。7番・松岡淳への初球スライダー(125㎞)ボール。マウンド上には背番号「14」左腕・能見。セットポジションから2球目もスライダー(125㎞)。これを打って出て、平凡なサードゴロ。1アウト。8番・徳山聖訓への初球もスライダー(124㎞)がボール。3塁側ダッグアウト前では、まだ1アウトにもかかわらず、赤い背番号「18」野間口がウォーミングアップ。やはり気合が入っているか、未来のジャイアンツのエース?

 能見は136㎞のストレートでストライク。2球目もストレート(134㎞)打たせて、ショートゴロ。ショート岩本の好守で2アウト。人工芝の打球に上手くバウンドを合わせた。9番・左の坂田精二郎への初球はスライダー(125㎞)。2球目はストレート(135㎞)で「1-1」カウントを整え、3球目もストレート(139㎞)で胸元を抉り、ファウル。最後は140㎞のストレートが外角一杯に決まり、見送り気味の空振り三振。スウィングさせなかった。能見も「快調」。両雄の投手戦が続く。

【4回表】大阪ガスの攻撃。1番・俣瀬には初球ストレート(140㎞)でファウル。2球目もストレート(139㎞)で真っ向勝負、ファウル。3球目もストレート(143㎞)内角一杯、3球勝負で来たが、判定は「ボール」。野間口、マウンド上で不満顔。気を取り直して投じた4球目(138㎞)は外角に外れて、5球目も左バッターの内角にストレート(139㎞)ファウル。初回、不本意なフォアボールを与えたバッターに「これでもか」のストレート勝負、だ。しかし、6球目は一転、スライダー(127㎞)。読みを外された俣瀬はタイミングを外され、空振り。

 2番・溝下には初球カーヴ(113㎞)で無難にストライク。2球目もスライダー(123㎞)でストライク。3球目は力んで「145㎞」が高めに浮いて、ボール。4球目も決めに行った「145㎞」が力んで、ボール。5球目は「139㎞」を打たせて、ファウル。6球目も決めに行った「142㎞」が低く外れて、「2-3」。7球目「142㎞」、8球目「141㎞」でファウル。粘られ、9球目に選択した球はスライダー(124㎞)。これが低く外れて、1アウトで出塁を許す。2ストライクに追い込みながら、余裕を持ちすぎたか? マウンド上で苦笑い、の野間口。ダッグアウトで、野村克也監督が首を捻っている。カメラのスイッチャーも「ツボ」を心得ている、ようだ。

 3番・好守の岩本。気落ちした野間口の初球を狙っていた。128㎞のスラーダーを叩いて、ファーストゴロ。ファーストのパチェコが1塁を踏んで、挟殺プレー。ダブルプレー成立かと思われたが、キューバ人・パチェコが悪送球! ランナー二塁。再び映されるベンチの野村監督。いつか見た光景、だ。4番・澤多に初球ストレート(144㎞)でファウル。2球目も「144㎞」、高めに浮いてボール。3球目もストレート、この日最速「146㎞」! これを打って、平凡なセカンドゴロ。その瞬間、マウンド上で野間口はポンとグラブを叩く。しかし、セカンドがファーストへ(またもや)悪送球! これで二塁ランナーが生還! 思わぬ形で先制点を与えた。

 セカンド・佐藤は呆然。ベンチの野村監督は呆れ顔。小林国男ピッチングコーチがマウンドへ。セカンド佐藤も唇を歪めながら、マウンドへ。野間口、5番・牧野への初球(128㎞)は大きく外れる。ショックがありあり、だ。帽子を取って、背を向けて、再び帽子を取って、気持ちを落ち着かせる。2球目も高めに浮いてボール(133㎞)。3球目は138㎞、これが外角低めに決まって、ストライク。左打者の外角低目。低い、と感じたが、球審の温情か? 4球目は142㎞、内角を突いて、詰まらせ、ファーストゴロ。最初の原因を作った、パチェコが処理して、3アウト。野間口、帰る。遠くを見つめて、帽子を思い切り脱いで、帽子を阿弥陀に被って、スコアボードを見つめる。そして、唇を歪ませ、下を向く。尋常じゃないショック……。

【4回裏】シダックスの攻撃。均衡が崩れた。能見の初球はスライダー(125㎞)。バッターは1番・藤沢。2球目もスライダー(124㎞)。これで「1-1」。能見のいつも通りのピッチングが続く。3球目もスライダー(125㎞)ファウル。追い込んで、5球目は一転、外角一杯にズバッとストレート(140㎞)! 「ストライク!」球審の右手が元気よく挙がる。球審もこんなに「いい球」が来れば、気持ちがいいのだろう。見事な配球、見事なピッチングだ、能見。

 2番・中村への初球はスライダー(126㎞)。これで空を切らせて、1ストライク。2球目は一転、ストレート(141㎞)。真ん中に決まって、2ストライク。3球目は左打者に嫌なスライダー(125㎞)。外れたが、中村は完全に泳いでいる。「2-1」。4球目もスライダー(128㎞)。中村は途中でバットを止めたが、判定は「スウィング」。連続三振で2アウト。左打者に脅威のスライダーだ。これはプロでも通用するか?

 そして5番、打席で目が座っている(!)佐藤。初球(133㎞)はボール。2球目(127㎞)でストライク。3球目(142㎞)でファウル。4球目(140㎞)でボール。5球目(126㎞)でファウル。6球目(133㎞)を打って、高いバウンドのサードゴロ、佐藤はヘッドスライディング! しかし、及ばず、塁審もそれに応えて、気合の「アウト!」。能見、ここまで「パーフェクト」ピッチングが続く。対する野間口もヒットを与えていないのだが……。

【後篇】に続く……

(2004年12月21日/HP掲載)

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