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野球少年は夢を見る…

Hanshin Tigers Series 2024

雨の紅白戦(19日・安芸)【後篇】

2005-02-27 12:08:41 | Aki Camp
【4回表】白軍の2番手は左腕・江草仁貴。7番・上坂太一郎をショートゴロに打ち取り、1アウト。しかし、8番・浅井を警戒したのか、フォアボールで歩かせ、9番・庄田への3球目。「左対左」の不利にもめげず、フォークを掬い上げて、打球は右中間へ! 打たれた江草は投げ終わった体勢のまま振り返り、「まさか!」。浅井が二塁、三塁を蹴って、ホームイン。庄田も三塁へ。スリーベースヒットで「5対2」。紅軍のリードが拡がる。

 江草は尚も1番・的場にライトライナーを打たれ、2点目を献上。紅軍先発の筒井和に続いて、先発左腕候補が脱落、という感じだ。両投手も共通しているのは、不用意にフォアボールを出すこと。不用意ではない、用意周到にピッチングしているのだろうが、意識過剰。それがピッチング・フォームに連動しているか。

 それにしても、庄田のバッティングは素晴らしかった。2年目の外野手、「あの」社会人野球・シダックス出身。「あの」野間口貴彦(読売ジャイアンツ)を釣るために、ドラフト指名された、と言われたが、本人が実力を示している。昨シーズンは、同じ左打ちの外野手・林威助に先を越されたが、このキャンプで1軍に昇格、「結果」を残している。ライヴァルとの争いに勝ち抜くことが、1軍への早道だ。

【4回裏】マウンドに3年目の左腕・田村領平。名前が「いい」。顔も何となく、格闘家の田村潔司(のデビュー当時)に似ている。背番号「56」。応援したくなるが、いきなり先頭の町田に「2-1」と追い込みながら、フォアボール。ネット裏で見守る岡田彰布監督も思わず、鼻をほじくる。続く葛城には「1-2」からの4球目を叩かれ、ライトに大飛球! ビビったハズだが、5球目にインコースにストレートをズバッと決め、見逃し三振! マウンド上でちょっと「得意げな」20歳の若者。

 7番・沖原に初球ファウル、2球目も打たせて、セカンドゴロ。しかし、これをセカンド藤本が後逸して、エラー。若者の足を引っ張る、旧ポジションに「未練」がある男。8番・岡崎太一が初球の動揺を見逃さず、ライト前ヒット! 1アウト、満塁。9番・久慈照嘉にも「0-3」になるが、調整不足のベテランにストレートで詰まらせ、ファウルフライ。2アウト。打席に(途中出場)これもベテラン・中村豊。

 初球ストレートがワンバウンド、2球目にストライク。それでも本人は首を捻っている。納得行かないのか? 3球目はアウトコースに外れ、4球目。同じアウトコースのストレート。ベテランはこれを狙っていた。バットが一閃した後、打球はレフトスタンドへ! 呆然と見送る若者。ベテランは悠々とベースを回る。アピールしたい男はここにも、いる。満塁ホームランで「6対6」白軍が同点に追いつく。

「失意の」田村。続く2番・関本に「2-1」としたところで、下を向き、息をふう~と吐き、目をしばたかせ、帽子を取り、汗を拭う。雨が降り、白い息が出る、この寒さの中、この若者が拭ったのは、涙だったか? 4球目が低く外れ、5球目をファウル。そして6球目。アウトコース高めの速球。関本が見逃す筈がなかった。打球は左中間へ! 連続ホームラン!! 「7対6」。

【5回裏】4番・途中出場の松下圭太を空振り三振に討ち取り、1アウト。それでも首を捻っている田村。続く5番・桜井広大をストレートのフォアボールで歩かせ、6番・葛城。先ほどの借り(大飛球ファウルと見逃し三振)を返しに来た男の餌食になり、ライト線にツーベースを浴び、さらに1失点。そして、トドメは7番・沖原。3球目のチェンジアップを叩き、レフト・スタンドへ! 2ランホームランで「10対6」。田村は再び、帽子をとり、下を向く。これがプロ(一軍)の洗礼……。

 試合は【5回裏】で終了、降雨コールド。この時期の紅白戦で「10対6」は喜べない。例年、ピッチャーの出来上がりのほうが早いはずなのだが……雨中のコンディションを差し引いても、投手陣に不満が募った。3本のホームランを喫して、8失点(自責点3)田村はこの「2月19日」の試合を忘れないだろう。心に刻み付けて置く、だろう。

雨の紅白戦(19日・安芸)

2005-02-26 11:44:10 | Aki Camp
 1番・的場寛一にファウルで粘られ、フォアボールで出塁を許し、バッターは2番、絶大な声援に迎えられ、左打席に藤本敦士。白軍の先発は、安藤優也。初球のストレートを打たせて、セカンドゴロ。セカンド関本健太郎からショート秀太に渡って、秀太から華麗に、一塁アンディー・シーツに送球。打った藤本も苦笑い、捌いた関本も苦笑い。この時期の紅白戦だから許される、苦笑いか。打席には、紅軍の3番・「絶好調男」鳥谷敬を迎える。

 初球「カーヴ」でストライク。インコースへ。2球目も同じくインコースへ、スライダーで空振り。味方と言えども、鳥谷の弱点、攻め所はインコースだと、周知されているようだ。徹底して突いてくる。3球目、4球目もインコース、ストレートで仰け反らせ、5球目。これもインコース、ストレート、見送ればボール、この球を強振! 打球はライト・ネットへ一直線! 思わず、キャッチャー野口寿浩と顔を見合わせる、安藤。やはり、苦笑い。この光景、シーズン中に何度見ることになるか……

【2回裏】紅軍の先発は左腕・筒井和也。白軍の4番・桧山進次郎をショートゴロに打ち取り、1アウト。5番・町田公二郎には「2-1」と追い込みながら、フォアボール。6番・葛城育郎にはストライクが1球しか入らず、連続フォアボール。7番・沖原佳典には初球を狙われたが、空振り。事なきを得たが、2球目のストレートが高めに甘く入り、打球はセンターへ! センターのフェンス直撃のツーベース! しかし、テレビの画像ではセンターのフェンスを超えていた。塁審が「公式戦モード」なら、3ランホームラン、だった。

 筒井は初回こそ3者凡退に抑え、解説の門田博光氏(CSスカイA)から「リリースポイントの安定」を評価されていたが、【2回裏】になって突然、制球を乱し、リリースポイントが乱れた。この突然、がある限り、先発ローテーション入りは難しいだろう。「2対1」白軍がリード。

【3回表】雨が降ってきた、安芸市営球場。8番・浅井良が初球を打って、三遊間に内野安打。9番・庄田隆弘がフォアボールを選び、ノーアウト、一・二塁。自らへの失望感を隠せない、マウンド上の安藤。口をへの字に曲げ、ぬかるんだマウンドを蹴り上げる。1番・的場が(バントで)手堅く送って、1アウト、二・三塁。2番・藤本にはストレートのフォアボールで歩かせ、満塁。ここで迎えるバッターは3番・鳥谷。初回に「ホームラン」男。

 初球、今度は一転、アウトコースにストレート、ボール。2球目、インコースにスライダーが落ちすぎて、ボール。3球目、キャッチャー野口はアウトコースに構えていたが、インコースにストレートが逆球で来て、ストライク。「1-2」。4球目はアウトコースに来て、これがボールになり、「1-3」。5球目。インコースにストレート、鳥谷が強振! 打球はライトへ! クリーンヒット! 「2対2」の同点。打球が速すぎて、3塁ランナーしか還って来れなかった。

 安藤はその後、4番・今岡誠にも「得意の」スライダーをセンター前に運ばれ、2者が還って、「4対2」。3イニングスを4失点でマウンドを降りることになった。この時期の紅白戦とはいえ、先発投手としては実績のない、安藤としては、それなりの「結果」が欲しかったことだろう。安藤が「この調子」では、タイガースの今シーズンは先行き暗い。投手陣の鍵を握る男が、安藤だと思う。果たして?