【4回表】白軍の2番手は左腕・江草仁貴。7番・上坂太一郎をショートゴロに打ち取り、1アウト。しかし、8番・浅井を警戒したのか、フォアボールで歩かせ、9番・庄田への3球目。「左対左」の不利にもめげず、フォークを掬い上げて、打球は右中間へ! 打たれた江草は投げ終わった体勢のまま振り返り、「まさか!」。浅井が二塁、三塁を蹴って、ホームイン。庄田も三塁へ。スリーベースヒットで「5対2」。紅軍のリードが拡がる。
江草は尚も1番・的場にライトライナーを打たれ、2点目を献上。紅軍先発の筒井和に続いて、先発左腕候補が脱落、という感じだ。両投手も共通しているのは、不用意にフォアボールを出すこと。不用意ではない、用意周到にピッチングしているのだろうが、意識過剰。それがピッチング・フォームに連動しているか。
それにしても、庄田のバッティングは素晴らしかった。2年目の外野手、「あの」社会人野球・シダックス出身。「あの」野間口貴彦(読売ジャイアンツ)を釣るために、ドラフト指名された、と言われたが、本人が実力を示している。昨シーズンは、同じ左打ちの外野手・林威助に先を越されたが、このキャンプで1軍に昇格、「結果」を残している。ライヴァルとの争いに勝ち抜くことが、1軍への早道だ。
【4回裏】マウンドに3年目の左腕・田村領平。名前が「いい」。顔も何となく、格闘家の田村潔司(のデビュー当時)に似ている。背番号「56」。応援したくなるが、いきなり先頭の町田に「2-1」と追い込みながら、フォアボール。ネット裏で見守る岡田彰布監督も思わず、鼻をほじくる。続く葛城には「1-2」からの4球目を叩かれ、ライトに大飛球! ビビったハズだが、5球目にインコースにストレートをズバッと決め、見逃し三振! マウンド上でちょっと「得意げな」20歳の若者。
7番・沖原に初球ファウル、2球目も打たせて、セカンドゴロ。しかし、これをセカンド藤本が後逸して、エラー。若者の足を引っ張る、旧ポジションに「未練」がある男。8番・岡崎太一が初球の動揺を見逃さず、ライト前ヒット! 1アウト、満塁。9番・久慈照嘉にも「0-3」になるが、調整不足のベテランにストレートで詰まらせ、ファウルフライ。2アウト。打席に(途中出場)これもベテラン・中村豊。
初球ストレートがワンバウンド、2球目にストライク。それでも本人は首を捻っている。納得行かないのか? 3球目はアウトコースに外れ、4球目。同じアウトコースのストレート。ベテランはこれを狙っていた。バットが一閃した後、打球はレフトスタンドへ! 呆然と見送る若者。ベテランは悠々とベースを回る。アピールしたい男はここにも、いる。満塁ホームランで「6対6」白軍が同点に追いつく。
「失意の」田村。続く2番・関本に「2-1」としたところで、下を向き、息をふう~と吐き、目をしばたかせ、帽子を取り、汗を拭う。雨が降り、白い息が出る、この寒さの中、この若者が拭ったのは、涙だったか? 4球目が低く外れ、5球目をファウル。そして6球目。アウトコース高めの速球。関本が見逃す筈がなかった。打球は左中間へ! 連続ホームラン!! 「7対6」。
【5回裏】4番・途中出場の松下圭太を空振り三振に討ち取り、1アウト。それでも首を捻っている田村。続く5番・桜井広大をストレートのフォアボールで歩かせ、6番・葛城。先ほどの借り(大飛球ファウルと見逃し三振)を返しに来た男の餌食になり、ライト線にツーベースを浴び、さらに1失点。そして、トドメは7番・沖原。3球目のチェンジアップを叩き、レフト・スタンドへ! 2ランホームランで「10対6」。田村は再び、帽子をとり、下を向く。これがプロ(一軍)の洗礼……。
試合は【5回裏】で終了、降雨コールド。この時期の紅白戦で「10対6」は喜べない。例年、ピッチャーの出来上がりのほうが早いはずなのだが……雨中のコンディションを差し引いても、投手陣に不満が募った。3本のホームランを喫して、8失点(自責点3)田村はこの「2月19日」の試合を忘れないだろう。心に刻み付けて置く、だろう。
江草は尚も1番・的場にライトライナーを打たれ、2点目を献上。紅軍先発の筒井和に続いて、先発左腕候補が脱落、という感じだ。両投手も共通しているのは、不用意にフォアボールを出すこと。不用意ではない、用意周到にピッチングしているのだろうが、意識過剰。それがピッチング・フォームに連動しているか。
それにしても、庄田のバッティングは素晴らしかった。2年目の外野手、「あの」社会人野球・シダックス出身。「あの」野間口貴彦(読売ジャイアンツ)を釣るために、ドラフト指名された、と言われたが、本人が実力を示している。昨シーズンは、同じ左打ちの外野手・林威助に先を越されたが、このキャンプで1軍に昇格、「結果」を残している。ライヴァルとの争いに勝ち抜くことが、1軍への早道だ。
【4回裏】マウンドに3年目の左腕・田村領平。名前が「いい」。顔も何となく、格闘家の田村潔司(のデビュー当時)に似ている。背番号「56」。応援したくなるが、いきなり先頭の町田に「2-1」と追い込みながら、フォアボール。ネット裏で見守る岡田彰布監督も思わず、鼻をほじくる。続く葛城には「1-2」からの4球目を叩かれ、ライトに大飛球! ビビったハズだが、5球目にインコースにストレートをズバッと決め、見逃し三振! マウンド上でちょっと「得意げな」20歳の若者。
7番・沖原に初球ファウル、2球目も打たせて、セカンドゴロ。しかし、これをセカンド藤本が後逸して、エラー。若者の足を引っ張る、旧ポジションに「未練」がある男。8番・岡崎太一が初球の動揺を見逃さず、ライト前ヒット! 1アウト、満塁。9番・久慈照嘉にも「0-3」になるが、調整不足のベテランにストレートで詰まらせ、ファウルフライ。2アウト。打席に(途中出場)これもベテラン・中村豊。
初球ストレートがワンバウンド、2球目にストライク。それでも本人は首を捻っている。納得行かないのか? 3球目はアウトコースに外れ、4球目。同じアウトコースのストレート。ベテランはこれを狙っていた。バットが一閃した後、打球はレフトスタンドへ! 呆然と見送る若者。ベテランは悠々とベースを回る。アピールしたい男はここにも、いる。満塁ホームランで「6対6」白軍が同点に追いつく。
「失意の」田村。続く2番・関本に「2-1」としたところで、下を向き、息をふう~と吐き、目をしばたかせ、帽子を取り、汗を拭う。雨が降り、白い息が出る、この寒さの中、この若者が拭ったのは、涙だったか? 4球目が低く外れ、5球目をファウル。そして6球目。アウトコース高めの速球。関本が見逃す筈がなかった。打球は左中間へ! 連続ホームラン!! 「7対6」。
【5回裏】4番・途中出場の松下圭太を空振り三振に討ち取り、1アウト。それでも首を捻っている田村。続く5番・桜井広大をストレートのフォアボールで歩かせ、6番・葛城。先ほどの借り(大飛球ファウルと見逃し三振)を返しに来た男の餌食になり、ライト線にツーベースを浴び、さらに1失点。そして、トドメは7番・沖原。3球目のチェンジアップを叩き、レフト・スタンドへ! 2ランホームランで「10対6」。田村は再び、帽子をとり、下を向く。これがプロ(一軍)の洗礼……。
試合は【5回裏】で終了、降雨コールド。この時期の紅白戦で「10対6」は喜べない。例年、ピッチャーの出来上がりのほうが早いはずなのだが……雨中のコンディションを差し引いても、投手陣に不満が募った。3本のホームランを喫して、8失点(自責点3)田村はこの「2月19日」の試合を忘れないだろう。心に刻み付けて置く、だろう。