ママンはキャンペーンガール

ビッグバン以来、まだ落ち着かないイケイケの里。
思いつきか、その場しのぎで一日が過ぎていくらしく、
レクレーションの時間も
「スタッフがピアノ弾いて、歌ばっかり・・。」ってママン、ウンザリ。
何歌ってんの？

「みかんの花咲く丘」

みーかんーのはーながー　さーいてーいるぅ～
・・・・

そりゃー私だってヤかも
みんなだってイヤだろーよ。
ついこの前まで、カラオケで八代亜○とか歌って、盛り上がってたんだし。

職員さんに「歌はウンザリ」って訴えたら
「じゃー、散歩に行きましょー」って、外に連れ出してくれたそうだ。
それはそれで嬉しい。
でーもー！
「わたちだけじゃなくてー、みんなイヤなのにね！」
そう言ったんだけど、慣れていない職員さんだったから
うまく聞き取ってもらえなかったようだ。

帰ってからママンは考えた。

「今日あった、いいことを考えてみたの。
　散歩連れて行ってくれたり、
　帰りがけにトイレ行ったら『さっぱりするから』って、熱いタオルで
　体拭いてくれたり。
　それをね、まず「嬉しかった」って伝えて、
　でも「歌はイヤ」って言ってみようかなって思って・・・」

をを！いいじゃーん
そうだよねー。イヤなところばっかり見るんじゃなくて、
いいところも探すの、大事だった。
受身だけじゃダメだね。
そういう利用者の姿勢も、いい方向に変えて行ってくれるのかも。

名づけて

『イケイケの里褒めよう週間（習慣）キャンペーン』
実施中。
キャンペーンガールはもちろんママン
私も協賛

そうは言っても、構音障害を持つママンの話は
なかなか伝わらないことも多いみたい。
それも新たなストレスになってるみたいだけど、
でも少しずつでも、わかってくれるスタッフさんが増えるといいね。　

「今回のカサイさんが辞めたこと、
　私が立ち直るキッカケになるか、ならないかと思ってるの・・」

って、ママンがポツンと言った。

退院直後から今日まで、家族以外にも誰かの庇護が必要だって
神様が思っていたんじゃん？
それがカサイさんだったのかもしれない。
それで
「そろそろ大丈夫だべさ」
って、新しい環境になったのかもしれない。

「頑張るから、遠くから見守っていてほしいの」

お！遠くからでいいんだね！
望むところさオッケー


火曜日行ったら、歌は止めになったそうだ。
「今日は一日ダラダラ好きなことして過ごすって言ってた」
アハハ！その方がナンボかいいじゃん
ママンはタナベさんと合作の絵を描いてきていたよ。

まだまだ不満や愚痴も多いみたいだけど、
とにかく念仏のように
「猶予、猶予・・・」
事務所から手伝いにきてるにぃちゃんを鍛えてるみたいだよ、ママン（笑）



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