3回目のワクチン接種のあと、時間があったので「シン・ウルトラマン」を見てきました。
みんな、この作品にどうイメージを持っているのかな?
私のイメージは「特撮好きの人たちが、”円谷さんのああいう表現もやってみたい!”と感じ作った作品」というイメージ。
樋口監督や庵野さんの作品を見ていたら、色々な所に「オマージュ」が隠されていることからも、ほんと”好きなんだなー”と感じます。
逆に言うと、この「オマージュ」に対して「?」な人には、感じる部分が少ないのかな?とも思ったりします。
映画のフォーマットは1時間50分ぐらい。
さて感想ですが、シナリオは気にしちゃだめ。
話の流れが唐突に進むため、お話を感じたい人は、訳が分からなくなりますね。
ただ、初代ウルトラマンの最初と最後を押さえて、その間を”ウルトラマン好き”の好きなエピソードで埋めたシナリオ。
あの当時見ていた人から見ると、涙モノのシナリオです。
「こういう表現をやりたい!」
という、庵野さんが思っていた表現を、とにかく入れ込んだ映画ですね。
テイストは、ウルトラマンからウルトラセブン、エースなどの名場面のオマージュが、所々にちりばめられています。
建物の中で返信したり、スペシウム光線で山を割ったり。
逆光でキラキラした海とか。
もう、あの当時の少年が、憧れにあこがれた表現です。
そして、最初から当時の音、SE、劇伴が流れる、映画の最初に流れるウルトラQにあったような表現。
もう、好きで好きでたまらない人たちのオマージュの嵐。
今どきのCGで作られているにもかかわらず、あの当時、円谷さんが作り出した模型での表現に寄せに寄せた
「CGだよね?なんで模型のような表現?」
と普通なら思ってしまうような、あの当時の少年たちが笑顔になってしまうような表現。
もう、特殊です。
スペシウム光線の音が、序盤で出てきます。涙モノでした。
そこに、樋口監督の淡々としたカメラワーク。
樋口監督と庵野さんの「シナリオ上、絶対的に必要ではない会話劇は、カメラワークの複雑さで盛り上げる表現」というのも健在。
良くも悪くもですけど(笑
この映画は、見る人を選びます。
見ている人には、若い人や女性がたくさんいましたが・・・多分、良くわからなかったと思います。
そういう映画です。
「話題だから」という理由で見ると、ちょっと痛い目に合うかなと。
特撮物は、ヒーローが出てくる時間までの合間を、人間の芝居で解説したり話を進めたりする、いわゆる「ストーリーテーラー」のような役割を行います。
この人の芝居が、この後に出てくるヒーローの感情に大きく影響するため、重要な場面となります。
この急ぎに急いだシナリオの中で、急いで役者さんが話を進めるという役割は、本映画も同じです。
ただね、長澤さんの演技は、ずっと眉間にしわを寄せた演技で抑揚が無く、ストーリーテーラーとしては合わなかったなと感じました。
やっぱりなんか間違っているんだよな。。。逆に早見さんの演技は、ストーリーを進めるうえで、しっかりとしと合わせていたと思いました。
最後に、このセリフ(ちゃんと覚えていませんが)
「人の姿をした、それです」
というセリフ。
アニメや特撮でしか出てこないセリフですが・・・そういう部分にも「おっ」と思いました。。。
わかる人にしかわからないけど(笑
せっかくなので、カレースプーンで変身を試してほしかったなぁ。