雑にゃん日記<俺ってズレてる?>

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ありゃりゃの「竜とそばかすの姫」みましたよーの感想

2021-08-18 12:59:39 | 映画

本作、「竜とそばかすの姫」、公開してから結構立ちますね。
見に行ったのが2021/08/17。
お客さんへ結構いました。。。夏休みだからでしょうか。

 

「竜とそばかすの姫」公式サイト

細田守監督渾身の最新作。「竜とそばかすの姫」大ヒット上映中!

 

 

 

細田 守監督の作品は、非常に書きにくいところですが・・・あまり触れてきませんでした。
ちょっと片手間にTVで見た程度です。
なぜかは、自分でもわかりませんが。。。昔からコアな深夜アニメを見ていたためでしょうか?(笑
ちなみに、細田監督の本作ノベライズは読んでません。

感想ですが・・・いつも悩みますね~。
物語でいう「いい話と悪い話がある。どちらから聞きたい?」ってやつですね(笑
最後まで見るとすっきりするし、アニメーションとして、ちょっと尖った展開(なので、リアル派は嫌いかもしれないね)なのでエンターテイメントとしては優れた作品だと思います。
でもね・・・。

細田監督の本作とか、一緒にしない方が良いかもしれないけど新海監督や庵野監督作品を見ていると絶対的に
「背景美術のすばらしさ!!」
があげられます。
”メイドインアビス”も、これほど書き込まれた背景美術は無いってくらい美しい。
実写作品は、実写であるが故なのか背景が重要視されていなくて、役者の画面内アップで背景を殺しているように思えますが、アニメーションは叙情的に物語の背景やキャラクターの心情を示すのに使われています。
それも、ほぼ”絵画”と言えるレベルで。
アニメーションを見ている人は、大変に贅沢な時間を過ごしているのです!
脱線しましたが、本作品「竜とそばかすの姫」も素晴らしい。
実際の写真とアニメーションの、ちょうど境目ぐらいの表現で、明かりをうまく使った表現を用いています。これだけでも一見の価値ありです。
で、デジタルシーンはフル3D、田舎の”のどかな”シーンは前述の素晴らしい背景とデジタルセル(って今は言わないけど、差別化のために本言葉を使います)を使い分けて、それぞれの違いを表現しているのも面白いです。

ところがね・・・フル3Dの部分(ベルパート?)は、要素要素に意味がなく「このCGすごいだろう!」ってだけ示している感じがしました。
デジタルセル(すずパート?)の方は、背景の書き込みレベルが高く、キャラクタはおなじみの”べた塗表現”。この”べた塗表現”が悪いわけでは無く、作品の”のどかさ”を表現する良いアイテムだと思います。
ところが、背景とキャラクタがなじまない・・・浮いてる。
役者さんについては後で書きますが、浮いている演技と浮いている映像で、どうもしっくりこない。
部分部分は素晴らしいのに、なぜこんなに浮いちゃうんだろうね。

次に細田監督は、映画手法をよく取り入れる方なのかな?すごくわかりやすい演出です。
すずの最初は、どんよりした表情で右に歩くシーンが多かったですね。つまり下手から上手。何かに立ち向かっている、悩み多き少女という雰囲気を表現しています。
終盤の高速バスのシーンも右ですね。
ベルになってから橋を渡るシーン、河原を歩くシーンなど左向き、つまり上手から下手に向かうシーンが多くなります。
ラストも左向きで、みんな笑顔です。
方程式通り、気分が高揚し、意気揚々としていることが表現されています。
役者さんの声の張り方も変わっていると思います。
微妙ですが、こういうところ重要ですよね。

と言いながら、シナリオも微妙で、私的に感じたのは
「物語全体を通して語られる一本の筋、基本理念などが感じられない」
という部分です。
分かりやすいところでは、ナウシカの映画では「腐海の中で人々がどう生き抜くか」、エヴァでは「シンジ君の失敗だらけで落ち込みながら立ち上がるさま」という、うっすらと流れている基本理念。
これが「竜とそばかすの姫」では感じられない。「歌えなくなった彼女が、きっかけで歌えるようになり、歌で世界を変える」ってところなのかな?ラストにつながらないんですよ。
何でだろう?
全部が行き当たりばったりに感じました。
起承転結の「起」は良いとして、「承」→「転」のつながりが無い。感じるのは”竜”という存在だけ。でも竜は何かしたというインパクトが語られていないという問題があります。「転」→「結」のつながりもない。あるけど弱い。すずはあの兄弟と”竜”に、どんな思いがあったのか?思いはうっすら分かるが”強さ”が無い。急に降って湧いた感じがします。
120分フォーマット中、「結」が15分弱ぐらいだったので、オチが弱かったことがわかります。
もう少し、デジタルパートの「U」のキャラクタ性(空間なので世界観のほうがあっているかもしれませんが)を明確にした方が良かったのではないでしょうか?
「U」の中ではこうだ。中ではこんなこともできるが、あんなことはできない。だから「こういう事が起こったのだ」と匂わせる何かが。
オチにつなげるための良くも悪くも、伏線を「起」でしっかり描いておくほうが良かったと思います。
と言いつつ、ノベライズではしっかり描いていたりするんですよね~。読んでませんが。。。映像って難しい(笑
そう考えると、ソードアートオンラインのゲームの中と現実とのつながりは絶妙な背景になっていたんだな~と今更ながら感じます(別作品で申し訳ありません)。

次に役者さん。
皆さん本職でない人ばかりなので、良く盛り上げた演技だったと思います。
難しいかったんでしょうね。
そのシーンの微妙な感情表現が伝わらない。これ一点です。
「竜」役の佐藤健さん。
るろ剣の芝居は素晴らしかったのですが、声だけの演技・・・難しかったでしょう。
監督からも「心に闇があるので、押しつぶすような演技で」とでも言われていたのでしょうか、ただただ暗いだけで、伝わってこないんです。そして、ラストに対して・・・心情のつながりがない。。。
他の役者さんも似た感じ。
まあ、こういう尖らない表現が”今時”リアルなのかもしれないですね。
そうであるなら、キャラクターの心情を、文章なりセリフなり映像なりでしつこい位フォローしておいた方が良かったのではないでしょうか。そんな時間なかったでしょうけど。
あと「合唱隊のおばさまたち」の立ちどころも含めてね。見守り続けただけでした。。。なんだかな~。友情出演?。

と言いつつ、ミュージカルパート(と勝手に読んでますが)は、映像も歌も圧巻です。
そもそも、本作品は監督が「美女と野獣」をベースに作り上げた作品だそうです。
そうであるなら、ミュージカルパートは力はいりますよね。
見せ場ですよ。
本当に圧巻の表現だったと思います。
素晴らしい。
他のシナリオとのつながりが皆無であることを除けば。

あと、外国で上映すること前提でしょうね。声と口パクを完璧に合わせています。
英語圏は母音の音に対して口の動きと音があっていないとダメなのだそうです。
(そうすると英語表記に口パク合わせる作業もあったのかな?)
その部分意識していますね。
カンヌでは評判良かったらしいですし。

最後ですが、再度書きますと、曲は素晴らしく感動的でした。
涙腺にズキューンってきましたね。
ん?歳のせいで涙腺が弱いだけ?
ほんと久しぶりに「ぼくの地球を守って(ぼくタマ)」が見たくなりました。

 


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