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夢の介音楽夜話

音楽、アート、グリーン、クラフトなどなど徒然なるままに

星の綺麗な空

2015年12月14日 | 日記・エッセイ・コラム


館山の夏、海辺をおおう夜空に輝く星が眩しかった
天体にはこんなに多くの星があるのかと不思議な気持ちになったものだ

そんな星を見ながら千葉県で育った日蓮宗のT上人のお話を伺う機会があった
いわゆる説教ではなく日常的に目にしたり耳に聞いていることへの信仰的なアプローチだ

「暦」とは太陽や月、星の運行を観察して月日を定める、すなわち「日読み」が語源だそう
寺の鐘で時を知らせた、「日と寺で『時』になった』といった具合で進行する

月の運行が海の満ち干きに影響を与え、女性の生理の周期にも関係していることは知られている
人間の五臓などの漢字に月の字がついているように人は宇宙の一部であり循環している

仏陀の残した言葉は文字の残されたわけでなく口伝であり、のちに漢字をあてたり解釈を加えてきた
というようなお話を聞いているうちにポリネシアに渡った文字文化のないアジア人の末裔に思いを馳せる

宗教にはとんと関心がなかった私がポリネシアの音楽を聴いていくうちに原始宗教に触れることになる
日蓮上人が誕生した1200年前後、奇しくもポリネシア人たちの祖先がアジアから海を渡った南太平洋への旅は完結したらしい

この企画をされたO上人と話しているなかで「徳を積む」という久しく耳にしなかった言葉が新鮮だった
僧侶を集めて面白おかしく進行するTV番組もあり関連するオファーもあったが、お断りしたという

ここで初めて「布教」という言葉を聞いた
師の教えに従って本来すべきことに専念するのがO上人の厳しい信条と受け止めた

音楽を通じて禅宗など宗教に関わる各地のご住職とのおつきあいも多かったが、話は音楽の世界で閉じていた
組織的に展開する宗教団体と異なって今回「ワン・トゥー・ワン」のアプローチは、新鮮だった

企画されたO上人、講演されたT上人、お招きいただいたIさんに感謝


さて「キセキ」という曲のオファーがあって聴いてみた
オーギュメント・コードを効果的に使ったよくできた楽曲だ

調べればなんとメンバー全員が若い歯科医師だとか、しかも顔や名前を表に出さないで活動しているというではないか
郷里のFくんが長年続けている「村の合唱団」には歯科医師と禅宗の住職がいる

「出会い」とか「輪廻転生」という言葉が気になる
「徳を積むということ」は、そういうことを語っているのかしら

嗚呼、「一五一会」いや「一期一会」





GReeeeN - キセキ

キセキ(ピアノ)GReeeeN

愛用のカメラを教えて!

2015年12月10日 | 日記・エッセイ・コラム


長い間フィルム式の一眼レフを愛用してきた
レンズ交換をするわけではなく、安直にズームや接写をするだけの使い方だ

パソコンが普及してデジタルカメラが身近になって、現像や引き伸ばしの手間がかからないメリットを享受するようになる
何よりフィルム代と現像など費用がかからないこととデータ化による省スペース、メールで送れるコスト面とスピードが最大の進化だ

カメラが軽量化、小型化したこともデジタル化普及に拍車をかけたと思う
画質も画素数の競争が始まって、固定焦点式のレンズから一眼レフへと、結局アナログ時代に行われてきた開発競争がデジタルで再開しているようだ

手のひらに収まるコンパクトカメラを頂いた時、これでもかと言わんばかりの機能が満載で未だによくわかっていない
その後入手した某メーカーの一眼レフ風のレンズを搭載したカメラよりも画質や機能で劣らないのではないだろうか

三脚や機材を車に積んで富士山を撮りに行く、なんてことをしない限り、カメラは小さいほうがいい
数万円で買える一般人のカメラと違い、職業カメラマンはこのデジタル切り替えで高いカメラを買わざるを得なかったようだ

ポラロイドやコダックで提供していたインスタントカメラがこのデジタルの時代に、一部復活したのも面白い現象だった
デジタル化が進んでも紙にプリントするには、プリンタが必要なので、カメラ本体から印画紙が出てくるマジックは健在ということになるのだろう

並行して主流となったのはスマホのカメラ機能
すぐ撮れるし送れるし、誰もが肌身離さず持っているこの携帯にかなうものはない

次に出てきたのがiPadに代表されるタブレット型コンピューターのカメラ機能
私は音楽目的で使ってきたのだが、意外や意外、カメラとしての機能が馬鹿にできない

ファインダーが大きい上に、その場で画像を写真サイズで確認できる
世代の古い私のスマホよか、ずっと画質もいい

すなわち最強と思われたスマホの画面サイズよか大きいサイズの「 iPad mini 」はかくして愛用のカメラのトップに躍り出たのであった
画面サイズ、ファインダーが大きいということは、撮影がOKであるかの判断をするに何より勝っている

さてさて日光写真から始まった私のカメラ遍歴、まさかタブレットで落ち着くなんて予測だにしなかった
望むらくは、、、

Terry Bozzio -- Guitar Center Drum Off 2011 (Part I)



M君からの便り

2015年12月05日 | 日記・エッセイ・コラム


郷里のM君から便りが届いた
父の通った母校にかろうじて入学した私は、ユニークな先生のクラスに入りそこで楽しい仲間たちと出会うことになった

M君は柔道部で、スポーツ嫌いの私とはまるで別世界の人だが、なぜか親しくなった
見るからにお坊ちゃんの風情、ご両親に大事に育てられたという素直さがわかる、しかししっかりした男

会社役員をしていた厳格な父上のしつけは厳しかったと思う
学校の帰り道にあった彼の家に入ると玄関先に「脚下照顧」と墨書された大きな木製の板が目に入る

その後お会いした父上は「時折人を拾ってくる」と彼が呟いたようにヤクザの大親分のような風格を備えていた
彼が浪人しようかと悩んだ時、即座に「No」と言ったのも父上だった

「毎日会社に通わなければならないサラリーマンは嫌だ」と大学卒業後、鍼灸の専門学校に通い開業した
名古屋の大学におそらく車で通学していたらしい彼は、郷里の実家へ時折やってきては私のヘボ将棋につきあってくれた

互いに結婚してからは、行き来することもなくなり賀状のやり取りくらいになっていた
そんな彼が病により手術をしたという話を聞いて、勇気を出して見舞いに行った

芸能人のつんく氏と同じく声帯を切除しなければならない手術を行った彼は点滴をしながら会ってくれた
私の話を彼は聞くことができるのだが、声にできない、机に向かった彼は紙に文字を書いて会話する

紙に書いては捨てるといった会話を数十分してから彼と握手をして別れた
そんな大手術をして話すことと咀嚼ができない不自由を抱えながら、冷静な彼に驚いた


たった3行ばかりの手紙文は、こうだった

「お元気ですか 小生は手術から3年、命が繋がっています。
この喜びをお世話になった皆様に感謝の気持ちとして しるしばかりの内祝いの品を贈ります  12月吉日 」

嬉しかった、、元気でいるんだ、、良かった、ありがとう

思い出したのは数年前亡くなった軽音楽部のN.Mくんのこと
クラリネットを吹いてジャズをやっていた彼とも親しくて近くだった彼の家を訪ねたこともあった

片親で育った彼はおそらく相当苦労して進学したのだと思う
しかしそんな事情を一度も話したこともなく、むしろ快活を装い下手な冗談を言ったり「普通を通して」いた

妹さんを養うため会社勤務をしながら夜間の公立大学に通う道を選んだ彼ともその後会うことはなかった
風の便りで某大企業の子会社の社長を務めたようだが、数年前に癌で他界した

「癌」は憎い、人をわずかな時間で追い詰める

Mくんの短いお便りを読んで、彼の彼らしい「男のダンディズム」を感じた
順風満帆で過ごした青春、若くして世の道理をわきまえて処世し何不自由ない生活を営んできた

ここに至って「病という試練」を神は与えた
しかし生きながらえていることの感謝を表現するダンディズムは、健在だ

コンピュータを使わない彼にメールもお礼の電話もできない
短い手紙を書いて青春の頃を懐かしんだ、、、お互い長生きしようと



いしだあゆみ ブルー・ライト・ヨコハマ

非電化のススメ

2015年11月24日 | 日記・エッセイ・コラム


TV放送で鹿児島に住む自称ヒッピー、テンダーさんのドキュメント番組があった
横浜出身の彼が音大を出てピースボートに乗ったのが人生の転換をするきっかけになったようだ

ご本人はいたって自然とおっしゃるが、傍目から見たら変わり者に見えて不思議はない
アメリカ先住民の生活を勉強して帰国し、鹿児島の山村で電気、ガス、水道といったインフラに頼らない生活を始めた

水は山からの天然水を引き込んで、燃料はマキ、電気は最低限ソーラーなど自家発電をして、冷蔵庫、洗濯機など最低限必要な電気製品にとどめる
なおかつ非電化の工夫を創造しながら生活する、その実体験から得たノウハウをレクチャーする

一つは既成概念からの脱却であり、よりシンプルなあるべき生活の原点回帰を求めている
恥ずかしいとか、みっともないとか、という心配をはねのけるところがヒッピーである根本か

生い立ちを聞いて驚くのは、彼のご実父が原発の設計に携わるエンジニアであったこと
安全だと聞かされて実際に現地に行った六ケ所村での生活が、彼の疑問を想起した

チェルノブイリにせよ、福島にせよ、危険を冒してまで果たして「原発」は必要だろうか?
原発は、本当に安全なのだろうか?

電気製品を買ってきてコンセントに挿すというルーチンに慣れきっている者には、そもそも電気製品を使わない発想ができない
ましてや非電化の機能を持つ道具なり機械を製作しようとまで思わないのが一般人だろう

栃木県那須で「非電化工房」を運営されている藤村靖之日大教授の発想もユニークだ
国を挙げてのビジネス社会を維持するため、無駄な電力供給の世界を構築しているのが今の日本なのかしら?

確かに自然エネルギーを利用して必要最低限の蓄熱、蓄電を行い自然に寄り添う生活をするのが我が国日本の伝統だ
自然に反する仕掛けのエネルギー装置は必要なく、ローテクであろうが自然に優しい生活手段が望ましい

テンダー氏、藤村教授の言葉に説得力を感じるとすれば、それは「無理をしなくていいよ、自然体で」という思想が根底にあるからだろう
天ぷらなどの廃油を使ってディーゼル車を走らせる試みも、実用化できれば面白い未来が開ける

近代文明は、生活への価値観を少しばかり見直す時期に来ているのかもしれない
少なくとも無駄な生産と消費、余剰をなくすような仕組みづくりの視点で

ピースボートで担っていたバーテンダーからとったというテンダー氏
「Tenderly」という生き方に通じるようで象徴的だ



鹿児島電力テンダーワークショップ

鹿児島電力テンダーワークショップ(その2)

大震災の福島原発 那須の工学博士 藤村氏(撮影)映像作家 安孫子亘

非電化製品 2011 05 13 22 22

残念な出来事

2015年11月04日 | 日記・エッセイ・コラム



建設業界での不祥事が、連日報道されている
データ改ざんを複数件行っていながら「数千件の数十件だから」と開き直る副社長氏

「会社ぐるみという言葉の選択肢が適当かどうかは検討する」と言って「会社ぐるみである」ことを自ら証言している
建設業は、地道な作業の積み重ねの業種なのだが、こうした誘惑にかられる落とし穴がある

今回のように地下の埋設物や記録は改ざんしてしまえばわからない、掘り起こすなんてことはしないだろうし隠し通せる
屋上設備のない屋根も同じこと、どのような構造になったのか施主は知る由もない、上がることができないから

以前お世話になったビルのオーナー社長さんが某大手建設会社を選択した理由を語ってくれたことがある
倉庫業だった同社は道路を隔てた向いの会社の新築工事に際し、請け負ったゼネコンに資材置き場として場所を提供した

建設工事の間、彼らの作業を見守っていた社長さんは「礼儀正しく訓練された社員」の仕事ぶりに感心した
そこで「自らビルを建設するならこの会社にしよう」と決めたと言う

目抜通りに面する建物の反対側は、公共施設であるからして見場を良くする必要はない
しかしこの社長さん、「この会社に決めた以上、びた一文値引きはしなかったし、見えない裏側も全面タイルを貼った」とおっしゃる

そしてこの建設を引き受けた現場監督さんは、東大出身の方だったそうだが、竣工以来必ず年一回はビルを見に来てくれるという
「高い買い物」だったかもしれないが、「結果的に良い買い物をした」実例だ

先日のニュースでロシア、中央アジアのタシケントでの劇場建物が報道された
なんと先の大戦での日本人捕虜が、建設に携わったというではないか

即座に思いだしたのは亡父の話、大学の経済学部を出た父が終戦後収容されたタシケントでなんと建物の建築を命じられたという話だ
東西から張り出した梁がセンターで合致しなかったという笑い話でにわか建築家のエピソードを語っていた

当時日本に帰る保証はないまま過ごしていた捕虜収容所の生活
親しくなった女性と現地に留まる兵士もいたようだ

建築は、自らの住まいを建設するならデータ改ざんも構わないが、他人様の建物を設計施工する以上、建物が朽ちるまで責任を持つべきだ
あなたの管理が悪いからこうなったという以前に自らの責任を示すべきではないか

タシケントで働いた日本人捕虜2万5千人、現地の人々から尊敬される働きっぷりだった、と
謂れのない国での収容所生活を余儀なくされた父たちの仕事ぶりが、戦後70年を経て評価される

人生の大事な時間を戦争という過酷な国家への奉仕に費やした父への代償は、僅かな年金と感謝状だけだった
父が設計したのはこの劇場ではなかったかもしれない、が今だに日本人の仕事が評価されるなら嬉しい

建設業をナメてはいけない
技術者はデータ改ざんなどしない、したくなるのは利害の関係する者だ

相次ぐ大企業の不祥事、内部統制やら義務付けられる今の世で企業ぐるみでない不祥事などありえない

設計、施工を管理する人たちよ、クライアントをナメてはいけない

彼らはそこで毎日生活しているのだから



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