中国料理「古月」 再訪。
前回は、季節の食養生コース5,200円(税別)の冬バージョンでしたが、季節は移り、
春に変わりましたので、予約の上、2名で訪問。
当店の食養生コース、料理が自分好みであることは勿論、食後のお茶も本格的で
絶対お得なんですもの。
スタッフさんより案内を受けられたのは、店内奥の4人掛けテーブル席窓際。
テーブル・セッティングは、コースターが変わり、ナプキンが飾り折りになったこと以外、
前と同じで、各人ごとに置かれる菜単(菜譜)もいつも通りです。
コース料理に先立ち、奥様とシェフから挨拶を受けましたが、ご夫婦で切り盛りする
アットホームさも当店の魅力の一つではないかしら。
さて、ドリンクを別注文し、「春の食養生コース」がスタート。
料理は全て各自分での提供で、サーブ時にも口頭説明を受けられるスタイルです。
前菜四種盛り合わせ
①新タケノコ、蝦子煮・・・蝦子の匙加減は妙妙。旬のタケノコの甘みが生かされています。
②ウドと子持ちヤリイカのマスタードソース和え・・・柔らかいヤリイカとシャキシャキ食感の
ウドをピリッと酸味の効いた粒マスタードソースで。
③ビーツとピーナッツ、パクチーの和えもの・・・血流量を増やす効能が期待できるビーツは、
デトックス効果が望める香り高いパクチーと合わせて。
④海蜇(クラゲ)と野菜の甘酢漬け・・・「冬」と同様、野菜はミョウガとレンコン。
(みに:イメージ) 今日はノブローさんはお留守番。友達のカースケ(仮)君が
食レポを手伝ってくれます。今回は①→②→④→③の順で好みだわ。
タケノコ、蝦子としっくり調和して、柔らかいし、自然な甘みも感じられて美味しいの。
アスパラと鮮魚の緑茶炒め
アスパラを鮮魚で巻き、金針菜、キクラゲと炒め合わせたもの。
塩味をベースに生姜は適量、緑茶の香りとほんのりとした風味が絶妙な塩梅で保たれ、
ふわっとした鮮魚に歯を入れると、アスパラの歯触りが食感の対比として楽しめる、そつが無い1品。
とても優しい味付けだから、食べてるそばから、幸せな笑みがこぼれてしまいます。
そばがきと人参の和えもの 北京風
そば粉で作った扒糕は、凉粉と同様、北京ではメジャーな小吃。
「春夏の風物詩」として知られており、本場ではニンニクをダイレクトに使用するらしいのですが、
当店ではひと手間かけ、蒸してピューレ状にすることで、匂いを抑えているそうです。
芝麻醤がコクを出し、辣油や唐辛子が辛味をつけ、酢であっさりと仕上げたソースは
蒸してねっちりとした扒糕と相性が良く、素朴ながら実直な美味しさで、きちんとレストラン味です。
これ、好きだわ。
(カースケ:仮) 人参と煎った松の実を和え、扒糕はレバーのような食感だから、
フェイク料理かと思っちゃったよ。美味しいね。
季節の養生スープ
具材は、兎、蕪、大豆、棗。同時に甘酸っぱいタレもサーブ。
前回は旨味の強い烏骨鶏でしたので、タレは使わずともいただけましたが、
淡泊な兎肉はつけて食べるのが正解。
澄んだスープは、薄ら生姜が効き、滋味豊かな味わいで、ひと口ごとに胃袋にしみわたり、
後味も綺麗です。飲んで良し、食べて良しの養生スープは、このコースの要でもあり、
自身はこれがいただきたいがためにお邪魔している、といっても過言ではありません。
豚ばら肉の軽い燻製 搨菜(ター菜)添え
肉はスモークした豚ばら肉のほか、スペアリブを使用。
付け合わせの日向夏の爽やかな酸味が、濃い目の味をまろやかにステージチェンジし、
燻製香が食欲を焚き付けるばら肉はとろんとろんで、スペアリブは骨からするりと外せる柔らかさ。
また、下には、馨しい香りが入り込んだター菜が隠れていて、味、香り、食感と、すべてに
おいて計算しつくされたような完成度の高さ。まったくもって非の打ちどころがありません。
汁そば 陳皮風味
四川マーラー豆腐とごはんor汁そば 陳皮風味との2択からチョイス(各人ごとに選択可能)。
滑らかなでまっすぐな麺は、無かん水にこだわり探したものだそう。喉ごしも良く、
ボリューム感も備わった肉料理のあとには、あっさりいただけ〆の麺に丁度良しです。
食後は、いつものように奥様からお茶のサービス。本日の茶葉は、四川省のジャスミン茶。
(カースケ:仮) ジャスミン茶は「気」の巡りをよくするから、今回の食養生コースの効能
とも合うって聞いた。爽やかですっきりとした後味だよ。
馬拉糕とナッツ、ドライフルーツがお茶菓子。
しっとりふわふわの馬拉糕は軽やかな甘さで、口に優しい。
甜品も手抜かりなしなので、コース料理の満足度が非常に高いのです。
デザート
デザートも3種より違えてチョイス可能。(杏仁豆腐、カメゼリー、クチナシとライチのゼリー)
自身が無意識のうちに選んでしまったのはカメゼリー。当店のものは漢方臭くなくて、
とても美味しいから、その記憶が留まり、心から離れないのかもしれません。
春のデザートは、見た目も麗しいクチナシとライチのゼリー。(同行者チョイス)。
清々しい香りと甘みを届けてくれます。
会計は、生ビール(420ml)と、カメ出し加飯酒5年 ポット(300ml)ほかを加算し、
1人当たり7,000円(千円未満四捨五入)。
帰り際にはシェフと奥様の丁寧なお見送りを受け退店。ありがとうございました。
充実したコース内容で、今宵もそのCPの高さに脱帽。
シーズンごとに利用しようと、心に固く誓うのでした。
古月 (コゲツ)
東京都新宿区新宿1-5-5 2F
TEL 03-3341-5204
営業時間/ 11:30~14:00(L.O) 17:30~21:00(L.O)
ティータイム(日曜日のみ)14:30~17:00(L.O.)
定休日 月曜日(毎月1~2日間不定休あり)