顎骨腫瘍体験記

顎骨腫瘍という病気になった20代の女の子の治療日記です。
腫瘍摘出時に歯と顎を失いましたが、完治を目指し治療中です。

インフォームドコンセント

2008-01-02 17:44:38 | Weblog
ある授業のレポートが「インフォームドコンセント」についてでした。
レポートを書いているうちに、自分の経験と重なっていくのを感じたので、思ったことをここに書き留めてみます

この前、顎骨腫瘍という病気の検査で生検をしたことで、私は下歯槽神経麻痺になりました

それでも私はお医者さんを恨んだり、責めることはできませんでした。被害者はもちろん悲しいし、今後この麻痺と付き合わなくてはならないと思うと苦しいです

でも加害者であるお医者さんも悲しいし、苦しんでいるからです。もしも逆の立場だったらと考えると、どうしても責めることはできませんでした

確かに生検のリスクを話さなかったことを含めて、説明不足なところもありました
でも、麻痺になった後の治療を一生懸命してくださった姿や、きちんと状況説明をしてくださった姿勢を見て、私はそんな先生に怒ることなどできませんでした

人間だから失敗もあります。その先生にも人生はあります。だから麻痺になってしまったのは仕方ありませんが、事前にそのリスクを話して同意を求めてくれれば、心の準備もできていたのでここまで悲観的になることはなかったとは思います

患者にとってお医者さんは絶対的な存在です
治療することで起こるメリット・デメリットを包み隠さずきちんと話してくれれば、納得するはずです。

確かに、1日何十人もの患者に1から丁寧に話すのは時間もかかるし、大変だと思います。ですが万が一何かあった場合、事前にインフォームドコンセントを取っていれば、患者も今回は残念だったし仕方がないと思えるはずです

医療ミスで民事訴訟となるケースもありますが、多くの患者さんはお医者さんを恨んでいるわけではなく、ただ単純に真実を知りたいだけなのです。
下手に隠してあやふやにさせようとするから、裁判などいうことが起こるのだと思います

ですから、今回の件は麻痺後のケアをきちんとしていただき、お医者さんにも誠意が見られたので目をつぶることにしました

本番の手術はこれからですが、主治医を信じることにします