顎骨腫瘍体験記

顎骨腫瘍という病気になった20代の女の子の治療日記です。
腫瘍摘出時に歯と顎を失いましたが、完治を目指し治療中です。

不安定にさせるもの

2009-02-28 21:51:38 | Weblog
昨日、会社で上司(2人)とヒアリングがありました。『先輩社員になるにあたっての心構え』を目的として、1時間の長い長い面談です

この会社に入って、もう11ヶ月です。あと1ヶ月も経てば、新入社員ではなくなり、先輩になってしまいます
本当に時間が経つのは早いです。まだまだ新人さんでいたかったです。今の私の仕事量で、後輩が入ってくるなんて信じられません

その面談の最中に、「入社前と今を比較して、どうですか?この頃思い描いていた自分像に近づいていると思いますか?」とある紙を見せながら聞かれました

その紙は、エントリーシートでした
入社試験にあたって、最初の選考(書類選考)で使ったものです。

思わず「なつかしいです。」って発言した私だって今から2年も前(大学3年生)のものですよ

でもそのエントリーシートの写真をみて、落ち込みました
だって私、キレイに写っているんだもん写真屋さんの腕が良かったのもあるとは思いますが、なんか表情も豊かだし、今の自分とは違っていました

上司にも、「この写真、今と顔違うね。」なんて軽く冗談な感じですが、言われました
「私、若いですね。この写真、カワイク加工して下さいってお願いしたんですよ。」なんて笑いながら返しましたが、でもかえってむなしくなりました

手術前の写真って、やっぱり見ちゃダメですねこの頃は良かったなぁってどうしても思ってしまうし、もし病気になんかにならなかったら、きっと今もこうなんだろうなぁ、と思わずにはいられなくなって、辛くなります

写真1枚が、自分の心を傷つけ、なかなか立ち直れなくなる原因にもなります。(5/20「顔の変形」)

心から笑ったり、楽しそうにしたり、嬉しそうにしたり、今ではそんな表情が作れなくなってしまった私

そして、どんなに手術をしても、もうこの当時の顔には完全には戻れないのが現状です

元のキレイな顔に戻りたい自分と、そうはいかない今の医療技術。
その現実に、頭では理解できていますが、気持ちがまだ追いついていないみたいです

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心の傷

2009-02-26 23:34:18 | Weblog
今日は、昨日とは正反対の記事を書きます何だか矛盾していて、ごめんなさい
私の想像以上に、この病気になったことや術後の状態が、深く心の傷になっているみたい。。。

ふとした瞬間に、今までの出来事が頭をよぎって、涙が止まらなくなることがあるの本当に些細な出来事なのにね

歯並びのキレイな人とか見ちゃうと、やっぱりうらやましくなるし、自分がむなしく感じます
特に悲しくなるのが、歯医者さんとか歯科付属病院などで、歯並びは重要とか、口元で印象が変わるとか、そのような張り紙があったりすると、落ち込みます

後は、歯を失った原因=虫歯や歯周病=自己管理が悪い、というイメージをもたれるときとかかなぁ

口腔外科の先生でさ、審美面もだけどメンタル面も気にかけてくれる先生って、いるのかなそんな先生がいたら、出会いたいです
外科系の先生って、特にその辺が疎い先生ばかりだよね

私、元から美意識は高い方だと思いますまぁ年齢が年齢なので、見た目を気にかけない人の方が少ないとは思いますが…

とにかく、今のこの顔や口元に非常にコンプレックスを持っているので、他人にあまり顔を見られたくなくて、自信を持つことはできません

人間は誰しも何かしらのコンプレックスがあるわけで、完璧な人なんていないけれども、でも…やっぱりこの病気になって失ったものって、非常に大きいです

「女の子は笑っていた方がかわいいよ。」って言われてもさ…私、歯がないし…笑顔なんて作れないよ

そんな生活が1年も続き、確かに今の状態に慣れてきてはいますが、本当に以前のように顔のことを気にしなくなる日がくるのかな?思いっきり笑える日がくるのかな?

心の傷ってなかなか癒えないなぁ…って感じています

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まだまだ続く手術の数々

2009-02-25 17:27:22 | Weblog
今は幸い、術後の状態も落ち着いていますが、実は私にはまだまだ手術が残っています

その残った手術ですが大まかに分けると3つ。歯茎を整える手術と、移植した骨を整える手術、そしてインプラントの手術になります

どの時期に、どこの病院で、どのような順番で手術を行うのかは、まだ全然決まっていません
一気にまとめて手術ができるのかも、それとも分割しながら手術をするのかも、未定です
それによって、入院期間や麻酔法も大きく変わると思います。でももうどの手術も、そこまで大きな手術ではないと思います

なんせ保険の問題もあり、なかなか簡単にはいかないので、S病院の主治医と転院先の先生とよく相談しながら、今後のことは決めていきます

でも…もう焦らず、ゆっくり治していきたいなぁ…って考えています
残った手術は再建術の延長のようなもの。前のキレイな状態に戻るための手術だから、頑張ろう

去年の今頃は、本当に失った喪失感がひどくて、1日でも1秒でも早く、元に戻して欲しくてたまらなかったのですが、さすがに1年も経てばこの状態にも慣れてきますね
歯がないことも、今では普通のように感じています。やっぱり病気を知らない人には驚かれたり、びびられたりしますが…

手術も、今までの大きな手術が乗り越えられたのだから、もう大丈夫だと思います精神的に辛い手術もあったしね。

失うときは数時間でなくなるのに、元に戻すのには年単位でかかるし、何回も手術をしなくてはいけなくて、イライラすることもあるし、なかなか先が見えなくて、どこを目標にしたらいいのかわからなくなることもあります

でも…私はやっぱり腫瘍を摘出する前のキレイな状態に、なるべく近づけたい
なかなか口腔外科通いから卒業できそうもありませんが、でも地道に治療を続けていきたいと思います

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診察&手術中の写真撮影

2009-02-24 21:50:49 | Weblog
昨日、S病院に行った話の続きです

手術をして確かに、頬側の粘膜もでき、歯茎もできたし、手術を受けて良かったです(2/12「感動&感謝の1日」)

手術に対して、文句はありません。今まで汚かった口の中が、今回の手術によってだいぶキレイになったし、これ以上、欲張ってはいけないよなぁとは思っています

でも未だに、手術の傷跡が生々しく残っているし、やはり一部の粘膜の傷口がむき出しの状態で、色もあまりよくありません

骨移植の手術で粘膜をフルに使って、無理矢理に縫い合わせたところを、今回の手術で一度粘膜を切り開いて、改めて縫い治しました。
前回ほどではありませんが、やはり粘膜を無理矢理引っ張っているため、どうしても形はいびつです

正常な左と比べてはいけないことはわかっていますが、左右で比べると、かなり違って落ち込みます
やっぱり…どんなに頑張っても、腫瘍を摘出する前のキレイな状態には、もう戻れないんだね。。。

でも『もしかしたら治してくれるかも…』と期待して主治医に、「もうこれ以上はキレイにはならないですか?これが限界ですか?」って聞いたら、「何が文句あるの?前と比べれば全然違うでしょ?形よくキレイに歯茎も作ったよ。」って言われました

確かに先生の言っていることに、間違いはありません。私が求めすぎなのかもしれません

さらに主治医が、「もう写真撮りたいくらいだよ。撮ってもいい?」って聞かれました

私、写真は本当にイヤなんです
だって…やっぱり術後の口の中も、口元も顎のラインも本当にイヤだし、心の奥底ではまだこの状態を受け入れてはいないし、その上、写真として記録に残すのって無償に悲しくなるのね
N病院でも断固拒否した私。(3/25「歯科付属病院」)

S病院でもさ、初診の段階から今後の治療に必要だからって説明されて、腫瘍や歯を切除する前(術前の姿)から撮っていたのなら、話は違います。それだったら今回も素直に撮っていたと思います

でもね、私が散々抵抗しても、結局は写真を撮られている事実は、悲しいよね
私が全身麻酔や静脈内沈静法で意識を失っているうちに、先生方は私に内緒で撮っているんだもん。(2/6「静脈内沈静法」)

こういうのってありなのでも現実に行われている話だから、ありなんだよね
でもさ、いくら意識がないからっていっても、無断で撮られるのは後味が悪いよね。やっぱり事前説明は必要だし、大切だと私は思います

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複雑な気分

2009-02-23 18:11:34 | Weblog
今日はS病院の口腔外科に行ってきました待ちに待った入れ歯を作ってもらいに(2/13「次のステップに」)

作ってもらう気満々でいたのに、主治医が「入れ歯を作るって言っても、ずっと前に作ったのと同じものしかできないよ。それでもいい?」って聞いてきました

そんなの覚悟はしていましたが、「もっと目立たないものがいいです。」って言ったら、「できない。」ってあっさり言われましただったらわざわざ聞かないでよ

でも顎の骨を作ったこと&悲しいけれど残った歯が動いてしまっていることから、1年前に作った入れ歯を調製しても全然入らなくて、1から作り直し(10/27「最初の関門」)型を取って、噛み合わせをみるところから始まりました

やはり確実に、歯並びは悪くなっているようです『これ以上、悪くならないうちに、何とかして欲しい。』と主治医にはお願いしているのですが、積極的に治療はしてくれません

口腔外科の先生なんて、所詮そんなものだよねもっと見た目とか、噛み合わせとかも考慮してくれる、口腔外科の先生に出会ってみたいです

今回は『入れ歯を作って欲しい。』って自分からお願いしたのに、でもまだこの歳で入れ歯かぁ…って思うと、やはり悲しいです

去年初めて入れ歯を見たときは、ショックを隠しきれませんでした今回はそこまでではないとは思いますが、でも失ってみるとなおさら、自分の歯はかけがいのない歯だなぁ、って思いますね

どうしても未だに、入れ歯には抵抗感はあります。歯がないのだから、仕方がないのですが…

今回新たに作った入れ歯は、1週間後には完成するそうです時期をみて、もう一度S病院に行きます

あと何回、S病院に行くのかな?ってふと思いました転院の準備は、着々と進んでいます。ずっとお世話になった病院&病棟。なんだか寂しいですね

話は変わりますが、今日は東京都の都立高校の入試日です
ですが、朝からJRの信号トラブルにより、試験開始が2時間遅れたそうです

受験生、相当焦った子もいるだろうなぁ…大変だっただろうなぁ…なんて思います。妹もその1人です。試験、お疲れ様

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タイミング悪いよ…

2009-02-22 19:25:23 | Weblog
皆様にご心配をおかけしましたが、昨日1日、ゆっくり休んだら体調が回復しました

3月にも兵庫県で、この前とは違う病院ですが勉強会がありますでも一昨日の一件で恐いです(2/21「入院の危機」)

果たして私に務まるのかな?でも仕事だし、泣きごと言っていられないよね

人前で話すのは、決して苦手ではないんだよね。。。
学生の頃から、実験や実習のプレゼン等は率先してやっていたし、病院実習や保健所実習でも代表して、患者さんの前でもお話したこともあるのになぁ

でも一昨日は、急に話せなくなってしまって、動揺しました

今日さ、親にふと話しかけたらさ、見事に聞き返されて、もう1回話したけど、また聞き返されて、挙句の果てに「あんた、何しゃべっているのか、さっぱりわからないよ。」って言われて、ショックを受けました

つい先日、そのことで悲しい思いをしたので、「なんで?わかるでしょ?そんなこと、言わないでよ。」って言い返したら、「わからないものはわからないの。ちゃんと言語指導受けた方がいいよ。」って言われて、さすがにへこんで、落ち込みました

私、そこまでひどいんだね…
確かに主治医の先生にも何度も聞き返されてきて、それがイヤで、「なんで聞き返すの?」って聞いたら、それ以来あまり聞き返すことがなくなりました。(1/20「期待していたのに…」)

でも実際は、私やっぱり話せてないんだね。もう自信喪失です

親に言われた言葉がショックで、先ほどネットで調べていたら、私のかかりつけの耳鼻科、STさんによる言語指導を行っているんだって言語指導をちゃんと受けようかと考えています。でも通院する時間がなかなか取れないのが、悩みどころです

どうせ主治医に「うまく話せないから、なんとかしてください。」って言っても、「歯がないから、そこから空気は漏れちゃうから仕方がない。」とか「やっぱり普通の状態とは違うから、ある程度は仕方がない。」としか言ってくれなくて、真剣に考えてくれないしさ

どこに相談するべきなのか、どこなら治療をしてくれるのか、わかりません

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入院の危機

2009-02-21 12:48:22 | Weblog
私、なんかどうしちゃったんだろう…?

昨日、仕事で兵庫県のとある病院で、勉強会をさせていただきました
1時間のプレゼンの途中、話しているうちにすっごく苦しくなっちゃって、息があがってしまって…もうこれ以上は続けられないと思って、途中で先輩に変わってもらいました

兵庫県は1月に新たに担当になったばかりだったので、昨日はたまたま先輩と一緒だったから良かったけれど、これ1人だったら本当にどうしよう…

私さ、この病気で手術をした結果、会話に不自由することが多くて、まず流暢に話すことはできないし、長時間話すと顎が疲れてしまって、ますます上手に、というか普通に話せなくなってしまうのね。。。
大きな声で話すことも、今の私には難しいの昨日はマイクもなくて、最初の時点からかなり動揺していました

しかも途中から、『やばい、話せない。どうしよう。』ってめっちゃ焦って緊張して、とにかく落ち着いてゆっくりでいいから話そうと意識していたら、頻脈になって、呼吸がうまく出来なくなってしまって

『仕事なのに…』って思えば思うほどダメになってしまって、結局、先輩に助けを求めてしまいました

先輩にバトンタッチしてすぐに部屋を出て、フラフラしながら院内にある椅子に座ったら少しは落ち着いてきたのですが、今度はすごくむなしくなってきちゃって

私、病気のことをちゃんと受け入れて、前に進もうって決めたはずじゃないの?
うまく話すことはできないけれど、でも頑張ろうって決めたんじゃないの?
ってすっごく自己嫌悪に陥りました

また頑張れば、最後まで話せたのではないか、って自分の甘さや弱さにもイヤになってしまって
この先、果たしてちゃんとできるのか、という不安も出てきてしまって、もう最悪でした

勉強会をした場所が場所なので、そこの勉強会に出席してくださったあるDrに、「大丈夫?まだフラフラしているし、東京から来たんだし、今日1日くらいゆっくり休んでもいいよ。」とお声をかけてくれたのはいいのですが、でも出張先の兵庫県で入院したくなくて

「大丈夫です。」と答えたのですが、「でも顔色も悪いし、今から診察くらい受けない?今日の当直は外科の先生だけど、大丈夫だよ。」と言われてしまって…

仕事で来ているから、とにかく恥ずかしくてさ…先輩もいるから1人じゃないし、大丈夫だろうと思って、丁寧にお断りをしました。でも気にかけてくださったDrには感謝しています

もう帰りの飛行機は、いろいろと考え込んで疲れてしまって、涙が出てきてしまいました

私、これほど精神的に弱かったっけ…人前でこんなになってしまったのは本当に初めてで、どうしていいのかわかりません

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おかしいよね?

2009-02-19 20:28:51 | Weblog
私、転院することにあまり気が乗りません
S病院にも慣れて、やっと主治医にも慣れてきたのに、なんで転院しなくてはいけないの

でも仕方がないんですS病院ではこれ以上、治療自体ができないから。治療ができないのであれば、もう転院するしかないですよね

主治医が月に1回来てくれるN病院(歯科付属病院)では、治療できないことはないのですが…でも保険の都合上、N病院で治療をするのは非常に難しいのです
しかも、もしN病院で治療を受けるにしても…今後の治療に関してはS病院の先生は手を出せないとのことで、N病院の口腔外科の先生にお願いするしかありません

保険のことでもうまくいかない、主治医も変えなくてはいけないということから、だったらもう全く系列の違う病院に変えようと決意しました

でもさ、本当におかしいよね保険の問題で、転院をよぎなくされるなんて…

腸骨を移植した顎の骨の状態も、本当は適宜調べた方がいいこともわかっていますが、でもその検査にも保険が適応されないので、全額実費
必要な検査も保険で制限されて、受けられないのって、どうなのかな?って思います

治療にお金のことを全く気にしない人や、実費でも構わない人には、どうでもいい問題ですが、私みたいな一般庶民には厳しいよ

ただでさえ腫瘍を摘出して、辛かったり悲しかったり、散々イヤなことを経験してきているのに、挙句の果てには保険で治療ができる範囲というのが制限されてしまっていて、本当に悲しいです

なんか私、このあたりが納得できないし、腑に落ちないんだよねそう思っているのは、私だけかもしれませんが…
なんだか愚痴っぽくなってしまって、すみません

まぁ、お金さえ出せば元の状態には近づけられるし、何より顔の手術なので○百万なんて、決して高くはないのかもしれません
でもね…もう少し保険の適応範囲をカバーして欲しいです腫瘍摘出後の再建術なのだから

しかも私、転院先の病院でも、本当に私の希望する治療ができるかどうかはわかりませんとにかく一度病院に行って、話を聞いてみないと何とも言えないのが現状なのです。本当に心配なことばかりです

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不安だなぁ…

2009-02-18 19:46:25 | Weblog
昨日の記事にも書きましたが、私、S病院ではこの先の治療ができないので、もっと専門性の高い病院に転院をしなくてはいけません

治療の面では、転院することに少し期待はしていますが、でもその反面、怖いし不安です

不安な理由は、まずは初めて行く病院なので、勝手が全くわかりません病院の雰囲気もわからないし、全く系列の違う大学病院に行くので、S病院の主治医と関係のある先生もいませんそんな中、私のことを受け入れてくれるのかな?

それに私、恥ずかしいけれど、今ものすごく歯医者さんが苦手です
何回か行ったことのあるN病院(歯科付属病院)ですら、見知らぬ先生や研修医などに囲まれると、緊張しているのもありますが、何か痛いことされるのではないかという恐怖心から、心拍数は上がってしまって、ドキドキしてしまいます

S病院の主治医の先生が近くにいるときはまだいいのですが、主治医の先生がいないときは、本当に怖くて泣きそうになります

転院先は当たり前ですが、口腔外科の規模の大きい病院ですたくさんの先生に囲まれるのかな?怖い先生ばかりだったらどうしよう?と考えるだけで、焦ってしまうのです

また私が今まで治療を受けてきた環境もちょっと特殊なんです
S病院の口腔外科の先生は1人しかいません。当然私は、初診の段階からずっと同じ先生にお世話になっています。もちろん外来でも入院でも。患者1人に、先生1人という環境に慣れてしまったため、環境が大きく変わることにも戸惑いがあります

現に未だにN病院には慣れません。そんな中、主治医のことを知っている先生もいない大学病院で、私やっていけるのかな?

それに何よりも、今までずっとお世話になっていたS病院の主治医の下を離れるのも不安です悔しいけれど、先生が1番私のことを知っています。病気のことはもちろん、私自身のことも

今でこそS病院の主治医のことを信頼できるようになりましたが、でも一時期は先生のことを信頼できなくなったり、イヤになったりもした経験があるので、新しい先生との信頼関係をちゃんと築いていけるのかも心配です

新たな一歩を踏み出すのには、かなりの勇気が必要で、すごく躊躇しています

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転院に向けて

2009-02-17 20:58:59 | Weblog
ここで皆様にお知らせです
突然ですが、私、転院します全く違う系列の大学病院に行きます

転院といっても、まずは話を聞きに行って、今後の治療ができるかどうかを確認して、それから治療を受ける病院を決めるので、本格的に病院を変えるのは、まだ先になると思います。

11月と1月と、S病院の主治医と、N病院(歯科付属病院)の先生と、今後の治療について話し合いました

転院をする理由はいくつかあります。でも最大の理由が、S病院ではもう治療の限界があることです
私はこれから失った組織の再建のために、いくつか手術を受けますが、その中の治療の一部が、残念ながらS病院ではできないのです(1/31「今後のことは…未定です」)

N病院ならさすがに歯科の専門病院だけあって、治療自体はできるそうですが、ややっこしい保険の制限などがあり、うまくできそうもなくて、転院を決意しました

でもここで問題があります
果たして、今のこの状態の私を受け入れて、なおかつ手術をしてくれる病院があるのか、ということです

なぜなら、腫瘍を摘出した今の私の治療をしたところで、症例発表にも研究材料にもならないからです
むしろ治療をすることで、病院の負担(医療費の面で)はとっても大きくなると思います。

腫瘍を摘出する前なら、話は違います。珍しい病気なので、興味本位や自分たちの研究のため、症例発表のため、先生方はみなさん手を出したいはずです

でも、今の私の状況では…受け入れてくれる病院があるのかどうか不思議でたまりません

一応、それなりに転院先の病院も決めて、今その準備をしているところです

できたら、最初から最後まで同じ病院で治療をすることがベストなのはわかります。でも治療ができないのでは、仕方がないよね

ここで思うのは、患者が安心して治療を受けられる医療制度を作って欲しいです
治療は行っているのに、ここの病院では保険の関係でできない、そういう理由で、転院しなくてはいけない事実は、患者にとっては辛いです
なんでそんな理由で、転院をしなくてはいけないのでしょうか

主治医や病院を変えるっていうのは、患者はとにかく不安なんです。。。

たかが診療情報提供書(紹介状)紙切れ1枚で、一体何がわかるのだろうか?と思ってしまいます。今まで受けてきた手術も、術式や術後の経過も含めてちゃんと伝わるのかどうかも不安です
それに主治医との信頼関係も、1から築かなくてはいけません

この転院が、私にとってプラスになることを祈ります

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医師と歯科医師

2009-02-16 18:02:41 | Weblog
日本ってすごく曖昧だと思いませんか?医科と歯科で保険の制度も違うし、もうどうにかして欲しいです。患者のことを全く考えていないよね

特に舌Caですごく感じるのですが、耳鼻科と歯科の医師会が作成しているHPを見ると、お互いすごくもめているのが、すぐにわかると思います

海外では、口腔顎顔面外科は、医師と歯科医師のダブルライセンスを持つことが条件となっている国もあります。日本もこうして欲しいなぁ…現状は無理な話だけれども

日本の口腔外科は、医師または歯科医師のシングルライセンスとなっていますが、現状はほとんど歯科医師です。

その中で、歯科医師による全身麻酔の上での腸骨採取は色々と議論されています
その是非はともかく、これら処置に際しては、全身麻酔や救急医療など、生命の危険性を相当程度伴うものが含まれているため、ある程度リスクの高いものであることは確かです。

歯科疾患治療の必要上ならば、口腔内(顎骨)のための腸骨や腓骨、肩甲骨採取なども一部で歯科医師単独で行っても問題はありません

でも…現実的には関連医科の医師と連携して治療を行って欲しいよね歯科麻酔科医ではなくて、麻酔を専門とした麻酔科医や、形成外科医にお願いしたいよね。
少なくとも、私はそう思うよ

結局のところ、医師・歯科医師の医業範囲については、法的に明確な規定はありません

でも患者を取り合ったり、お互いにもめるのは、決して良いとは思えません。
自分たちのことだけじゃなくて、少しは患者の身になって、議論できないものなのでしょうか

医科だからできる、歯科だからできない、なんて話を何度も耳にしたことはあります
この領域にちょうどは挟まれている私にとっては、もう本当にめんどくさいです

だったら歯科は虫歯治療や補綴治療、矯正治療のみにして、口腔外科が行っている歯科医業と称するものは、すべて医科に統一するとかできないものなのかな?

この病気になって、考えさせられました

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治療してもらえない現実

2009-02-15 21:56:27 | Weblog
口内炎がひどくて、とある歯医者さん(開業医)に緊急で行ったときの話です(1/12「我慢できなくて」)

そこの歯医者さん、インプラント治療をしているとのこと

しかもN病院(歯科付属病院)よりも金額が少し安いので、今後受ける予定のインプラント治療、いざとなったらここの歯医者さんでもいいかなぁ…って思いました

なので帰り際に先生に、
「いつか私のインプラント治療、してもらえますか?」と聞いたら、

「いや~ちょっとできないよ。こういう既往歴のある患者には、町医者は手を出せないよ。あなたの場合は、S病院の主治医のもとで治療をしなくちゃダメだよ。」と即時に言われてしまいました

「そんなに難しいことなんですか?」って聞いたら、「歯を失った原因が虫歯や歯周病とはわけが違うんだから、難しいよ。再発しても責任取れないし、移植骨という特殊な条件なのだから。」とのこと

歯医者さんって『インプラント治療行っています。』って大々的に広告を出したりして、患者さんを集めているのに、その歯医者さんに治療をしてもらえない現実が、何だかちょっと悲しいです

私の治療をしてくれる病院って、本当にあるのかな?もはやそんなことも心配になってきました

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主治医の先生に

2009-02-14 21:59:44 | Weblog
今日はバレンタインデーですね一昨日、S病院の主治医の先生にチョコレートをあげました

と言っても、あげたチョコレートはこれ

     

広島限定のぺロティです。もみじの形をしていて、かわいい先日の広島出張で、偶然見つけました

いかにもプレゼントとして渡すのは、先生も受取りにくいだろうなぁ、と思ったので、このうちの1つを選んで持って行きました

主治医に、「先生、あげる。」って言ったら、歯科衛生士さんが、「先生、良かったですね。バレンタインデーですよ。」って言ってくれたのに、主治医の反応は、「えでもこれリボンも何もついてないよ。」だって

だから「せっかくかわいい絵柄を選んだのに…」って言ったら、歯科衛生士さんが、「本当は怒っている顔を渡したかったんだって。」なんて余計なこと言うんだよ

でも最後には「ありがとう。」って素直に受取ってくれたので、良しとします

思ったんだけど、お医者さんにこうやってバレンタインデー等も含めて、ものを渡すのは初めてかも
去年の今頃は、まだまだ主治医と仲良くなくて、あまり話せなかったけれど、いつの間にか先生のこと、頼りにしている自分がいます

「主治医は良い先生か?」と聞かれると、素直にyesとは答えられないけれど…

そうそう、DSのゲームをやっと返してもらいました(1/10「元気です!」)
貸していたこと自体、今の今まで忘れていた私

「先生、どうだった?できた?」って聞いたら、「患者さん、怒って泣いて帰っちゃった。」なんて言うから、「先生、プロじゃないですか。ダメだよ。私にも痛いことしたら、怒って泣いて帰りますよ。」なんて、こうやって冗談も言えるようにもなりました

1年以上もかかって、ようやく築けてきた関係なのに、いつかはこの先生の下、またお世話になった病棟の看護師さんやこの病院とも、お別れしなくてはいけないんだよね

人見知りをする私は、慣れるまでにすごく時間がかかるので、本当に転院は不安だらけです

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次のステップに

2009-02-13 19:12:31 | Weblog
昨日、S病院に行ったときの話の続きです

自分の口の中の状態を見て、キレイになっていて驚きました
でもキレイになったと言っても、残念ながらまだまだ歯茎の形も一部はいびつだし、傷跡もしっかり残っています。。。

この場に及んでも、なかなか恥ずかしくて戸惑いましたが、「先生、ありがとうございます。」って言ったら、主治医はすごく驚いていました

私の口からそんな言葉が出るとは、思ってもいなかったんだろうなぁ。今まで本当にワガママばっかりで、ごめんなさい
しかも私、先生の前で泣き顔ばかり見せていて、昨日の表情とか見たことなかったと思うから、やっぱり主治医としては驚くよね

今までなかった歯茎や頬側の粘膜ができていて、本当にうれしかったです鏡を見て、びっくりしました
切除して失ったものが、突然、目に見えてできているんだもん。やっぱり感動するね

それでもやはり元の状態のように、完全に形よくキレイに、とまではいきませんが、もうそれは仕方がないと割り切っています

ここで主治医が、「入れ歯さ、作ってみない?」と聞かれたので、「はい。」って答えたら、先生すごく嬉しそうでしたたぶん一時期は治療を中断したい、と言ったから余計にだと思います(1/25「治療中断」)

「N病院の補綴科に行ってみる?」って聞かれたので、「補綴科に行った方がいいですか?」って聞いたら、

「まぁ、入れ歯の専門科だからそれなりに精度の良い入れ歯を作ってはくれると思うけれど、でも今回手術もしたしS病院でも作れるよ。でももし補綴科に行きたいのなら紹介状は書くけれど、補綴科での手続きや検査等があるから、入れ歯が作れるまでに最低3回は行かないといけないから、入れ歯を作るのに時間はかかるかもしれない。」
と言われました。

だからとりあえずはまずはS病院で作ってみて、うまく合わなかったらそのときは補綴科に行くということで、話がまとまりました

確かに口腔外科の先生が作るよりも、補綴科の先生が作った方が良い入れ歯を作ってくれるとは思うけれど…S病院だと入れ歯を2回で作ってくれるとのことだし、新しい科に行く勇気もなくて、とりあえずはやめました

次回は、いよいよ待ちに待った(?)入れ歯を作ってもらうことになりました

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感動&感謝の1日

2009-02-12 21:29:55 | Weblog
今日、S病院に行ってきました約3週間ぶりの口腔外科受診。

主治医が口腔内を診てくれて、「かなりキレイになってきたね。粘膜の状態ももう問題ないね。」とおっしゃってくれました

1/24「理想と現実のギャップ」のときにも書きましたが、そのときはまだ一部の粘膜の色が白色で…本当にちゃんと普通の状態になるのか不安で仕方がなかったのです

「自分で口の中をちゃんと見てみた?」って聞かれたので、「恐いから、まだあまり見てないです。」と言ったら、いきなり鏡を持ってきて、口の中を写してきました

「イヤだまだ見たくない」って目をそらしていたのにも関わらず、「大丈夫だから、ちゃんと見てみな。」と無理矢理、見せ付けられてしまって…

でも鏡に映った自分の口の中を見て、驚きました

今まで私の口の中の形は、すっごく汚かったのですが、自分の想像以上にキレイになっていたし、歯茎や頬側の粘膜も存在していたし、粘膜の色や形状もだいぶ普通の状態に近づいてきて、感動しました

思わず「本当だ。」って言ったら、先生が「あと1回くらいここの部分の歯茎を整える手術をすれば、もう少し元の状態に近づけられるから。」っておっしゃってくれました

目で見てキレイになるとうれしいね整形や外科矯正をする人の気持ちがわかったよ

整形手術や外科矯正の手術をして、見た目もキレイに整って、口元にも自信を持てるようになって、すごくうれしくなる気持ちはとてもよくわかります。また自慢したくて、病室で騒ぎたくなる気持ちもわかります。。。

でもでも…口腔外科には、手術をすることで逆に顔が変形してしまう人もいるので…そういう患者がいることも決して忘れないでください。お願いします

私は最初の手術(腫瘍摘出術)で、顔の右下半分の歯と顎の骨と歯茎など、ほとんどすべての組織を切除しました

最初に骨を移植する手術をして、顎の骨を作りました。顔の変形もまともになり、特に手で触ったときに、今まではずっとへこんでいた場所に、骨が存在しているという感触がとても嬉しかったです
でもこの手術で、口の中の形が大きく変わってしまうことにはなりましたが…

次は歯茎を作る手術をして、歯茎と頬側の粘膜を作りました。これは見た目でもすぐにわかる変化でした

切除するときは本当に一瞬なのに、失った部分を再建するのにはすごく時間がかかるけれど、着実に元の状態に近づいてきていることをしみじみ感じられて、一時、治療を中断しようとは思っていたのですが(1/25「治療中断」)、もう少し頑張って治療を受けようと思えました

主治医の先生、本当にありがとうございます
まだ右下の唇~下顎に関しての麻痺は残っているし、引っ張られているなどの違和感はあるけれど、それくらい我慢しますね

皆様にもたくさん迷惑をかけてきたし、心配をおかけしましたが、おかげ様で順調です

コメント欄もそろそろ復活させようかなぁ、とは思うのですが、返事が追いつかなそうなので、迷っています

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