2018年12月20日・21日に第32期竜王戦第7局が山口県下関市の「春帆楼」で行われます。
第一人者の羽生善治竜王に挑戦しているのが広瀬章人八段で、竜王戦の対局はこれまで3勝3敗。最終局の第7局で決着がつきます。
羽生竜王はこれまでのタイトル獲得が前人未到の通算99期。明日からの対局に勝てば、大台である100期に到達します。しかし負ければ27年ぶりに無冠になります。
羽生竜王は当時最年少の19歳で竜王を獲得しましたが、翌年に竜王を失冠。しかし1年3ヶ月後に棋王を獲得してから約27年間、何かしらのタイトルを保持し続けていたのですが、明日からの対局で負ければ羽生竜王がゼロ(無冠)になります。
勝てばタイトル100期、負ければゼロ(無冠)ということで、かなり注目されている対局となっています。
羽生竜王対広瀬八段の対戦成績を調べると18勝11敗と羽生竜王が勝ち越していますが、対広瀬八段戦での直近の10局では4勝6敗と負け越しています。2011~2015年にかけて対広瀬八段戦で9連勝をしたこともあり、かつては得意にしていた対戦相手でしたが、最近の戦績は拮抗しているので得意・苦手の意識はお互いに無いはずです。
現在48歳の羽生竜王ですが15歳でプロデビューをして丸33年。生涯の通算勝率が7割を超えていてダントツの勝率を残していますが、ここ2~3年は苦労している様子です。
理由は豊島将之二冠・斎藤慎太郎王座・藤井聡太七段などの若手の台頭、そしてコンピューター将棋が強くなり将棋の研究や練習方法の変化、また年齢的な衰えがあるかもしれません。
大棋士と呼ばれた過去の先生方も40代半ばになると、若手の頃と比べて成績を落とすことが多いです。例外は大山康晴十五世名人(故人)くらいで、その他の中原誠十六世名人、米長邦雄永世棋聖(故人)、谷川浩司九段(十七世名人資格者)などの多くの大先生の皆さんが40~50歳頃になると苦労されています。
通算勝率7割超の羽生竜王も直近3年(2016年度、2017年度、2018年度)は、それぞれの単年度の勝率が5割台と成績を大きく落としています。
今期の竜王戦でも羽生竜王は優勢だった第3局・第4局を、逆転負けをしています。逆転負けは終盤のミスが原因です。人間は誰でもミスがありますが、将棋は最後にミスをした方が負けることが多いです。
一方の広瀬八段は31歳。タイトル獲得1期、タイトル戦登場4期、最上級のÅ級4期(現在もÅ級)の一流棋士で、将棋界では「指し盛り」と呼ばれ体力・知識・経験が充実していると言われる年齢です。12月17日には佐藤天彦名人を破り棋王戦挑戦者になり、勝率は今期が7割5分、通算が6割台半ばと好調かつ優秀です。広瀬八段はかつて振り飛車・穴熊という戦型でタイトル王位を獲得しましたが、今は居飛車を好んで指す棋風に変えてÅ級まで上がってきました。
ここまでのデータを見ると、「指し盛り」の広瀬八段が有利か?と言えるかもしれません。
そこで命運のカギを握るのが先手・後手を決める「振り駒」です。一手早く攻めることが出来る先手番が、現代将棋ではペースを握ることが多いです。今年の王位戦は豊島棋聖が菅井王位(当時)からフルセットの末に奪取したのですが、全て先手番が勝っての奪取でした。
トップ棋士同士では更にその傾向が強く、先手番は少しのミスは取り返しやすいですが、後手番のミスは致命的になることが多いのです。
過去5年間のタイトル戦で最終局に突入した例は調べると13回ありましたが、先手番が10勝3敗となっています。やはり後手番が苦労するので、羽生竜王・広瀬八段ともに今頃は対策を練っていると思います。
その振り駒は12月20日朝、対局直前に行います。今回は下関市長が行う予定で、市長が5枚の「歩」を投げて、表の「歩」が3枚以上で羽生竜王が先手、裏の「と金」が3枚以上で広瀬八段が先手となります。こればかりは運です。
両者とも心の中では先手番が欲しいと思いますが、後手番で負けても手番のせいには出来ませんし、しません。
勝負のカギを握る注目の振り駒は、20日の8時50分頃に行われます。
第一人者の羽生善治竜王に挑戦しているのが広瀬章人八段で、竜王戦の対局はこれまで3勝3敗。最終局の第7局で決着がつきます。
羽生竜王はこれまでのタイトル獲得が前人未到の通算99期。明日からの対局に勝てば、大台である100期に到達します。しかし負ければ27年ぶりに無冠になります。
羽生竜王は当時最年少の19歳で竜王を獲得しましたが、翌年に竜王を失冠。しかし1年3ヶ月後に棋王を獲得してから約27年間、何かしらのタイトルを保持し続けていたのですが、明日からの対局で負ければ羽生竜王がゼロ(無冠)になります。
勝てばタイトル100期、負ければゼロ(無冠)ということで、かなり注目されている対局となっています。
羽生竜王対広瀬八段の対戦成績を調べると18勝11敗と羽生竜王が勝ち越していますが、対広瀬八段戦での直近の10局では4勝6敗と負け越しています。2011~2015年にかけて対広瀬八段戦で9連勝をしたこともあり、かつては得意にしていた対戦相手でしたが、最近の戦績は拮抗しているので得意・苦手の意識はお互いに無いはずです。
現在48歳の羽生竜王ですが15歳でプロデビューをして丸33年。生涯の通算勝率が7割を超えていてダントツの勝率を残していますが、ここ2~3年は苦労している様子です。
理由は豊島将之二冠・斎藤慎太郎王座・藤井聡太七段などの若手の台頭、そしてコンピューター将棋が強くなり将棋の研究や練習方法の変化、また年齢的な衰えがあるかもしれません。
大棋士と呼ばれた過去の先生方も40代半ばになると、若手の頃と比べて成績を落とすことが多いです。例外は大山康晴十五世名人(故人)くらいで、その他の中原誠十六世名人、米長邦雄永世棋聖(故人)、谷川浩司九段(十七世名人資格者)などの多くの大先生の皆さんが40~50歳頃になると苦労されています。
通算勝率7割超の羽生竜王も直近3年(2016年度、2017年度、2018年度)は、それぞれの単年度の勝率が5割台と成績を大きく落としています。
今期の竜王戦でも羽生竜王は優勢だった第3局・第4局を、逆転負けをしています。逆転負けは終盤のミスが原因です。人間は誰でもミスがありますが、将棋は最後にミスをした方が負けることが多いです。
一方の広瀬八段は31歳。タイトル獲得1期、タイトル戦登場4期、最上級のÅ級4期(現在もÅ級)の一流棋士で、将棋界では「指し盛り」と呼ばれ体力・知識・経験が充実していると言われる年齢です。12月17日には佐藤天彦名人を破り棋王戦挑戦者になり、勝率は今期が7割5分、通算が6割台半ばと好調かつ優秀です。広瀬八段はかつて振り飛車・穴熊という戦型でタイトル王位を獲得しましたが、今は居飛車を好んで指す棋風に変えてÅ級まで上がってきました。
ここまでのデータを見ると、「指し盛り」の広瀬八段が有利か?と言えるかもしれません。
そこで命運のカギを握るのが先手・後手を決める「振り駒」です。一手早く攻めることが出来る先手番が、現代将棋ではペースを握ることが多いです。今年の王位戦は豊島棋聖が菅井王位(当時)からフルセットの末に奪取したのですが、全て先手番が勝っての奪取でした。
トップ棋士同士では更にその傾向が強く、先手番は少しのミスは取り返しやすいですが、後手番のミスは致命的になることが多いのです。
過去5年間のタイトル戦で最終局に突入した例は調べると13回ありましたが、先手番が10勝3敗となっています。やはり後手番が苦労するので、羽生竜王・広瀬八段ともに今頃は対策を練っていると思います。
その振り駒は12月20日朝、対局直前に行います。今回は下関市長が行う予定で、市長が5枚の「歩」を投げて、表の「歩」が3枚以上で羽生竜王が先手、裏の「と金」が3枚以上で広瀬八段が先手となります。こればかりは運です。
両者とも心の中では先手番が欲しいと思いますが、後手番で負けても手番のせいには出来ませんし、しません。
勝負のカギを握る注目の振り駒は、20日の8時50分頃に行われます。