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(旧)yoyo的日記

台湾での生活について、シェルターから受け入れた黒猫姉妹について、台湾で暮らして10年のyoyoが書いています。

「魚釣島」か「釣魚台」か

2008-06-17 | 台湾事情
本当は他の記事をアップするつもりだったのですが、急遽政治的なお話を。

冒頭の写真は「Yahoo.tw」より。(http://tw.news.yahoo.com/article/url/d/a/080616/17/11cgn.html)

日本のみなさんは、ここ最近の日本と台湾の不穏なニュースにどれくらい注目しているのでしょうか。ネットのニュースで見る限り、たぶん多くの人に取っては「ふーん」くらいのニュースな感じですが、こちらでは毎日大騒ぎです。
「なんでそんなに台湾の人は大騒ぎしてるのかしら」と思っている人もいるかもなぁと思ったので、今日はちょっと日本と台湾のさまざまな事情を解説してみたいと思います。

事件の経過を簡単に説明すると、

6月10日未明 「魚釣島」の南9キロの「日本領海内」で、日本の海上保安庁の巡視船と台湾の漁船が接触。漁船が沈み、漁船に乗っていた「乗組員」16人を巡視船が「保護」する。
6月13日 台湾の行政院長(日本の首相に相当)が、対日批判を表し、「開戦も辞さない」と発言。
6月14日 海上保安部は、巡視船の船長と同時に漁船の乗組員を石垣島で事情聴取、書類送検。台湾の外交部(日本の外務省に相当)が駐日代表の許さんを召還することを発表。
6月15日夜  海上保安本部が「巡視船が船名を確認しようと遊漁船に近づいた行為は正当だったが、接近の仕方に過失があった。結果として遊漁船を沈没させ、船長にけがをさせたことは遺憾だ」と過失を認め、謝罪。
6月16日未明 日本政府の対応に不満を持ち、台湾の抗議船など10隻が再び「魚釣島」付近へ。

さて、まずは懸案の「魚釣島」ですが、「どこ?」という人もいるかもしれないのでまずは地図です。

(「海上保安レポート」よりhttp://www.kaiho.mlit.go.jp/info/books/report2006/tokushu/p034.html)

今回の事件、いろいろポイントがあるのですが、まずはこの地図を見て分かる通り、「魚釣島」は石垣島と台湾からほぼ等距離にある島で、日本においては石垣市に帰属している日本の領土と認識されていますが、台湾においては「宜蘭県釣魚台」とされています。台湾でももちろんここはまだ領土問題が微妙な土地だという認識はありますが、それでもはっきりと「日本のものだ」とはほとんど誰も思っていない状態です。

第二のポイントとして、日本の巡視船が台湾の漁船に接触事故を起こしたというのも、台湾では「わざとぶつかって沈ませた」のでは?と考えられています。その後の日本政府の対応で余計その疑惑は強まっているのかも。
なので、いわば「うっかり他国との境界空域に侵入してしまった民間航空機がそこの国の軍隊に射撃されて墜落した」みたいな感じなんですよ。台湾漁船に乗っていた人たちはほとんどが一般の釣り人ですし。
だからこそ、「開戦も辞さない」という発言になるわけです。

第三に、「海上保安本部長が謝罪したのになぜまだ抗議してるの?」と思われる方もいるでしょうが、那須本部長が使った「遺憾」という外交用語に対し大きな波紋が。



「遺憾」というのは日本のお役所ではよく使う言葉ですが、確かに「謝罪」の言葉としてはちょっと弱い感じですよね。本当は「遺憾」の後に「おわび申し上げる」というかなり陳謝な言葉があり、おじぎもしているので、誠実な態度であったとは思うのですが(琉球新報http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-133189-storytopic-1.html)、残念ながら台湾においてはこの「遺憾」という言葉ばかりがクローズアップされてしまいました。

同じ漢字文化圏なのがまた微妙なところで、こちらでは「遺憾」というのは、例えば友達の家族が亡くなった時などにいわば英語で「I feel so sorry...」というふうに友達に声をかけるような感じで使う言葉なのです。つまり、自分をちょっと第三者的な立場において「お気持ちはお察しするわ」みたいな(^^;
日本の外交用語としての「遺憾」の使い方もいろいろ説明されてはいますが、このニュアンスのせいで、第一印象的にはかなり「誠意のない謝罪」と見られてしまいます。

さらに、以前の記事でも紹介した通り、台湾では馬さんという新しい総統が就任したばかりで、彼が国民党なので、陳前総統よりもだいぶ大陸寄りで親日派ではないこともタイミングが悪かったですね。ちなみに駐日代表の許さん(冒頭の写真で新聞記事を掲げている人)は民進党の人で、親日派として有名な人なので、今回も日本側を代弁するような発言(「遺憾」の日本での使い方など)をして、国民党にひどく叩かれるという気の毒なことになっています。

いやはや、言葉って微妙で外交って難しいですねぇ。
台湾は世界有数の親日的な国で私もそのおかげですごく快適に生活できているので、この事件で対日感情が悪くならないことを祈っています

端午の節句と蜂の巣

2008-06-09 | 台湾事情
昨日は旧暦の五月五日、端午の節句でした。こちらではもう2週間くらい前からどこにいってもチマキを売るようになっていて、「あ~”端午節”だな~。今年はどこのチマキを食べようかしら」と楽しみにしていました。端午の節句とチマキについては、去年も記事にしましたが、今年は「北粽」と客家のチマキをいただきました。

写真は北粽ですが、すっごい具沢山なんですよ!卵の黄身やお肉やシイタケや栗、そしてお豆腐に似たようなものも入っていました。

一般の台湾人の人の作るチマキは具沢山なことが多いような気がしますね~。それに比べて客家のチマキは具も3種類くらいでシンプルなもの。たぶん、お互いに「具がいっぱいある方が食べがいがあっておいしい!」とか「具をそんなにいれるなんて邪道だ!」とか思っているのかも

ところで、端午の節句とは全然関係ないですが、ちょっとびっくりすることが。
なんと我が家のベランダにハチが巣を作っちゃったんです

あまり大きくない巣なので、まだできたてほやほやなのかと思いきや、この種のハチ(アシナガバチだと思う)の巣のサイズはもともとこんなものなのだそう。
スズメバチみたいに毒が強いわけじゃないし、攻撃もされないけど、でもベランダにハチの巣があるのはなんだかいやんお洗濯物も干しにくいし、ベルちゃんだって毎日ベランダでひなたぼっこするし・・・。

というわけでお友達に頼んで撤去してもらいました。

殺すのもかわいそうなので、ビニール袋に入れて山の方へ放しちゃいました。大自然の方でのびのびと巣作りをしていただきたいものです。
ちなみに、こっちでは大きなハチの巣がある場合は消防署に電話して撤去してもらえるみたいです。

国民党ふたたび

2008-05-21 | 台湾事情
昨日、5月20日は台湾で新しい総統が就任した日でした。
台湾においては、日本軍が敗戦によって引き上げた後、今度は大陸からやって来た国民党が政権を握り、長い間独裁体制が続きました。李登輝総統(日本でも人気ですよね)の民主化改革を経て、台湾も民主化が進み、8年前にやっと台湾土着の政党である民進党が与党になったんです。
総統選挙での民進党の勝利は、台湾の民主化の証であり、また長い間ずっと「他者」に支配されていた政治がやっと本島人のものになった、という感じで、大きな意味があったんですよねぇ。

しかし、二回の任期(台湾では一期が四年です)を経て、陳水扁総統の任期が終わり、新しい総統に選ばれたのは、再び国民党の馬英九さんでした。民進党が総統選挙で負けた原因には、身内のスキャンダルとか汚職疑惑とか陳総統のイメージダウンもありますが、やっぱり一番大きいのはここ数年の景気の悪さでしょうか。不景気なのは、ある意味世界的なもので、別に陳さんのせいばかりとはいえませんが、でも経済政策があまり振るわなかったのも事実です。

というわけで、男前な馬さんが新総統になったわけですが、アメリカと同様、こちらでも「第一夫人」(ファースト・レディですね)になる馬さんの奥さんも俄然注目度が高まっています

奥さんのイメージが悪いと、総統本人のイメージダウンにもつながるので、第一夫人のお洋服なんかもかなりシビアに評価されるんですよ陳前総統の奥さんは、ものすごいお金持ちのおうち出身だったせいか、ブランド好き、ジュエリー好きで、そのへんもかなり微妙なイメージだったので、今回の馬さんの奥さんの「質素さ」はそういう意味で、かなり好評なのかもしれません。

女性と言えば、先週行われた民進党の主席を決める選挙で、初めて女性の主席が選ばれました。蔡英文さんです↓

政党の主席と言えば、日本で言う「代表」です。例えば、民主党の代表(今は小沢さんですが)で女性が選ばれるようなものですよ。
うーん、なんか日本だとまだあり得なくないですか?

台湾では、家庭の中では家父長制が日本よりももっと根強く、例えば家庭内の儀礼や行事なんかは男性主導になるのですが、政治に関していえば、日本よりはるかに女性に門戸が広く開かれているような気がします。陳前総統のときも、ペアになった副総統は女性の呂さんでしたしねぇ。
日本の社会は今でもまだまだ女性に厳しいですよね。台湾に負けないようにがんばっていきたいものですよね

今回の記事で使った写真はすべて、Yahoo!新聞からお借りしました~

日本と台湾のtattoo文化について その2

2008-03-22 | 台湾事情
前回書きかけでしたが、日本で私たち(あるいはもっと祖父母や両親の世代)が習った「身体髪膚これを父母に受く・・・」というあれは、孝経の教えで中国の経書の一つです。ですから、もちろん中国から来ていて、台湾の人たちもこの教えは知っているし、大事なものだと思っています。

ただ、感覚的にどうやら「ピアス、tattooなどの身体変工」はそれほどこの教えに違反することではなく、むしろ例えば自殺するとかそういうことを指して戒めている教えとして受け入れているようです。本家の中国大陸のほうではどういう解釈なのか、気になるところです

前置きはこれくらいにして、今月の頭に友人がいよいよ初めてのtattooを入れました。彼が初めてのtattooを入れる様子をビデオに撮って残しておきたいと言っていたので、私が撮影係としてついて行きました。
ちなみに、「なぜライオン?」という理由は彼のプライベートなことなので、割愛します。別に特に台湾でこの図柄が流行り、というわけではありません

日本では伝統的な手彫りという方法が今でも多少残っていますが、台湾ではたぶん全部機械彫りになっています。機械彫りのほうが手彫りより浅いので、痛さは少ないようです。(ただ、手彫りの方が色が長い間褪せないといわれていますが)

ここのtattooを施した彫り師がいうには、最近台湾のケーブルテレビで放映されている『Miami Ink』というテレビ番組の影響はかなり大きいそうです。日本でも見たことのある人がいるかもしれませんが、これはアメリカ・マイアミにあるとあるtattoo shopの番組で、毎週さまざまなお客さんがこのお店を訪れ、彼らがなぜtattooを彫りたいのか(「死んだ父(or母、兄弟)の面影を残したい」「死んだ恋人のために」などなど)を聞き、実際にそれをいかにうまく彫っていくのか、というプロセスを撮影したものです。ちなみに、このtattoo shopにはYojiという日本人スタッフもいて、なんだかいい味を出しています。




この『Miami Ink』の影響で、台湾の若者たちの間で、tattooがより身近に、あるいはアートなものとして認識されるようになった、ということですが、それでもやはりこの番組以前にそういう意識を受け入れる土壌がすでにあったということでしょう。

さすがにtattooにはまだ躊躇している私ですが、この記事を書いたせいか、なんとなく思い立って耳に二個目のピアスを開けました

日本と台湾のtattoo文化について

2008-03-20 | 台湾事情
総統選挙までいよいよあと二日!政治関係の事件やニュースが過熱気味の台湾ですが、今日はちょっとサブカルチャー「tattoo」について触れてみようと思います。

日本語においては、tattooは「入れ墨」(あるいは「刺青」)と「タトゥー」という言葉で、それぞれ裏家業のみなさんのそれと、ファッションのそれとを区別しているような気がします。最近では、特に若い人の世代では、ファッションとしてのワンポイントのタトゥーを入れる人が増えているようですが、それでも日本という国においてはそれは決して大多数ではありません。例えば、私の日本人の友達でタトゥーを入れている人、と考えてみてもたぶん皆無だと思いますし、私自身、日本にいるときにはtattooを入れてみようかと考えてみたことは一度もなかったような気がします。

谷崎の『刺青』はもちろん、吉本ばななの『とかげ』にしてもそうですが、日本におけるtattooはアメリカのようなあっけらかんとしたものではなく、なんとなくじめっとした「秘密」な感じがあります。

人類学において、tattooというのはなじみのテーマで、そもそもこの言葉も本来英語ではありません。tattooは、タヒチ語のtatuが英語に定着したものです。この「皮膚に刃物で傷を付けて色料を刷り込み、身体に永久的な刻印ないし文様を描く装飾技法」(『文化人類学事典』の「入れ墨」より)は、何千年も前から世界各地の民族によって行われていたもので、多くは通過儀礼として行われる行為でした。

台湾の先住民、タイヤル族はtattooの伝統があり、さらにそれを顔に施していたため特に有名です。タイヤル族の男性にとって、tattooは初めて首狩りを成就したときになされるいわば「勇猛な青年であることのシンボル」でした。また例えば階級社会のパイワン族のtattooは、その範囲や模様によって「平民・貴族・頭目」などの身分を表す役目もあったそうです。ただ、日本統治時代に、このtattooの習慣は首狩りなどの習俗とともに「野蛮さを表すもの」として禁止されました。
現在、特にタイヤル族において伝統的な模様のtattooをする人が増えているように思いますが、これは通過儀礼というよりはむしろ「自分の属する集団に対するアイデンティティ」の証のようです。下の写真は、台湾で女性としては初めて「伝統的な民族的tattooを復活させた」タイヤル族のtattooです。

(写真は「大紀元」の報道より。http://www.epochtimes.com/b5/8/3/3/n2030916.htm)

しかし、台湾において少しびっくりするのは、別に先住民ではなくても一般の人たちにtattooをする人がものすごく多いことです。日本においては、今はめったに考えることはないかもしれませんが、やはり特に私たちの親の世代では「身体髪膚これを父母に受く 敢えて毀傷せざるは孝の始めなり」という観念はまだ残っているでしょう。さらに「入れ墨」が刑罰として始まったこと、また一昔前まである特殊な職業のシンボルとして機能していたことから、ピアス(これも民族学の分類においてはtattooと同じ、身体変工の一つです。昔の中国の纏足なんかもこれの一種ですね)に比べて受け入れ度が低いように感じます。

台湾の人たちはこういう「親にもらった身体を傷つけるな」という考えがないのでしょうか?本当は、親しい友達がtattooを入れたことからそれを書こうと思ったのですが、前置きが激長くなり、力尽きました
続きはまた次便で・・・

今年の「二二八」

2008-02-29 | 台湾事情
今日は2月28日。いわば日本の「国民の祝日」に当たる日です。台湾では土日以外の休日というのがあまりないので(というか日本が異常に多いんですけど)ちょっとうれしい。でも、この日は「二二八事件」という大事件があった日で、多くの台湾の人々にとって感慨深い日です。知らない方もいるかも、と紹介することにしました。


「二二八事件」とは:
1947年2月27日、台北の街角で闇タバコを売っていた女性が取り締まりの役人にひどい暴力を受け、さらにそれを見て抗議した一般民衆に対して役人が暴行をふるったこと(この二十歳の青年は翌日死亡)から、台湾民衆の怒りが爆発。翌日は台北全域でストライキと抗議デモが行われる。この抗議運動は全国的に広がって行くが、これを鎮圧するために当時総統だった蒋介石が発砲命令を出したため、各地の一般市民が軍や警察に射殺され、台湾至上最も悲惨な大虐殺と言われる事件に発展した。この事件で殺害・処刑された人は十万人以上(!)と言われ、多くの人の財産も没収された。

この背景には、1945年に日本軍が引き揚げ、中国大陸からやって来た国民党政府と中国人(「外省人」)に対する積もり積もった不満があったといわれる。終戦当初、多くの台湾人は「日本軍がやっといなくなり、『祖国』に復帰した」と喜んでいたものの、国民党政府による政権においては、官僚(ほとんどが外省人)の腐敗が甚だしく、台湾の物価は高騰し、インフレによって企業は倒産という苦しい日々が始まる。つまり、二二八事件は、優遇措置を受け暴利を得ていた外省人と一般の台湾市民(本省人)の間の抗争だった。

約9ヶ月間を経て、二二八事件は集結したが、国民党政権にとっては「汚点」であり、この事件について語ることは長い間タブーとされていた。1980年代に民主化が進んでやっと二二八事件の真相を語ろうという気運が高まり、さらに総統李登輝が1995年に初めて政府を代表して事件の被害者に謝罪(この間約50年かかったわけです)。1996年に2月28日が「二二八記念日」という休日に制定された。


やれやれ、ちょっと長くなってしまいましたが、とにかくこの事件は台湾において今でも根強く残る「外省人と本省人の微妙な仲の悪さ」と「官僚・警察などに対する不信感」の象徴で、また「台湾独立」の兆しが生まれたきっかけでもあります。
こんなに大勢の犠牲者を出した事件が長い間語ることをタブーとされ、ある意味黙殺されていた(だって二二八事件が学校の教科書に載るようになったのは1990年以降ですよ)というのは本当にびっくりです。

日本でもカルト的な人気がある『悲情城市』(1989)はこの二二八事件を題材とした作品で、まだ事件を語ることがタブーだった当時こういう映画を撮ることはかなりの挑戦だったはず。
今日はこの映画をじっくり見直してみようかな~と思っています。

また、今年は来月に総統選挙を控えているので、国民党を相手に戦う民進党の候補は今日、大々的なデモを行い「二二八を忘れるな」という感じです。公に語られるようになった今、逆に利用されるようになった感もなきにしもあらず、ですかね。

台湾の「小正月」

2008-02-22 | 台湾事情
昨日は旧暦の一月十五日、日本では新暦ですが「小正月」と呼んでどんど焼きなんかをする日ですよね。台湾では、この日は「元宵節」と呼び、白玉団子のようなものを食べます。このお団子(というかこのお団子を使った料理も)、一般的には湯圓(タンユェン)と呼ぶのですが、元宵節に限ってはこのお団子のことも「元宵」(ユェンシャオ)とも呼びます。

このお団子には中に何も入ってない小さめのもの、中にお肉が入っているもの、さらに中にゴマあんなどの入っているものがあり、甘いスープにも普通のおかずのようなスープにもなります。私は甘いのが苦手なので、昨日はお肉の入ったお団子を使って、おかずスープを作り、お昼ご飯に頂きました。このスープには必ず、日本の春菊のような独特の香りのある野菜を入れます。

また、私が時々調査で行っている集集を初めとして、台湾では各地でお正月期間に「燈会」が催されています。日本でも長崎では「ランタンフェスティバル」がありますが、あれと同じです。


この写真は去年のものなので、メインのランタンがブタさんです(シシ年なので)。元宵節は、お正月期間が正式に終わる日なので、このようなお祭りもだいたいこの日で終わりとなります。
もちろん、日常生活的にはとっくに会社や学校も始まっていて、「お正月気分」は終わっているのですが、元宵節を迎えると「あーお正月も終わっちゃったなー」とちょっと寂しい気分になりますね

新年快楽!!

2008-02-07 | 台湾事情
今日は旧暦の一月一日、旧正月の元日です。
私にとっては今年二度目の「明けましておめでとう」です。
昨夜は大晦日で近所の爆竹がうるさくてなかなか眠れませんでした。

さて、写真は今年のうちの「春聯」です。お正月には日本で門松を立てるように(って今はあんまりみなさん立てませんねぇ・・・)おうちのドアの外につけるのです。もっと伝統的な春聯は字が書いてあるもので、例えばこんなの↓


これはうちのお向かいさんのドアの上を勝手に激写したものですが、なかなか素敵で気に入っています。意味は「花鳥忘機=みんな時間を忘れるほどのんびりしたさま」「日満簾=太陽の光がいっぱい差し込んでカーテンを照らしているさま」という感じで、なんかお正月チックにめでたい感じじゃないですか

こういう春聯は、日本のお正月用品同様どこでも売っているのですが、もちろん自分で書く人もいます。なかなか味のある字やちょっとお店では売ってないような変わったことを書いた人の家の春聯を見ながら歩くのも楽しいものです。

私はなんとなく「干支」の入ったのが好きなので、いつも行くお正月用品屋さんで、先生にその場で書いてもらいます。この先生、けっこうなお年なのですが、書く絵柄が妙に可愛い系で私のツボにはまっています。ちなみに去年の春聯はこれ↓


日本ではシシ年はイノシシですが、こちらではブタなんですよねぇ。
今年も良い年でありますように!

台湾選挙事情

2008-01-13 | 台湾事情
日本でもかなり大きく報道されているようなのでご存知の方も多いと思いますが、昨日台湾では大きな選挙がありました。これは「立法委員」を決める選挙で、日本の国会議員に当たります。

普段でも選挙となるとわりと大騒ぎの台湾ですが、今回の選挙はさらに過熱気味。なぜかというと、今年は3月22日に総統選を控えているため、この立法委員選が総統選の行方を占う前哨戦になるからなのです。例えば、アメリカ映画界のアカデミー賞の前のゴールデン・グローブ賞のようなものです。(違うかも)

簡単に紹介すると、台湾の二大政党は以下の通り。
 国民党:外省人(日本統治終了後に移民して来た中国人)系、中国共産党寄り、イメージカラーは青色。
 民進党:本省人系、台湾独立派、イメージカラーは緑色。

もちろん外国人である私には投票権などはないので、「民進党苦戦しそうだなー」と高みの見物を決め込んでいたのですが、ふたを開けてみると、全113議席のうち、国民党81議席、民進党27議席、と国民党が三分の二以上を占める圧勝でした。
これまでは、一般に「北藍南緑」といわれるように、民進党の地盤はローカル色が強く、陳水扁さんの故郷でもある南部でしたが、今回の立法委員選では国民党は南部でも勝利を収め、ここ10年間の南北の政党基盤の均衡も揺らいでいるようです。
現総統の陳水扁さんは、「民進党創立以来の惨敗」の責任を取り、民進党主席を辞任してしまいました。まぁそりゃあそうでしょうねぇ。

さて、懸案の総統選ですが、台湾の総統選はアメリカの大統領選のように、総統候補と副総統候補がペアでタッグを組んで選挙に挑みます(2000年には女性の呂秀蓮さんを副総統候補にした陳水扁さんが国民党に打ち勝ったわけです)。
民進党の謝・蘇ペアはこんな人たちですが、


この立法委員選を見た限りでは、総統選はもはや絶望的といえるかもしれませんねぇ。

ちなみにすでに勝ち組になりつつある国民党の馬・蕭ペアはこんな感じ。


蕭萬長さんの写真が見当たらなかったのですが、ともかくこのペアは男前の馬英九さんがメインなので、あまり問題ないです
台湾の議員さんたちはなぜか「地方の名士」というよりはむしろ「地方のシマを牛耳ってる親分?」みたいな人が多いのですが、この馬英九さんは良いお家で培養されたインテリっぽい感じで、声を荒げたりすることもほとんど見たことがありません。この紳士っぽい感じが台湾女性のハートをがっちりつかんでいるようです。

前回の総統選(2004年)では陳水扁さんが銃撃され、ちょっと前なら戒厳令が出そうな勢いの騒ぎになったのですが、今回の総統選、どうなるのでしょうか。

水を汲む人たち

2007-12-12 | 台湾事情
久しぶりの更新になってしまいました。
台湾は少し前まで寒波の影響で、かなり寒かったのですが、今はまた暖かくなって「12月??」という感じです。今日もとてもお天気が良くて、20度以上ありました。

さて、現在私の住んでいる台北県汐止市というところはかなり山が近く、台北市に比べはるかにのんびりしたところなのですが、最近その近くの山でお水を汲んでいる人がけっこうたくさんいることに気がつきました。
特に「○○の名水」とか書いてあるわけではありませんが、山肌からちょろちょろ流れ落ちる水を簡単なパイプで受け止めてみんなが水を汲みやすいようにしてあるところが何カ所もあります。

台湾は日本に比べ、水道水の状況があまり好ましくないので、基本的にみんな水道水を飲むのをかなり嫌っています。実際いかにも身体に悪そうな味がします
日本でもこういう自然のお水というのを好む人は多いでしょうが、こちらではもっと需要が高いような気がします。

そこで、私も今日の午後さっそく水タンクを購入し、汲みに行ってみました~
平日の昼間なのに、けっこうお水を汲んでいる人がたくさんいて、空いてる水汲み場を見つけるのに多少手間取りましたが、良いところを発見。
私と一緒に行ってくれたお友達、それぞれ30リットルの水タンクにたっぷり山のお水を汲みました!流れているのを少しそのまま飲んでみましたが、おいしい~これで、ご飯を炊いたり、コーヒーを入れたりするのが楽しみになりました。

ところで、この写真のおじさん、めっちゃいっぱい汲んでいたのですが、これ、個人の量ですか?もしかして、お客さんのかわりにお水を汲んであげて、配達してくれる「お水屋さん」とかかも?と思ってしまいました。