散歩と俳句。ときどき料理と映画。

カブトムシ

めずらしくツレアイがその辺を散歩したいという。
大栗川と大井川が合流する地点の大栗川公園まで行くことにした。
この炎天下では遠出はムリだ。

川沿いの遊歩道を歩くと小さなバッタが草むらに跳ねているし、
赤とんぼも飛んで、秋の気配も感じられるがやはりまだ暑い。
大栗川公園は狭い公園であっけなく一回り。

橋に戻ると、ワタシたちの前に止まったクルマから、
二人の青年が降りてきた。
手に小さな枝切をもっている。
その先に大きなカブトムシがしがみついている。

カブトムシだね、と声をかけると
「すぐそこで拾ったんだけど逃してやろうかと」
「よかったらあげます」とのことなので
「じゃワタシが逃しておくね」とあずかった。
公園に戻り、しばらく手に持ったり
Tシャツの上を這わせたりして遊ぶ。

驚くほど力強い。
大きな樹の茂みに放してやると、
枝をしっかり摑んで奥に消えていった。
カブトムシを触るのは久しぶりだ。

このサイズはなかなか立派。

爪が食い込んでけっこう痛い。

茂みの奥に姿を消した。

カブトムシの寿命は幼虫のころを含めると
12ヶ月〜15ヶ月で、成虫になってからは1ヶ月から3ヶ月と短い。
あの頑丈な体でもそのくらいの寿命しかないのかと
悲しい気持ちにもなるがしかたないことである。

カブトムシといえば「武蔵丸」という車谷長吉の小説を思い出す。
車谷長吉は解凍済みの生のイカを丸呑みして窒息死。
悲しくもある意味滑稽だが、ヒトの死を滑稽だと言うてはいかん。
だがヒトはもともと滑稽な存在である。

やはりカブトムシやクワガタムシは
子どもたちのヒーローなのだなと思ったりした。

くろがねの甲虫死して掌に軽し   橋本多佳子
しぶとかるべしこの兜虫声出さば  加藤秋邨
ダリヤ濡れ童話の中の甲虫     橋閒石
甲蟲たたかへば地の焦げくさし   富澤赤黄男

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