背の汗を冷やす木陰や夏の風
葉桜に明日への願い託すかな
赤トンボ惑う粘暑や秋の風
秋さりてトンボ戸惑う残暑かな
ガラス越し雲行く空の秋遠し
ガラス越し暑さ忘れば秋の雲
いわし雲熱き地上を見下ろすや
神無月仏の慈悲もなき暑さ
背の汗を冷やす木陰や夏の風
葉桜に明日への願い託すかな
赤トンボ惑う粘暑や秋の風
秋さりてトンボ戸惑う残暑かな
ガラス越し雲行く空の秋遠し
ガラス越し暑さ忘れば秋の雲
いわし雲熱き地上を見下ろすや
神無月仏の慈悲もなき暑さ
蕾をば花と見なして花見かな
色づけば桜あるらし山の陰
色づけば桜ありけり山の肌
春遅し急ぎ色づく桜かな
雨粒や花それぞれに雪柳
雨の中桜どうしの会話かな
雨降れば話の弾む桜かな
石垣にかかる藤花のたくましき
石垣にかかりて落ちず藤の花
可憐なる花で作るやカリンの実
君愛でるいとまもなくて春落葉
アオサギや時の止まりし水辺かな
木洩れ日や君の面影のごと揺れる
木漏れ陽や君の面影揺らぎおり
誰か待つ葉桜涼し木陰かな
葉桜の涼しき木陰に人はなく
葉桜や君を待つ日の風涼し
君を待つ葉桜涼し木陰かな
平行線無数につくる松新芽
君ゆきし季節を知るや雪柳
マスク美人花粉とともに増えにけり
再挑戦誓いて飲めば春霞
ゆき行きて黄昏明かし雪柳
エドヒガン比べて近し同級生
外堀に寒月落ちて揺らぎおり *
外堀に寒月伸びて漂えり
節分や公園緩むビルの風
節分の公園緩むビルの風 *
発電所昇る煙や冬の空
水鳥の固まり泳ぐ春嵐
友逝きて浮島なるや友ヶ島
友逝きて友ヶ島浮く冬の海
ちぎれ雲去りて広がる春の空
乱れ雲虹が架かりて春を呼ぶ
春の陽を待つ海凪に輝きて
春の陽を待つ凪の海輝きて
春の陽を待つ海なべて凪となり
海なべて春の陽を待つ凪となり
未解禁手持ち無沙汰のイカナゴ船
マスク美人増えるコロナ禍花粉症
花粉症マスク美人を増やすかな
コロナ過ぎてマスク美人の花粉症
車中スマホする人なくて震災忌
すずかけの果てなき黄葉の道をゆく
すずかけの黄葉の道は果てしなし
ひとひらの紅葉何かを問うごとく *
里山の錦まといて暖かし *
すずかけの黄葉降り積む師走かな