バッファローとエアーステーション

「バッファローどうにかして」って父に言われて、混乱してしまいました。バッファローってなんだろう……。これのこと？　バッファローがその辺にでも出没したのかと心配になって、聞き返しちゃいました。

「なにそれ」
「バッファロー！」
　いやいや、そんな繰り返されても。「いいからすぐきて」と続けざまに言われて、僕は父の後を追っていったのです。

「これなんだけど。ネットに繋がらないんだわ」
　ああ、これがバッファローの正体か。バッファローとは無線アダプタのことでした。バッファローのように突進力があるネットサーフィンができるってことなんでしょうね。で、父さん、この前新しいパソコンを買ったみたいなのですが、ネットに接続できないらしい。従業員さんからは、「これだけあれば大丈夫です」って言われて一枚のバッファローを手渡されたみたいです。牛もらってどないすんや！　って突っ込みをいれたくなりましたが、大丈夫、バッファローは健全な牛で、狂牛病の疑いはないようです。

どうしてパソコンの素人さんは落ち着きがないんでしょうね。父さん、ソフトをインストールしている最中だったんですが、もうあれやこれやいいすぎで、わけがわかりません。「なんでできんの！？」「遅いわー！」とかいって、「キャンセル」を押して、再度インストールするはめに。いやいや、そこはまってください。

「エアーステーションがないとだめかもしれん」だそうです。エアーステーションっていう機器が別に必要らしいです。バッファローにもエアステーションと書かれていたので、こいつ、粋な名前をつけやがって！　とちょっと憤りましたが、どうも別のエアーステーションのことらしい。パソコンの細かい設定は大嫌いなので、僕はもうバッファローを二階の窓を開けて外にほうり投げたい気持ちに駆られましたが、そこは抑えておきました。

んもう。初心者ガイドっていうのがあって、そこで説明動画がみれるんだけど、やっぱり別売りのエアーステーションってのがいるらしい。約したら「空の駅」か。空中に駅つくってどないすんねや！

なぜだかわかりませんが、エアーステーションがないので、僕のパソコンの無線アダプタを引っこ抜いてきて、無理やりニューパソコン君に接続しましたが、やっぱりエラーがでました。「こっちの穴かもしれん！」って言いながらいろいろな穴に入れましたからね。「こっちの穴ちゃう！　上の穴かもしれん！」って次々と穴に差し込んでいきました。

んわー。やっぱりエアーステーションがいるんだ。一万円もするんだけど、父さんは明日にでもさっそく買ってくるのかもしれないな。ネットができるようになったら、まっさきにエロいサイトにいくんだろうなあ。じゃあまた。