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李陵・山月記~中島敦

2006-03-27 | 読書ノート
李陵・山月記

新潮社

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今日は、シブイ渋い本のお話です。
息子(この春より高二)の春休みの課題図書の一冊に
中島敦著作の「李陵・山月記」が指定されています。
中島敦?誰?それ?・・という感じで
お恥ずかしいことですが、
私は今の今までそのような作家さんを知らず・・
新潮文庫から出版されている、めっちゃ渋い感じの表紙の文庫本を
手にしたのです。

まず1行読んで「?」
2行読んで「??」
頑張って3行読んで「???」
なんじゃこれ?さっぱりわからん?
というか、これって何語?
古典でもなく、漢文でもなく、かといって現代文でもなさげ・・。
それにしても、1行読んで挫折しそうな本
・・ちゅーのも生まれて初めてだワ。

結構本好きの私でも、数秒で嫌気がさすぐらいなので
本嫌いの息子はますますテンションが急降下。
本離れ傾向の高校生にこんな本を読め!という国語教師もどうかしている。

これじゃ、さらに本嫌いが進むー!

どうせなら、なんでもいいから興味を持った本を一冊読んで感想を述べよ!
という方が、それをきっかけに本を読み始めるかもしれない。
どうしても指定したかったら「国家の品格」(藤原正彦)などいかがなもんでしょう?
(誰に提案しているの??)
とても読みやすいし、今の日本に欠けているものや
日本古来の伝統や日本人として、どのように世界と関わっていくかということが
とてもわかりやすく書かれているので、私はお勧め♪

それはさておき・・ちょっと話はそれてしまったけど、
最初に戻って、「李陵・山月記」のお話。
今度は夫がパラパラめくって、
「注釈を参考にしながら、読めば良いんじゃない?」と提案。

ふんふん、注釈ね・・。

文末の注釈を見ていくと、なんと、この本の3分の1ぐらいが注釈なの。
つまり、文章の言葉の中ににたくさんアスタリスクマーク「*」があって、
その*マークにそれぞれ注釈が文末に書かれているわけ。
それを交互に目を忙しく動かしながら、読んでいくと
話の内容がわかってきた!
要するに「訳がわからない!」と理解できなかったのは、
古代中国の地名であったり、中国独特の言い回しやことわざ
ものの名前だったのです。
そこさえ説明してもらえば、話はとてもわかりやすく、
むしろおもしろい!
いろいろな事が奥深く象徴されているような
寓話っぽい感じの話でした。

なんでもそうだけど、最初の思いこみで「ダメだ」と早くにあきらめてしまうのではなく、
ちょっと見方を変えたり、やり方を違えてみる
思わぬ解決法が見つかったりするものですよね。
今回で言うと、最初なんだかわからない難解そうな?文章が
注釈を交互に見ていくと、
モヤがかかった空がすっきりと晴れ渡るように
内容を把握することができました。
なんだかそれがすごく嬉しい!と思った私でした。

息子?息子はまだ読んでいません。
どーするんでしょう、この本との対決!