北欧デンマークおばさんの独りごちブロ

「住み慣れた地域で最期まで」をテーマにデンマーク高齢者福祉を研究し、世界のこと・日本のことを独りごちっています。

つどい場さくらちゃんの「介護教室」

2008-09-01 | 地域
9月に突入。
セミの鳴き声が、虫の音に変わり、
季節は秋へとまっしぐら、である。

ひさしぶりに、「つどい場さくらちゃん」主催による
安永道夫さんの介護教室に参加してきた。

介護職員の方や家族を介護されている方が中心に50名以上
集まって、勉強会を継続している。
わざわざ北海道から、来てくださっている。

「介護の職人」というほどに、お年よりの気持を大事にしつつ、
医学的根拠に基づいた介護をされている方である。

昨日の講義は「排泄(尿)」であり、
「排尿管理さえしっかりすれば、オムツはとれる」ということを
ご自身の老健「ほのか」で実践されている。

ところが、、、

つどい場さくらちゃんには、家族介護者の方が多く集まっておられるが、
ショートで泊まった場合など、すぐにオムツをつけられたり、
パッドをあてられたりしてしまうのだそうだ。

恥ずかしながら、そうした現実を知らなかっただけに、
驚いてしまったのだが、施設の都合を優先したケアが今なお
当然のこととして行われている、ということなのだ。

そうした現実に怒りを感じつつも、
お年よりの立場に立った介護を学んでいこうというのが
この勉強会の趣旨である。

私は「介護」という言葉が大嫌いであるが、
基礎を知ることは何事においても大切なことだと思って、
この勉強会には参加させてもらっている。

昨日は「排泄(尿)」についてであったが、
尿失禁にはいろいろな種類があることは知っていたが、
介護現場では、それらを見分ける力量が介護職員には必要である。
「十分に、僕らでワカル」とのこと。

そうした力量が重要だということであった。
なるほど、私は、やたらと精神面の話を強調したがるが、
身体に関わる、こうした重要なことをあまりにも知らなさすぎると
思った。

尿失禁の種類を見分けるマニュアルとして、
「愛知県排尿管理マニュアル」がインターネットで公開されているので、
参考にすればいいとのこと。

http://www.pref.aichi.jp/0000000015.html

社会福祉士の現場実習でがんばる学生さんの支援をしているが、
彼らは、介護についての知識はほとんどない。
求められていないし、私自身、その必要を感じていなかった。

介護概論では、たしか、「尿失禁の種類」までは教えてないだろうし、
その見分け方になんか、まず触れないだろう。

最後には、「おなかすっきり体操」という尿失禁防止体操をして、
お開きとなった。

「体操で防ぐ尿失禁」は、NHK福祉ネットワークでも紹介されていました。
http://www.nhk.or.jp/heart-net/fnet/arch/thu/30501.html


身体的側面、精神的側面、社会的側面。
最近では、霊的側面など、、、、バランスのとれたアプローチが必要である。

この勉強会に参加すると、「身体」についての知識が浅いことに
気づかされる。

「つどい場さくらちゃん」では、9月23日、関西学院大学にて、
「かいご学会in 西宮」を開催します。
か=介護、い=医療、ごーご近所をテーマにしたフォーラムです。
三次春樹をはじめ、松本一生先生など、一度は話を聞いてみたい!
という講師陣、、、というよりも、当事者やご家族も参加して
言いたいこと言って、考えるのがこの「学会?」の醍醐味です。

お近くの方も、遠くの方も、是非いらしてくださいね。

http://www.geocities.jp/tsudoiba_sakurachan/

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4 コメント

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気付かされます (又佐)
2008-09-01 20:14:09
寝返りを自分で意識したことがありますか、とたずねると、ほとんど「ありません」と返事が返ってきます。寝返りの介助をするのに、意識してその動きを感じたことがないというが、まだまだ実態なのかもしれません。知っている、そして、それが「できる」、そしてその人に合った方法でが、目指すところかもしれませんね。
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コメントありがとうございます (デンばあ)
2008-09-02 08:37:36
拝啓 又佐さま

コメントありがとうございます。
知っている、できる、その人に合った方法で、
ですね。

介護技術までしっかり学ぶことができていませんが、「わかったつもり」になりがちです。
このつもりが一番こわいと思います。

三好春樹の「新しい介護」などを見ていますが、「知識」は、それこそ身体に入っていきません。

いろいろと教えていただけるとうれしいです。
ありがとうございました。
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つどい場さくらちゃんのか・い・ご (はりばぁば)
2008-09-28 05:44:04
 9月23日、参加してきました。行ってよかった。いかに私は『井の中の蛙』であったかと、軽いめまいを覚えました。三好春樹氏、安永道生氏はじめ認知症専門医、つどい場の丸尾多重子さんの心意気にふれて。
 向う三軒両隣のご縁が希薄で親類縁者の支持を期待できない昨今、介護支援・介護予防の組織造り、活動、その認識がいかに大切か。
 それなのに、介護の現場で疲れ果て、肩や腕・足腰を傷めて不平不満のヘルパーさん。
 下町の小さな鍼灸院で、この制度の行き先に暗澹たる気持ちになっていましたが、「この人たちの健康を護らせてもらわな、私らの値打ち無いやん」と、遅れ馳せながら目からウロコ。
 駕篭に乗る人担ぐ人、そのまた草鞋をつくるひと。お一人おひとりに合わせた草鞋、作りまくらせて頂きます。
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ご参加、ありがとうございました (デンばあ)
2008-09-29 10:16:52
拝啓 はりばぁばさま

お久しぶりです!
毎度、コメントをありがとうございました。

また、9月23日のつどい場さくらちゃん主催による「かいご学会」in 関西学院大学
にご参加くださいまして、ありがとうございました。

介護者の生の声を中心に構成されているセミナーなので、私自身、たいへん勉強になりました。

おいおい、このブログでも伝えていきたいと思っています。
駕籠に乗る人かつぐ人、そのまた草鞋をつくるひと、、、人それぞれに役割があるのですね。私も、一人ひとりの利用者、ご家族の声にもっともっと密着した学びを積み上げていきたいと思っています。
これからも、よろしくお願い申し上げます。
ご参加、本当にありがとうございました。
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