北欧デンマークおばさんの独りごちブロ

「住み慣れた地域で最期まで」をテーマにデンマーク高齢者福祉を研究し、世界のこと・日本のことを独りごちっています。

認知症の出歩き

2008-05-20 | 地域
日曜日の10:05から「ご近所の底力」をやっておりますが、
先日の番組で、「認知症とつきあえる町N市」として
わが町が紹介されました。

さらに!

そこに登場していたのが、つどい場さくらちゃんであり、
わが愛するMちゃんが主催するつどい場なのでありました。

認知症の方が徘徊をしてご家族が困り果てておられる
という話は、地域包括支援センターに多く寄せられています。
しかし、今、この問題は決定的な解決の方法がなく、
適切な助言ができない状態でもあるのです。

しかし!

さくらちゃんでは、「どんどん一緒に出歩いてみよう!」と
介護経験のある家族たちが、みんなで考えて
そのようなアイデアをひねり出し、
頭を抱え込むのではなく、
「出歩きたいのには理由がある」
だから、それにじっくりと寄り添うじゃないか。
と、発想するのです。

困った時のさくらちゃん頼みで、
いろいろな相談が寄せられ、それを
「困ったことですね。でも、解決策がありません」
ではなく、介護で苦労されたご家族たちがアイデアを
搾り出して、いろいろな支援策を講じていきます。

「見守りタイ」というグループは、
一時も目をはなすことができない家族にかわって、
一日の数時間、認知症のお年寄りを見守るために、出動します。
そのあいだ、家族は外出でき、介護のストレスから
開放されることができるのです。

いろいろな相談が寄せられ、
相談に来た方は、聞いてもらえただけで救われ、
元気になってかえっていって、
いろいろな方法で、新しい気持で、再スタートを
切ります。

地域包括支援センターは「できません」と言えても、
家族は介護を放棄することはできない。

家族のお世話を「他人ごと」として、やっているのではなく、
逃れられない「当事者ごと」として、、、やっておられるのです。

「他人ごと」と「当事者ごと」の違いは、
「すみません」で逃れられるかどうかの違い。
でも、「逃げられる」時間を日をつくらないと
やっていけないのも事実です。

「当事者ごと」として、行動ができるさくらちゃんのような
活動が、もっともっと広がればいいのに、、、、
デンばあも、もっともっとコミットしていかなくちゃ、
と思っています。

デンマーク人の「連帯」意識も、
こんな「当事者ごと」意識が根底にあるんでしょうね。

ちなみに、デンマークでは、
グループホームに暮らしているお年よりのために、
「私は○○に住んでいます。迷っていたら、電話してください」
と、ホームの電話番号を書いたバッジが用意されています。
出歩き(徘徊)が大好きなおばあちゃんは、帽子の横に
かっこよくこのバッジをつけていたりします。

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2 コメント

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私も見ました、『ご近所の底じから』 (ms.koba)
2008-05-23 10:44:06
昔の「向う三軒両隣」を意識的に再構築していくのですね。いじめの問題、医療機関受診の心得などと併せて、認知症問題も学校教育に取り入れるくらいしないと、間に合わないのではないでしょうか。

前回、早速お返事頂き、恐縮しています。当方、ダサい鍼灸おばちゃん「はりばぁば」です。
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またまた御礼 (デンばあ)
2008-05-24 08:43:21
拝啓 ms.koba さま

再度のお立ち寄り、心より御礼申し上げます。
そうですよねえ。
デンばあも、お隣近所とは仲良くしていたつもりですが、みなさん引っ越されてしまいました。

認知症になってお散歩してしていても、
「あ!○○さんちのばあちゃんだ!知らせてあげよう」というような、ご近所同士の関係があると認知症になっても自宅で暮らすことはそれほど大変なことはないと思うのです。
おっしゃるとおり、子供の問題や医療の問題も身の周りから考えて生きたいですよね。
基調なコメントをありがとうございました!
「はりばあば」とは、素敵ですね。
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