
■餘部駅 餘部橋梁■
餘部駅へ到着。
嫌な予感は的中…。
ホームには人、人、人、たくさんの人! とんでもない人数。
餘部は本来無人駅で、いない筈の駅員が何人もいるだけでなく
警察官までいる!
なんてこった…です。
ここまでのお祭りになっているとは。リサーチ不足…、失敗です(^^;)
とは言え人は多いものの、混乱は無く、何とかなりそうな雰囲気。
もうじき特急が餘部橋梁を通過するので撮影ポイントとして有名な
餘部駅上の展望台へ上ってみます。
展望台も鈴なりの人です。
案外行儀がいいのは意外でもあります。
何とかポジションが確保できたところで列車がやってきました。
JR職員が笛を吹き鳴らし、注意の放送が流れます。
そして列車が鉄橋に差し掛かると
周囲から一斉に"シャッターシャワー"が浴びせられます。
私もここぞとばかりシャッターを押しまくります。
何とか老雄・特急はまかぜ号が餘部橋梁を渡る姿を
カメラに収めることができました。
鉄道ファンにもいろんな種類がいて、乗るのが好きな「乗り鉄」や
模型が好きな「模型鉄」 切符やグッズ集めが好きな「収集鉄」など
たくさんの種類がありますが、
当然のように撮るのが好きな「撮る鉄」という方々もいらっしゃいます。
撮る鉄の方はこの後も撮影を続けるようであまり動きがありませんが
ツアーや一般の方々は列車が去れば動き始めます。
餘部の鉄橋は何度も渡りましたが、まじまじと見るのは
今回が初めての私です。
私も展望台を降りて、鉄橋見物に行くことにしました。
おそらく雨天時には下ること自体が大変そうな
山道を下っていきます。
この道が駅に通じる公的な道なんだそうです。
これでは高齢者の方はなかなか利用できないでしょうね。
下りながら木立の向こうに鉄橋を眺めます。何て大きな鉄橋なんでしょう。
老朽化や天候による運行障害など課題があるとは聞いていますが
これを壊してしまうというのは勿体無い気もしますです。
”山道”の登り始めには立て札がありました。
「餘部駅 この先道なりに徒歩5分」
確かに5分は必ずかかりそうです。
下から見上げるとさらに立派な餘部橋梁です。
橋桁もそうですけれど、橋脚(トレッスル)の何と立派なこと。
ぐるりと橋のふもとを回って、海沿いの方にも回ってみました。
いい眺め…と思われるところを見つけました。
ここでもう一本列車を撮っていこう…。
川があって、それが海に注ぐ間近のところです。
人は多いし、賑やかだけれど雰囲気は和やかです。
親に連れてこられた子供たちは鉄橋そっちのけで水遊びをしています。
今日は暖かいからちょっと水に濡れても大丈夫でしょう。
ちょっと風が強いですけれどね。
架け替え、取り壊しなどという言葉から、もっと悲壮感みたいなものが
あるのかと思っていたけれど
橋もこれだけ賑やかにしてもらえればむしろ幸せなんじゃないだろうか…。
隣に来た人とちょっとお話。
どうやら次に来るのはあのイベント列車「おもいでのあまるべ」号らしいです。
今の鉄橋が健在のうちにもう一度ここに来ることができるかは分かりません。
それに工事はもうスタートしています。
餘部橋梁のこの姿をもう一度見る機会はおそらく無いでしょう
まさか餘部鉄橋で見上げる最後の列車が客車列車だというのも
不思議な気がします。
予定よりちょっと遅れて列車がやってきました。
「ピーッ!」という機関車の汽笛が谷あいによく通ります。
列車が来たのに合わせるように曇った空からも薄日が差してきました。
ゆっくりゆっくり列車は餘部橋梁を渡っていきます。
周りから一斉にシャッターの音、カメラを持たぬ人は皆鉄橋を見上げます。
私も何度かシャッターを切り、そのあと列車を見上げました。
列車に乗ってる人が手を振っていました。
こっちからも大きく手を振り返します。
列車はゆっくりと京都方のトンネルに消えていきました。