アンコウ物語

徒然なるままに

デフレの原因

2012-12-22 12:29:10 | 経済

12月19日の朝日新聞の「経済気象台」欄に重要なことが書かれている。
内容を要約すると以下の通り。

ー quote ー

今日の日本では思い切った金融緩和策によってデフレ退治をしようという対処法が
書かれているが、これはデフレの正体を誤謬したもので、有害無益だ。日本のデフレは
1998年あたりから始まり、以来14年間で消費者物価は3.6%の下落に留まり安定して
いたのに対し資本や労働と言う生産要素の価格を示すGDPデフレーターは17%下落
している。この間、資本の取り分である経常利益は63%増加したのに対し、労働の取り分、
雇用者報酬が12%も下落したのが大きい。輸出は円高でも25%拡大したのに対し、
国内民間需要は9%減少した。これはデフレのスパイラルではない。企業が競争力を
確保するために人件費を圧縮し、これが個人需要の大きな減退をもたらした。つまり、
金融緩和が不十分で流動性が足りず、円高でデフレになったのではなく、大幅な賃金
カットを進めたところにデフレの正体がある。』

ー unquote ー

個人消費の減少は賃金カットだけではなく、労働環境の激変、即ち、正規雇用者の大幅な
減少により、国民全体の可処分所得が減り、消費性向が低下したことが原因である。然るに、
経団連は「今後、更なる人件費のカットを行う」と言明している。これでは益々、個人消費が
減少し景気の更なる低迷を招く。つまりは巡り巡って企業の経営は悪化する。こんな単純な
ことが分からぬ企業人が増えたことが嘆かわしい。更に比較的消費行動につながる資産を
持つ高齢者は、不透明な将来を危惧してものを買うことはしない。政治に対する閉塞感も
デフレの一因である。

自民党安倍総裁は「日本銀行の輪転機をグルグル回してお札を刷らせ 大胆な金融緩和を
無制限で行う」、「2%のインフレターゲット」などとしきりに公言しているが、この方法ではデフレ
対策にはならない。金融緩和しても需要が低迷しているので企業は銀行から資金を借り入れ
設備投資をすることはない。自民党の新政権は有識者の意見を取り入れ政策を実行すべき
である。



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