ヤマヒデの沖縄便りⅣ 歩き続けて 歩き続ける 再び

「基地の島」沖縄を歩き続け34年、気ままに綴ります。自然観察大好き。琉球諸島を戦場に据える「島嶼防衛」は愚の骨頂。
 

この国は、迷走の果てに何処に向かうのか?私たちが進むべき道を考える(20210508)

2021年05月08日 | 考え直すために

 この国の迷走ぶりが止まらない。コロナ禍が悪化しているにもかかわらず、オリンピック強行の姿勢を変えていない菅政権。入国管理施設内で死亡事故が多発しながら検証せず、入管法改悪を目指す菅政権。

 高齢者(75歳以上)の医療費自己負担を1割から2割に引きあげる改悪を目指す菅政権。あれだけの事故にもかかわらず、原発再稼働に踏み込む菅政権。台湾有事を引き合いに米国の指揮下での戦争に邁進する体制を進める菅政権。沖縄の民意を無視し、そうした基地群の建設に邁進している菅政権。沖縄を再び戦場に叩き込むつもりのようだ。こうした混乱状態を悪用して改憲に突き進む菅政権。

 こうした迷走の果てに、私たちは鴻毛のごとく扱われ、殺されていくだろう。私は2013年の夏にこうしたことを予感し警告したが、ほぼ予想通りの展開になってきた。当時は「戦前回帰」とみたが、もっと酷いことかも知れない。政権に対する立法と司法の民主的統制(3権分立)が外され、行政権が肥大している。そもそも「国民主権」が窒息させられている。

 マスメディアの凋落ぶりも酷すぎる。「王様は裸だ」と言えるメディアがない。この国に残された道は、ほぼ自滅しかなくなってきた。誠に残念だ。だが唯一残されているとしたら、あちこちから、「私たちが主権者」だと声をあげることだろう。あげ続けることだろう。オリンピック反対も原発反対も、基地建設反対も、入管法改悪反対も、消費税下げろも。主権者は私たちなのだ。主権者である私たちが諦めたらオシマイだ。

 もう一度確認しておこう。内閣法にこうある。内閣法第1条[職権、連帯責任]「内閣は、国民主権の理念にのっとり、日本国憲法第73条その他日本国憲法に定める職権を行う」と。しかしここに重大な疑問がある。歴代自民党政権・自公政権は、「国民主権」を如何に心得てきたのだろうか。ことばだけで疎んじてきたのではないのか。「国民」に、在留外国人は含まれていない。私たちも、「国民」の周辺への留意を怠ってきたのではないか。第14条の[法の下の平等]も「全て国民は」に限られている。「日本国民」による沖縄差別も、この延長上にあるのではないのか。

 冒頭に述べたような根崩れは、日本国憲法にあるのではないのか。今更だが、今だから考えるべき事だろう。「朕は、日本国民の総意に基づいて、新日本建設の礎が、定まるに至ったことを、深く喜び、枢密顧問の諮詢及び帝国憲法第73条による帝国議会の議決を経た帝国憲法の改正を裁可し、ここにこれを公布せしめる。/御名御璽/昭和21年(1946年-引用者註)11月3日 内閣総理大臣吉田茂以下の国務大臣連名」となっている。天皇が裁可し、大日本帝国憲法の手続き通り、「改正」されたのだ。権力者が下々に授けた(押しつけた)欽定憲法は、民主的変貌を遂げながら、やはり時の米日の権力者が定めたのだ。

 日本国憲法前文は、①国民主権を謳い、②恒久平和を誓い、③対等平等な国際関係を、めざしている。しかし本文第1章は天皇であり、第1条に[天皇の地位、国民主権]とあり「天皇は日本国の象徴であり、日本国民統合の象徴であって、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基づく」となっている。ここに天皇マジックが隠されている。前文で国民主権を謳いながら、本文は「象徴天皇」を国民が支えますになっている。「国民主権」条項は、他の条文のどこを探してもないのだ。無論、「民衆主権」など全くない。

 ここに権力者の都合で書き換えた改憲がグロテスクに見えてくる。日本の民衆は、天皇主権時代の惨禍を総括できぬまま、戦後を「高度成長」に向けてまっしぐらに走っていったのだ。

 近頃の立憲主義論も、そうだから、根が浅い。権力者の勝手を抑えるはずの憲法が、踏み倒されている。私も立憲主義に立つが、こうした矛盾だらけの日本国憲法の歴史的な弱点を押さえながら進むしかあるまい。

 私たちは歴史的な負から逃れることはできない。私が「この国は」と始める事の含意が、ここにある。「この国」とは、半ば国民が支えているものであって、政権だけを指していないのだ。政権を打倒するためには、私たち民衆が考え、変わらなければ不可能だ。地道な努力が間に合わなかったとしても、これしか残された道はない。焦ったところで、悪貨は良貨を駆逐することにしかなるまい。

 考える友を、学ぶ友をつくりだそう。

以下予断。昨日ある人のツイッターを見たら、友が沖縄に来ていた。なんで連絡してくれないのと伝えたら、色々とやりとりができた。Cメールは70字だから難しいやりとりは不可能だが、だからこそ相手との信頼関係が大切だ。70字だから前提がなければ話が通じない。だからこそ気をつかう。



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