<2010年7月6日に書いた記事ですが、復刻します。>
某テレビ局の番組を見ていたら、大腸ガンによる死者が増えていて、女性では癌の死亡率で1位、男性では3位で、5年後には男女ともトップになると報じていた。なぜ大腸ガンによる死者が増えたかというと、食生活が欧米化して肉食が多くなったからだと言われている。
それはともかく、私も55歳の時に大腸ガンの手術をして助かった経験があるので、この癌については敏感だ。要は「ガンの早期発見」が最も重要で、発見が遅れるのが一番悪い。
大腸ガンの検査はお尻から内視鏡を入れてするのが一般的だが、女性は「恥ずかしい」とか「痛そう」とか言って、なかなか受けたがらない。しかし、それは駄目だ。一刻も早く癌を見つけることが、転移などを防いで助かる道なのである。
内視鏡検査は医師の手腕によって違ってくるが、上手な医師だとたった5分ぐらいで痛みもなく済ませてしまう。 また、悪性のポリープがあれば、EMR・内視鏡的粘膜切除術というもので10分程度で切除してしまう。早期の大腸ガンであればそれで治療は終りだ。実に簡単である。
しかし、それを放っておくと、癌が腸壁に奥深く食い込んで腹腔鏡(ふくくうきょう)手術や開腹手術が必要になる。私の場合は、ガン発生から少し経っていたので、腹腔鏡手術をして(大腸を40センチほど切り取る)ようやく助かった。あの時、ガン発見が遅れていたら今ごろブログなどやっているわけがない。
ポリープは良性もあれば悪性もあるので、早く切除して調べれば大事にはならない。昨日の放送で知ったのだが、問題は悪性度が高い「陥凹(かんおう)型大腸ガン」である。これは表面が“くぼんだ癌”で、一見すると何でもないようだが、転移率が高くて厄介なものである。しかし、これもEMRで早く取り除いておけば済むことだ。
大腸ガンの検査は今や非常に進歩している。昨日の放送では、CT(コンピューター断層撮影装置)を使った「CTコロノグラフィ」という検査法を紹介していたが、これは肛門から細い管を5センチぐらい入れて撮影するもので、わずか10分程度で大腸内の全容が分かる。内視鏡のように奥深く入れる必要はないのだ。
そうすると三次元(3D)映像が沢山撮れて、ポリープの位置などが全て分かるのだ。全く痛みがないという“優れ物”である。今や最先端の病院やクリニックがこのCTコロノグラフィを導入しつつあり、検査費用は3万円ぐらいとのことである。詳しいことは病院などに聞いてほしい。
私は大腸ガンの体験者として言いたいが、とにかく癌の早期発見が第一なのだ。簡単に治せるものも、発見が遅れれば取り返しのつかないことになる。あの世へ行ってしまうのだ。大腸ガンの死者が男女とも1位にならないように、早期検査、早期発見を強く訴えるものである。(2010年7月6日)