武弘・Takehiroの部屋

日一日の命

ジストニアと書痙

2024年09月17日 04時20分46秒 | 経済、生活一般、衣食住など

<以下の文を一部修正して復刻します。>

 以前、スポーツ紙の芸能欄に、人気男性デュオ「コブクロ」のボーカル・小渕健太郎さんが、発声時頸部ジストニアを発症したという記事が載っていた。それによると、高い音域の声を出そうとすると、首周りの筋肉が異常に硬直してしまい、声が出しづらい症状が続いていたというのだ。
 私は「コブクロ」というフォークデュオを全く知らなかったが、興味を持ってさらに読んでいくと、ジストニアという病気の意味がだいたい分かった。ジストニアとは、ある動作をしようとすると、自分の意思に反して体の筋肉が異常に硬直する病気なのだ。そして、精神的ストレスが掛かった時などに症状がさらに強くなるらしい。(以上、「スポーツニッポン」の記事より)
私はこれを読んで、ハッと我に返る思いがした。というのは、40年以上も前になるが、記者をしていた時にメモを取ろうとすると手が震えたり、緊張の余りか手が硬直して動かなくなったことがあるからだ。そういう状況が2~3年続いただろうか。あれは、間違いなくジストニアである。
当時は、そういう状況になっていたことを恥ずかしくて誰にも言えなかった。メモが取れないようであれば、記者として“失格”である。妻にも言えなかった。しかし、いま初めて誰にでも言えるような気分である。なぜなら、そういう状況が立派な(?)病気だと分かったからである。

それでいろいろ思い出したのだが、ある有名なプロゴルファーが最終ホールでパットをしようとしたら、手が動かなくなってどうしてもパッティングが出来ない。かなり時間がたって、彼はようやくパットをしたのをテレビで見たことがある。
また、国会の証人喚問に呼ばれた某航空会社の役員が、冒頭で署名する時にどうしても手が動かず難渋していたことを思い出す。あれも間違いなくジストニアである。
こういう病気は、精神的なストレスが掛かるとますます酷くなるようだ。先ほどのプロゴルファーも航空会社の役員も、衆人環視の中で動作をしようとすると、どうしても“人の目”が気になってくるのだ。そうすると、それがかえって重圧となり筋肉が異常に硬直したのだと思う。
 私も同じような症状だった。人に見られていると思うと、ますます動作が出来にくくなる。そうなると、手が震えて字がミミズのようにひん曲がってしまい、そんな字を人に見られたくない、また手が震える自分を見られたくないという思いが強まり、ますます“自縄自縛”の状態になってしまうのだ。(書痙・・・http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9B%B8%E7%97%99
そして、内勤の記者をしていた時、私はついに醜態をさらしてしまった。外勤の記者からの原稿を電話で受けようとしたら、手が震えてどうしても字が書けないのだ。近くにいた後輩がびっくりして、代わりに原稿を受けてくれた。その直後、私は悲しみと“絶望感”に打ちひしがれたのである。もうやっていけないと思った。

以上がジストニアに関する症状だが、これを治すには時間的、精神的な余裕を回復する以外にないのではないか。ウィキペディアにはいろいろな治療法が出ているが(ジストニア・・・http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%8B%E3%82%A2)、それはそれとして、ゆっくりと休んで心身症だか神経症の状態を治すしかない。
こういう病気は、生真面目で緊張しやすい人に多いようだが、一種の職業病だろう。先に述べた「書痙」は、速記者や文筆家、教師らに多いそうだ。私は今でも、軽い症状が現われることがある。
 ジストニアは誰にも起きる病気だろう。今回、「コブクロ」の小渕君がそうなってしまったが、彼は半年ぐらい活動を休止しているという。どうかじっくりと治療してもらって早く復活して欲しいものだ。 ジストニアが立派な(?)病気と分かって、自分も気が楽になった感じがする。


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