八柏龍紀の「歴史と哲学」茶論~歴史は思考する!  

歴史や哲学、世の中のささやかな風景をすくい上げ、暖かい眼差しで眺める。そんなトポス(場)の「茶論」でありたい。

☆☆猛暑の夏と2023年秋学季講座のお知らせ☆☆

2023-09-29 11:49:43 | 〝哲学〟茶論
 とにかく今年は暑い毎日でした。
といってももう9月もあとわずかというのに、暑い日々が続きます。

<大磯北浜海岸から伊豆半島を望む>

その暑い夏のさなか、
わたしは長年、住みなれた東京の世田谷から、
神奈川県の中郡、
郡というのも秋田以来でなつかしい・・・。
その中郡の大磯町に転居しました。

ふと大都会である東京での暮らしを整理して、もう一度、物事の現実と真実を洗い出してみようと思っての転居です。
もちろん、それは東京に居たってできることなのだと思いますが、
そもそもが田舎で育ったわけで、
東京では見えにくいことも、またあからさまに見えていたことも、
湘南とは言え、どちらかというと田舎であるこの地で、
じっくり見据えることができるかなと思い立って、転居をきめました。

引越しその他の整理、
多くはこれまでの持ち物を捨棄することに費やされましたが、
そうしたことに思ってもみない手間がかかり、引越自体も東京との往復が3日に及び、
いちおう生活ができるようになるのに、約1ヶ月かかりました。
ネットがひけたのも、つい2日前です。

しかしながら、
そうしたなか世界は至るところで武張った権威主義が蔓延り、
戦火は止むことがなく、
この夏の猛暑でもわかるように地球は各所で悲鳴をあげ、
いくらSDG❛sが叫ばれても、
そうした戦争も環境破壊もその元凶が、
欲望を原動力にする「資本主義」論理にあることは自明であるのにかかわらず、〝新しい資本主義〟などとまるで雲をつかむような詭弁を誇らしげに語る輩に、したり顔で与し、あるいは身を任せている人びと・・・。
 そんなことをすこしばかりの絶望混じりの白昼夢を見ているように、
この地では感じられています。
未来について考えず、自己の狭い現実に惑溺する愚かさを
感じざるをえません。

そんななか、恒例の講座をこの秋にまた開講します。
今回は、ポストコロナを意識して、
池袋のとしま区民センター会議室を会場に、
対面での講座となります。
もちろん、zoom配信もアーカイブでの送付も行います。
より議論の場を確保する。そうした交歓を第一義にしての講座です。
ぜひご参加ください。

テーマは『〝君が代〟と「アリランの歌」』
 ~「国境」と〝差別〟の現実~
 です。
 
 差別と偏見の起源を見直そうという試みです。
 かつて寺山修司は、
〝笑い〟の起源は〝差別〟にあると述べましたが、
差別や偏見は過去現在を問わず、だれでもどこでも、
日常というありきたりの空間に、生起しているものです。
 しかし、それがときとして人びとに侮蔑と憎悪を植え付け、いつしかとんでもない厄災として降りかかり、
大量虐殺や未曾有の戦争として現れ出てくることがあります。
あるいは歴史上、植民地支配など、支配権力による長い抑圧になって現れ出てきます。

 その意味で、この国のもっとも卑近な例としての部落差別、朝鮮人差別などをしっかり見据えることは、差別や偏見というわたしたちの隠微な情緒を見据えることにもなるかと思います。
 flyerの「講座内容」にも書きましたが、
そうした問題を必要以上に深刻ぶらず、
悲惨な事実として大声で糾弾することもなく、
わたしたちのありきたりの日常のなかから眺めていこうと考えています。

 ちなみに3月上旬(日程は未定)にflyerにもあるとおり、
「講外講」として、みなさんと「ソウル紀行」を計画しています。
 万障お繰り合わせの上、ご参加いただければ幸いです。


以下、flyerの要約です!

NPO新人会2023年「歴史と哲学」
     秋学季講座
◆時代に杭を打つ!◆
 対面講座!
〝君が代〟と 
  「アリランの歌」
  
~「国境」と〝差別〟の現実~
◇初講日 2023年10月14日土曜日 
◇期間:<全4講>2023~24年
     10月14日~1月13日
◇日時:各月第2土曜日・第3講のみ日曜日開講
 <午後14時~16時>
◇会場:としま区民センター会議室
(JR池袋駅下車東口徒歩5分)     
 *全講zoom・アーカイブで受講可能
◇受講料:全講受講6000円<4回分>
*学生3000円  
◇附記:各講毎、事前にPDFでレジュメを送付。それに沿って講座は展開されます。
【講座内容】朝鮮人への日常的な軽侮や差別、「在日」への偏見は、どこに起源があるのか。一方、差別される側である彼ら彼女らの〝ニッポン=ilbon〟への憤りや怨恨、その深淵さを、わたしたち日本人はどう考えればいいのか。そもそも〝差別〟や〝偏見〟はマジョリティmajorityが、あるいは立場的に優位にある者が、少数者や劣位にいる者を虐げ翫ぶ邪悪な心理だと、言葉では括れます。しかし、そもそも〝差別〟の歴史は古くその現実もなかなか変化しない。いつも絶えることなく、世の不満や疎外感を温床に隠微に人びとの心理に横たわって噴出してきます。秋学季講座では、そうした〝差別〟や〝偏見〟という重いテーマを、深刻ぶらず、また悲惨な眼差しを振り向けるのでもなく、いまの現実として4回にわたって考え直そうと思っています。講外講のソウル紀行も含め、みなさんのご参加を、お待ちしております。
【日程とテーマ】
・第1講(10月14日)
:朝鮮・韓国。〝差別〟の歴史と現実
            ~差別の論理と倫理。
・第2講(11月11日)
:阪済航路と「君が代丸」
          ~資本主義と
                衛生思想が生む優位性。
・第3講(12月10日)
:〝韓流〟と〝Kポップ〟への傾斜
          ~「嫌韓」と「好韓」のあいだ。
・第4講(1月13日)
:「アリランの歌」と〝君が代〟
       ~ルサンチマンと抒情の行方。
☆講外講☆
:3月上旬、ソウル3泊4日、盛りだくさんの旅
 ソウル紀行~仁川作戦記念館、
                         西大門刑務所、
                         38度線、
       堤岩里などを探訪!
*講座のお問い合わせ・お申し込みは
E-mail:
npo.shinjinkai1989@gmail.comまで
*なおお申し込みと講座料の入金は、10月11日までにお願いいたします。
◆振込先:みずほ銀行自由が丘支店(533)
    口座番号 普2775768
 特定非営利活動法人新人会まで
*お名前をカタカナで印字してご入金ください。
   よろしくお願いいたします!


  <大磯 高来(高麗)神社と高麗山>

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