映画「億男」をAmazonプライム・ビデオで鑑賞。宝くじファンとしては、極めて興味のある作品。
主人公は、兄の作った借金3,000万円を返済をする為、図書館司書の仕事の後、深夜パン製造工場で働いている。
妻と愛娘はこの最中家を出て行く。
そんな中、宝くじが3億円当選した。
みずほ銀行で、別室に通され、当選者への心得的なガイドブックを渡されて説明されるシーンは実にリアルであった。
帰り道に牛丼屋で食券を買うシーンがあるが、いつもの一番安い物を押そうとしてやめ、もう千円入金して高い食券を押す。気持ちの変化が感じられた。
しかし、この大金を前に、どうしていいか分からない主人公。
そんな中、大学時代の親友を思い出す。彼ならどう向き合うかアドバイスしてくれるはずだ…
大学の落研で一緒になったその親友であった。得意の演目は「芝浜」。
親友は、バイト代を貯めて株式投資していた。1億の資金になっていた。その資金をどのように活用すべきか考えていた。
ネットで物を売買するアイデアがあり、主人公と海外旅行の際のハプニングから決断、中退して起業した。
その会社は急成長を遂げた。提携話で200億でその会社を売り、仲間と分けて彼は100億万長者になっていた。
11年ぶりに再会した親友は、全て現金化するように主人公に言う。ためらう主人公であったが、言う通りにバック二つに3億円を入れて持ってきた。
親友は、札束を並べながら、一万円札は一枚1グラム。3億円は、30キロとなるなど話す。そして少し使おう、と束を取り出す。
その夜、盛大なパーティーの中、酒を煽り金をばら撒き酔い潰れた。
翌朝起きると、周りは誰もいない。金と共に親友の姿もない。
親友を探す中、親友が起業した会社を売却して行く過程が浮き彫りになって行く。
その200億円を分散した親友のかつての仲間達に会って行く。
親友は会社を売ることは反対していたが、仲間達は売るべきだと迫った。
会社売却後の仲間達の生き様も描かれていた。
お金の正体は?
同時に家族模様も描かれ、宝くじが当たり借金も返せるし家や車を買える、やり直そうとするが、妻子とは別居ではなく、離婚となった。
娘が自ら始めたいと言ったバレエの発表会を目に過去がフラッシュバックされ、主人公は泣く。
帰りの地下鉄の中、親友が3億円入ったバック二つを手に現れる。
落語「芝浜」を実演したということだった。
親友は、先に電車を降りた。追う主人公に、
「また夢になっちゃいけないからな」と。
最後、妻子の住むアパートの玄関口に娘が欲しがっていた自転車を置く。
「あのお金で最初に買ったものです」
と手紙が添えられていた。
それを読み、微笑む妻の顔。
・・・
私が当選したらどうするだろうか。