1986年に最初のテレビシリーズが開始されてから30年。同じスタッフとキャストで続いてきた人気シリーズの最新作が“さらば”の冠をつけてスクリーンに帰ってきた。舘ひろしと柴田恭兵演じる型破りな刑事タカとユージが変わらぬ姿を見せる『さらば あぶない刑事』で、シリーズを通しカオル役として愛されてきた浅野温子が、終始豪快な笑い声を響かせながら、「一瞬で戻れた」と、『あぶ刑事』シリーズの魅力と最新作の撮影を振り返った。
「タカとユージが帰ってきたってことに尽きると思うんですよ。あのふたりが当時のスタイルのままで帰ってきた。これ以上、ファンの人にアピールするものってないと思うんですよね」と最新作の見どころを語る浅野。
定年を間近に控えるタカとユージが、最後の戦いに挑む本作は、リアルさを求める映画が増えるなか、エンターテインメントに徹することで、往年のファンを喜ばせるとともに、新たなファンにも新鮮さを持って受け入れられるテイストに仕上がった。浅野扮するカオルも今や名物となったコスプレを存分に披露して印象を残す。
「リアルさの追求なんてしたら、カオルは存在すらできないでしょう」と大きな声で笑う浅野。「でもカオルちゃんもねぇ、署内だけならまだしも、街中を歩くときはもうちょっと考えた格好をしたほうがいいよねぇ」とぼやいた風を見せる浅野だが、今回、披露するきゃりーぱみゅぱみゅルック(!!)をはじめ、登場シーンでの怪しいフランス人風、和装テイストなど、派手でインパクト大のコスプレの数々はすべて浅野のアイデアを取り入れている。
「カオルちゃんのメイクや衣装は私の意見でお願いしてます。それで30年来ました(笑)。今回も、周りは監督を含めて『カオルちゃん、もうちょっと抑えたほうがいいんじゃないの?』なんて言ってましたけどね(笑)。大人しくなっちゃったらカオルじゃないでしょ。今回も、ぱみゅぱみゅちゃんの格好ができないなら、出ない! なんて駄々をこねてね(笑)」。『あぶ刑事』以降の世代には、トレンディドラマのクールなワンレン浅野温子のイメージも強く、本作ほどのコスプレには浅野が難色を示したのでは? と思いそうだが、実は浅野自身の強い要望なのだ。
「わたしが撮影入りしたのはタカとユージの前にフランス人風の格好で現れるシーンだったんだけどね。もう舘さんと恭兵さんが冷たいったらないの。相変わらず、私、カオルのことを完全に無視。あ、この冷たい空気、来たな!っていうね(笑)。一瞬で『あぶ刑事』の世界に戻れますよね。そこに(仲村トオル演じる)透が入ると、年下にまで無視されちゃう(笑)。このがんじがらめの冷たい空気がたまらないわけ。まぁ、私を、カオルをみんなが愛しているっていう裏返しなんですけど。って本当かな(笑)」。
カオルを、そして『あぶ刑事』の世界を愛しているのは浅野自身も同じだ。「“さらば”なんて絶対に嘘だよって思ってる(笑)。ただね、監督もスタッフもみんな歳を取ってきちゃったからねぇ(苦笑)。でもカオルにはずっとパワフルでいてほしいと思ってますね。ずっと金と男を追い続けてほしい。自分のスタイル、いやファッションを貫いていってほしいですよ。アッハッハ!」。底抜けに明るい浅野が演じるカオルも、時代を超えて愛される『あぶ刑事』の世界も、不変だ。『さらば あぶない刑事』は1月30日より全国公開。※引用しました!
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