２軍落ち

（セ・リーグ、阪神２－６ＤｅＮＡ、３回戦、１勝１敗１分、１日、京セラドーム）阪神のドラフト１位ルーキー、伊藤隼太外野手（２２）＝慶大＝の２軍降格が１日、決まった。開幕戦に続いて、ＤｅＮＡ戦に「７番・右翼」で先発したが、３打数無安打。２試合で５打数無安打３三振１四球だった。今後は２軍に帯同し、調整する。

　現実を受け止め、京セラドーム地下の薄暗い駐車場で前を向いた。貴重な経験と、味わった悔しさをカバンに詰めて鳴尾浜へ。２月１日のキャンプインから、ちょうど２カ月。Ｄ１位・伊藤隼太外野手（慶大）の２軍降格が決まった。

　「ここが一番とかではなく、全部が足りないので、下でしっかりやってきます」

　九回一死から四球を選びプロ初出塁こそマークしたが、それ以外では結果を出せなかった。マートンが故障で開幕に間に合わず、回ってきた開幕スタメン。だが、２試合で計６打席で５打数無安打。試合をまたいで３打席連続三振もあった。力不足を痛感したルーキーに、試合後、和田監督が直接、声をかけた。

　「頑張ってこいと（話した）。守備も走塁も、もっと勉強することがある。数多く試合に出て、ということ。プロとしての基本をもうちょっと練習して試合をしてね。レギュラーを張っていくには、もう一回基本的なことからやらないと」

　指揮官が言葉をかければ、片岡打撃コーチも「１軍のボールを見られたことはいい経験。足りない部分が分かったと思う。すぐにまた戦力になって戻ってくるのを期待している。これからの選手なんやからね」とエールを送った。

　「（１軍を）経験できたことがすべてです。本来の自分のレベルでは出場できないようなところを経験させてもらえた。下（２軍）でやるモチベーションになります」

　意気消沈はしていない。首脳陣からのメッセージは胸に刻んだ。練習し、成長し、はい上がってみせる。１軍の舞台で羽ばたくため、猛虎の“隼”が再出発する。